ドラゴンボールZ・オルタナティブ~世界線c~   作:三軒過歩

37 / 83
無印編って中だるみしてたんだなあと今にして思ってます。だって話数が多すぎるもの。もちろんサイヤ人編やナメック星編が中だるみしてないとは言ってません。


(第三十三話)最悪の再会

「おお、いよいよ願いが叶うようだぞ。」

 

界王星でナメック星の様子を見ていた界王がナメック星のドラゴンボールがクリリン達によって呼び出されたことを感知した。

 

「これで私と餃子さん以外は生き返れますね。」

 

「よかったね天さん。」

 

餃子はこのひと月の間に天津飯と過ごし、天津飯は生き返るべきだと強く言っていた。

 

「むむ、どうやら生き返れるのは一つの願いにつき一人だけらしいぞ。」

 

それを聞いたピッコロがすぐに動く。

 

「界王よ、頼む悟飯と話をさせてくれ。頼む…!!」

 

その真剣な表情に界王も了承し悟飯と話す。

 

「叶えられる願いと仕様は分かった。よく聞け、一つ目の願いでこの俺を生き返らせるんだ。」

 

「勝手を言うな!」

 

「待ってください。ピッコロが生き返るとは神様が生き返るということです。そうすれば…」

 

「なるほど、そう言うことか。」

 

ヤムチャたちが納得しているとピッコロは二つ目の願いを言う。

 

「この俺をナメック星へ飛ばしてくれ。俺はフリーザと戦いたいんだ!俺はここではるかに力を増した。きっと倒して見せる。」

 

「何を…!」

 

界王がピッコロに物申そうとしたときライも界王の肩を掴む。

 

「私もです。二つ目の願いで私も連れてってください。」

 

「何を言うか、すでにお主は死んでおる。ナメック星には行けないはずじゃ。」

 

そう言う界王を遮るように地球の神が進言する。

 

「申し訳ありません。界王様。あのフリーザの強さは私もある程度分かったつもりです。そのうえで、ライを行かせるべきだと判断します。きっとライとピッコロならどんな巨悪にも勝てるはずです。」

 

「何を言うか、地球の神まで…!フリーザとは戦っちゃいかんとあれほど…!!」

 

そう言うと神様がライの体に()()。そうするとライから天使の輪が消えた。

 

「私が乗り移れば生きた精神を体に取り込むことになり、生き返れるのです。最も私が出ればこの体がまた死んでしまい、あの世にはじかれますが…」

 

悟空とベジータがポタラで合体した時と原理は同じ。この状態でいる以上ずっとライの体でも生活できる。

 

「でもその状態じゃライの意識は…」

 

「その状態で意識の主導権を…」

 

そう言うと再び口調がライに戻った。

 

「私に譲っていただければ疑似的に生き返れるというわけです。さあ行き…」

 

そこまで言いかけたところで再び神様が表出した。

 

「すまぬな、ライ、ポポに言伝を残しておかなければならないのでな。」

 

「(ポポよ、ドラゴンボールを集めておいてくれ。必ず近いうちに必要になる。)」

 

念話でポポと話を済ませようやく精神をライに明け渡した。その直後瞬間移動でナメック星に到着する。

 

 

「あれ?ナメック星に来たはずなのに、クリリンや悟飯はおろかピッコロまでもいない。まさか…失敗!?」

 

焦るライに脳内に直接声が響く。

 

「(おそらくナメック星に飛ばせという願いだったからだろう。ナメック星のどこに飛ばすかは指定していなかった。)」

 

「ああ、なるほど、そっか、本場のドラゴンボールなのに融通が利かないんですね…ん?神様話せたんですか。」

 

「(言いたいことを思い浮かべればわしと会話はできる。ここにきてわしの知識が必要になるとも思えんが、お前の目を通してわしも周りのことは見えている。必要だと思ったら呼ぶがよい。それより急げ、フリーザとクリリン達はもうすぐ戦闘を始めるだろう。)」

 

「(ええ。ありがとうございます、神様。)」

 

ライは人口の月を視界に入れ合流を急ぐ。

 

 

「ここがナメック星か、初めてくるはずなのに妙に懐かしい。俺のナメック星人の血がそうさせるのだろうな。さて、急ぐか。ライも別のところに飛ばされたようだし、時間はほとんどないだろう。」

 

ピッコロもピッコロで凄まじい速度で合流を急いでいた。しかし彼は消えそうになっている気に気づく。全速力で飛ばすピッコロがネイルに気づいたようにライもまた気づくのだ、消えかけた気に。

 

 

「消え去りそうな気が一つ、ドラゴンボールを集めた場所に父さんはいないようだったし、ひょっとして…!」

 

少しばかり進路を変え、気の持ち主のもとへ向かう。

 

「!父さん!父さんじゃないですか。良かった!!生きて…」

 

ガン!

