自分にとっては普通なことが、他の人からしたら普通じゃないみたいなことってたまにありませんか?
今回はナリタブライアンにとっての普通が、少しズレているというお話です!
甘さの方向性がいつもと少し違う…かも?
それではどうぞ!
私ビワハヤヒデは心配だった。
妹であるナリタブライアンはとても強いウマ娘だ。彼女の初めて走ったレースでは、他の子とは圧倒的な差をつけて勝利し、彼女の元へはトレーナーが殺到した。皆が口を揃えて「担当になってくれ!」と言っていた。
結局彼女はその中の人からは選ばず、自分の『渇き』を満たしてくれるトレーナーを自分で選んだ。彼女が選んだ人なら悪い人ではないだろう。
その点においては全く心配していない。私が心配しているのは彼との関係だ。
彼女は感情をそんなに前に出さない。そのためお互いの関係が悪くなっていないか。勘違いをされていないか、とても心配だった。
最悪の場合既に契約解消の一歩手前まで…などと想像し始めたらいてもたってもいられなくなり、私はブライアンに話がしたいとだけ告げ、すぐに彼女の部屋へと足を進めるのであった。
「突然なんだ姉貴、話がしたいなどと…せめてもっと詳細に内容を教えてくれ。こっちとしても準備などがあるから困る」
「それに関してはすまなかった…」
私はこの部屋に入った時点で多少の違和感を覚えた。まず彼女はそんなにファッションや内装などに拘るタイプではない。だというのに部屋の内装は前よりも可愛らしく、俗に言う女の子らしさが増していた。
ベランダに干されている服もそうだ。昔の彼女では絶対に考えられないであろうフリルのついたスカートや、季節の服といった、こちらも女の子らしさが増している。しかし前に好んで着ていたズボンも干されていたため、履かなくなったわけではないのだろう。少し彼女が使うにしては大きい気もするが、それは見ている場所から距離があるからだろう。
「それで?話とはなんだ?」
「いや、たいした話ではないのだがな?トレーナー君と上手くやれているか気になってな。ブライアンは感情をあまり出さないからな」
「そんなことか。別に他と変わらん。問題は特にない」
「ならいいのだが…」
ブライアンはそう言っているが、やはり不安が完全に無くなる訳ではない。私は少し顔を顰めた。
「…信じていないだろう。そうだな…例えば…」
そうして彼女は姉の不安を払拭するため、トレーナーとの出来事を話し始めた。
その日ナリタブライアンはトレーナーと共に買い物に来ていた。買い物と言っても日用品の買い出しであり、デートのような可愛らしくものではなかった。あくまでトレーナーは荷物持ちという名目の元ついてきていた。
「別に付いてこなくてよかったんだぞ?…折角の休みなのだから家で休んでいても良かったのに」
トレーナーは今日が久しぶりの休日であり、最近は特に疲れているようだったので、本音を言えば家で休んでいて欲しかった。
「普段は家事とかをやってもらってるからね。これぐらいの手伝いはさせてくれ。」
「別に…私はなすべきことをしているだけだ。」
しかしトレーナーは日頃ご飯や一部の家事をしてもらっているからこれぐらいは普通と言って聞かなかったため、こうしてついてくることを許可したのだ。決して一緒に出掛けたいとなどと思ったわけではない。私たちはそのままデパートへと足を進めた。
「ブライアン。確かもう味噌が切れるはずだ。」
「そうだったか。ならば二袋買っておこう。あとは…」
「シャンプーと台所洗剤だ。」
「そう。それだ。」
トレーナーに言われたようにシャンプーと台所洗剤を買い物かごへと入れていく。あとは…
「…これは?」
私は今回の買い出しとは関係のない、彼が好きな甘いスイーツを買い物かごに入れた。トレーナーは私が普段無駄な物を買わないことを知っているため、不思議そうな目でそれを見つめていた。
「確かアンタはこれが好きだっただろう。…最近仕事が忙しかったから多少のストレスもたまってるだろう。これでも食べて疲れを癒せ。…疲れている貴方を見るのは…好きじゃない。」
「…サンキュな」
トレーナーは私の頭を軽く撫でる。そうして買い出しを済ませた後は、
「…どうだ?私たちは別に不仲ではないだろう」
「……んん??」
確かに彼女たちの関係は不仲ではなかった。しっかりやれているようで安心したものの、なんというか…その…
距離感近くない?
