12月は忙しいから無理だなーとか、一月はゆっくりしたいなーとか考えてたらいつの間にかこんなに…本当に申し訳ない…
今回はアドマイヤベガのお話です。しっとりとした甘さを意識して描いてみたので、楽しんでいただけたら嬉しいです。
それではどうぞ~!
「…こんな所で寝たら風邪をひくわよ?」
「…おっとぉ」
気付かぬうちに少し眠ってしまったようで、聞きなれた声で呼びかけられて目を覚ます。
声の聞こえた方へと振り向くと、2人分のマグカップを手に持った愛バでもあるアドマイヤベガが呆れたような顔でこちらを見ていた。
そうだ、確か少し冷え込んできたからって暖かいものを入れるって言って…それで待っている間にボーッとしていたら、いつの間にか意識を手放していたようだ。
そんな俺に対してベガは手に持ったマグカップを片方グイッとこちらに向けてくる。俺がそれを受け取ったのを確認すると、隣に拳2つ分ほど間をあけて彼女も腰を下ろした。
「眠かったら…無理に付き合わなくてもいいのよ?」
「いや大丈夫だ。まだ眠くないし、そもそも俺が付き合いたいから一緒にいるんだ。」
今日の夜は星が綺麗に見えるらしく、「貴方の部屋からなら綺麗に見えると思うのだけれど、一緒にどう?」とベガから誘いを受けて、ベランダから一緒に星を眺めていた。
こうしてベガから俺に対して何かに誘うということは珍しく、正直なことを言うと少し眠たいのだが、こんな機会が次いつ来るかも分からないため、彼女には見えない様に自分の太ももをつねり無理やり目を覚ましていた。
「そう?なら…いいのだけれど…」
そう言ってベガは先程入れてきたココアを1口呑むと、視線をまた空に広がる星へと移した。
星を見ているベガの横顔を見ていてもいいのだが、流石にそれは怒られそうなので自分も視線を星へと移した。
「…ねぇ」
「ん?どうした?」
あれから2人とも特に話さず星を眺めていたが、唐突にベガから話しかけられたため1度星から目を離す。
星を眺めている相手に対して過度に話しかけるのは良くないと思って話しかけていなかったのだが、逆効果だったのだろうか?と少し不安な気持ちに駆られる
しかし彼女が話しかけてきた理由はそんなものではなく
「何で…こうやって星を眺めてくれているの?だって貴方…そんなに星が好きな訳ではないでしょ?」
そう言って少し表情を曇らせた。確かに俺は星には詳しくないし、むしろ普段からベガに星の名前を教えて貰っているような人が星を眺めるというのは変だと思うのは普通だろう。
そんな彼女から一旦視線を外すと、星を眺めながらゆっくりと口を開く
「俺さ、昔から不器用なんだ。」
「…は?貴方何を言ってるの?」
質問とは全く関係ない事を話出した俺のことをベガが『こいつ何言ってんだ?』という目線を向けてくる。しかしそんな目線に受けながら話を続ける
「何をするにも最善策を見つけるのが下手でさ、とにかく小さな事でも片っ端からやってみようと思ったんだ。そうすれば、君のことを理解出来る…いつかは振り向いて貰えるかもって思って」
「…何も理解出来てないこんな俺じゃ、まだ君の一等星には到底なれないさ。けど…いつか君の全てを理解して、君に相応しくなったら必ず迎えに行く。だからさ…」
そう言って星空から目を離し、ベガの事を真っ直ぐ見つめ、続く言葉を口にしようとした。しかし…
彼女の表情は…真顔だった。
恥ずかしさから彼女の顔を見ないようにしていたからこそ全く気が付かなかった。だからこそ今更になって気がついたんだ。『あ、やったわ』と
顔全体に熱が集まるのがわかる。不器用なりに自分の気持ちをのせた告白を真顔で受け止められたら誰だってこうなるだろう。
俺は全く整理の着いていない頭を無理やり動かし、とにかくこの場から立ち去ろうと室内に戻るために立ち上がった
「あ…えっと…ごめん忘r『待ちなさい』ちょっ!?」
しかし何故かベガが俺の手首を握って逃すまいと元いた場所へと引っ張る。理由は分からないが…良いことではないだろう。
「いやバ鹿にしたい気持ちは分かるけどね!?「いいから、待って」いや力強っ!」
俺の抵抗は虚しく、ウマ娘の引っ張られる力に勝てる訳もなくそのままベガに覆い被さる形で元の場所へと無理やり戻された。
