ゴルシは普段よく分からない行動ばっかりしてるけれど、ちゃんと相手のことは考えている所が大好きです。
今回のお話のゴルジとちゃんとゴルジしてます。けれどそこに甘みを出していきます。…頑張ります。
それではどうぞ!
「うーわっ…やっちまったなこれ…」
朝起きた時、自分の体が甘えん坊彼女の愛のように重たいことに気づく。私ことゴルシちゃんはこの症状で薄々勘づいてはいたものの、しっかりと熱を測り確認する。すると案の定、体温計に示された体温は平均よりも高い値が記されていた。
「まさかこのゴルシちゃんが風邪を引くとはな…明日は槍が降るかもな…」
そんな小言を言ってみるものの、熱が出ているので立っているだけでも辛い。
トレーナーに対して今日は休むと簡易的に伝えると、少しでも楽な体制をとるためにもう一度布団に寝転がり、体を冷やさないために布団を被り直す。
冷えた体が温まっていくのを感じる。しかし、それに反比例するように心の熱が冷めていくのを感じながら、自身の意識を手放した。
真っ白な世界。そこには私とトレーナーしかおらず、その他には何も存在しなかった。
『お?どうしたんだよトレーナー!そんな所につっ立って何してんだ?デケぇアリの巣でも見つけたか!』
私はよく分からないがとりあえずトレーナーに話しかける。しかし何か様子が変だった。
『…あぁ。ゴルシか。』
彼は何故かずっと虚空を見つめており、私が声をかけても大した反応を示さない
『なんだよ〜残業帰りのテーブルに置いてあるおかずぐらい冷めてんなぁ…何かあったのか?』
『俺さ、そろそろ潮時だと思うんだ。』
『…何がだよ』
『俺さ、トレーナー辞めるわ。』
『は?』
理解が出来ない。なぜ辞める?何故そうする必要がある?やはり何かあったのだろう。私は問いただすためにトレーナーに近づこうとする。だが足が接着剤で地面とくっつけられたかのように全く動かない。その間にもトレーナーは遠くへと歩いて行ってしまう。
『あばよ。ゴルシ』
『おい!何処行くんだよ!せめて理由を話しやがれ!』
私はその場から動けず、その背中に手を伸ばすことしか出来なかった。
「っ!」
気づいたら私はベットの上で腕を上げていた。状況から察するに悪夢にでも魘されていたのだろう。こんなのゴルジちゃんらしくねぇなほんと
「あ、目ぇ覚ましてんじゃん。気分はどうだ?」
そうすると台所の方から、さっき遠くへ行ったはずのトレーナーがお盆を持って歩いてきた。
「…何で居るんだよ」
「てめぇが『ゴルシちゃん風邪ひいたから世話頼むわ〜』ってメッセ寄越したんだろうが!1回寝たら記憶飛ぶのか!」
トレーナーが声を大きくして言ってくる。そういえば寝る前にそんなこと送ったっけか?あの時は早く横になりたかったから、あんまり覚えてねぇや
「熱は…まだあるな。じゃあ起き上がらなくていいから口開けろ。」
そう言ってトレーナーは私の方にれんげを向けてくる。そこにはさっきのお盆の上に置いてあったのであろう。お粥が掬われていた。
「…自分で食えるし。」
「熱出てるんだから無理すんな。何年お前の担当してると思ってんだ。いいから黙って口開けろ」
畜生…こいつなんでこういうことはお見通しなんだよ…これに気づくなら他のことにも気づけよ…
私は素直に口を開ける
「…あー」
「ほれ」
「んっ…うめぇなこれ」
味が薄い訳ではなく、けれど濃すぎない。絶妙な味付けがされていた。
「俺の妹がよく体調崩してな、作る機会が多かったんだよ。ほら、次」
「あー…んっ…何か美味しいの腹立ってきたな…」
「てめぇ残り全部捨ててやろうか?」
「冗談だよ冗談。ほら、次くれ。あー…」
「何でお前が主導権握ってんだよ…」
ブツブツ小言を言うものの、トレーナーは最後まで私にお粥を食べさせてくれた。
「ご馳走さん。…美味かった。」
「お粗末さま。んじゃあこれ洗ってくるわ。お前ちゃんと寝とけよ?」
そう言うと、お盆を持って台所へ向かおうとする。
『あばよ。ゴルシ』
その言葉が、頭をよぎった。
「ちょっ!あっぶねぇ!突然袖を掴むんじゃねぇ!落とすところだったろうが!」
私は無意識に彼の袖をつまんでいた。何故掴んだかは分からない。ただ、彼が遠くへ行ってしまうように感じただけだ。
「…」
私が何も言えずに黙っていると
「あー…分かったよ。今日1日は傍にいてやる。」
トレーナーは何も聞かずにベットの横に座った。
「風邪をひいた時に変な夢を見るのはわりとあることだ。その反応からするに、どうせ俺がどっか行くとかそんな夢だろ?」