 

その言葉を最後まで言い切ることはできない。満身創痍で今すぐにでも死んでもおかしくないその体で近づいてきたライの首を掴み、押し倒した。

 

「はは、神様も気が利く!最期に亜人を殺せるんだからな!」

 

「な、なにを…」

 

急なことに二の句が継げない。されるがままに首を絞められているほどに動揺していながらも、いったいなぜ自分は死にかけの父親に首を絞められているのだろうと嫌に冷静な自分もいる。首を絞める手に力がまるでこもっていないことも理由の一つだろう。

 

「ずっと、ずっとお前等に対する憎しみは消せなかったんだ!ルミに会ってから、ライが生まれてから薄れていった、それでもなくなったりはしなかった!」

 

殺そうとしている人がライだということにスウは気づいていない。

 

「亜人に復讐してやりたかった。でも、それももう!叶わない!!」

 

目の焦点が合っていない。もう目が機能していないのかもしれない。

 

「すぐにフリーザの宇宙船まで連れて行きます。多分治療設備がある。」

 

無理やりに、と言ってもほとんど力をかけずに腕を離し抑え込む。地球人ならば動かせないほどの力は死にかけの身体でも十分出せるが、相手がライならばダメージにすらならない。

 

「ちくしょう、今の俺には、目の前の亜人ひとりでさえも…。」

 

そこまで言ったところで血を吐く。抜け出そうとする手には力が全く入っていなかった。

 

「(神様何とかなりませんか、このままじゃ父さんは!)」

 

正気でないことはすぐに分かった。それ以上に生きているのが不思議なほどの状態だとも。

 

「(無理だ、既に生きているのがふしぎな状態なのだ。もう数分もせずに…。)」

 

「何一つ、思い…通りに、動か…ねえ、くそが…」

 

うわごとのようにそう言うスウは既に拘束を解かれたことにも気づいていないようだ。

 

「だめだ、生きて!生きてください!父さん!天寿を全うするんでしょう!ここで死んで全うしたといえるんですか!!」

 

もう声は届いていないのだろう、うわごとのように呟く。

 

「俺、の、やぼ…は果たせな、かった。いや、こいつだけ、でも…!!」

 

「(ライ、離れろ!)」

 

急に脳内に響く声、間に合わないと知りながら、父親をフリーザ船に運ぼうとしているライに反応できるはずもなく、光線を食らう。悪の気を増幅させる、アクマイト光線を。ライを禍々しいピンクのオーラが包む。

 

「…」

 

「ッ…!」

 

「(心を無にするのだ。そうすれば悪の気は収まる。落ち着け、落ち着くんだ。)」

 

焦る神であったがライの表情は固まったまま微動だにしなかった。

 

「き、きっと、父さんは…この技で暴走した、んでしょう。でも父さんの最期の思い、()()受け入れる…!」

 

最期の思い、ライの想像する思いではないかもしれない、悪の気にとらわれたスウの邪悪な想い。しかしそれでも確かにライの力は増す。悪の気が内に沸いたとき、抑え込もうとするもの、払おうとするものがほとんど、取り込まれれば人格が変わってしまう。利用するなどということを思いついたのはスウが最初。それもとんでもない発想だ。さらに突飛な発想、ライは悪の気を受け入れた。悪の気を確かに自分の血肉に変えた。

 

「フゥー、フゥー…」

 

「(ライ、お主…)」

 

「行くぞ…いえ、行きましょう。」

 

こと切れた父を一瞥し、荒い息を整えながら戦場に向かう。

 

 

 

(ピッコロの方が先についたみたいだ。しかもなぜだか界王星にいたころよりもさらにパワーアップしてるし。どうなってるんだ。)

 

距離だけでいえばライがいた場所の方が近い、しかしネイルと同化しパワーアップしたピッコロの速度はライよりも早く、スウとの再会にも時間を取られた。

 

(こちらはまだもう少しかかりそうだ。急ごう、今のピッコロならフリーザにも勝てるはずだけど…)

 

「(急にフリーザの気が膨れ上がった。それを思えば全く安心できない。)」

 

