ドラゴンボールZ・オルタナティブ~世界線c~   作:三軒過歩

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今だから言いますけど三話投稿時点でこの話は予約投稿で完成してました。さて、今はどこまで書き溜めがあるのかなあ。


(第二十一話)天下一武道会決着

「許せん、許せんぞ、この俺をここまで追い詰めるとは。この俺様の最後の賭けを受けてみるがいい。」

 

ピッコロがそう言うと両腕で体を抱き込むように気を高め始める。それをいち早く感じ取った悟空は会場の仲間たちに向かって叫ぶ。

 

「逃げろー!早く逃げろー!とんでもない攻撃がくるぞー!」

 

「マジュニア選手、何やらものすごい大技を繰り出すようです。会場は揺れ、大地には亀裂が入っております。」

 

「あんた実況放送しとる場合か!」

 

職業病を発症しているアナウンサーにブルマが怒鳴り込むがそれよりも鬼気迫る様子で悟空が言う。

 

「みんなー!何やってるんだよ。早く離れろ!この島から離れるんだー!」

 

その凄まじい様子が仇となったか、ライ達はすぐには動けない。

 

「悟空さはどうすんだべかー」

 

チチが悟空に問うと悟空はすぐに答える。

 

「おらはこらえて見せる!!」

 

そう言うと悟空も気を充溢させていく。意識をピッコロの攻撃を防ぐことにのみ注力していた悟空の様子を見ていち早く我に返った天津飯が地面に向かって気功砲を放ち、簡易の退避所を作った。普通に放てば底が見えないほどの退避所となるはずの場所は、人ひとりは十分に入るが降りれないほどではないほどに調節されており、気の扱いを習得した天津飯の三年間の修業の成果が出る場でもあった。

 

「馬鹿なことはやめろ!こんなのはもはや試合などではない。場外を利用した、ただの殺戮だ。お前も逃げろ!」

 

神様が悟空に向かって叫ぶが目の前の攻撃に集中している悟空の耳には届かない。しかしそれでもさらに言い募る神様にしびれを切らしてランチが動こうとしたがスウが先に動いていた。

 

「おい!早くしろ。悟空はあんたのいうことなんて聞こえてねえよ。師匠として心配なのは分かるが弟子の成長を受け入れて自分の身を大切にしろ!」

 

神様は弟子をとったことはなかった。実力で追い越されてもまだ自分の弟子でありそういう意味で庇護の対象であるというように考えているのかもしれない。その考えをスウは一蹴する。弟子であり最愛の子であるライの成長する様を見てきたからこその言葉は事情を読むことのできる神様には深く刺さる。

 

「はあああああ!!!!」

 

神様が穴にもぐったわずか数瞬後ピッコロの全力の超爆裂魔波が炸裂した。まばゆいばかりの光が島を包み始めそれから少し遅れて衝撃が伝わる。天下一武道会会場は跡形もなく吹っ飛ぶだけでなく、パパイヤ島の建物すべてが破壊されていった。

 

どごおおおおおおんんん!!!!

 

凄まじい轟音と爆発から武闘家ではないブルマやウーロン、プーアルたちを庇うようにライ達が気功砲の穴に気のバリアを張る。全員の気を結集してなおピッコロの爆撃の衝撃波相殺しきれず地上近くにいたスウとライに神様、そしてチャパは大きなダメージを負ってしまい、その三人より奥にいたクリリンと天津飯にヤムチャでさえも軽傷とは言えない傷を負った。その甲斐あって、武闘家ではないものたちは土煙で薄汚れてはいたが怪我はなく、せいぜいかすり傷程度であった。

 

 

「悟空は…試合はどうなったんだ?」

 

クリリンが目をこすりながら爆音が収まり爆裂魔波で雲が吹っ飛び快晴となった空の元穴から這い出てきた。そして彼はあの超爆裂魔波に耐えきった悟空を見つけ顔を喜色に染める。

 

「た、耐えちゃったもんねー。お前の負けだ!」

 

悟空はそう宣言するとピッコロにめがけて突っ込んでいく。先の攻撃を防ぐために悟空も気を大幅に減らしていたが、全体に攻撃をしたピッコロほどではなく、一方的に攻撃を与え、強烈な拳を腹に打ち込むと飛び上がり、身動きが取れないでいるピッコロに向かってかめはめ波を叩き込んだ。

 

「悟空は勝ったのか…?」

 

悟空がかめはめ波を撃った後にはクレーターができており、口を大きく開けて白目をむいているピッコロの姿がその中心にあった。

 