何で分かるんだよ。私は何も言ってないだろ。どうしてこういう時は気が回るんだよ。…だから、好きなんだよ
「俺は何処にも行かねぇし、行く気もねぇ、だからさっさと寝て体調直せ。…お前が元気ねぇと、意外と寂しいんだよ。」
「…ん、ありがと」
「…泣くなよ。」
トレーナーは私の顔を見ないようにして頭を撫でてくれる。彼の体温とその心地良さを感じながら、もう一度眠りに落ちた。
→数時間後
「んぅ…今何時だ…?」
「夜の11時。随分とぐっすり寝てたな。」
外を見るともう日は沈んでおり、真っ暗な世界が広がっていた。
「おっと、まだ動くな…熱はー…下がってるな。よし。」
「…今日はありがとな。色々と」
「気にすんな。てかそろそろ元気出せ。…お前はいつもの様子じゃないと普通の美人になるから対応に困る。」
トレーナーは少しだけ顔を赤くして目を逸らす。
そうか。こいつゴルシちゃんのこと可愛いって思ってんのか。
「私のこと、美人だと思ってんだな」
「まぁ…な。実際世間一般から見てもお前は美人だと思うぞ。スタイル良いし、胸デケェし」
「ほーん…じゃあ付き合うか。あたしたち」
「………………はぁ!?」
「だってそこまでゴルシちゃんのことを可愛いと思ってくれてるんだろ?じゃあ付き合おうぜ?」
「いや…それはそうだが…」
「じゃあ良いじゃねぇか。私はお前のことをLoveの意味で好きだし。私と付き合えばお前の言うスタイルの良い体も、デケェ胸も、お前だけの物になるんだぜ?なぁ…いいだろ…………駄目か?」
初めは勢いで押し切ろうと思っていたが、だんだんと勢いは弱まっていき、最終的には涙目で懇願するように呟いた。
「…あ〜、分かった。分かったよ。正直な話俺もゴルシのことは、好き…だし、他の奴じゃお前の隣は務まらねぇだろうしな。」
「…そうか。」
私はそれを聞くと、トレーナーの唇を無理やり奪った。
「んむっ!?………おいてめぇ!」
「…どうよ?ゴルシちゃんのファーストキスの味は?」
「いやそこじゃねぇ!今キスなんてしたら俺に風邪がうつるじゃねぇか!せめて風邪が治ってからしやがれ!」
トレーナーは顔を真っ赤にして私に文句を言ってくる。
「はぁー!?ムードのへったくれもねぇ彼氏だなぁおい!…まぁゴルシちゃんの目的はそっちだから問題ねぇがな!」
「てめっ…!このやろう!」
「おーっと病人に手を出すのか?ゴルシちゃんはこのまま寝るぜ、あばよ!」
そう言って私は頭まで布団を被る。確かにムードのへったくれもないが、むしろこっちの方が助かる。こんなに赤くなった顔。いくら彼氏になったとしてもまだ見られたくはなかったから。
「…へへっ!」
私は幸せを噛み締めながら、もう一度眠りにつくのだった。
→次の日
「…やっぱりうつったじゃねぇかこの野郎…!」
昨日トレーナーとキスをしたせいだろう。案の定トレーナーは私の風邪がうつりダウンしていた。
「そんなに怒るなって〜。お前の愛しのゴルシちゃんがこうやって傍にいるんだからよ!」
「いやまぁ…それは嬉しいけどよ…」
「だろ?ほらお粥作ってきたから食いな!あ、安心しろよ?流石にゴルシちゃん印の調味料は入れてねぇから普通に美味いはずだ。なんなら昨日のお前みたいに食わせてやろうか?」
「…畜生…絶対に断りてぇけど、状況が状況だから断れねぇ…」
そうして私は彼の口にお粥を運ぶ。
昨日恋人同士になったというのにそんな雰囲気は全くない。風邪をひいているというのもあるのだろう。治ったら何をしてやろうか?今から考えるだけで心が弾む。
だけれども、
こうやってお互いに遠慮せずに言い合うこの関係が、この日常こそが、私達にとっての幸せな恋人関係なのだろう。
どうでしたでしょうか?いやぁ…ゴルシ…難しい…育成と同じくらい難しい…
風邪をひいた時って、悪夢とか変な夢を見ることってわりとよくありますよね。私はわりと見ます。そういう時こそ素直な気持ちが打ち明けられるかなーっと思ってこのお話を描きました!
そしていつの間にかUAが2万を超えてる!?ありがとうございます!見てくれている方々のためにも、これからもっと頑張らなければ!
コメントも本当に嬉しいです!返信もしっかりとするので、少々お待ちください!
毎回更新するのが遅い時間ですみません…次回の作品はもう少し早く出せる…はず!
それでは次回のお話でまた会いましょう!
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