カリン搭までは相当な道のりで道中もかなりの修行となったが、数ヶ月の後にはカリンまで着いた。
「カリン搭、思ったよりずいぶん高いなあ、全くてっぺんが見えない。悟空はこんなのに登ったのか。もう暗いし明日の朝まで休憩して朝一からチャレンジだ。文句を言っても始まらないですしね。」
野宿の準備をしていると声をかけてくるものが現れた。
「ライさん、ライさんじゃないですか!お久しぶりです。」
「ん?あ、ウパ君じゃないですか。そうか、ウパ君カリン出身って言ってましたね。」
「どうしてカリンに来たんですか?ひょっとしてライさんもカリン搭を?」
「ええ、次に会うときには悟空に勝てるようになっていたいのでまずはここを踏破しようかと。」
「でもでも、登り始めるの明日からでしょう?もう日が暮れますし、私の家で休んでいきませんか。歓迎しますよ。」
ウパがそういったのでライはご厚意に甘えることにした。
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「こんにちは。ウパから話は聞いているよ、最後のドラゴンボール集めに手を貸してくれたんだとか。頑張ってくれたんだってね。ありがとう。」
「いえ、感謝されるべきは悟空ですよ、私の場合は成り行きみたいなもんでしたし。」
「ははは。謙虚なのは美徳だな。」
(この人も強いなあ。少なくともおもりつけた私より強そうだ。悟空は達人でも呼び寄せる気質でもあるんだろうか。)
話すウパの父ボラをみてライはそう思いながら食事を続けた。
「そうそう、ここに来たということはカリン搭を登るつもりなんだろう。私も若いころに挑戦したんだけどな、とうとう登りきることはできなくてな。私の分まで健闘を祈ってるよ。」
「あなたほどの達人でも登り切れなかったんですか。すごく高い塔なんですね。分かりました。全力で登っていきます。」
そうして夜は更けていった。
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「いってらっしゃーい頑張ってくださいねー!」
ウパとボラに見送られライはカリン搭を登り始める。おもりがあっては登り切れないだろうとおもりはぽいぽいカプセルに戻しての挑戦となった。
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登り始めて半日がたったころ、日は暮れているがまだてっぺんが見えない状況にげんなりとしながら登り続けた。
(悟空は4日で降りてきたって言ってたな。ってことは悟空の腕でも2日かかるってことか。まだまだ先が長い)
ライは超聖水がただの水であることを知らない。だから4日で降りたという計算から2日かかると勘違いしたのだろう。実際はあと半分強、ライが登りきる時は思ったより近い。修業を終える日はいつになるか分からないが。
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(はあはあ、よ、ようやく着いた。思ったより速かったな。悟空何かおもりでもつけて登ったのかな。)
丸一日たち何とか登り切ったライは疑問も残しつつカリン搭を踏破した。しかそその安心感からかそのまま気絶してしまう。
「丸一日か、かつての悟空と同じくらいの速度か、こいつは期待できる奴だろうかの。」
カリン搭の主、カリン様はぶっ倒れたライを見てそうこぼす。ライの修業はこれから始まるのだ。
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目が覚めてみると
「半日寝こけてようやく起きたか。あと少し早く気を失っていたら死んでいたところじゃぞ、最もこの塔に挑戦して死んだやつは珍しくはないがのう。」
カリン搭は一定以上の実力と見識をもつ武闘家ならば誰でも一度は挑戦する塔である。一定以上がとんでもないレベルであるが挑戦する者は800年という歴史もあればある程度存在する。
「…あなたが仙猫カリン様ですね。私は…」
「ああいわんでよい。心を読ませてもらえばすぐじゃからな。」
数秒の間お互いに向き合っているとカリン様が言った。
「超聖水はあそこじゃ、わしのことは気にせず飲みたければ飲むがいい。」
「ありがとうございます。…では!」
ライはお礼もそこそこに全力で
「む!」
即座にカリン様は身を伏せることによって攻撃をかわし、その後に超聖水を杖に引っ掛けた。
「いきなりわしに攻撃してきた挑戦者は今まで一人としておらんかったぞ。一筋縄では超聖水を得られないと勘付いたことは褒めてやるが…手段は褒められたものではないのう。」
「心を読めるってずるいですよね、不意打ちも何もない。あなたクラスに強くてもただの達人なら今ので超聖水をとれていたはずですのに。」
悟空が4日で戻ってきたという前例からライはこうなるだろうと予測して先手を打ったのだが、その目論見は仙猫には簡単に看破されてしまう。
「ふむ、お主半分無駄だと思っていながらわざとやったようじゃな。」
「失礼しました。しかし今ので確信しましたよ、超聖水は実は強くなる効果なんてないんでしょう?」
カリン様の挑戦者という言い方にそう結論付けたライは挑戦的に言う。
「じゃとしたらどうする、帰るのか?」
「まさか、私は強くなるために来たんです。超聖水はただの飾りでそれをとる行為こそが修業になる…ならば修業をつけてもらうだけです。」
カリン様が値踏みするようにライを見つめる。その時間は数秒だったのだろうけれどライにはとても長い時間に感じた。
「…お主頭も相当切れるようじゃな。仕方ない、修行をつけてやるとするかの。」
カリン様がそう言ったことにライは顔を綻ばせる。
「ありがとうございます。では、行きますよ!!」
しかしいざ行こうとしたときにカリン様から待ったがかかる。