「カウントダウンを頼む。」

 

悟空がアナウンサーに向かって言う。アナウンサーはピッコロは死んでしまったのではないかというが悟空が死んでないと断言し、神様からもお墨付きをもらってカウントダウンを始める。

 

「1、2、…8、9」

 

しかし9カウント目にして急にピッコロが起き上がり悟空めがけて魔口砲を放った。その一撃は完璧な不意打ちとなり悟空の肩口に直撃する。その攻撃に悟空は吐血する。

 

「うあああああああ」

 

この試合で受けていなかった致命的な一撃により悟空は苦しみに叫ぶ。

 

「「「「悟空ーー!!!」」」」

 

クリリン達が叫ぶがそんなものとばかりにピッコロが悟空によっていき、容赦ない蹴りを加える。

 

「「「ちくしょう!」」」

 

悟空が負けてしまうと見たクリリンとヤムチャに天津飯がピッコロに向かって行くがピッコロは大技を放ち悟空からの攻撃も受けているにも関わらず気による衝撃波でクリリン達を制する。

 

「先に死にたいのならいつでもころしてやるぞ!」

 

ピッコロは満身創痍であるが先の爆発を防いだ三人も少なくないダメージが蓄積しており三人がかりでもうかつには攻められないでいる。そして先の爆発を前面で防いだ4人は攻撃するだけの余力がなかった。しかし、その三人が飛び出したかいはあったのか悟空が立ち上がる。

 

「よかった、急所は外した見てえだな。」

 

「な、貴様!」

 

急所を外した程度はただの気休めにならないほどに消耗している悟空であるが何とか立ち上がり再びピッコロと対面し打ち合う。その動きは最初の打ち合いに比べると見劣りするものではあるが迫力は前半の打ち合いにも引けを全くとらない。しかし血を流しすぎた悟空は目がかすんできたのだろう、打ち合いはピッコロ有利で展開し、強烈な肘うちで悟空が倒れてしまう。

 

「はあああ!」ゴキッ!

 

「ぐあああああ!」

 

その隙を逃さず悟空に向かって膝をいれ、両足を折った。

 

「父は左腕を残して敗れたが、俺は…父のように甘くはない!」

 

そう言って左腕も使えなくして最後の一撃を放とうとゆっくり上昇していった。

 

「殺される、悟空が殺されてしまうぞ!」

 

クリリンが悲痛に満ちた声音でそう叫ぶ。それを見て神様が天津飯に自分を殺せというが悟空が口を挟む。

 

「大丈夫、おらが勝ってみせるから…」

 

口々に周りの仲間が無理だと叫ぶ中、ライだけは無言で悟空を見つめる。そんな中ピッコロの最後の一撃が悟空に襲い掛かった。

 

ズドーーン!

 

気功波が当たったところには大きなクレータができてその場に悟空の姿は跡形もなかった。

 

「お、終わった。ついに俺は孫悟空に勝ったのだ。孫悟空は死んだーーーー!恐怖に満ちた魔の世界の再来だ!」

 

今までにないほどの喜びを全身で表現するピッコロとは裏腹にクリリン達の顔は絶望に染まる。しかしその雰囲気を割く一声がライから放たれる。

 

「大丈夫ですよ。悟空にはまだ切り札が残ってますから。」

 

ライは爆裂魔波のダメージが大きくチャパやスウと一緒に穴の中にいたがそこから顔を出してクリリン達に行った。

 

「何だと…?」

 

そう言うとすぐに悟空の声が空から響く。

 

「お前の負けだあ!」

 

舞空術を使った全力の頭突きでピッコロを場外に放り投げ世界分け目の決戦に決着がついた。

 

 

「いやっほぅぅ!天下一武道会で優勝したぞー!」

 

ピッコロとの戦いで傷ついた悟空をいつの間に地中に隠れていたのかヤジロベーが現れて仙豆を渡す。復活した悟空は体いっぱいに優勝の喜びを表現した。

 

「悟空は前回も前々回も準優勝でしたからね。喜びもひとしおでしょうね。」

 

「地球を二度も救ってしまうのだからでっかくなったもんだよなあ。出会った頃はであった頃はほとんど互角だったのにさ。」

 

「全くですよ。武天老師様の元で一緒に修業した時が懐かしい。」

 

三人で和やかに談笑している隙に悟空がピッコロを殺そうとする神様を引き留めあろうことか仙豆を与えていた。

 

「ほれ、仙豆だ、怪我が治るぞ食え。」

 

