ドラゴンボールZ・オルタナティブ~世界線c~   作:三軒過歩

29 / 83
昨日の話で骨は治ったって言いましたね。じゃあ頬の傷はどうなんじゃいって思った方はいるのではないでしょうか。頬に傷があるのなんかかっこいいなあとか思ったりするので今は明言を避けます。でも忘れたころに傷がどうなったのか話す予定です。あくまで予定。



(第二十六話)超エリートと下級戦士、そして

「びっくりしたぞ、ライ、どうやっておらより早く着いたんだ?」

 

「途中で占い婆さんに会いましてね。私は一日限定の復活なんで占い婆さんさえいればどこからでもあの館に行くことができるみたいなんです。まあ意味があったかといえば微妙でしたが。」

 

「いや、おかげで悟飯にクリリンが死なずに済んだじゃねえか。守れなかったものじゃなく、守れたものを見ようぜ。」

 

「それもそうですね…悟飯、これをクリリンと分けて食べてください。」

 

「はい!」

 

悟飯をおろしてサイヤ人たちと相対する。

 

「許さんぞ、貴様らー!」

 

悟空は怒りを露わにそう叫び構えをとる。ライも同様に構えをとり、サイヤ人二人をにらみつけていた。二人の気迫で小石が浮き大地が震える。

 

「ベ、ベジータ!カカロットの戦闘力はいくつだ?」

 

ベジータが悟空の戦闘力を測り、数値を告げてスカウターを握りつぶした。

 

「8000、以上だ!」

 

「8000以上!?ありえねえ。スカウターの故障だ。」

 

(界王拳!)

 

二人が驚愕している間に悟空とライが動く。ナッパを挟みこみ二人で脇腹にきつい一撃を加えた。

 

「ぐぅ…」

 

「「今の一発はチャオズの恨みだ。」」

 

そう言うと二人で回し蹴りを放ちナッパを吹っ飛ばす。

 

「「天津飯の恨み。」」

 

バン!

 

「ぐおおおお!」

 

崖に埋もれたがそれを吹っ飛ばし、出てくる。しかしその隙を逃さず再び二人の拳がナッパに刺さる。

 

「「ヤムチャの恨み!」」

 

「「そしてこれが…」」

 

腹部への一撃で悶えているナッパに対して悟空とライが片手ずつかざす。

 

「「ピッコロの恨みだ!」」

 

二人の気功波を受けたナッパはなすすべなく倒れ伏した。

 

「もうそいつは戦えないはずだ。そいつをつれて、とっとと地球から消えろ!」

 

ナッパをベジータに投げ飛ばしそう告げるがベジータの表情は変わらない。

 

「情けないやつだ。まさかあのカカロットとその仲間如きにこの俺が動くことになるとはな。」

 

「ベ、ベジータ、助けてくれ…」

 

意識を取り戻したナッパがベジータに助けを乞い手を伸ばすがベジータは気功波で吹き飛ばす。

 

「動けないサイヤ人など必要ない!」

 

「ライ逃げろ!」

 

「!」

 

凄まじい攻撃にライ達がさっきまでたっていたところにも衝撃が飛ぶ。

 

「危なかった…」

 

「「え、ええ。」」

 

悟空はクリリンの腕をつかみ悟飯を抱きかかえて上空に跳び、ライも自力で躱していた。

 

「余波で死ぬとこでしたね。」

 

「ああ。…二人とも今すぐ亀ハウスに帰ってくれ。」

 

「え、なんで?」

 

「…そうか。分かった、悟飯早く行こう。俺たちがいたって足手まといだ。悟空達に任せるんだよ。」

 

「分かりました。」

 

「すまねえな。すべてが終わったら、また釣りに行こう。」

 

悟飯とクリリンが飛び去っていき悟空とライがベジータに相対するべく地上に降りていく。

 

「場所を変えましょう。みんなの死体が無茶苦茶になったら、生き返った時に悪いから。」

 

「でも、もうピッコロが死んでしまった。悔しいけどみんなはもう生き返れねえ。」

 

心底悔しそうに悟空が言うが、ライは少しだけ得意げに返す。

 

