ドラゴンボールZ・オルタナティブ~世界線c~   作:三軒過歩

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はい、今回からサイヤ人編です。実はサイヤ人編は六話くらいで終わってしまいます。無印で二十話以上もやっておいてどうしてこうなったんでしょう。フリーザ編はもっと短いかも?


(第二十二話)ある戦士の独白

エイジ???年

 

俺が修業をする理由は自分と、そして大切な人を守るためだった。でも今、俺は自分さえ守れればいいと思って修業していたのではないかと考えてしまう。俺は大切な仲間たちを守れず、しかもまた大切な人を失いそうになっている。俺の手の届く範囲はあまりにも狭く、そのくせ自分だけはその範囲に入ってしまっていた。でも今、俺は自分の修業する理由を大切な人を守るためでもあったと証明できるかもしれない。

 

 

ピッコロを悟空が天下一武道会で倒した後、その後五年間平和な時間が流れた。

 

「ピッコロのやつこの数年ひたすら修業を積むだけで何も悪さしなかったな。」

 

「意外でしたか?」

 

「いや、まあ確かに意外だったけど平和で何よりだよ。この数年でのライとの修業で俺も相当強くなれたしな。」

 

ピッコロを監視していたライには天下一武道会が終わってしばらくたった後、ヤムチャが加わり二人で修業しながらの監視となった。ライはヤムチャから気の開放をマスターし、ヤムチャもライとの修業で数年前より相当強くなっていた。

 

「今の俺達なら、ピッコロにも勝てるんじゃないか?」

 

「多分無理でしょう。あいつも修業してますし、縮まっているとは思いますけど。というか、気を読めば分かるでしょうに。」

 

「期待したくなるもんなんだよ。悟空ばっかりに世界の命運を託すのは悪いからな。」

 

「悟空はそんなに気に病んでないと思いま、す、け…」

 

言葉尻がしぼんでいく。彼らの平穏の日々は今日をもって崩れ去り、波乱の日々が幕を開ける。 

 

 

「やっほー。久しぶりに遊びに来てやったわよ。」

 

「お主らも冷たいのう。呼ばなきゃ遊びに来んのだから。」

 

ところ変わって亀ハウスでは亀仙人が久しぶりに悟空達一行を呼び旧交を温めようとしていた。亀仙人たちはおよそ三年振りに会うことになる。

 

「なかなか遠いのよここ。そんなことより、はい、お土産。」

 

「ありがとうございます。ブルマさん。ところでヤムチャさんは?」

 

クリリンがお土産を受け取りながらその名前を出すとブルマの顔が見る間に不機嫌になっていった。

 

「知らないわよあんな奴!もう半月は会ってないし!」

 

「あれっ?一緒に住んでるんじゃないんですか?」

 

「二年前まではね。ちょうど最後にあなたたちと会った後、ヤムチャはライとピッコロの奴を追ってるわよ。全くこんなに可愛い恋人をほっといてさ!」

 

「で、でも、半月前ってことは一ヶ月前くらいには会ってたんでしょ?」

 

その怒りに圧倒されながらクリリンが問う。

 

「一ヶ月に一回くらいは帰ってくるのよ。まあでもそんなわけだからヤムチャは来ないわ。私達だけで楽しみましょ。」

 

そうこうしていると悟空も筋斗雲に乗ってやってくる。 

 

 

「無事か、悟空!」

 

亀ハウスに悟空が訪れた後、悟空の兄を名乗るラディッツというサイヤ人が悟空のルーツをひとしきり語り、悟空を仲間に引き入れようとご飯を人質にして去っていったあと、ピッコロからラディッツへと監視対象を変えたライとヤムチャが合流した。

 

「ヤムチャ!ライ!」

 

「すみません、加勢できなくて。でも話は私達も亀ハウスの陰に隠れて聞きました。あいつから悟飯君を取り戻しに行きましょう。作戦があります。」

 

「作戦?」

 

クリリンがそう口にするとヤムチャが思い至ったような顔をする。

 

「尻尾か。」

 

「ええ。尻尾を握れば力が抜けてしまうんですよね。それを利用しましょう。悟空に私が協力すれば可能性はあります。」

 

「ならば俺も行く。人数が多いほうが可能性は上がるし、そもそもお前たちだけではうまくいく可能性は低い。大丈夫、もし死んじまっても神龍に頼めば生き返れるさ。」

 

その話を聞いてヤムチャがそう言う。

 

「いや待ってくれ、ヤムチャはまだ一回も死んでねえから大丈夫だけど、ライとクリリン、それに亀仙人のじっちゃんは無理なんだ。神龍は同じ願いは叶えられないんだ。天界で修業したとき神様がそういってた。」

 

「「「なっ…」」」

 

その言葉に一度死んでしまった三人が言葉を失う。

 

