ウマ娘とトレーナーの甘い日常   作:2度漬けウインナー

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凄い遅れてしまってすみません!色々と詰まってしまった…
今回はグラスワンダーのお話です!
彼女の性格的にしっとりとした甘さを出してみた…つもりです!
ちょうど限定衣装も登場したので、楽しんで頂けると嬉しいです!

それではどうぞ!


貴方の隣に、ずっと。

今日はとても過ごしやすい気候である。

空からは暖かい日差しが照らし、やさしい風が頬を撫でる。

このような日は…

 

「…久しぶりだなぁ。こんなにゆっくり過ごせるの…」

 

縁側で日向ぼっこをするに限る。

現在俺は実家に帰省していた。帰省と言っても正確には父と母が海外に旅行をしているため、その間の留守番をたのまれただけなのだが。

始めは断る予定だったのだが、ここ最近は忙しかったため休みが取れていなかったため、この機会にと理事長が気を利かせて長期休暇を作ってくださったのだ。

理事長には土産を買って帰らねばならならないと考えていると、後ろから声が聞こえてきた。

 

「お茶が入りましたよ。トレーナーさん。」

 

「…あ、ごめんね、わざわざありがとう。」

 

声の主は俺の担当ウマ娘であるグラスワンダーである。元々は一人で向かう予定だったのだが「一人だと自堕落な生活リズムが作られてしまいますよ~?」とか、「一人だと何かと不便だと思いますし~」などと様々な理由を元に一緒に連れて行くように説得され、最終的には「私が居ては…迷惑でしょうか…?」と潤んだ視線を向けられたため、こちらが折れてこうやってついてきてもらっているのである。

 

「本来なら俺が用意すべきだったのにな」

 

「ふふふ…構いません。トレーナーさんは最近忙しかったのですから、ゆっくりしてください。」

 

そう言いニコリと笑いかけてくる。申し訳ないという気持ちはあるが、ここで口を挟むのは逆に迷惑を掛けてしまうだろう。

 

「お隣失礼しますね。よいしょ…と。」

 

グラスは俺にお茶を手渡すと、そのまま隣に座ってきた。その時の表情はいつもよりも柔らかい気がした。

 

「やっぱり実家は落ち着きますか?」

 

「まぁ…実家ってのもあるが、田舎の静けさはやっぱり好きだな。グラスは大丈夫か?色々と不便な場所ではあるんだが…」

 

彼女を着いてこさせたことはいいのだが、ここは山奥にある訳では無いが、デパートに行くには車で30分はかかる位には不便なため、彼女は辛い思いをしていないか気になっていた。

しかしグラスはクスリと笑うと

 

「全然不便なんかではありませんよ。私はトレーナーさんと一緒に居られるだけで嬉しいので…」

 

「…おう。なら…いいんだけどさ…」

 

突然そんなことを言われたため顔を赤くした。しかしそれはグラスも同じで、こんなことを言うつもりは無かったのだろう。顔を赤らめてそっぽを向いてしまう。

 

(さて…どうするかなこの空気…)

 

少し甘い空気が流れ始め、どうしようかと考えていると、突然ガサッと庭の草むらから音がした。

グラスはとても驚いたようでガバッと抱きついてきた。

 

「きゃっ!?」

 

「うぉ!?…これは…」

 

大きな音を立てて草むらから出てきたのは、真っ白な毛並みの子猫だった。普段から手入れをされているのだろう。綺麗な毛並みをしていた。

この子が何処から来たのか、何処の子なのかを色々と調べたい所だが、それよりも前に…

 

「えーと…グラス?この子は危険な子じゃないと思うよ…?」

 

「…///!すみませんっ!えっと!お茶を入れ直して来ますね!」

 

抱きついてきたのは完全に無意識だったようで、指摘すると顔を真っ赤に染め上げ、足早に台所へと消えていってしまった。

いつもは大和撫子と呼ばれる彼女の意外な一面が見られた事にちょっとした喜びを覚えていると、先程の子猫がいつの間にか足元まで寄ってきており、膝に乗りたいのかズボンをカリカリと引っ掻いて登ろうとしていた。