「策があります。生き残ったら話します。多分クリリンも同じことを考えているはずですから、私が死んでも彼に聞いてくれれば大丈夫です。」

 

「死なせはしねえさ。もう死んでるけどよ。」

 

戦う場所を変えようとライと悟空、そしてベジータは荒野に向かって飛んでいく。

 

 

「よし、ここなら人も動物もいねえだろう。」

 

そう言って悟空が降りていき、ライとベジータもそれに続く。

 

「ライ、おらが前にでるからおめえは援護頼んだぞ。」

 

「任せてください。」

 

小声でライとおおよその方針を立てる。

 

「作戦会議は済んだか?光栄に思うがいい、貴様のような下級戦士の落ちこぼれと大した力も持たない下等種がこの戦闘民族サイヤ人の超エリートと遊んでもらえるんだからな。」

 

「弱い奴ほどよく吠えるんです。地球を舐め腐った貴様に私たちが負けるはずがないでしょう。」

 

「それは自分に言い聞かせているのか、え?」

 

実際に拳を交えてなくとも気を感じ取れる二人は目の前のサイヤ人の恐ろしい力を感じ取っている。気圧されていることを感じ取っているベジータには余裕があるし、逆にライには余裕が無い。

 

「落ちこぼれだろうと、戦闘種族でなくたって、必死で努力すればエリートを超える事があるかもよ?」

 

でも、悟空には余裕がある。いや、余裕というには語弊があるかもしれない。しかし、悟空はベジータに対しても物怖じしていなかった。彼のその様子はライにも不思議な力を与えてくれる。三人は構えをとった。

 

「行くぞ!」シュン!

 

「波あああ!」

 

悟空がベジータに突っ込んでいきライが気弾でそれを援護する。悟空の凄まじい速度の連撃をベジータは右腕でライの気弾をはじきながら防ぐ。

 

「たりゃりゃりゃ、はっ、おりゃ!」

 

悟空の蹴りをベジータはバックステップを踏んで避ける。その表情には余裕があり、ライとの連携攻撃にも十分に対応できるようだったが、素早く動き回って戦うことでライの援護が通りにくくなっていた。下がるベジータを悟空もすぐに追うが反撃を食らう。

 

「悟空、後ろ!」

 

態勢を立て直すもベジータを見失った悟空にすぐにライが指示を飛ばし、悟空は辛くも攻撃をよける。

 

「どうした、貴様ら!そんな程度じゃないだろう。ナッパの奴を倒した時はこんなもんじゃなかったはずだ!」バギッ!

 

連撃を悟空に食らわせながらそう言うベジータは悟空を打ち落とした。

 

「見せてみろ!」

 

再び岩山に乗り三人相対する。

 

「大丈夫ですか。私も前に出ます。あいつに遠くからの援護なんてあってないようなものですよ。」

 

「ああ、あいつまだ全然本気じゃねえしな。そうするしかなさそうだ。おら達も本気で行くぞ!」

 

「「2倍界王拳!」」

 

ライがベジータがいる岩山に向けて気合砲を放つ。飛び上がったところを悟空が急襲した。

 

ドン!

 

「やあああああ、とりゃあ!」

 

一撃打ってできた隙に連続で右拳を打ち込み、蹴り飛ばす。素早く追撃に打って出るが逆に蹴り飛ばされる。

 

「まだです!」

 

悟空が飛ばされるも悟空の死角にして接近してきたライが素早く一撃を放つもそれを防がれた。

 

「その程度では、話にならんぞ!!」

 

「でしょうね!」

 

ライがそう言って左指を少し上に動かすと気弾がベジータに向かう。ヤムチャの開発した操気弾はクリリンも同じ原理の発展型である拡散エネルギー波を開発していたり、ラディッツ戦で悟空がかめはめ波を曲げたりと、活躍の幅は広い。

 

「フン!」

 

しかしベジータはその気弾を足で両断するとそのままライを殴り飛ばした。

 

 

「どうした、それが貴様らの限界らしいな。貴様の死に土産に見せてやろう。超エリートサイヤ人の圧倒的パワーを!」

 

そう言うとベジータは力を込め始める。その力は雷雲を引き起こし、まるっきり台風のようだ。

 