「…でも行きますよ。少なくとも誰かしら一人は一度死んだ人が行かないとほぼ無理ですから。」

 

「俺もいくぜ。悟空に救われた命だからな。ここで借りを返すさ。」

 

「…わしも行こう。」

 

三人とも声音は震えている。死ぬことに対する恐怖は亀仙人ほど達観しても恐ろしい。クリリンやライなら尚のこと。それでもみんなついて行くのは悟空の不思議な人徳のなせる業だろう。

 

「さあ、行きましょう。」

 

ライがそう言って武闘家全員で行こうとしたとき声が響く。

 

「お前たちでは無理だ。」

 

声の主は舞空術を解き降り立つと、悟空に向けて思いもよらないことを言った。

 

「やつが桁外れな実力なことは分かっただろう。そこの四人を引き連れたってやつは倒せん。前衛を張れるやつがお前だけではな。」

 

「「「え?」」」

 

キョトンとした悟空達を無視してピッコロは言う。

 

「この俺が一緒に行ってやる。」

 

と。

 

「どういう風の吹き回しだ。」

 

「フン、世界征服の野望にあいつが邪魔なだけだ。あいつとその仲間二人とやらを倒したら、次は貴様の番だ。」

 

「世界征服はさせねえがおら達が組むっていうとこまではいい考えだ。」

 

「そう言うことだ我慢するんだな。俺も貴様と組むのは反吐が出そうだ。」

 

背中越しに語る二人の交渉がまとまり、悟空とピッコロの地球最強コンビが爆誕した。

 

「私、置いてかれそうなんで言っときますけど、私も行きますからね。というか、遠くの気を感じ取れる人が必要でしょう。」

 

「俺も行くぜ。前衛が二人なら後衛も二人いた方がバランスがいい。」

 

「おめえたち…ありがとう。」

 

そう悟空が言うと悟空は筋斗雲に乗り、ピッコロとライは舞空術を使って浮き始め、ヤムチャも同じように行こうとした。

 

「待って!!」

 

そこでブルマからヤムチャに向かって静止の声がかかる。それを聞いてヤムチャは悟空達に先に行ってくれとしぐさで応じ、ブルマに向き直った。

 

 

「ねえ、危険なことはやめてよ。孫君とピッコロ、そしてライが行くのよ。三人に任せれば大丈夫に決まってるわ。」

 

引き留めるブルマの瞳は少しばかり濡れている。普段喧嘩もしていても、修業に行ってほとんどヤムチャと会えなくてもブルマにとってヤムチャは大切な恋人なのだ。

 

「ブルマ、分かってくれ。今ここで行けば救える命があるかもしれないんだ。」

 

死ぬ()()()()()()。助けられる()()()()()()。たらればの話で、ブルマが引き留めるのも決して間違っていないしヤムチャが行こうとするのも間違っていない。ブルマもヤムチャもお互いを大切に思っていて、でもお互いに譲れないものが違うだけ。

 

「…どうしても行くの?」

 

数秒の沈黙の後絞り出した声にヤムチャは答える。

 

「ごめんな。」

 

「そう、わがまま言ってごめんね。行ってらっしゃい。」

 

ごめんと聞いたブルマは少し表情を陰らせたが最後には笑顔で見送った。

 

 

「残らなくてよかったんですか。」

 

おおよその位置と方向を悟空とピッコロに指示し上空で様子を見ていたライがそう問う。

 

「聞こえてたのか?」

 

「人狼族は耳もいいんですよ。鼻ほどじゃないですけど。」

 

「全く、あんまり聞かせたい話じゃなかったんだけどな。」

 

「すいません。でも…」

 

「いいんだ。みんなを守れるように修業してきた。だからその矜持に殉じたい。ライも悟空も、死なせない。」

 

言葉を続けようとするライを遮ってヤムチャは言った。

 

「では行きましょう、あまり二人を待たせても悪いですしね。」

 

観念したのかそれ以上いうことはなく、ラディッツに向かって行った。

 

 

ラディッツにからかなり離れたところ、悟空もピッコロもラディッツの気を感じ取れる距離まで来て待っていた。

 

「お待たせしました。結構離れたところで待っていたんですね。」

 

「いや、大丈夫だ。それよりあのサイヤ人はどうやら妙な機械でおら達の位置を探れるらしいぞ。だからここで待っていたんだ。」

 

「そうだな。その間に作戦を考えよう。どうやって奇襲を仕掛けしっぽを掴むかの作戦を。」

 

 

作戦を立てた四人はラディッツの元に向かった。

 

「貴様等何しにここへ来た。」

 

「決まっているだろう、おらの息子を取り返しに来たんだ。」

 

「貴様もう少し頭が切れると思っていたんだがな。まさか三人がかりで行けば勝てるなどというバカバカしい計算をしたんじゃないだろうな。」

 

