「ライ、ミライ、無事か!?」
ゲロに逃げられたことを確信し、共に戦った二人の無事を確認する。
「なんとか無事だ。気は結構取られたがな。」
せき込んだのちによろよろと立ち上がった。
「それよりライだ、結構無理してたみたいだからな。」
立ち上がることができず座り込んだライに手を差し出し、立ち上がらせる。
「仙豆がある。二粒しかないが、一粒はお前が食べろ。」
ピッコロがライに仙豆を渡す。
「いえ、これはトランクスかベジータに渡すべきです。」
肩で息をしながら倒れている二人を指し示す。
「私より危険な状態でしょう。私は少し休めば動けますけど、あの二人はこのままだと死んでしまうかもしれません。」
「半粒ずつ渡せば大丈夫だろう、サイヤ人の生命力はお前等地球人とはけたが違うからな。」
「それならピッコロが食べてください、あなた四肢が一度もげているんですよ、かなり消耗してるはずでしょう。何より、あなたが地球の最高戦…」
そこまで言ってハッとする。間違いなく全快したピッコロは地球の最高戦力だ。それは人造人間を含めても。ベジータよりわずかばかり実力が上だった十八号、十七号の方が強いようだが、流石に倍以上の差があるとも思えない。そう考えれば今消耗したゲロを超えてピッコロが地球最強ということになる。そして三人はほぼ同時に気づく。ミライが叫ぶ。
「ピッコロ!さっさと
ピッコロを始めとして、ベジータ、トランクスにミライとライ、多少なりとも抗える戦士が全員ここにいた。悟空も病に侵されている今、亀ハウスは全く安全ではない。ドクターゲロがそのことに気づかないわけがなかった。
ドシュン!
ピッコロはすぐさま手に持っていた仙豆を食べると、懐から最後の一粒をライに投げ渡し、凄い速度で亀ハウスに飛んでいった。
「ライ、そいつらに仙豆を与えたら神殿に向かわせてくれ、戦力が足りなすぎる。そいつら二人で精神と時の部屋の修業をしてもらうんだ。」
「ミライはどうするんですか!」
「俺はピッコロを追いかける。亀ハウスのみんなを守りながらだと苦しいだろうから。」
そう言って今にも飛び立とうとするミライの腕をライがつかむ。
「だったら仙豆を食べてから行ってください。貴方もこの中ならましってだけでダメージは大きい。」
「しかし、いや、最悪はピッコロが倒されることか。」
迷いは一瞬、すぐに仙豆を食べた。
「そう言うことです、少し体力を回復させたら私は天界に二人を連れて行きます。博識なポポさんなら手当もしてくれるでしょう。事情を説明する必要もありません。」
「分かった、頼んだぞ。」
そう言うとミライも飛んでいく。
*
「やっぱり、僕達も様子を見に行った方が良いんじゃないですか。」
時は数刻前に遡る。トランクスの気が一瞬にして消えたかと思えば、ベジータそのものとしか思えない気が二つ感じ取れた。驚いているうちにも二つのベジータの気に急接近していく強大な気を感じ取れた。そうかと思えばベジータの気が倍になって片方が消える。もう何が何だか分からないと混乱していると戦いが終わったのか気が急に収まる。
「俺達が行ってどうにかなるようなものじゃない。ベジータのとこに向かった強大な気に注意がそれたが、あの強大な気と一緒に、ライとミライの気も移動していた。俺たちが行っても足手まといになるだけだ。大丈夫、ライがいるなら何か重要なことは俺達に伝えに来るはずだ。」
自分にも言い聞かせるようにクリリンが悟飯に諭す。
「そう言うことだ。ライと一緒に感じる強大な気の持ち主は、多分…」
「「ピッコロだ。」」
クリリンとヤムチャの声が重なる。それを聞いて悟飯の顔が喜色に染まる。尊敬する師がとてつもないパワーアップをしていることに。
「「!」」
「ピッコロさんだ!ピッコロさんがこっちに来てるんだ!」
強大な気がこっちに向かってきていた。悟飯は純粋に喜んでいるがクリリンとヤムチャの顔はこわばる。
「ヤムチャさん。」
そう呼ぶだけで意図が伝わる。戦闘態勢を取った。ピッコロがここにものすごい速度で来ているのであれば、気を感じ取れない敵、人造人間がいる可能性があるからだ。
「ああ、悟飯、構えろ。人造人間が奇襲してくるかもしれない!」
「!」
三人で互いの背を守るように陣を取る。凄まじい緊張が場を満たす中ピッコロが亀ハウスに着いた。
「ドクターゲロは来てないな!?」
「ぴ、ピッコロなのか?」
多分ピッコロだと言ったのは1分にも満たないごく最近だ。しかしそれでもこの強大な気が目の前の戦士一人によってもたらされているものだとすぐには受け止められなかった。しかし、ピッコロの強さを1番に信じているものは違う。