何かその距離感はもうトレーナーと生徒の関係じゃなくて、付き合ってる?いや、それどころか…
「何だ、まだ納得しないのか。」
「いや、そういう訳ではないんだが…んー…?」
「…なら、これならどうだ?」
そうしてブライアンは別の出来事を話し始めた。
その日は2人ともが休みの日であった。本来であればトレーナーと休みが同じなのが普通なのだが、この時期はトレーナーが特に忙しく、なかなか同じ日に休みが取れなかったのだ。
「…おい。」
「お茶な〜…ほらよ」
「助かる」
私がトレーナーに
「気にすんな…あ、そうだ」
「洗濯機はもう回した。ポケットの中に入った鍵は玄関に戻した。…いつも入れっぱなしにするなと言ってるだろう」
トレーナーはポケットに鍵を入れたままなことを思い出したのだろう。しかしそれは既に玄関に戻してある。
「いやぁすまない…帰ってくると安心してしまってなぁ」
「…日頃仕事で疲れてるのだ。多少は目を瞑ってやる。」
事実トレーナーは帰って来た時はいつも疲弊している。疲れている状態なら多少は忘れてしまうのはしょうがないだろう。結局私が洗濯する時に確認するのだ。
「…なぁ」
「いいよ。おいで。」
私がそちらに近づきたいと告げると、トレーナーはソファのスペースを広げてくれる。私はその開けられたスペースに座……らず、そのままトレーナーの膝に頭を乗せて寝転がった。
「おぉ…珍しいね、そんな気分なんだ?」
「…いいから撫でろ」
「もちろんさ。」
そうしてトレーナーは慣れた手つきで頭を撫で、そのまま本を読み続ける。私は彼の手の感触を味わいながら、私も本を読むことに集中した。
「…どうだ?これでもう信じられるだろう。」
「…うん。…うん。」
なるほど、ようやく分かったぞ。この違和感の正体に、そもそもこの部屋に入った時点で気づくべきだったのだろう。いや、いいことなのだが…うん…びっくりした。
「…まさかまだ納得しないとは言わんだろうな?これ以上は時間を割けんぞ」
「いや大丈夫。もう十分だ。」
時計を見たら思いの外時間が経っており、この部屋に来た時は16時ぐらいだったのだが、いつの間にか19時まで時間が経っていた。
あぁそうか、これぐらいの時間になるとそろそろか。やはり…この関係は…
「ただいま。今日は結構早めに帰ってこれたよ〜」
「おかえり。夕食も風呂も出来ている。」
そうして彼女たちは軽く口付けをした。
「彼女たちの関係は、もはや夫婦のような関係だったのだな…」
ビワハヤヒデは納得したように頷いた。目の前で行われる行為に少し顔を赤めながら、バレないようにそっと彼女の部屋を後にし、帰ったらコーヒーを飲もうと考えながら、彼女は部屋に戻っていった。
「…ん?姉貴?いつの間に帰っていたのか。」
「あれ?ハヤヒデがいたのか。気づかないなんて、失礼な事しちゃったかなぁ…」
姉貴は気づいたら居なくなっていた。どのタイミングで出ていったのだろうか?彼は気づかなかったことが失礼ではなかったかと少し心配している。
「気にするな。話は既に済んでいる。特に問題はあるまい。」
「ならいいんだけど…」
「それで?夕飯と風呂、どちらを先にする?」
私は先程答えを聞けてなかった質問をもう一度する
「夕飯を先にしようかな。結構お腹が空いててね。」
「分かった。直ぐに準備しよう。」
「そう言えば、ハヤヒデとなんの話をしてたんだい?」
夕飯を食べながら、彼はそう聞いてきた。
「私とアンタが不仲じゃないか知りたかっただと。別に変ではないだろう。家事なんてエアグルーヴもしている。共に買い出しだってルドルフが、るな…?とか言いながらしている事だ。」
何を心配しているのだ姉貴は…と頭を抱える
「まぁまぁいいじゃないか。こうして過ごせている訳だしさ。」
「…あぁ。そうだな。」
私はその後はたわいない話をしながら夕飯を食べ、そこからはいつも通り風呂に入るなどの一般的なことをこなした後にいつも通り同じベッドで横になった。
…結局姉貴は何を心配していたのだ?よく分からかったが…まぁいい。
そんなことを考えながら他とはかなりズレているとは知らずに、トレーナーに体を密着させ直すと、そのまま就寝した。
式を挙げる時には、私たちの仲が良い事が分かるだろうしな。
いかがだったでしょうか?
ブライアンとトレーナーはこんな関係になってそうという考えの元描かせて頂きました!
ブライアンが何故生徒会メンバーのトレーナー事情を知っているかは…ご想像にお任せします!
そして今回も閲覧、コメント等ありがとうございます!誤字指摘やアドバイスもとても助かっています!
次回はリクエスト作品なので、少し時間がかかってしまうかもですが、なるべく早く描き終えたいと思います。
それでは!
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