それではどうぞ!
「マスター。ミッショングラウンド10周、完遂しました。次の指示をお願いします。」
トレセン学園のグラウンドにて、ミホノブルボンはトレーナーの指示の元、トレーニングを行っていた。
「うん。お疲れ様〜。じゃあ少し休んだら1回タイム測って、今日は終わりにしよっか。」
「承知しました。ミホノブルボン、出ます!」
「休憩とってからだからね!?」
現在は肩を抑えられ無理やり座らせられているが、割とよく見る光景なので「仲良いなぁ」と思われる程度で、特に悪目立ちすることはないのが不思議な所である。そんな少し変わった日常が今日も過ぎていくのであった。
「マスター。今日もご指導ありがとうございました。」
私ミホノブルボンは今日もマスターのご指導の元トレーニング、完遂しました。マスターとのトレーニングはすぐに終わってしまいます。…ステータス⦅不満⦆を確認。私はもっと一緒に居たいです…
「ブルボンも今日もお疲れ様!明日は休みだからゆっくり休んでね。」
「オペレーション休息指示、承認しました。…ところで、マスターは明日ご予定などは?」
私はマスターに対して明日の予定があるか質問します。
「明日?特にはないけど…どうして?」
「いえ…その…私は1人で休日を過ごせる自信がありません。そこでマスターに近くに居て頂ければ、私もしっかりとした休息をとれると判断しました。…要求の受諾をお願いします。」
ミホノブルボンはトレーナーに理由を聞かれると、少し悩むような仕草をしたものの、しっかりと明確な理由を伝えた。
「うん、構わないよ。じゃあ明日は一緒に過ごそうか。」
「!!! 受諾を確認。ありがとうございます。マスター」
「大丈夫だよ!むしろ俺なんかで良ければ喜んでって感じ」
「それでは私は準備があるので失礼します。マスター、今日はありがとうございました。」
「うん!お疲れ様〜」
ミホノブルボンの要求をトレーナーは笑顔で受諾した。するとミホノブルボンは尻尾を嬉しそうにブンブンと振りながら、生徒寮へと戻っていった。
→その後…
私は外の空気を吸うために歩いていました。…あくまで外の空気を吸うためです。決してマスターにもう一度会いたいからなどではありません。なので今マスターの部屋の窓の付近に来たのもたまたまです。わざとではありません。
そう自分に言い聞かせるが、彼女の足はそのままトレーナーの部屋の窓の前まで近づいていく。圧倒的確信犯である
しかし中にはもう1人誰かがいます。音声データを参照するに…ライスさんのトレーナーでしょうか?こんな時間に何をしているのでしょうか?…好奇心の上昇を確認。これよりマスターとライスさんのトレーナーとの会話の録音モードに入ります。
そうして彼女は窓の近くに耳を近づける。あわよくば自分のことを好きと言うようなことを聞ければいいなと思いながら聞き耳を立てたが、すぐに後悔することとなる。
「いや、俺ブルボン嫌いだから要らないわ」
「……え?」
え?マスターが、私のことが嫌い?そんなはず…だってあの時は…何故…なんで…?
ミホノブルボンは自身を嫌いという言葉を聞き、激しく同様していた。
それはライスシャワーのトレーナーも同じであり、とても動揺していた。
「え!なんで!?少し前までは好きだったじゃん!」
「まぁ色々とあったんだよ…てか暑いな…窓開けるか…」
あ…マスターがこちらに接近しています…このままでは高確率でマスターと接触してしまう…早く…この場を離れなければ…
彼女は様々な感情が混ざり合い、放心状態であったが、何とかトレーナーが窓を開けるよりも早くその場を立ち去ることができた。
そのまま彼女は自分の自室へと飛び込んだ。
ステータス⦅悲哀⦆⦅絶望⦆⦅困惑⦆…エラー発生、情報の処理に失敗しました…私は何処で貴方の気持ちを害してしまったのですか…?私はどうすれば貴方からの好意を取り戻せますか?
「ますたぁっ…ますたぁっ!」
その夜は自身が嫌われていたという真実が胸に突き刺さり、泣き疲れて眠るまで涙を流し続けた。
→次の日
「おはようブルボン!今日はよろしく!…なのかな?」
マスターは私に対して笑顔で挨拶をしてきた。…この笑顔の裏側には、私に対する憎悪が込められているのでしょうか?