「うぅぅ…」

 

「「「いぃっ!」」」

 

「おみゃあ何してるだ!」

 

ヤジロベーが叫ぶがピッコロは全快してしまいすぐに悟空達から距離を取る。

 

「おめえがこのまま死んじゃったら神様も死んじまうもんな。それにおらにとっては宿敵がいなくなっちゃうってのも寂しいしな。」

 

怪訝な表情で悟空をにらみつけるピッコロに不敵に言い放つ。

 

「へっへっへっへ。忠告したはずだぜ。その甘さが命取りとなるとな。今日のところは引き下がるがいつか必ず貴様を倒す。そして必ずこの世界をいただくぞ。」

 

そう言うと舞空術を使って去っていく。

 

「ほら見ろ!封じ込めてしまえばよかったんだよ!」

 

「まあ悟空ですし。」

 

「ライ…そこは諦めていいところではないと思うぞ。」

 

ライは今までの悟空と過ごした時間の中で既に諦念の境地に達していた。

 

 

「悟空さー!」

 

ピッコロが去った後にチチが悟空に向かって抱き着いていく。

 

「なにすんだ、チチ、やめろって。」

 

こういうことに慣れていないのであろう、顔を赤くしながら答える。

 

「そういえば悟空は新婚でしたね。婚約初日に未亡人にならなくてよかったです。」

 

困ったように頭をかく悟空に神様が声をかけるが悟空は即答する。

 

「孫よ、お主私に代わって神になってくれんか。」

 

「えぇっやだよー!あんな退屈なところにいたらそれこそ死んじまうよ。」

 

少しずつ後ずさっていく悟空とチチに神様が迫っていく。

 

「いいか、孫、神だ。神になれるのだぞ。私の後を継げるのはお前しかいない。」

 

「べぇ~」

 

神様に向かって舌を出すとそのまま筋斗雲に乗っていってしまった。

 

「はっはっはっ、悟空らしいな。」

 

「彼はまあ自由に修業していった方が良いタイプではあるだろう。」

 

チャパとスウがそう言うとライもスウ達に合流して頷いた。

 

「そうそう。悟空を神様にするのはそれこそ才能の無駄遣いですよ。」

 

去っていく悟空を眺めて天下一武道会は終結した。

 

 

「そう言えばチャパさんはこれからどうするんですか?」

 

天下一武道会が終わり帰路に着くなかライがチャパに聞く。齢300歳にしてばりばり現役である武天老師がいるため見落としがちであるが、チャパはもう武闘家を引退するにふさわしい年齢となっている。

 

「後進の育成だよ。ずいぶんと道場を留守にしていたが、それでもまだ私を師と仰いでくれる者を無下にし続けるのも悪いのでな。おっと、その前に君との再戦かな?」

 

「道場に行くなら私も一緒に行っていいですか。そこでもう一度勝負しましょう。」

 

「じゃあ俺は一足先に占い婆のところ行こうかな。」

 

人狼は12歳頃にして狼としての姿が成熟しその後人の姿が普通の人族のように成長・衰え、死んでいくまで狼の姿の成長は止まる。スウも人の年齢では武道家を引退してもおかしくないが狼化の力もあって未だに現役を続けられている。

 

「スウは私達の戦いを見ないのか?」

 

「お前たちの戦いはこの半年間で見てきたよ。それに結果はなんとなく想像がつく。」

 

「そうですか?ではここでお別れですね。次会うのは…武道会はしばらくないでしょうし、修業の合間に会いに行きます。半年に一回は占い婆の館に行きます。」

 

そう言うライにスウはキョトンとした顔で問う。

 

「あれ、お前は占い婆のところで修業しないのか?」

 

「ええ、チャパさんとの再戦が終わったらピッコロを追います。何かやらかそうとしたとき悟空がくるまでの時間稼ぎをしなければなりませんからね。…最も、ピッコロが悟空より先に誰かを殺すようなことはしないような気がしますけど。」

 

「…分かった。無茶はするなよ。」

 

親にしては淡白すぎる反応であろうがこれが二人の親子の形。信頼があればこそ成り立つ関係、そこに他人が入り込む余地はない。

 

 

こうして五年間の穏やかな時が流れた。




無印編終わりー!イェーイ!次回はサイヤ人編です。ここまで応援ありがとうございました。サイヤ人編も応援お願いします。もちろんいずれ来るフリーザ編もその次もずっとよろしくお願いします。と、強欲に応援を求める作者はこちらです。
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