初見狩りアニメにいる俺はどうしたらいいですか? 作:サトシ16852
旅をするために魔女を目指すことを決めたイレイナは、家にある本から魔法を学び、そして得た知識から生まれた疑問には、本屋に行き本を買い、また生まれた疑問を本で読む。そんな日々が続いた
そして、知識だけでなく実際に魔法を自分が使う練習を始めた。彼女の才能は凄まじく、始めたばかりの魔法を初級だとはいえすぐにできるようになった。それを見たイレイナの両親はイレイナを褒めた
「すごいわねイレイナ、いきなり魔法が使えるなんて。あなたには魔女の才能があるわ」
「すごいぞ!流石は俺達の子だ!今夜はご馳走だ!」
母はまるで自分の事のように笑顔で娘の成長と才能を、父は自慢の娘だ、とパンを食べながら大声で褒めた。そんな両親を見たイレイナは嬉しくなると同時に、自信をつけ、将来は絶対に魔女になれる。そして、魔女になって旅に行くことができると
イレイナは自身が魔女になり旅に出たらどんなに楽しいことが待っているのかを考えずにはいられなかった。知らないことを知る。その楽しさはもう知っている
本を読み、知識を蓄える楽しさを。しかし本だけでは当然わからないこともある。知りたいことについての本がなければ知ることができない。本に書かれる事のない些細なことでも、そんなことでも知りたいと
そんな時イレイナは気づいた。喜ぶ両親の後ろにただこちらを見ている青年が
がいることを。あの少年はイレイナが生まれる前からこの家にいる居候。特に何かをするわけではなく、庭の花に水をやったり、父と紅茶とケーキを食べたりし、ニケの冒険譚をよく読んでくれた。
一体、何故家にいるのかよくわからないそんな彼。一瞬目があったが彼は特に気にせず、紅茶を飲むためにお湯を沸かし始めた
両親に褒められるほどの魔法を使ったのに、まるでイレイナに興味を示さない。まるでそれくらいできたからって何だと、そんな様子。それがあまり面白くない。それに何故か両親は彼を特別扱いを受けているようにイレイナは感じていた
「どうですか?私こんなにも魔法を使えるんですよ」
イレイナはこの歳にして多くの魔法を使える、それも両親から物凄く褒められるほど。それに対し彼はなんの努力もせずにただ居るだけ、それだけで両親は特別扱いをするのが理解できなかった
「すごいね」
彼は目も合わせずに火にかけたヤカンの前で座りながら言い返した。イレイナはその透かした態度が気に入らず、思わずムッとしてしまう。まるで壁に語りかけているような無機質な反応だった
「あなたは恥ずかしくないんですか?ただのうのうと生きて目標もなく年下の私のようなさいのうも無い。私がどれだけ頑張っているのか知っていますか?」
イレイナは気に食わなかった、少し前まで気にもしなかった彼に何故かとてつもなくイライラがおさまらない
「知ってるよ、君が沢山の本を読み、親がいない時でもひたすらに勉強して炎の魔法を使って家を燃やしかけたり、将来魔女になって旅をして様々な出会いと別れ、喜びと苦しみの中で大きく成長していくのを知っている」
「?、何を言っているんですか?将来なんてものはわかるはずがないじゃないですか、頭おかしくなったんですか?というか、なんで誰もいなかったのに、火事起こしかけたこと知ってるんですか?」
返ってきた答えに困惑するイレイナは何故か喧嘩越しで強気に質問をするという自分でも何がしたいのかわからないことをし始める
「少し頑張り過ぎだよ、なりたいことや、やりたいことの為に頑張ることはとても大切なことだけど、それをやり過ぎていつのまにか自分を追い詰めてる。少しくらい肩の力を抜いて休憩でもしたほうが良い」
しかし彼はこちらの質問には答えず一方的に語りかけ、それでいてものごとをしっかりとわかっている。イレイナは彼の話を聞き、自分がいつのまにか追い込まれてむしゃくしゃしていたことに気づいて己のやっていたことは八つ当たりに過ぎないことを理解した
「、、なんというか、その、すいません」
客観的に見ればいきなり喧嘩をふっかけたこちらが悪い、そう思ったイレイナは気まずそうに誤った
すると彼はお湯の沸いたヤカンを手に取り紅茶を淹れ、イレイナに差し出した
「良い子でいようとすると疲れる、真面目だと生きづらい、そのうちやりたく無いことだってやれと言われる。けれど別に嫌だったらやらなくて良い、いつか君に素直になれと言ってくれる人が現れるさ」
イレイナは彼とこんなにも話をしたのは初めてだった。少しズレた事を喋るが何故か引き込まれるような魅力がある。ものごとを客観的に見て、一人の人間を物語の登場人物のように見ているかのようなそんな感覚を覚えた
「ということがあったんですよフラン先生」
魔女であるフラン先生から最終試練を終え、別れの時
自分が耐えればいいと思わず、気に食わないことがあるなら戦って、嫌なことは嫌と言えるようになれと言われた私は昔の出来事を思い出してフラン先生に話した
「あの人たまに未来が見えてるんじゃないかって思う時があるんですよね。あの時も多分、少し前の私みたいに我慢して頑張ってたんだと思うんです。あの時に言われたことが今ようやくわかった気がします」
そう、あの時はまだ物事を理解するには幼過ぎたのだ
「そうですか、てっきり私がイレイナの一番だと思ったのですが」
「残念ですねフラン先生、彼が私の一番だったようです」
冗談には冗談で返しす。自分に正直になり、ありのままの自分を人に曝け出し語り合う少し成長を感じると共にこの世界の素晴らしさを実感する
「フラン先生、私の旅に彼を連れて行こうと思うんです。ニケの冒険譚でニケが弟子を連れたように彼を私の弟子として連れて旅をしたいんです」
「そうですか、、お話によると少し変わった人のようですが、大丈夫ですかイレイナ?」
何か少し真面目な雰囲気を出しながら訪ねてくる先生
「大丈夫ですよ、なんというかあの人はこの世界を客観的に見ているというか冷めている目で見ているんです。それが私は気に入りませんだから彼はこの世界の素晴らしさを私の旅を通して感じさせます。っと話し過ぎましたね、それでは先生今までお世話になりました」
「ええ、あなたの旅が良い物であると私は応援しています、それでは」
箒に乗り段々と遠くなっていく先生の背中を見えなくなるまで見送る
弟子と別れ話に出てきた男の話を思い出す
「彼は変わっていないようですね」
昔、共に旅をした彼を思い出す。最初はまるで世界の全てのものが輝いているような目ではしゃぎ楽しそうにしていた彼は段々と反応が無くなり見るもの全てがつまらないものとなってしまった
何が彼をそうしたのかはわからないが弟子であるイレイナが彼を変えてくれることを祈り王立セレステリア箒を向ける