容赦ない光線がライを襲うがすんでのところでライは光線を躱した。
「悪の心とやらには覚えがないですけど、そんな怪しげな光線食らうわけにはいきませんね。」
その発言自体が後ろめたさの表れなのかもしれない。
「ふ、恐れているな。悪の心の存在を白日のものとされるのが。だが恥じることはない。今までこの攻撃を食らって生きていたやつはいない。みんなが悪の心を持ってるということだ。」
アックマンが自分の技に絶対な自信をもってアクマイト光線を再び放つ。
「その光線はそこまで早くない、避けることもそう難しくはないです。」
狭いフロアでありながらうまく躱すライに不敵な笑みで三度アックマンがアクマイト光線を放った。
「よっ」
ライが横に回避したと瞬間急にアクマイト光線が
「なっ」
急なことに驚き回避が遅れついにアクマイト光線がライにあたってしまう。
「うわっ、ううう。」
ライの中で悪の気が充溢していく。ライの体が爆発しそうになる直前アックマンがライに向かって声をかけた。
「さあ、降参しろ。この攻撃を受けた者はしばらくの間俺の意のままに悪の気を増やせる。俺があと少しその気になればお前は爆発して死んでしまうのだ。占い婆様が止めなければ情けをかけたりはしないが特別だ。」
アックマンがそう忠告する。
「な、なるほど。まさかこんな奥の手があったとはな。だが、しくじったな。今の
ライはそう言うと目にもとまらぬ早業でアックマンに急接近しアックマンを一撃のもとに気絶させた。
「馬鹿め。これで終わりだ。じゃあな。」
そういうとライは猛毒の沼に蹴飛ばそうとする。が、その時ライをまとっていたピンクのオーラが消えた。
「!私は何を。」
増えた悪の気がもとに戻りライはもとの強さに戻る。同時に攻撃の手を止めた。
「この勝負ライの勝ちじゃ。」
いつアックマンが落とされるともわからなかったのか焦ったように占い婆が宣言した。
*
「まさかこちらの方が先に最後の戦士を出すことになるとはのう。じゃが、最後の戦士はこちらの切り札じゃ。すぐに決着をつけてしまうじゃろう。」
占い婆が不敵にそう言い放ち最後の狐面の戦士がライの前に出てきた。
「やあ。」
狐面の戦士はのんきな雰囲気で挨拶をする。
「…どうも。」
(この人アックマンよりも強いんじゃないか。どうしてこのご老人の周りにはこんな戦士がそろうのだろう。)
「ほほほ、それでは試合開始じゃ!」
占い婆が余裕の笑みで試合開始を宣言した。
「では、よろしくお願いしますぞ。」
狐面の戦士はそういって礼をする。ライも彼に倣い礼をして戦いの火ぶたが切って落とされた。
(この人は一体どうなってるんだ。一見ただの老人にしか見えないのに。)
ライが恐れ慄きながらも全力で向かっていく。
「やあああああ!」
今のライには連戦の疲れもあり狼牙風風拳を使って戦えるだけの余裕が無かった。ライの限界を相手も見抜いたのだろう。一瞬でライの後ろに回ると首筋を手刀で一閃し決着をつけた。
「ぐっ」
「勝負ありじゃな。さあそちらの最後の戦士を出すがよい。」
*
「ま、まさかライがあんなにあっさりとやられてしまうなんて。」
クリリンが愕然としてそういう。
「連戦の疲れが出たのじゃろう。さっきのライはアックマンと戦っていたときと比べてだいぶ動きがわるかった。しかしライはよくやったじゃろ。わしでもあの二人の戦士との連戦は厳しいじゃろうし。」
亀仙人がそのように分析する。
「なるほど。そういうことでしたか。悟空大丈夫だ。あの爺さんはものすごく強いけどライは全力をだせなかったみたいだし、悟空なら勝てる。」
クリリンが悟空を気遣ってそういった。
「大丈夫だクリリン。おらも武闘会から相当強くなった。ウパも心配すんなよ。ちゃんと勝ってウパの父ちゃん生き返らせてやるからな。」
悟空が力強く宣言し舞台に向かうと狐面の戦士に耳打ちされていた占い婆が悟空に向かって言った。
「最後の試合はお互い全力を出せるように闘技場に戻って戦うこととする。悪いがもう一度移動してもらうぞ。」
*
「ライ大丈夫か。俺が不甲斐ないばっかりに無理させてしまってすまない。俺がミイラ君を倒せていればお前もあいつと全力で戦えたのに。」
意識を取り戻し闘技場に戻るときにヤムチャがライにそう言った。
