ドラゴンボールZ・オルタナティブ~世界線c~   作:三軒過歩

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(第六十七話)から今の話の途中まで十六号が存命なこと完璧に忘れてました。修正しようかと思ったんですけど、番外編で書きます。


(第七十一話)それぞれの覚悟

「こら!急に止まるな、このぼけっ!…おやおやぁ、ようやく出向いてくれる気になったんだね」

 

バビディと魔人ブウの前に彼等を取り囲むように戦士が三人。

 

「せっかくだ地球のみんなにも見せてやろう。」

 

そう言って地球人たちと魔術で交信する。

 

「一応聞いておくが、俺がこのまま殺されたらこれ以上の破壊や殺戮をやめてくれたりはしないな?」

 

ピッコロがそう聞くが彼らは嫌らしく笑うだけ。

 

「ありえないね。僕達は破壊行為も楽しんでいるんだから。」

 

「だろうな。だったらお前に抵抗しないわけには行かない。」

 

そう言ってピッコロ達が構えをとる。

 

「後ろにお仲間を二人連れてきたみたいだし何か企んでいるのかな?何人で挑んでも無駄だよ。魔人ブウは倒せない。」

 

「そりゃあ私達じゃ無理でしょう。でも孫悟空なら話は別です。」

 

「ソンゴクウ?」

 

「ええ、ベジータと戦った男がいたでしょう。彼があなたを殺してくれる。」

 

それを言った瞬間バビディと魔人ブウが爆笑する。

 

「ぶっ、はーはっはっは!この僕を殺すって?そんなに強いならベジータにどうして負けたんだよ。」

 

下卑た笑いを続けながら話を続ける。

 

「第一どうしてここにいないんだ。」

 

「あと数日もしないうちに現れるさ、俺たちはそれまでの捨て石だよ。」

 

クリリンがそう言うとバビディの顔が不快に歪んだ。

 

「不愉快だね。さっさと見つけ出して殺してやるよ。そのソンゴクウとかいうやつをさ。無駄話はこれくらいにしようか。魔人ブウ、さっさとやってしまえ。」

 

「ブウー---!!」

 

ブウの叫び声が開戦の合図だった。速攻で気弾を二つライとクリリンに放つ。

 

「ヤバッ!」

 

ライが咄嗟に回避行動をとるがあまりにも実力差が大きすぎる。避けきれずに左腕が吹き飛んでしまうと覚悟を決めた時、

 

「ライ!」

 

グイッ!

 

クリリンが放った鞭のような気功波がライの右腕を掴み引っ張った。その結果として。

 

バシュッ!

 

クリリンがはじけ飛ぶ。

 

「クッ!はじけて、混ざれっ!」

 

こうなることは覚悟していた。クリリンがやられた今、自分がクリリン以上の働きをしなければならない。クリリンのおかげで人工月を作れたのだから。

 

「さあ、抵抗を始めましょうか!」

 

人の姿から狼の姿へと変貌を遂げる。この姿が自分が最も実力を引き出せる姿。

 

「あっけないねえ。お仲間の一人はたったの一撃でやられちゃったみたいだよ?もう一人も大したことなさそうだし、これは一瞬で片が付いちゃうんじゃないかな。」

 

「冗談、()()はそう簡単にはやられない。」

 

そのピッコロの宣言と同時に。

 

スパッ!

 

「そうそう、俺()ね。」

 

クリリンの気円斬が魔人ブウを真っ二つにした。

 

「な、な、な、お前はブウに消し飛ばされただろう!?」

 

「不死身がそこの魔人だけの特権だとでも?」

 

「何度でも蘇る私達に何度でも気で完全に消滅させないと倒せない魔人ブウ、さて、根競べと行きましょうか。」

 

「ふん!本当に不死身ならさっきの攻撃でお前を庇う必要なんてなかっただろう。地球人如きが不死身なわけがない。何か仕掛けがあるに決まってる。」

 

「あまり地球を舐めるなよ。宇宙のゴミが。」

 

その声と共に気功波を放つ。ピッコロに続いてライとクリリンがそれぞれ同じ個所に気功波で追撃した。それを魔人ブウは避けもせず受けた。

 

「こんな攻撃じゃ俺を消せない。お前達俺には勝てない!」

 

糸目が見開かれる。その瞬間衝撃波が三人を襲った。

 

「ぐわっ」

 

「あぐっ」

 

ピッコロ、ライ、クリリンその衝撃波に吹き飛ばされる。普通ならその衝撃はだけでやられてしまいそうなものだがうまくその波に乗ることでダメージを極限まで減らした。

 

「おわー!」

 

その結果クリリンがはるか後方まで吹き飛ばされたから二人で魔人ブウの気をひき続けなければならないが。

 

「おわりっ!」

 

バシュッ!ビシュッ!

