「ライ、大丈夫だよな?あいつさっぱりして迫力が減っちまったし…」
呆然としていたライにピッコロ達が合流しクリリンがそう言った。
「む、無理です。次元が違いすぎる、悟空が来たってどうしようも…」
「今までよりもずっと強化されているが、ライの実力ならどうしようもないレベルでは…。」
ピッコロは潜在パワーを探り、フリーザの気を読んだ。しかしフリーザは変身をしたことで気のコントロールを数パーセントと単位でできるようになり、潜在パワーをごまかすこともできた。唯一変身の一部始終を見ていたライだけが実力の全容を把握できていた。
「バン」
フリーザが指を光らせたかと思うとデンデに光線が一直線に進み、一撃のもとにデンデを殺す。
「これでもう、復活はできない…ね。」
そう言ってフリーザはライ達の背後をとる。
「約束だったよね。地獄以上の恐怖を味合わせてあげるって。」
「あ、あああ…」
既にライは戦意を喪失して動けないでいた。ピッコロ達はそれでもフリーザに向かって突っ込んでいく。
「うあああああああ!」
「ちきしょうううう!」
「くそったれえええ!」
三人がそれぞれフルパワーでフリーザに向かって行く。しかしその攻撃のすべては躱されてしまう。
「バカヤロー!後ろだあ!」
三人が放った気功波で煙が舞う中、フリーザを見失った三人にベジータがそう言う。三人とも全く反応のできない光線が再び、今度は悟飯を襲った。
「伏せろお!」
そう言ってベジータが悟飯の頭をどつき悟飯が倒れる。その頭上を光線が通っていった。
「ありがとう。」
「勘違いするなよ、これから始まる凄まじいショーを貴様等にも見せてやろうと思っただけだ。貴様の命など俺にはどうでもいい。」
そう言ってフリーザと相対した。
*
ベジータは驚異的なパワーアップを果たして今度こそフリーザに勝てるとそう確信して勝負を挑もうとした。ライはフリーザが変身する直前まで二倍界王拳で戦っていて三倍に引き上げたがその時すでにベジータは半殺しにされておりライの気を感知していなかった。だからこそ彼は絶対の自信をもってフリーザに挑む。
*
「大した自信だねベジータ、それとも恐怖のあまりどうかしちゃったのかな?」
「今のうちにニヤニヤ笑っていろ、ここにいるのが、貴様の最も恐れた超サイヤ人だ。」
そうフリーザを指さし宣言するが、フリーザは笑うだけだった。
「相変わらず冗談きついね、君は。」
ベジータは気を高め戦闘力を全開にする。
「スカウターが無いことに感謝するんだな。もしスカウターがあれば、俺の戦闘力は貴様を超えていて、貴様は震えあがっていただろうぜ。覚悟しろフリーザ、今度こそ貴様もお終いだ。」
「ふん、そう言ってられるのも今のうちだぜ。俺は貴様を、殺す。」
自分に言い聞かせるように、言葉にすることでそれを実現できるように。
「何を言うかと思えば、大した自信だね、それとも恐怖のあまりどうかしちゃったのかな。」
余裕の表情をフリーザは全く崩さない。
「そこまで言うなら、史上最強の戦士であるらしい伝説の超サイヤ人の実力を見せてもらうことにするよ。」
そうフリーザが言った直後、ベジータは岩石を目くらましに突撃する。
「見えてるぞ!」
一撃躱されるが、すぐに動きを捉え、追撃を仕掛ける。凄まじい連打にフリーザは攻勢に転じない。
「すげえ、フリーザが完全に押されてるぜ。」
「うん、これなら!」
悟飯とクリリンが希望を見出しているがピッコロとライが冷たく言い放つ。
「いえ…」
「ベジータがやられる。」
*
「はああああ」
連撃を繰り返していくベジータが両手を組んで振り下ろそうとするとフリーザが目の前から搔き消えた。
「馬鹿な、超サイヤ人となった俺が見失うはずが…」
するとあざ笑うごとく嘲笑が聞こえそこを振り向くとフリーザが腕を組んでベジータを見ていた。
「ちょっとスピードを上げたら追い付けないなんてね。それでも超サイヤ人なのかい?はっきり言って今みたいな攻撃ではとても勝てないよ。」