フリーザとの戦いの気を感じながら飛行していく。凄まじい力を手に入れたライだが未だ戦場に着かないでいた。

 

「(父さんのとこで時間をかけすぎましたね。急ぎましょう。)」

 

 

「「待て!」」

 

「どうして止め…」

 

悟飯が第三形態まで変身したフリーザに飛び掛かっていく。援護をしようとクリリンが飛び出そうとしたがベジータが止める。その声にもう一人の声がかぶさった。

 

「ライ!どうしてここに、お前は、もう二度とこの世には戻ってこれないんじゃ…」

 

「裏技使っただけです。死者のままでもこの世に戻る方法、結構あるんですよ。さて…」

 

「(急ぐのだ、このままでは悟飯が…)」

 

「お、おい。まさかお前もフリーザと戦うってんじゃないだろうな。」

 

「まさかってそれ以外の何のためにわざわざあの世からくると思ってるんですか。」

 

「馬鹿言うなよ。フリーザの恐ろしさをが分からないのか!あのフリーザって野郎は変身をする種族で、あと一回変身を残しているんだぞ!しかも、今でさえピッコロでも敵わないほど圧倒的な強さなんだ!そんな奴にどうやって勝つっていうんだ!」

 

そう言って引き留めようとするクリリンに対してライは不敵に返す。

 

「確かにピッコロは強くなりましたけど、今の私はピッコロと比較にならない強さを引き出せます。まあ任せてください。」

 

(この気はスウさんに似てる。そうかライの奴も…)

 

 

「ふん!」ドン!

 

「む?」バシッ!

 

「あらら、意外と冷静。」

 

「また一匹虫けらが死にに来たようですね。」

 

蹴りを防がれ距離を取りなおす。

 

「初めましてで悪いのですけれど、死んでもらいます。」

 

「どうやら、早死にがお好きなようだ。一瞬で決着をつけてあげましょう。」

 

二人が構えをとる。ライの体が赤いオーラに包まれ、戦いが始まる。

 

「では宇宙のゴミ掃除を始めましょう。」シュン!

 

ガシッ!

 

フリーザの繰り出した凄まじい速度の拳を簡単につかみ、蹴りこんだ。

 

「今の私は、ピッコロをも凌駕する。」ドゴッ

 

「うごっ!」

 

「この宇宙に帝王なんて存在はいらない。」

 

自分と互角、いやそれ以上の力の片鱗を見せるライに対して意外にもフリーザは冷静だった。

 

「いやあ、驚きました。この私にここまで張り合う戦士が、まさか存在するとは思ってもみませんでした。」

 

「互角?おかしなことを言いますね。」

 

そう言うフリーザの前でライは倍率を三倍に引き上げる。

 

「互角だったらゴミ扱いなんてしません。貴方が私よりもずっと弱いから、その扱いをするんです。」

 

「ほう、それでは、見せてあげましょう。この私の最後の変身を、この私の真の姿を。」

 

そう言うとフリーザは変身をしようと力をため始める。

 

「そんな悠長に変身させるわけないでしょう!」

 

そう言ってライがフリーザに向かって行く。

 

 

さて、ライがフリーザ戦に参戦したのはフリーザが第三形態になってから。その時点でピッコロはぼろぼろ、ベジータもフリーザが変身を始める前にはクリリンによって半殺しにされた。悟飯にクリリンはピッコロの安否を確認し、その後治癒を拒否するデンデを説得するためにフリーザに意識を払っていなかった。この四人は変身をその目で見ていたために最後の変身の実力もある程度予測を立てていたからこそ、味方を優先した行動をとった。つまるところその四人は変身を始めたフリーザの気に注意を払っていなかった。ライが、ライだけがその途方もない実力を正しく感じ取ったのだ。

 

「んなっ!?」

 

フリーザに向かって行ったライは途中でそのあまりの気の大きさに動きが止まる。

 

「焦らないでくださいよ、あなたにもちゃんと地獄を見せてあげますから。」

 

変身をしながらもフリーザがそう言う。ライは金縛りにあったかのように動けなかった。




ライ20万
スウからのアクマイト光線を受けて戦闘力は1.5倍にパワーアップしたと想定、フリーザ戦では変身込みで90万だせる。そこから界王拳を使うのです。負けるはずがないと錯覚するのも仕方のないことだと思います。

この話は本当に苦労しました。最悪の形で再会するとかサイヤ人編で言っておいたのに大したことのない再会劇しかできなかったので超展開気味ではありますが、この形をとりました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。