二人の会話に業を煮やしてピッコロはターバンとマントを脱ぎ捨てる。それをみて悟空も重りを外した。

 

「我が一族の恥だ!仲間と一緒に死んでしまえ!」

 

三人が臨戦態勢になったのを見てラディッツが接近し、悟空とピッコロの背中に肘を撃ち込み、後衛に控えていたヤムチャに蹴りを入れた。

 

「「「ぐっ」」」

 

悟空とピッコロへの攻撃でワンテンポ遅れた攻撃をヤムチャは何とか防ぎ切り急いで距離をとり、ヤムチャへの攻撃の隙をついて三人で三角形を作るようにしてラディッツを囲む。

 

「波あああ!」

 

ヤムチャが気弾を数発放つとそれを合図にピッコロと悟空が突っ込んでいく。目にもとまらぬ連撃を二人がかりで浴びせ、ヤムチャの気弾も襲い掛かっているというのにそれらすべてを捌ききって見せた。

 

「「フッ」」ピシュン!

 

二人で同時に後ろに回るも舞空術を使って両足蹴りを食らわせその後飛び上がる。

 

「かめはめ波!」

 

飛び上がったラディッツにかめはめ波を撃ち込むが空中に飛び上がって接近してきた悟空とピッコロごと気功波を放って返り討ちにした。

 

「くっ!」

 

何とかかめはめ波で片方の気功波を相殺し悟空を庇ったがピッコロは攻撃を食らい片腕を失くしてしまう。

 

「後ろかっ!」

 

「遅い!」

 

地上に戻った悟空はすぐさま背後に回ったラディッツに反撃しようとするが凄まじい速度の肘を入れられ吹っ飛ばされる。

 

「三人がかりでこれでは、まるで話にならんな。」

 

「「ピッコロ!」」

 

「安心しろ片腕くらいなくても何とか戦えるぜ。」

 

「いよいよ貴様らの死が近づいてきたようだな。」

 

 

ピッコロが片腕を失くし、形勢が大きくラディッツに傾き、いよいよピッコロが新開発した技を使う。

 

「おい、孫悟空貴様新しいとっておきの技はないのか。」

 

「はっきり言ってねえよ。」

 

「手を抜きやがって。結局この新しく開発した技を使うことになるとはな。だがこの技はためるのに時間がかかる。その間お前とヤムチャで時間を稼いでくれ。」

 

「頼むぜ、ピッコロ、お前の技にかかってるんだからな。…行くぞ悟空。」

 

「二人でくいとめっぞ!」

 

ピッコロが技を溜める間に悟空とヤムチャが突っ込んでいく。しかし悟空とピッコロの連撃をも躱して見せたラディッツに対して悟空とヤムチャの連撃では当たる道理もなく、一方的に攻撃を食らう展開が続いた。

 

「ふん、そこの奴と組んでもダメだったのにそいつより弱いやつの前衛を組んだところでどうしようもないだろう。」

 

余裕を示すかのように話しながら攻撃を加え、悟空とヤムチャを吹っ飛ばした。

 

「か…め…は…め…波ああああ!」

 

すぐに態勢を立て直し、悟空はかめはめ波を放つ。それに合わせてヤムチャも即興でかめはめ波をはなった。

 

「波ああ!」

 

「戦闘力を一点に集中させてあげることができるのか。チッ、小賢しい真似を!」

 

両サイドからくるかめはめ波を両腕で受け止め切った。

 

「今度は俺がプレゼントしてやる!」

 

そう言って気功波をヤムチャと悟空にあて、落ちてきた悟空に止めを刺そうと胸倉をつかんで手を振り上げた、その時…

 

「やあああ!」ボコッ

 

ライが地中から出てきてラディッツのしっぽを掴んだ。

 

「「よぉし!」」

 

ピッコロとヤムチャが喜びの声をあげる。

 

「四人いるとは思わなかったでしょう?これで終わりです。」

 

地中をスカウターで計測されないレベルに気を抑えて掘り進み、魔貫光殺砲を打つことを感じ取り作戦を実行に移した。

 

「死ぬのは貴様の方だったな。これで終わりだ。魔貫光殺砲!」

 

凄まじい貫通力を持った必殺の一撃が放たれる。

 

「ちきしょう!このまま死んでたまるかあ!!」

 

ラディッツは覚悟を決める。いや諦めとも言えるかもしれない。その思いは事態を最悪の方向へと導く。




ライ700
ヤムチャ686
二人とも気の開放を習得しているのでこんな感じです。無茶するヤムチャで686にしました。偶然語呂合わせできそうやんってなったんでいじりました。ヤムチャびいきはしばらく続きます。私好きなんです。ヤムチャ。
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