「やっぱりだめだ、どう頑張ってもフリーザには…!」
ピッコロが愕然とそう話す。
「確か、超サイヤ人とか言ってたね。もし君がそうだとしたら、史上最強なんてそんなものなのかい?しょせん超サイヤ人なんてただの伝説だったんだ。」
嘲るようにフリーザが言う。ベジータはその現実を否定するかのように気を高め、連続で気弾をばらまく。
「そんなはずは、そんなはずは、ない!!」
叫びと共に放たれる気弾は恐ろしい威力、スピード、そして数。相手がフリーザでさえなければどんな相手でも消し飛ばせる必勝の弾幕。そんな弾幕すらもかいくぐり、フリーザはベジータの前に悠々と現れる。
「だあああああ!」
上空に飛び上がり全力のエネルギー波を放つ。
「この俺は、この俺様が超サイヤ人なんだ。くたばれフリーザ!」
全力のエネルギー波ですらもフリーザの足蹴りではじかれる。
*
「ピッコロ、悟飯とクリリンを連れて逃げてください。悟空の宇宙船があります。それで地球へ。」
「お前はどうするんだ!」
「時間稼ぎです。数分は何とかしますから急いでください。もっとも、あなたは神様が死ぬんで意味ないですけど。宇宙船まであなたが二人を掴んで飛ぶのが一番早い。」
「そんなことしてもあいつは地球にやってくる。そうすれば今逃げても何の意味もない。」
「ポポさんがドラゴンボールを集めてます。神龍に悟空の宇宙船がついたらすぐに地球をフリーザの知らないとこに瞬間移動するようにでも願わせれば何とかなるでしょう。早く行ってください!」
「でも、お父さんやブルマさんが…」
「行くぞ悟飯、クリリン。」
「でも…!」
「
ビクッ!!
そのあまりの剣幕に悟飯は二の句が継げなくなる。ピッコロが悟飯とクリリンの腕をつかみ飛ぼうとしたとき、ベジータが四人の目の前に叩き落される。
「約束したじゃないか、地獄以上の恐怖を味合わせてあげるってさ。」
逃がしはしない、そう暗に言われてピッコロも動けなくなる。そんな中ライだけが何とか前に出た。
「さて、第二ラウンドといきましょうか、フリーザ。」
声だけでなく、体が震えている。その震えを抑えるようにライは深紅のオーラを全開にした。
*
ドン!
地面に穴をあけるほどの踏み込みでフリーザに突っ込んでいった。突っ込みの勢いも乗せたパンチをフリーザは片腕で受け止める。
「おや?」
「てりゃ!はっ、やあっ!」
連続で攻撃していくが、全く通用しない。全て受け止められた。
「あなた、随分パワーアップできるじゃないですか。これなら私に対して自信があったのも納得ですよ。まあ、その自信も砕け散ったようですが、ね!」
そう言ってカウンターの要領で攻撃を当てる。その攻撃は相手の力を利用するやり方であるがゆえにライでもなんとか耐え切れた。
「うぐぅ…」
「ベジータがあまりにもあっさりとやられてしまいましたから、少しは私を楽しませてください、よ!」
ライがやられない程度に攻撃を加えていく。
「く、そぉ!」ピシュン
「おっと、逃がしはしないよ。」
気功波を放つも簡単に避けられ、硬直が解けたピッコロが悟飯たちを逃がそうとするが、それを光線で防ぐ。その時にできた隙、いや、フリーザが敢えて見逃したのだろう。そのタイミングで距離を取り、両手に気功波を蓄えた。
「いえ、逃がじまず!」
ベジータが先ほどやったようにライも気功波を連続で放つ。界王拳を二十倍まで引き上げてのそれはベジータのそれよりもはるかに厚い弾幕。
「ん、ぎっ…!」
「なるほど、この速度に追いすがる弾幕ですか。」
弾幕を避けながら感心したようにさらに速度を上げた。
「だめだっ!くそっ!」
「逃がしはしないと、そう言ったでしょう?」
動き出したピッコロの目の前に現れる。あっという間にピッコロ達も弾幕に飲み込まれる。
「おやおや、あの方たちはこのエネルギー波の雨の中生きていられるとも思えませんがねえ。」