これから俺はどうなるんだ?嘲笑われるのか?それとも頬を引っぱたかれるのか?何をされるか分からないが、とにかく衝撃に備えて目をギュッと瞑った。
「…目をあけて」
しかしそんな俺にかけられた声は思っていた声色とは違い、少し熱の篭ったような声だった。その言葉に従って目を開けると…
「これで…分かったかしら…?」
瞳を潤わせ、頬を真っ赤に染めた愛バの姿だった。
「さっきは反応出来なくてごめんなさい…だって貴方から…そんな言葉…聞けると思ってなかったから…気が動転しちゃって…」
そう言うとスっと目を逸らし、腕を握った手を離して俺の頬を込めないように優しく頬を撫でてくれる。
さっきまでほとんど思考が整理出来ていなかったが、不思議と頬を撫でられているだけでゆっくりと状況把握が出来るようになっていった。
…担当バに落ち着かされるというのは何とも情けなくはあるが
「相応しくないなんて…そんなに自分を卑下しないで。貴方は私の…私たちのことを認めてくれた…寄り添ってくれた。そんな貴方だったから私は…」
ベガは俺の頬を撫でていた手をを止めると、ぐるりと腰に腕を回してぎゅっと抱き着いた。そして少しだけ顔を離すと消え入りそうな声でポツリと
「私のアルタイル…貴方はずっと私のそばにいてくれる…?」
そう呟き、顔を元の位置へと戻した。
(ベガは凄いな…本当に。)
顔は見られたくなかったのか俺の胸にくっつけている為確認できないが、抱き着く彼女の体温が、聞こえてくる鼓動の速さがすべてを物語っていた。
そんな彼女には申し訳ないが、背中に回した腕の力が抜けた一瞬を見計らって勢いよく体を持ち上げ、覆いかぶさっていた状態から体制を立て直す。
「あっ!ちょっと///!?」
「一生君のそばにいる!ずっと君を大切にする!いつまでも君だけを愛し続ける!だからっ!」
さっきは確認できなかったベガの顔はとても赤く、普段の彼女からは到底想像もできない表情をしていた。そんなになるまで彼女は勇気を振り絞ってくれたんだ。そんな彼女のためにもさっきのような遠回しにではなく、真正面から好意を伝えるんだ。
そうして俺は大きく息を吸って…
「俺と結婚してくれ!」
「…へぇ///!?」
「…あ゙っ」
またやった。悲しいことにいくら良い雰囲気だとしても、根本的な部分は何一つとして変わってくれなかった。
自分の顔に再び熱が集まっていく。しかし体からは熱が引いていき、冷や汗をながすといった独特の状態である。
数秒、体感では数時間の沈黙。先に口を開いたのはベガだった
「ふふっ…なんて顔をしているの?」
「いや…もう本当に…すみませんでした…」
「私は貴方のそんな所も大好きよ?けれど…そうね。結婚はさすがにまだ先の話よ」
そう言うとベガもむくりと体を起こし、まだ少し赤みを帯びた顔でふわりと優しく笑いかけてきた。そして俺の体に寄りかかると顔をこちらに向けると
「まずは…ね?今度は間違えないでしょ?アルタイル…」
ゆっくりと瞳を閉じ、こちらに委ねてきた。
少し体が震えている…当然だ。そんな彼女のためにも優しく背中に腕を回し、間違えないようにゆっくりと彼女に顔を近づけ、彼女と口付けを交わした。
「んっ…正解///」
「えっと…今更にはなってしまうんだけどさ?俺と「もちろん、喜んで受けるわ」早いなぁ!?」
「今はそんなことよりも…ねぇ…?もっと…」
ベガは物欲しそうな目線をこちらに向け、自身の唇を指でなぞった。こんな彼女の姿を同室のカレンチャンが見たら卒倒しそうではあるが、今は二人きり、こんな彼女を見られるのは自分だけという事実に何かが切れそうになるのを必死に堪え、もう一度彼女の影と一つとなった。
満点に輝く星空の中、誰かが祝福の言葉をかけてくれた…気がした。
俺たちはあの後正式に付き合いを始めたのだが、特に大きく何かが変わったわけではない。人前で態度を変えるとか、周りから生温かい目で見られるといったことはなく、むしろ相手に説明した際に全然気づかなかったと驚かれたことの方が多い気がする。