「いえ、ヤムチャさんは十分頑張りましたよ。それにあの人とは全力で戦ったところで勝てません。レベルが一つ違います。だからそんな顔しないでください。それよりも次の試合は要注目ですよ。どっちが勝つか見当もつかないんですから。」
すまなそうにするヤムチャにライはそう声をかけた。
*
悟空と狐面の戦士こと孫悟飯っとの戦いは孫悟飯が降参したことで幕を閉じた。
「じっちゃ~ん」
狐面の男こと孫悟飯が参ったといって正体を明かすと悟空は瞳に涙をためて駆けて行った。
「すまんな、しっぽを鍛えろと口酸っぱく言っておったのに鍛えてなかったようじゃから厳しく戒めてやろうと思ったんじゃが、力が入りすぎちまったようじゃ。痛くないか?」
「もう平気だ。全然痛くないぞ」
悟空はそう言うが体の一部がとれて痛くないはずがない。久々の肉親を前に喜びが痛みを超越しているのだろう。
「悟空もまだ子供ですからね。私は父さんがいますけど、彼にはいないんですから、それは嬉しいでしょう。」
「いくら強くても子供は子供だしな。泣いてしまうのも無理もないよ。そういえばあいつ
ヤムチャがそう疑問を口にする。
「大猿に踏まれるとは…因果なものですね。」
ライがそうこぼすと占い婆が来て言った。
「孫悟飯がここにいる理由はわしが説明してやろう。わしはそもそも自在にあの世とこの世を行き来できるのじゃ。その能力を利用して死んだものを一日だけ現世に呼び戻すことができるんじゃよ。」
「へぇ~ばあちゃんはすげえんだな。」
悟空が感心してそう言った。
「ところで老師様、悟空は大猿になったりはしてませんかな。」
「安心せい、わしが月を壊してからは平和そのものじゃ」
孫悟飯が心配してそう言って亀仙人に確認をとった。唯一の心配だったのだろう。安心した表情で亀仙人の返事を聞いた。
「良かったなウパ、これで父さん生き返らせることができるぞ」
クリリンがウパに声をかけるがウパの表情は優れない。
「悟空さんのおじいさんが死んでしまっているのに父上ばっかり生き返らせてもらうわけにはいきませんよ。」
「なに、わしのことは構わんでいい。ぴちぴちギャルもあの世にたくさんいるしの。あの世でも楽しくやっておるのじゃ。」
「あ、ありがとうございます。」
ウパが申し訳なさと嬉しさの混じった顔でお礼を言った。
「では皆さん、わしはもう時間なのでお暇します。ごきげんよう。」
しばらく悟空や亀仙人と再会を喜んだあとそう言ってあの世に帰っていった。
*
悟空が最後のドラゴンボールを集めてウパと一緒にカリンに向かって行ったときヤムチャが真剣な顔で亀仙人の声をかけた。
「老師様どうかわたしを弟子にしていただけないでしょうか。今回の件で私の実力のなさを痛感しました。是非老師様の元で修業を」
「だめじゃ、わしはすでに二人も弟子を抱えておるのじゃ。これ以上は手に負えんよ。」
「お願いします!どうしても老師様のもとで修業したいのです。」
ヤムチャが必死にお願いすると思わぬ援軍が入った。
「亀仙人さん、私からもお願いします。彼とは1週間一緒に修業しましたが素晴らしいものを持っています。是非弟子にしてあげてください。」
「そうよ、こんなに必死になって頼んでんじゃない。ケチなこと言わないで弟子にしてあげなさいよ。」
ライは彼の秘めたる才能を見て、ブルマはミイラ君と戦っているときの必死なヤムチャの姿を見てそれぞれ思うところがあったのだろう。
「け、ケチとはなんじゃ。わしにはわしの考えがあってじゃな。」
亀仙人はそう言って弁解するがここでブルマはさらなる秘策で追い打ちをかける。
「あーあ、そうなったら私も時々遊びに行くのになあ。新しい水着着て泳ぎたいなあ。」
その発言を耳にし、ヤムチャの肩に手を置いて亀仙人が言った。
「おい、いつからくる?今日でも明日でも構わんぞ。」
あまりの変わり身の早さに亀仙人とヤムチャを除く全員が盛大にずっこけた。
「いてて…あまりの変わり身の早さですね。俗物的なのも長生きの秘訣なんですかね。」
あきれ半分感心半分でライが言うと亀仙人がこう返してきた。
「お主はどうじゃ。ヤムチャと修業していたんじゃろう。この際じゃ。お主もわしの元で修業してみんか。」