軽々とよけながらフリーザがそう言うがライは構わず気弾の嵐を起こし続ける。気弾はすべてピッコロ達に当たりそうになるとその軌道を変えていた。操気弾の応用。味方をよけ、敵のみに作用する弾幕。
「気弾の衝撃が目くらましになる間に逃げるぞ。」
ピッコロがそう言い逃げ出そうとするがまるで見えているかのようにフリーザが目の前にいた。
「同じことを何度も言うのはいやなんですがね。少し弱らせておきましょうか。」ビシッ
「うっ」
「ピッコロさん!」
「ピッコロ!」
手を手刀のようにしてまるで豆腐でも切るようにピッコロの両腕を切り裂いた。腕を掴まれていた悟飯とクリリンが悲壮な声を上げる。
「君の腕は再生するみたいだけど、体力は戻らない。」
そう言ってフリーザは第三形態の時にそうしたように光線を執拗に当て始めた。
「それ以上はさせない!」
気の弾幕に効果がないと悟りライが再び接近していく。もはや逃がすことは叶わない。それを悟ってもライは足止めをやめない。
「パワーがさっきよりも落ちてますね。無理をしたんですかねえ。それでも足元にも及ばなかったようですが。」
そう言ってフリーザはライに膝を入れる。
「貴方は生かしておくと非常に鬱陶しい人だ。無理と分かっていながら何度も立ち上がる。ベジータの方がまだ物分かりがよかったとはあなたも相当だね。」
「うぐぅ……」
悶えたところを尻尾で首を絞め一方的に殴り始める。意識が途切れてしまえば界王拳も切れる。そうすれば死もすぐそこだ。
「助けたければいつでもどうぞ。」
フリーザがピッコロ達に言うが誰もが動けない。無理であると分かっているのだ。とんでもない相手を敵に回してしまったのだと。唯一悟飯だけが激情に任せて飛び出そうとするがピッコロが抑えた。そんな中一人だけ立ち上がる戦士がいる。一度は戦意を折られ、涙まで流した彼はもう一度戦意を奮い立たせる。
*
ドン!
完全な不意打ちになり流石のフリーザも吹っ飛ばされた。
「諦めただと?この俺が戦意を喪失したと?なめるなよフリーザ。この俺が、俺こそが、戦闘民族サイヤ人の王子、ベジータだ!」
「高々一撃入れたくらいで、力の差は歴然だってのに、とうとう恐怖で頭がおかしくなってしまったのかな。」
「言ってろ。この俺が貴様を殺す!」
自分に言い聞かせるように、言葉にすることでそれを実現できるように。そう言うや否やベジータはフリーザに突貫する。先の手合わせではフリーザは攻撃をすべて避けたが今度は正面から受ける。
「うん、どんなに強がっていたとしてもしょせんはこの程度。さっきの方がまだパワーがあったよ。最も誤差みたいなものだけどね。」
「くっそおおおおお!」
全力で殴っていくがすべて片手で捌かれた。
「君もつくづく戦うしか能がない猿と変わらないよね。負けると分かって戦うのはあきれを通り越してある意味尊敬するよ…フン!」
「うぐっ…」
みぞおちに一撃を食らい腹を抱えながら後ずさる。そこにさらに一撃を加えた。
「おが…」
「いやあ、失敗だったよ、ベジータに動ける力を残してあの地球人と戦い始めたのはね。だから、今回は…」
そう言ってフリーザはライに向けてエネルギー波を放つ。五本の指でそれぞれ皮膚を焼くように放つ。いたぶるためだけに放った光線。
「うが…」
「君で遊ぶ前にあの地球人から余力を奪っておこう。」
ただでさえ意識が朦朧としていたライはそのまま気絶してしまった。そしてフリーザはライにやったように尻尾でベジータの首を掴みサンドバッグのように殴り続ける。
「う!が!ごふっ!おが!え!ぅ!ぁ!…!」
うめき声すらも上げる余裕が無くなり何も答えなくなったところでフリーザはベジータを投げ飛ばし、とどめを刺そうとした。その時風圧が場を駆け巡る。その衝撃にその場にいる全員がその風圧を起こした者、
孫悟空に顔を向ける。
原作でサイヤ人の手でフリーザを討てと言ってるのに戦意喪失して泣いてたってのはないだろうと思いましたのでちょっと頑張ってもらいました。原作よりボロボロになりました。