ウマ娘とトレーナーの甘い日常   作:2度漬けウインナー

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何故か週1投稿みたいに…申し訳ありません!
今回はBNWの最後の1人であるウイニングチケットのお話です!チケットは恋心とかが分からなそう…と思ったので、そのような方向性のお話です!
それではどうぞ!


まだ分からなくても

最近アタシの周りの環境が変わった。

変わったと言っても怪我をしたとか、友達と仲違いをしたとかでは無い。ただ…

 

学園一の親友であり、1番のライバルであるビワハヤヒデ、ナリタタイシン。この2人と過ごす生活が大きく変わった。

 

タイシンは前ならトレーナーの姿を見ると露骨に距離をとり、話しかけられたら「ウザイ」と言って目を逸らしていたけれど、今は彼の姿を見たら駆け寄り、話をする時は目をしっかりと合わせ、体をピタリとくっつけている。

 

ハヤヒデは前は「トレーナー君とは至って健全な関係だ。」と話していたのに、最近になってこのような質問をすると、「うぇ!?トレーナー君との関係は…えっと…至って健全なお付き合いをさせて貰っているだけで…まだ!卒業したら…結婚…いや!なんでもない!」と凄く取り乱す。

 

そして何よりも2人は既に生徒寮には居らず、自分のトレーナーの部屋で同棲をしているのだ。

 

このようになったのは、2人とトレーナーとの2人と深い絆があってこそなのだろう。

 

じゃあ…アタシは…トレーナーさんにどう思われてるのかな…?いつも眠る前に考えてしまう。

 

アタシはトレーナーさんのことを尊敬してる。けれど…トレーナーさんには悪く思われたりしてるのかな…?

 

そう思うと…少しだけ、胸がギュッと締め付けられて、あまり眠ることが出来なかった。

 

 

 

 

 

「トレーナーさん!今日もよろしくお願いします!」

 

今日も授業が終わるとトレーナーさんの元へと足を運ぶ。実際なら先にグラウンドに向かっていても良いのだけれど、アタシはトレーナーさんの部屋に向かって一緒に向かうのがいつの間にか私の普通となっていた。

トレーナーさんはアタシの声を聞くと、机から顔を上げて元気に返事をしてくれた。

 

「今日も元気でいいね!じゃあ少しだけ待ってて!この仕事を片付け次第直ぐにグラウンドに向かおう!」

 

「仕事…?アタシも手伝いましょうか!」

 

「大丈夫だよ!仕事っていっても最近他の子が少しだけトレーニングを見て欲しいって言われてね。その映像を確認しているだけだからさ。」

 

そう言ってトレーナーさんはパソコンへと視線を落とす。そっか。トレーナーさんは凄いもんね。人気があるのは当然だ。

 

あれ…?

 

トレーナーさんが有名になってて嬉しいはずなのに…

 

 

 

また…胸がチクってした…

 

 

 

「…チケット?大丈夫…?」

 

気づいた時にはトレーナーさんは仕事を終わらせていて、突然黙りこんでしまったからか、アタシの顔を心配そうに覗き込んでいた。

トレーナーさんを心配な思いにさせてしまったので、しっかりと理由を話さなければならなかったのに、何故かアタシはここからたち去らなければならないという衝動に駆られていた。

 

「…何でもないです!アタシは先に向かってます〜!」

 

トレーナーさんがアタシに何か声をかけていた気がする。だけど何故か振り返ることが出来なかった。

 

 

 

 

「…よし!後はストレッチだけして今日は上がろうか!」

 

「はい!お疲れ様でした!」

 

今日のトレーニングは少し身が入り切らなかったけれど、しっかりとメニューをこなすことは出来た。

 

(トレーナーさんも笑ってくれていて良かった…)

 

そんなことを考えていると、後ろから知らないウマ娘の子がトレーナーさんに声を掛けた。

 

「…あの!」

 

「ん?あぁこの前の子か!ごめんねチケット。少しだけ席を外すね。」

 

「あっ…」

 

そう言ってトレーナーさんは少しだけ離れて行ってしまった。

 

(あ…また…胸がチクって…)

 

何でこんなことになるかは分からない…けれど…何か…辛いなぁ…

トレーナーさんとあの子…仲が良さそう…2人とも凄く良い笑顔だ…

 

 

あれ…?何だか…胸が締め付けられて…

 

 

 

苦しい…

 

 

 

 

何故こんなことをしたのかは自分でも分からなかった。けれど、気づいた時にはアタシの手はトレーナーさんの腕を握っていた。

 

 

 

〜トレーナー視点〜

 

「…チケット?」

 

「………」

 

チケットが突然腕を掴んできた。何か用があるのかと思ったけれど…特に何をしてくる訳でもないのでとても不安になる。

しかし彼女はゆっくりと口を開きポツリと

 

「トレーナーさん…アタシ…苦しい…」

 

そう言って小刻みに体を震わせ始めた。

 

「チケット!?…すまない!さっきの話はまた今度!チケット!少し抱き抱えるけど我慢してくれ!」

 

俺は話をしていた子に無理やり別れを告げると、チケットのことを、俗に言うお姫様抱っこをして抱きしめると、急いで保健室へと足を進めた。

このような状況での模範解答なんて分かるはずもない。けれど今はあの場から離れなければならない。そんな気がした。

 

 

 

 

 

「チケット。大丈夫か?体の痛みは?呼吸は?何か違和感を感じるとかは?」

 