 

「こらこら…ちゃんと乗せてやるから…よっと…」

 

ヒョイと持ち上げ膝に乗せてやると、嬉しそうに体を擦り寄せてきた。そのまま撫でてあげると、気持ちよさそうに喉をゴロゴロと鳴らし始めた。

 

「戻りましたよ〜…あら?その子猫…」

 

「あぁ。凄く人懐っこくてね。登りたそうにしてたから乗せてあげたんだ。」

 

「…なるほど〜」

 

グラスはいれてきたお茶を先程と同じように横に置くと、また隣に座ってきた。その距離感は先程よりも近い気がした。

 

「ミー!」

 

「わかったわかった…本当に可愛いやつだなぁ…」

 

「…むぅ」

 

少しの間撫でる手を止めたからか、「撫でろ!」と鳴いて抗議してきた。撫でる手を動かし始めると、また喉を鳴らして丸くなった。

 

「…トレーナーさん。」

 

「ん?どうしt…グラス?」

 

グラスは俺に声をかけると共に、先程よりも距離を寄せてピッタリとくっつき、そのまま頭を肩にグリグリと擦り付けてきた。

 

「確かに猫さんは可愛いですが…私の事も構って欲しいです…」

 

そう言って尻尾を腕に巻き付けてきた。

確かにそうだ。彼女はあまりそのような事をされるのが好きではないと思っていたため、今日は彼女の自由にさせようとあまりスキンシップを取らないようにしていた。しかしそれは要らない気遣いだったようだ。

膝に居たはずの子猫はいつの間にか居なくなっており、1人分の空きが出来ていた。

 

「…空きが出来たけれど…どうかな?」

 

「ふふっ!もちろんお邪魔します!」

 

グラスは肩に乗せていた頭を膝へと落とし、尻尾で腕を引っ張り頭を撫でるように要求してくる。

ここに来てから彼女には頼りっぱなしだった。その分ここでしっかりと癒してあげようと思い、彼女が満足するまで頭を優しく撫で続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「またここに居たんですね〜」

 

風呂上がりに縁側で外を眺めていると、お風呂から上がったグラスが話しかけてきた。風呂上がりだからだろうか、普段よりも女性らしく見えた。

 

「あんまりここにいると湯冷めしちゃうよ?」

 

「それはトレーナーさんも一緒ですよ。…何か考え事ですか?」

 

「いや…月が綺麗だなぁって…グラスも一緒にどう?」

 

今日は雲が無いため月がハッキリと見えて綺麗だった。昔もここから月を眺めることが多かったため、もはや癖のようなものだ。

グラスも一緒に眺めようと誘ってみたが、返事が帰ってこない。不思議に思って振り向くと、顔を赤くして口元を抑えたグラスが居た。

 

「えっと…トレーナーさん?それは…えっと…」

 

「…!あぁ違う違う!単純に一緒に見ようってだけだよ!?」

 

「…それなら…失礼します…」

 

よくよく考えたら「月は綺麗ですね」って言葉はプロポーズの意味合いがあることを忘れていた。言葉の意味合いを訂正すると、少し不機嫌そうに隣に座ってきた。

 

「女性にあのような冗談はいけませんよ?私だから良かったですけれど…」

 

「いやぁ失礼しました…」

 

ただの言い間違いだったが、自分の将来について少し考える。流石にずっとトレセン学園にいる訳でもないし、グラスだっていつかは卒業してしまう。

 

そうしたら…俺の隣には誰がいるのだろうか。

 

そんなことは…考えられなかった。

 

「…なぁ、グラス。」

 

「どうしたんですか?」

 

「俺は将来こっちで暮らそうと思ってるんだ。その時にさ、俺の隣に君が居てくれたらいいと思ってるよ。」

 

俺の正直な気持ちを伝えると、グラスは頬を膨らまして怒ったような顔をしていた。

 