「はあああああ!」

 

一気に力を放出すると雷雲は晴れ今度は雲一つない真っ青な空が出迎える。

 

「終わりだ。」

 

そう言うとものすごい速度でライに接近する。

 

「ぐっ!」

 

「ライ!」

 

「次は貴様だ!カカロット!」

 

ライを二発の攻撃で打ち落とし、悟空に向かって行く。強烈な頭突きからの肘うちの連撃、悟空は岩山に着地するも、後ろをとられて蹴り飛ばされる。吹っ飛ばされながらも態勢を立て直しあたりを探る。

 

「そおれ!」

 

先ほど後ろを取られたことが活きたか、ベジータが気弾を放つ前に気づき、2倍界王拳で避けるも二発目は避けきれずかすってしまい、道着が破れる。

 

「いいぞ!よく避けた。避け易くしてやったんだ。すぐにやられちまったらつまらんからな。」

 

降りてきた悟空に対して余裕の表情でそう言い放つ。ベジータのその油断とも読み替えられる余裕の隙を突きにライが動く。

 

「フッ!」バギッ!

 

顔を苦悶にゆがめてベジータを殴り飛ばした。追撃を仕掛けようと再び深紅のオーラをまとってすっ飛ばす。

 

「え?」

 

それを見た悟空が唖然とする。界王拳を仮に三倍まで引き上げても悟空の二倍にすら届かないのだ、ベジータには当然届かないはずである。

 

「実力の不足は!無茶で補える!!」

 

ある世界線で、そしてこの世界では数分後、悟空が一瞬繰り出す4倍界王拳。それを悟空よりもさらに未完成な体で使う。わが身を滅ぼす危険な思想。払う代償は一撃打ち込むたびに使った部位の骨が砕ける。得る利益はベジータに匹敵する戦闘力。

 

「くそったれがああ!」

 

吹っ飛ばされた先の岩盤を吹っ飛ばし追撃してくるライに向かってベジータが腕に気を溜めて殴りかかる。

 

「遅い!」ドン!

 

残った左腕で重い一撃を入れる。速度の上では二人に差はない。しかし思わぬところで攻撃を受けると立て直すのは難しい。

 

「う…ううう…あああ。」

 

痛みに悶え腕を抑え込み動きが鈍る。それも敵の前で。

 

「無茶にはしわ寄せがくるもんなんだよ。残念だったなあ!」

 

「させるか!」

 

痛みに倒れこむ前にライを攻撃しようとするベジータを悟空が蹴り飛ばす。浮き上がったベジータを今度は殴り飛ばし吹っ飛ぶ速度よりも早く追いつき両足で上空にけり上げた。

 

「てりゃっ!」

 

再び接近してくる悟空に対し気弾を放つも悟空は大きく回り避けてベジータを蹴り飛ばした。

 

「同じ手を食うか!」

 

奇しくも数瞬前のライに対する状況と同じになる。

 

「フン!」ゴン!

 

先ほどと違うのはライと悟空の実力。ライとベジータの実力は互角だったが、今の悟空とベジータでは悟空のほうが上回っていた。

 

「体中が…やっぱり界王拳を3倍にするんは、無理があったか…!」

 

ベジータが自分を上回るサイヤ人の存在にうろたえているなか、悟空がライに合流する。

 

「ライ!大丈夫か!」

 

「あと、二撃です。それがあのサイヤ人に有効な攻撃の限界。」

 

「ばかやろう、そんな体で無茶しやがって!」

 

悟空がライの身を案じていると怒りに狂ったベジータが上空に上がってエネルギー波をため始める。

 

「絶対に、絶対に許さんぞ!もうこんな星などいるもんか!地球もろとも粉々に打ち砕いてくれる!!」

 

「あんなとこから気功波を撃たれたら…!」

 

「かけるしかねえ‼」

 

地球へのダメージを気にした悟空が再び3倍界王拳を使う。

 

「か、め、は、め…」

 

「俺のギャリック砲は絶対食い止められんぞー!」

 

「波あああああああ!」

 