「ピッコロさん、凄い気だ。ものすごく強くなったんですね!」
「まあな。聞きたいことはあるだろうが取り敢えずあとにしてくれ。ここも危険だ別の場所に移動するぞ。」
「それなら1つアテがある。それなりに広い無人島があるんだ。周りに他の有人島がないから戦いになっても巻き込まないですむ。」
ヤムチャが提案を受けた場所にひとまずクリリンたちは悟空たちも連れて移動を始めた。遅れてミライ、そして様子を見に来た天津飯がその島に合流し数日間が過ぎる。強くなったがゆえに、ピッコロはその場を動けない。ピッコロ以外に人造人間と戦えるものはいないからだ。
*
「あんまりのんびりもしてられないな。そろそろ二人を連れて行かないと…!」
体力は万全ではないが、それでも二人はできるだけ早く連れて行かないと命に関わるかもしれない。無理を押して、ベジータとトランクスを背負おうと立ち上がる。
「ライ!無事で良かった!」
ちょうどその時、餃子がやってくる。
「餃子さん、ちょうどいいところに。」
様子を見に来た餃子は頭に疑問符を浮かべる。同時にライがかなり消耗していることに気づいたようだ。
「ライ、気が小さい、かなり無理してる!」
「でも、あんまり休んでばっかりもいられないんです。これでもましになった方ですし、二人を天界に連れて行かなければいけません。トランクスさんの方、お任せできますか?」
そう言ってベジータとトランクスに視線を向ける。餃子の疑問は氷解し、すぐに超能力で二人を浮かせた。
「まかせて、ライも連れてくよ!」
飛んでいこうと舞空術を使い始めたライに対しても超能力を発動させた。
「すいません。よろしくお願いしま…す。」
そう言って超能力に身を任せ、緊張の糸がほどけたのか意識を失った。
「事情を聴くのはライが起きてからだ、天界に急ごう!」
三人を超能力で浮かせ、飛行の負担がかからないように調整しつつ、天界に向かった。
*
「生きている…俺はなぜ死んでいない?」
天界でポポの手当てを受けたベジータとトランクスが目を覚ましたのは、三日後だった。ベジータは周りを見渡す。部屋の両端に置かれたベットは二つあり、少し離れた場所ではトランクスも眠っていた。
「ピッコロがゲロを追い返したからですよ。運んだのは餃子さんです。二人には感謝しなきゃですね。」
その分だとトランクスも大丈夫そうですね、サイヤ人の生命力は半端ないなあ、そう感心半分あきれ半分で言ったライは部屋の入口付近の壁にもたれかかっていた。二人の身を案じていたのだろう。
「ピッコロだと?馬鹿な、あいつは俺の力を二回吸収しているんだぞ。高々ナメック星人如きが敵う相手じゃ…」
「ライさんは嘘をつくような人ではありません。」
そこまで言いかけたところで目を覚ましたトランクスが会話に割って入る。
「ふん、知ったようなことを言いやがるな。お前のいた未来ではライもお前が物心つく前に死んでいるんだろうに。」
「あ、いえ…それは、そうなんですが…ライさんのことも母さんや悟飯さんから聞いていたので。」
トランクスは口ごもる、それに助け船を出すようにライは言葉をつなげる。
「ピッコロが神様と同化したんですよ。ナメック星の時のように。」
「…同化だと?そうか、あの時の急激なパワーアップと、今ゲロを追い返せたのはそう言うわけだったのか。」
「あの時のパワーも今回のこともそれだけではないですけどね。修業の成果でもあります。」
同化だけではないピッコロの努力を知るライは語るがベジータは気にしない。
「そう言えば追い返したって言ったな。ということは逃がしたってことだ。俺が気を失ってから何があったのか、詳しく話せ。」
助けられた立場で偉そうに…と不機嫌になるライを無視して詰め寄った。
「ええ、ライさん僕からもお願いします。あの時何があったのか。詳しく話してください。」
トランクスからの言葉もあり、ライはすべてを話した。ゲロはパワーを一時的に上げられること、そうするとエネルギーの一部が消費されること、三人で戦いエネルギーを消耗させたが、三人の戦いで吸収された分を考えるとほぼ変わっていないこと。そして、あれから三日間ほどたっていること。
「ドクターゲロは生かしておけば一般人からもエネルギーを吸収して手に負えなくなっていくってことですよね。みんなで協力して一刻も早く見つけ出さないとまずいことに!」
トランクスが言う。