強いて上げるとしたら自室が少しばかり変わった。前までは使っていなかったファースリッパが色違いで二足玄関に並べてあったり、以前より泊る機会が増えたため布団乾燥機を購入し、床に敷いていたラグはふわふわとした素材の物に変更され、いつも二人で座っているソファには必ずブランケットが一枚だけ用意されるようになった。
簡単にまとめるならば…全体的にふわふわな部屋になった。
別にこれが嫌というわけではく、むしろ彼女が居心地の良い部屋になるならば万々歳だ。今も一枚のブランケットを二人で使いながら、テレビでふわふわ動物特集なるものを見ている。初めはなぜ一つのブランケットしか買わないのか疑問だったが、こうして二人で身を寄せ合い時間を共にするのはとても心も身体も暖かくなり、一番大好きな時間だ。
このように何が大きく変わるわけでもなく、あくまで学校生活とプライベートを割り切っているので変わったことはこれといって無いのだ。
ただし…
「…あ」
「どうしたの?気になる子でもいたのかしら?」
「いや、ただオペラオーから電話が来ただけ」
番組が丁度CMに入ったタイミングでポケットに入れておいたスマホが振動したので見てみると、そこには「テイエムオペラオー」と書かれた通話画面が出て来ていた。
出ていいか?と聞こうと思い画面を見せようとしたが、スマホはいつの間にかベガの手に握られており、こちらにポイっと投げられたスマホの画面には「通話終了」と表示されていた。
「ねぇ」
隣に座っていたベガはゆっくりと身体を倒し、そのまま膝に頭を頭を乗せる。そして頬を少し膨らましながら一言
「今は私と貴方の時間でしょう?…今は私だけに集中して…」
そう言って膝にぐりぐりと顔をこすり付けた。
ベガは二人きりの時だけ素直に、そして少しだけ独占欲が強くなった。そんな少しだけわがままになった彼女を必ず幸せにすると、窓の外から見える満天の星空に誓った。
あの子にも、届くようにと願いを込めて
いかがでしたでしょうか?今回はアヤベさんのキャラクターをあまり崩壊させないことを常に考えて書かせていただきました。楽しんでいただけたら嬉しいです!
改めて遅れてしまい大変申し訳ありません…次回はできる限り早くに出します…
なんか突然ぷっつり集中力が切れてしまう時があって、そこからずるずると…何ならまた更新されなくなったらコメントなどで「さっさと描け」みたいな形で催促して頂いてもかまわないので!
次回も急いで描かせていただくので、待っていていただけると嬉しいです!それでは~!
このウマ娘のifstoryが見てみたい!
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トウカイテイオー、メジロマックイーン
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サイレンススズカ、シンボリルドルフ
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オグリキャップ、エアグルーヴ
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スペシャルウィーク、ゴールドシップ
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アグネスタキオン、ミホノブルボン
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サクラバクシンオー、ライスシャワー
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ナリタブライアン、テイエムオペラオー
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マンハッタンカフェ、ナイスネイチャ
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タマモクロス、セイウンスカイ
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サトノダイヤモンド、キタサンブラック