「…私は結構です。確かにあなた様の元で修業すればもっと強くなれるんでしょうけれど、同じことをしていては悟空には追い付けませんから。」
「そうか、それなら仕方ないのう。ではお主はこれからどうするんじゃ?」
「父さんの元に行って修業しようかと。父さんは今チャパ王と一緒いるみたいなので。3人で修業します。まあその前にカリン搭に登ってみようかと思ってますけど。」
「そうか、今のお前さんならカリン搭も登り切れるじゃろう。実り多き修業をするんじゃぞ。」
そういった話をしているうちに悟空が帰ってきて、ウパの父親は生き返ったという話を聞いた。
「それじゃああと一年たったらまたドラゴンボールを集める旅をするのか。」
クリリンが悟空に言うが悟空はにんまり笑って石ころを取り出してきた。
「じゃじゃーん。四星球だけ飛び散る前にゲットしたんだー。」
「じゃあもうドラゴンボール集めは二度としないってことか?」
「おう、また次の武闘会に向けて修業あるのみだ。」
悟空が力強くいう。
「そのことなんだがな悟空、俺も武天老師様のところで修業つけてもらえることになったんだ。」
「え、ヤムチャもか。賑やかになってきたなあ。一緒に頑張ろうぜ。」
「いや、悟空は別じゃ。お主はすでにかなりの腕前じゃ、じゃがまだまだ上を目指すのじゃろう?これからは世界中を旅していろいろな世界にいってたくさんのことを経験してこい。お前は旅の中でもっと強くなってわしを驚かせてくれ。」
「分かった。じゃあもう行くぞ。爺ちゃんに婆ちゃん、達者でな。」
筋斗雲を使わないで世界中を旅することを軽く流した後悟空は一人で旅に出た。
「あいつ三年後はどんくらい強くなってるんだろうな。」
「想像もできんのう、殊、悟空は。」
亀仙人でさえどうなるか読めない悟空の行く末に思いをはせていると占い婆が亀仙人に耳打ちする。
「お前も弟子に負けてられんのう。師匠の意地を見せなくてはな。」
占い婆にそう言われて奮起した亀仙人は
「よーしわしらもせめて家まで走って帰るぞ!!」
と言いクリリン、ヤムチャがそれに続いて走っていった。
「ヤ、ヤムチャ様待ってください~」
プーアルも焦って追いかけていき残ったブルマは
「ちょ、ちょっと置いてかないでよ。ねえ私関係ないでしょーー!」
と、途方に暮れた。
「…ブルマさん、ホイポイカプセルは私が持ってるんで大丈夫ですよ。私はこれからカリン搭に行くのでここでお別れですけど、気を付けて帰ってくださいね。」
ヤムチャがミイラ君と戦うときに念のためとポイポイカプセルをライに預けておいたのだ。だからこそすぐに亀仙人を追ったのだろうとも考えられる。
「ライ…良かった~これで帰れるわ。ヤムチャったら私を置いていくなんてどうかと思ったけどちゃんと私のことも考えてくれてたのね。」
「何せ急に亀仙人さんが言い出したことですからね。それじゃあまた三年後武闘会場でお会いしましょう。たまに会いに行くかもしれませんけど、その時は亀ハウスに一緒に行きましょうね。」
「ええ、じゃあまたねー」
*
一人になったライもまたカリン搭目指して旅立とうとした。
「これ、そこのお主。」
まさに行こうとしたとき占い婆に呼び止められる。
「お主カリン搭に行くとか言っていたが、行った後わしのところに来る気はないか。お主のように実力以上に力をだせる戦士がいればほかの戦士にも精がでると思うのだがな。」
占い婆の誘い文句も事実だろうが、亀仙人の誘いを断ったことも誘った要因なんだろう。
「…分かりました、カリン搭の修業の後、お世話になります。」
「ほっほっほそれでよいのじゃ、ではお主が戻ってくるのを楽しみにしておるぞ。」
こうしてそれぞれ三年間の身の振り方が決まった。
「…次の天下一武道会までに修業が終われば…な」
占い婆の館を出発したライの後姿を見ながら占い婆がそうこぼした。
今回も戦闘力紹介はなしです。前にも書いた気がしますが、原作キャラの戦闘力はここに記載のない限りはとても非公式してるサイトの値です。そうそう、アクマイト光線は原作によるとボカン!といったら爆発する設定みたいなので自在に増やせるという設定にしました。この技原作だともう二度と出てこないのでこの作品では出したいなあ。でも一撃必殺…。うん、無理!