「探すのは無理でしょう。ゲロには気がないですし、地上の人間たちを殺して回っているわけでもありません。完全に隠れているんですよ。ミライさんはそれでも地上を飛び回って探していますが、期待は薄いでしょうね。」
「じゃあどうすれば…!」
焦るトランクスにベジータは言い放つ。
「そんなの決まっているだろう。向かってきた野郎は俺がぶっ殺してやる。俺が超サイヤ人をさらに超えて!」
「超サイヤ人を、超える?」
トランクスが考えたこともなかったというような顔になり、それはライもだ。だがその言葉を聞いてライはベジータに提案する。
「一朝一夕でできることではないでしょう。一日で一年の修業ができる部屋に案内しますよ。現実世界で二日間という枷はありますけど出し惜しむ時じゃないでしょう。」
「それは本当だろうな。」
「間違いないです。私達も一日使いました。でも…」
視線をトランクスに向ける。トランクスはそれでライが何が言いたいのか察したらしい。
「ベジータさん、俺も一緒に修業させてください。」
「…いいだろう。貴様みたいなやつでもいないよりはマシだ。」
「では、案内します。ついてきてください。」
話が着いたことを見て、ライが二人に対してそう言った。そして精神と時の部屋の扉の前に着く。
*
「てりゃりゃりゃりゃ!たあ!」
「…」
悟飯の連撃をピッコロは涼しい顔で避ける。ピッコロと悟飯には隔絶した差があった。それほどの差が生まれたのは初めてだった。軽く触れるだけで悟飯は倒せる。
「とりゃああああ!」
トン。
「あぐっ…」
簡単に花に触れるかのように見えるその一撃で悟飯は地上に落ちた。
「さあ、次はどいつだ?一斉でも構わんぞ。」
取り囲むようにしているクリリン、ヤムチャ、天津飯に向けて言い放つ。三人が一斉に、否、少しだけタイミングをずらしてかかってくる。完璧な間合いで急所に向けて攻撃を仕掛けてくる三人をしかし、簡単に捌く。
「はっ!」
「うわっ!」
「うっ!」
「くっ!」
気合砲だけで三人は簡単に吹き飛ばされる。戦闘態勢を解いたのを見てクリリンが口を開く。
「ピッコロはとんでもなく強くなっちまったな。」
「もう、おれたちじゃ力になれないか。」
「…」
地球人の限界を三人は痛感する。その瞳には諦観の色がのる。しかし、そんなものをものともせず吹き飛ばすそんな不思議な力をもった男が、復活する。
「諦めるなんてお前ららしくねえな。」
「「「「「!」」」」」
「お父さん!」
悟飯が一足先に喜びで顔をいっぱいにして声をかけた。
「ピッコロ、悟飯を連れて修業に行ってくる。今のままじゃ人造人間に勝てねえ。一日で一年の修業ができる場所に。」
「精神と時の部屋か。それなら早く行ってこい。今は力のある戦士が少しでも欲しいときだ。」
「ああ。」
悟空が悟飯に手を取ってもらい、指をおでこに付けて集中する。
「悟空、一つだけ聞かせてくれ、フリーザよりもとんでもない敵が現れて、怖いか、それとも嬉しいか?」
「両方だ。」
クリリンの問いにそう答え、悟飯と一緒に姿を消した。
*
「悟空さん!」
精神と時の部屋に入ろうとした時に悟空と悟飯が姿を現す。
「よっ。」
「悟空、元気になって何よりです。」
「ありゃ、先を越されちゃったな。おめえたちも精神と時の部屋で修業を?」
「ええ、ライさんに勧められてとりあえずこれから一年間修業するつもりです。」
「そっか、しっかりやれよ。ベジータと仲良くな。」
「ふん。」
二人が精神と時の部屋に入り、悟空と悟飯とライが残る。
「おめえも精神と時の部屋に入ったんだろ。相当強くなってるじゃねえか。」
ライを見てその実力が以前とは違ったものになっていることを察する。
「ええ。でもまだ人造人間には届きません。」
「そう言うわけでもねえだろ。おめえにはおら達とは違う力があるじゃねえか。」
「なんか悟空に言われると自信が付きますね。…ピッコロと合流します。ベジータ達が精神と時の部屋に案内してもうここにいる理由はありませんから。」
「無茶だけはすんなよ。」
「しなくて済むように強くなってください。」
そういってライは下界に下りて行った。
精神と時の部屋修業後
ピッコロ(神と融合)15億
ミライ2000万
ライ1500万
神様との融合は5倍で考えてます。
ドクターゲロ1億5000万+14億
ドクターゲロはベジータと戦う前に十九号が吸ったエネルギーを自分のものとしたのでその時点で7億5000万で、今回ベジータから8億とったんで15億5000万になります。