「トレーナーさん?先程そのような冗談はいけないと…『 本気だよ。』…ぇ///?」

 

グラスが顔を赤くしているが、俺はそのまま続け

 

「俺の身体を気遣ってくれる。負担をかけないようにっていつも家のことを手伝ってくれる。俺のために、笑ってくれる。…俺の生活にはもう、グラスが不可欠なんだよ」

 

赤く染まったグラスの顔をしっかりと見つめ、最後の言葉を紡いでゆく

 

「今はまだ無理だ。けれどざ、卒業後に君が俺の隣に居たいと思ってくれるならさ…一生俺のパートナーになってくれるかい?」

 

そして彼女の手に手を重ねた。

グラスは潤んだ視線をこちらに向けて、震えながらもしっかりと返事を返してくれた。

 

「っ!…もちろんです。断るはずもありません。こちらこそよろしくお願いします。」

 

そう言ってグラスはあの時と同じように俺にピタリとくっつき頭をコテンときた。

 

「…ねぇトレーナーさん?」

 

「…どうした。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は、月が綺麗ですね。」

 

 

 

 

 

「君と一緒に見る月だからだろうね。」

 

月明かりが照らす縁側で、俺たちの影は1つになった。

重なった2人の頬を、夜風が優しく撫でていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜数年後〜

 

「本当に貴方はここが好きですね。」

 

猫を撫でながら知り合いからの手紙を確認したしていた所、後ろから声をかけられる。優しい声色の心が安らぐ声だ。

 

「それは君も同じだろ?」

 

「それは…もちろんです。私たちにとって大切な場所です。」

 

彼女はいつも通り俺の隣に座ってきた。そして俺が読んでいた手紙の存在に気がつく。

 

「貴方…それは…?」

 

「あぁそうだった。これはスペからでな、結婚式の招待状だよ。」

 

俺が読んでいたのは昔共に高めあった友人の結婚式の招待状だった。封筒の中には招待状と、仲良く手を繋いだ2人のカップルの写真が同封されていた。

 

「…沢山祝福してあげなきゃな」

 

「当然です。あの時は盛大に祝って頂きましたし、しっかりと恩返しをしなきゃですね。」

 

そう言って俺の膝に乗っかる白い猫を撫でる。その手の薬指には俺と同じ、綺麗な指輪が付けられていた。

 

「スペの所までは遠いし…コノハも一緒に祝いにいこうな。」

 

「ニャッ!」

 

膝に乗っかる猫に話しかけると、「分かってる!」と言っているのか、元気に返事をしてきた。

 

「祝福するためにも…色々と準備しなきゃだな。…よし、早速買い物に行くか!」

 

「いいですね〜。久しぶりにデートに行きましょう〜」

 

盛大に祝福するためにも、色々と準備が必要だ。そのためにも買い物、もとい彼女とのデートに出かけるとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは都会と違って便利じゃない。買い物だって車を使わなければ時間がかかる。娯楽施設だって少ない。綺麗な建物も、お洒落なお店だって多くはない。けれど、それでいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その方が、彼女と濃密な時間を共に過ごせるのだから。




如何でしたでしょうか?
今回は久しぶりにしっとりした感じだったので、結構難しかったです…
時間がかかってしまい申し訳ありません!
そして今回も閲覧、コメントありがとうございます!コメントをなかなか返せずすみません…!しっかりと返させていただきます!
次回は直ぐに仕上げますので!次もよろしくお願いします〜!

このウマ娘のifstoryが見てみたい!

  • トウカイテイオー、メジロマックイーン
  • サイレンススズカ、シンボリルドルフ
  • オグリキャップ、エアグルーヴ
  • スペシャルウィーク、ゴールドシップ
  • アグネスタキオン、ミホノブルボン
  • サクラバクシンオー、ライスシャワー
  • ナリタブライアン、テイエムオペラオー
  • マンハッタンカフェ、ナイスネイチャ
  • タマモクロス、セイウンスカイ
  • サトノダイヤモンド、キタサンブラック
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