「…マスター、こちらに来てもらってもよろしいですか?」
「うん!大丈夫だよ〜。どうしたの?」
私はマスターを自身の近くまで誘導する。そして
「⦅質問⦆マスターは、私が嫌いなのに、何故この部屋に来たのですか?」
「…うん?」
単刀直入に、私が昨日から感じていた疑問について質問した。
「過去のデータログを参照すると、マスターは私のことを良く思っていません。なのに何故、今日は私の部屋に来たのですか?」
「えーと…え?」
マスターは酷く困惑している。それはそうでしょう。自分が隠していると思っていたことが、本人にバレていたのですから。ですが、もうこれで終わりにしましょう。
「マスター。私は契約の破棄を提案します。」
これが私が最後に出来る、最後の恩返しだ。
「これを承認して頂ければ、マスターは私をわざわざ説得、及び説明する手間が無くなります。これによって他の作業の効率化に繋がるはずです。なのでマスター承認を」
「いや待ってくれ!どういうことなんだ!?」
マスターから⦅動揺⦆のステータスを確認。畳み掛けるなら今です。
「承認して下さったら、私は貴方の前に二度と姿を表さないと約束します。だから…」
「貴方の口からは、別れの言葉を言わないでください…!」
私は涙ながらに訴えた
「この方法なら…私はまだ耐えられます…ですがっ!マスターからまた嫌いなんて言われたら…私はっ…!」
我ながら無様な姿だ。子供のように泣きじゃくって気持ちを伝えて。これでは更にマスターに嫌われてしまいます。
しかし、トレーナーの表情は失望や怒りではなく、何かに気づきそうなのか、顰め面で私に質問してきた
「…昨日の夜、マスターの自室から聞こえてきました」
するとトレーナーは「あ〜〜〜…」と、何かに納得したような顔をすると、「直ぐに戻る」と言って部屋を後にした。
そして1分も経たぬうちに戻ってきた。
「ただいま…ところでブルボン。ここ、なんて書いてあるか分かる?
」
そうして1つのお菓子を私の方に向けてくる
「…ブルボン?」
「そう。ブルボン。このお菓子グループの名前だよ。」
確かにそこにはブルボンという文字が書いてあった。私は先程あんなに流していた涙が一瞬にして引っ込んだ。…ステータス⦅羞恥⦆を確認…嫌な予感がします。
「昨日のライスシャワーちゃんの担当のやつが、『お菓子の詰め合わせが当たったからあげる!』って部屋に来たんだが…この種類のやつは食べすぎて逆に嫌いになっちゃってさ。…多分、ブルボンが聞いたのはその部分じゃない?」
…………………………なるほど。つまりは全て私の勘違いだったと?…なるほど…なる…ほど…
「ミホノブルボン、発進!」
「いや待って!?気持ちは凄くわかるけど待って!?恥ずかしかったのは分かるけど走らないでぇぇぇぇぇ!!!!」
→数分後
「ブルボン。この体制落ち着く?」
「はい。気分の高揚を確認。とても幸せです。」
私は現在マスターにベットに座ってもらって、その膝の上に乗っかり、後ろから抱きしめて貰っています。とても幸せで、落ち着きます。
「なんかこうやって後ろから抱きしめてると、恋人になったみたいで恥ずかしいなぁ…」
そう言ってマスターは恥ずかしそうに笑う
ああ、なるほど。少し前から確認されている。原因不明のステータス。マスターの傍にいるととても幸せな気持ちになれたり、離れるのが嫌だったり、いつもマスターのことを考えてしまう。このステータスの正体は…
「恋。」
「ん?」
「マスター。私は貴方に対して恋をしています。」
ステータス⦅恋⦆それがこのステータスの名前だ。
「マスター。私は貴方のことを心の底から愛しています。そして、この世の誰よりも貴方を愛すことが出来る自信もあります。」
「ブルボン…」
「ですから、私を貴方の恋人に、彼女にしてくれませんか?」
私は上目遣いでマスターに問う
「うん、こちらこそ。俺なんかで良ければ喜んで。」
「!!!マスター!」
私は体の方向を変えて、マスターに抱きつく
「おっと…こんな姿、普段は絶対に見れないな。」
「当然です…こんな姿は、マスターにだけ、恋人である貴方にしか見せません…」
「…嬉しいこと言ってくれるねぇ」
そう言ってマスターは私の頭を撫でてくれる。
「幸福度の上昇を確認…もっと…もっと撫でてください
…」
私はマスターに体を擦り付け、もっと撫でてと甘える。
それに対してマスターは優しく私の頭を撫でることによって応える。
幸せです…本当に…
本当なら、キスや、デートなど色々なことをしたいが今はこれで我慢しよう。
こうやってトレーナーと向き合って見つめあって、撫でてもらって、温もりを感じて…この時間が、とても幸せだった。
ですが、恋人になったことによって愛が抑えられなくなったミホノブルボンが、トレーナーに結婚を求めて追いかける姿が、新しいトレセン学園の変わった日常風景になるのは、また別のお話…
どうでしたでしょうか?ミホノブルボンのお話は難しいですね…滅茶苦茶時間かかっちゃいました…いつもこんな時間になってしまってすみません…
ですが、何とか甘さは出せたと思います!
そしていつも閲覧、コメント等ありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!
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