悟空の3倍界王拳かめはめ波とベジータのギャリック砲が衝突し凄まじい衝撃が襲う。その余波でライが吹き飛ばされてしまった。戦闘力で上回っているはずの悟空の攻撃は拮抗している。無茶をした反動で戦闘力が落ち込んでいたのだ。

 

「界王拳・4倍だあ!」

 

実力の不足は、無茶で補える!ライの心意気をなぞるように悟空は倍率を4倍に上げる。その一撃で均衡は崩れ去り、一気にかめはめ波がギャリック砲を押し込んだ。

 

 

 

「孫!やったでねえかよ!こんにゃろー!」

 

気功波が上空に消えたあとヤジロベーが悟空の元にやってくる。

 

「ヤジロベー、どうしてここに?」

 

「なんだよ気づいてなかったんか。よっぽど必死だったんだな。」

 

そう言ってヤジロベーは悟空を軽くたたく。普段であればダメージにもならないその行為は無理がたたっている悟空には堪える。

 

「ど、どうしたんだよ。」

 

「体に無理な技を使った反動です。私も悟空も、もう体はボロボロですよ。」

 

舞空術を使って合流したライがヤジロベーにそう言う。

 

「それより、ヤジロベー、おめえ逃げた方が良いぞ。」

 

「え、なんしてだ、まさか!」

 

「あいつはまだ生きてる。この程度でくたばるんだったら苦労はねえ。」

 

「で、でもおめえのほうが強かったし、ライだってあいつにどぎついのかましてたでねえか。」

 

「ライが言っただろう。体に無理な技使ったって。もう限界が近えんだ、二人ともな。」

 

「そ、それじゃあ、がんばってちょ。」

 

ヤジロベーは簡単な激励を送ると逃げていった。

 

 

 

 

「降りてこないな。」

 

「ええ。」

 

かめはめ波で上空に吹っ飛ばされたあと、ベジータはなかなか降りてこなかった。その間に二人で話し合う。

 

「悟空、あいつに勝つにはもう元気玉しかないです。私が時間を稼ぐんでうまくやってください。」

 

「ああ、頼むぜライ。」

 

そう話しているとベジータが降りてきた。その顔には薄ら笑いが浮かんでいる。

 

「月を壊してしてやったりってとこだろうがそうはいかんぞ!」

 

そう言ってベジータはサイヤ人が大猿になるメカニズムを話す。しかし、ライが驚愕したのはそこではない。ベジータは言ったのだ。選ばれたサイヤ人は月を造ることができる、そして自分は選ばれたサイヤ人であると。

 

「まずい!」

 

ライが飛び出そうとするがもう遅い。パワーボールが上空ではじけ、白いエネルギーボールができる。

 

「悟空!急いで元気玉を!早く!!」

 

ライが言うが悟空は呆然として動けないでいた。

 

(そうか、悟空は大猿のことを知らなかったから…!)

 

大猿と化したベジータが拳を振り下ろすのを見てようやく正気に戻ったか動きだす。

 

「ふはは、どうだ、これで貴様らはもう終わりだ!」

 

(だめだ、これほどの戦力差じゃ界王拳を4倍にしたところで時間稼ぎすらできない!)

 

ベジータがいたぶるように攻撃をして戦っていくためにぎりぎりしのげているが、ベジータの気分ひとつで決着がつく。

 

「なんてことだ、じっちゃんを踏みつぶして殺したのも、武道会場をぶっ壊したのも、この、おらだったのか。」

 

(ごめんよ、じっちゃん、こいつとんでもない化け物でさ、おらの気を全部使わないと勝ち目はなさそうだ。死んじゃってあの世に行ったら謝りに行くよ。)

 

決意を固めなおし元気玉を溜めようとする。

 

「うらあ!」

 

しかしベジータが止まっている相手を逃すまずもなく吹っ飛ばされる。界王拳を使って何とかしのいでいくがじり貧だった。そこでライに天啓がひらめく。




ベジータ20000
大猿ベジータ80000
ベジータは元は18000でしたが前線で戦ってきた経験を考慮してこの作品では少しパワーアップさせました。大猿ベジータは蓄積ダメージと人工の月を作った影響でこの戦闘力。人工月を作ったってことは…?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。