保健室にたどり着くと、急いでチケットをベットへと優しく寝かしつける。ゆっくりと布団をかけてあげたが、やはり体の震えは収まらず、俯いてしまっていた。こんなに彼女が辛そうにしているのに、何が原因かを掴めない。そんな自分に心の底から腹が立った。

 

「…ごめんな!俺のせいで…せめて熱だけでもはから…せ…て…」

 

俺は今の自分に出来ることを考え、せめて熱があるかどうかを確かめようと思い、額を触るためにチケットの前髪を軽く持ち上げる。するとそこにあったのは…

 

「……ヒクッ…グスッ…」

 

「…チケット…?」

 

ボロボロと大粒の涙を流しているチケットの姿があった。

 

「とれーなーさん…!あたし…おかしくっ…なっちゃった…!」

 

「…何があったんだ?」

 

チケットはいつも元気で笑顔が可愛い子だ。しかしそんな彼女が涙を流しながら切羽詰まった様子で何かを伝えようとしている。俺は質問することを辞めて、彼女が話すことを聞く姿勢を固めた

 

「最近…おかしくてっ!とれーなーさんの事を考えると胸がポカポカするのに…!とれーなーさんが…他の人と一緒にいると…胸がチクって痛くて…締め付けられたみたいに苦しくて…!」

 

「チケット…」

 

チケットは大粒の涙を流しながら俺の腕を弱弱しく掴んだ。

 

(あぁ、なるほど。そういうことだったのか。)

 

先程の発言で彼女の抱えていた病の正体が分かった。

一般的にはこのような感情を抱いてしまったとしても、このようになることは少ないだろう。けれどそれはあくまで自覚がある。またはそのような知識がある場合のみなんだ。

 

「とれぇなぁさん…アタシどうすればいいの…?痛いよ…!怖いよ…!苦しいよ…!」

 

チケットは『恋』という感情が分からないんだ。だからこそ自分の身体に起きているイレギュラーな感情が怖くて、怯えているんだ。

俺はチケットを安心させるために、そして真実を伝えるために彼女の腰へと腕をまわし、優しく胸へと抱き寄せる。

 

「チケット。大丈夫。君が怯えているのは別に変な事じゃないんだ。その感情は…その…恋…だと思うんだ。」

 

「恋…?」

 

チケットは潤んだ目をこちらに向けてくる。こんなに真っ直ぐな目線を向けられると思っていなかったため、少しだけ視線を逸らしながら続ける

 

「自分で言うのはあれかもだけど…チケットは俺の事を恋愛対象として好きになったんじゃないかな?だから俺といると胸が暖かくなったり…他人といたりすると辛くなるん…だと…思います…」

 

流石に自分の事を好きになっているなんて伝えるのはとても恥ずかしいため、後半はどんどん声が小さくなっていった。

対してチケットは顔を胸から離すと小刻みに震え始め、大きく息を吸い込んだ。

何か、とても嫌な予感がした。

「ゔえ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙ん゙!!ごわ゙がっ゙だよ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙!!」

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!耳がぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

チケットは心の恐怖を吐き出すように、大きな声で泣き始めた。そんな彼女に優しい言葉をかけてあげよう思ったのだが、流石に至近距離で大きな声を出されたせいで耳がおかしくなり、そんな気遣いは出来なかったため、優しく彼女のことを抱きしめることにした。そんな彼女の体はいつもよりも暖かかった。

 

 

 

 

 

 

チケットが泣き止んだ後は1度保健室を後にし、1度状況を整理するために、彼女を俺の部屋に彼女を招いた。そこまでは良かったのだが…

 

「…………」

 

「…………///」

 

この状況をどうしようか。チケットは自分の気持ちに気づいたせいで顔を真っ赤に染めており、喋れる状況ではない。俺は俺であんなことを堂々と言った後なので、何を話しかければいいか分からない。

けれどこんな状態をいつまでも続けるのは出来ない。俺は隣で座っているチケットの手に自分の手を重ねる。

 

「ひゃあ!どどどどどどうしたんですか!?」

 

「…チケットはまだ気持ちに整理するには時間がかかると思うけどさ…整理出来たその時にはさ、君の気持ちを教えてくれると嬉しい…かな。」

 

そう言って重ねた手をギュッと握る。彼女顔を先程よりももっと赤く染めるものの、小さくコクリと頷き、優しく手を握り返してくれた。

 

普通ならば男がリードするものなのだろうが、多分これは彼女が乗り越えなければいけない試練なんだ。

けれど今はまだこれでいい。少しずつ、1歩1歩確実に進んでいこう。

まわりに合わせなくていいんだ。躓いていい。立ち止まったっていい。自分のペースで気持ちを整理して欲しいんだ。

けれど最後は…ちゃんと伝えてくれると嬉しいな。

 

 

 

 

 

〜数ヶ月後〜

 

担当の彼女が来るまでは自室で仕事を、彼女が来たら一緒にトレーニングへと向かう。いつも通り、俺たちにとっては慣れた日常だ。しかし

 

「トレーナーさん!アタシ…貴方のことが…!」

 

 

 

 

 

そんな日常に、新たな風が吹き始めようとしていた。

 




如何でしたでしょか?
恋心が分からないからこそ、自分の感情変化二怖がってしまうお話でした!
待たせてしまって申し訳ありません!次こそ…次こそは早く作りますので!次回も読んで頂けると嬉しいです!
それでは〜!

このウマ娘のifstoryが見てみたい!

  • トウカイテイオー、メジロマックイーン
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