「まずは基礎能力をもう少し鍛えろ、カリン搭の上り下り一往復、その豆を食ったら始めじゃ。」
「…」
*
一日と半日が過ぎたころライは何とか一往復を完走させた。
「お主無茶が好きなんじゃのう」
カリン様がライの姿を見てしみじみという。
「いえ、距離も効率の良い登り方も分かったので少し負荷をかけようかと思っただけです。」
そういうライの両腕にはおもりがついていた。
「お主はまだ若いんじゃからな。過負荷は身を滅ぼす、そんなに焦るでない。」
「別に焦ってるつもりはないです。父さんみたいに頻繫に変身できたわけでないのですから。」
「無自覚なのは幸運なんじゃろうな。じゃが今のお主は危うい。わしの実力をお主が超えるまで全力で鍛えてやろう。その危うさがなくなるようにな。」
こうしてカリン様によるライの修業の日々はその後第22回天下一武道会が開催されるまで続くことになる。
*
パパイヤ島に着きまずライは同じく天下一武道会参加するであろう父とチャパ王に会いに行った。
「父さん!!お久しぶりです。」
目当ての人を見つけ嬉しそうにライが駆け寄る。
「ん、おおライか、久しぶりだな、3年間ずっと音沙汰ないから心配したぞ。ブルマさんのところに行ったら一緒にいないのか逆に聞かれてからは心配で心配で。占い婆ってばあさんにライについて占ってもらったんだからな。」
ヤムチャと修業するということしか聞いていないスウにとって、ルミの忘れ形見でもあるライの所在が分からないということは本当に大変なことだったのだろう。声音は少し咎めるようだった。
「すいません、父さん、連絡くらいするべきでした。」
親がどれほど自分を心配していたかをライは正確には分からない。しかし、それでも悪いことをしてしまったと誠実に謝った。
「ははは、仕方なかろう、親の心子知らずとはよく言ったものだろうからな。スウも気苦労は分かるが”かわいい子には旅をさせよ”だ。さあ天下一武道会は明日だ。ホテルでライの三年間でもゆっくり聞こうじゃないか。」
これまで沈黙を守っていたチャパ王がそう締めた。
*
「…と、私の三年間はそんな感じです。ほとんどカリン様のところで修業でしたね。おかげで相手の実力もある程度わかるようになったんです。最初に会ったときはびっくりしましたよ。父さんもチャパ王もかなり強くなってますし。」
「はっはっは、私も相当の修業をしたからね。でも、王はやめてくれよ。私は前回負けた時からもう一度天下一武道会で優勝するまで武術の王を名乗ることをやめたのだ。」
チャパ王改めチャパがそう言って明日以降の大会に闘志を燃やしていた。
「しかしカリン搭に登っていたとは驚いたな。確かチャパも昔挑戦したんじゃなかったっけ。」
スウが意外そうに言った。
「昔の話だよ、わしは登りきれたがそこまでだったからな。超聖水はとれなかった。だがとれなかったからこそ、徒手空拳を極めようと思い、今の私がある。」
「チャパさんも登ってたんですか。道理で前回大会でも猛威を振るったわけですよ。」
カリン搭はただ登るだけでも相当な修行になる。動きを読むといったことはできなくとも基礎能力は相当上がるのだ。
「そういえば父さん占い婆さんに会いに行ったって言ってましたよね。ってことは五人の戦士と戦ったんですか。」
「ん?ああそうか、1000万ゼニー用意しないといけないって言われたからな。クリリンとヤムチャに手伝ってもらって4人で何とか倒したんだよ。」
「それはすごいですね。並大抵の強さではなかったと思うのですが。」
「確かに並大抵ではなかったな。だから実は俺たち占い婆の戦士としてそこで修業もしていたんだ。」
「なるほど。そこなら父さんたちにも相応しい相手がたくさんいそうですね。お二人がこれだけ強くなるのも納得です。」
「俺達はお前ほどの伸びではないと思うがな。…さて明日は大会だしそろそろ寝るか。」
ライの自分を棚に上げた発言にあきれ半分でそう言った。
*
翌日予選会場に着き順当に予選を勝ち上がっていくライは見知ったメンバーに挨拶しに行く。
「ヤムチャさん、クリリンさんお久しぶりです。」
「おう、ライ、久しぶりだな。親父さんには会えたか?心配していたぞ。」
ヤムチャがスウを気遣ってそう言った。
「ええ、昨日は父さんにチャパさんと一緒にこの三年間ついて話してましたよ。二人ともすごく強くなってました。」
「げえっ、チャパ王も強くなってんのかよ。これは優勝は一筋縄ではいかないな。」
クリリンが強敵の存在にげんなりとしてそう言った。
「クリリンさんもヤムチャさんも相当強くなったみたいですね。雰囲気というか気で分かります。」
「そうか、お前カリン様とか言う仙猫様に修業つけてもらってたんだっけな。仙猫様に修業をつけてもらうとそんなこともできるようになるのか。」
ヤムチャが感心してそう言った。
「相対した相手じゃないと詳しい実力までは分かりませんけど、ある程度距離があっても強い相手なら力を感じることができます。」
「悟空もそんな風な様子だったな。全く優勝のハードルは高そうだ。今回は前回のようにはならんつもりだが、厳しそうだ。」
「そう言いつつお二人とも全然優勝諦めてないですね。」
2人の雰囲気を感じ取ったのだろう。ライがそう言って二人を茶化す。
「実力差はあっても勝てるってのを教えてくれたのはライだぜ?目指すは優勝、これは変わらないさ。誰を前にしてもな。」
「その通りです。」
ヤムチャとクリリンの様子にライは油断はできないと再度気合を入れなおした。
「それじゃあDブロックで試合があるのでまた。」
「悟空には会っていかないのか?」
「本選で会えるじゃないですか。くじ引きの時にでもまた来ますよ。まあお二人もそれは変わらないんですけど。」
武道会の予選は粛々と進んでいく。残酷なくらい粛々と。
今日はこの作品を酷評される夢を見ました。感想くれたとこまで正夢になって欲しいです。もちろん、批評であれば酷評も受け入れて直すつもりですけど。