 

元より戦力が圧倒的に足りていない。無理な話だった。

 

「さて、不死身を語るなら現れてくれなきゃ話にならないよ?」

 

煽るように戻ってきたクリリンに対して話す。その言葉に反応するのはクリリンじゃない。

 

「それは当然だな。」

 

スパッ!

 

「うーん、流石はクリリンが編み出した技ですね。」

 

ライの放つ気円斬が魔人ブウを切り裂く。

 

「ギギギッ!」

 

「怒ってるのか?お前がさんざんしてきたことだろう?」

 

やられてもやられても復活する。うんざりするほどに。だけれどもピッコロはそんな理由じゃ煽らない。彼の行動には意味がある。

 

パッパッパッパッパッ!

 

ピッコロの分身が無数に現れて魔人ブウを取り囲んだ。その分身一つ一つに実体はないただの幻。でも気の感知能力がない彼等には効果絶大だ。こんな分身術はピッコロにしかできない。だからヘイトを自分に向けた。

 

「全部倒せばいいだけだもんねー!」

 

圧倒的な力の前にそんなものが無意味だと知っていても。

 

 

「俺もう二人とも消されたぞ。」

 

三身の拳を使って疑似的な不死身を演出した。三身の拳は触れれば体力消費もそれほどなくもとに戻れるが、そうでなく分身が消滅された場合、本体の体力三分の一が奪われる。

 

「早すぎますよねえ。ピッコロがヘイト集めてくれたのについで感覚でやられちゃって。」

 

距離が離れすぎても術を維持できないからブウ達の少し上空にいた。

 

「お前が本物だなあ!」

 

だからブウに本体の位置がバレた。

 

「残念ながら俺もやられたようだ。」

 

「上に誘導するように戦えばそりゃバレるでしょうよ。」

 

なんてことしてくれたんだと憤慨するクリリンにライは冷静に返す。

 

「まだもう少し時間が足りないんですよ。さっ、頑張りましょ。大丈夫ですって。そう信じてください。」

 

「ここを抑えれば孫がやってくれる。俺たちはそれに期待するしかないんだよ。お前も覚悟決めたからきたんだろう。」

 

三人がそれぞれの覚悟を持って戦い、そして…

 

 

「さあ、これで神殿を移動させられます。そうすればそうそう見つかることはないでしょう。三人は気を探れば戻ってこれるでしょうし。」

 

ところ変わって神殿ではデンデが移動の準備を整え切った。気を探ることのできるデンデを筆頭とした武闘家たちは彼ら三人の結末が分かる。

 

「くそっ!みすみす見殺しにしちまって、どうして俺は…!」

 

「ヤムチャ、それを言ってもどうにもならんわい。クリリン達の戦い方にお主は向いてなかった。結果は変わらんよ。お主がここにいることでできることもあるんじゃ。そう自分を責めてはいかん。」

 

ヤムチャをなだめるように亀仙人が話す。実際に三身の拳を使えないヤムチャがついて行っても戦い方が歪んでしまうだけだっただろう。ヤムチャはそれから悟空が精神と時の部屋を出てくるまでずっとこらえきれずに飛び出そうとするトランクスと悟天をなだめる役回りに回った。

 

 

「チッ!結局東西南北の都を破壊しても孫悟空は現れなかったか。お前があいつらをすぐに殺しちゃうからだぞグズめ!」

 

拷問でもなんでもすればよかったのにと憤慨するバビディにブウの不満が爆発する。

 

「なあなあ、俺とってもいいこと考えちゃった。」

 

「なんだと、お前が?どうせ大したことじゃないだろうけどまあ言ってみろ。」

 

ガバッ!

 

「!?」

 

「喋れないだろ?だからお前は俺を封じ込める呪文も言えない。」

 

「~~~~~~~!!」

 

「お前からいろいろ覚えた。俺はお前の駒じゃない、もう我慢しない!」

 

キーン!ズアアアァァ!

 

この瞬間、魔人ブウを封印する方法は消え去り、彼を止める方法が力押し以外になくなった。

 

「いやっほうぅぅぅぅ!イェイイェイイェーーイ!」

 

彼は無邪気な子供のようなもの。それゆえに、彼のストッパーはいない。本能の赴くままに地球人を殺し始めた。

 

 

「「「「!」」」」

 

バビディとブウの気を追っていた四人の気を感知できる戦士がそれぞれ反応を見せる。

 

「バビディが、死んだ?」

 

「魔人ブウが殺したんじゃろうな。バビディの通信で見た二人の関係は歪じゃった。」

 

「でもそれならブウは人殺しをやめるんじゃない?命令する人がいないんでしょう?」

 

「そんなわけには行かないみたいだぞ悟天、地球人の気の数が減ってる。」

 

「あと半日後には悟空が出てくる。それまでの辛抱だ。それまでに地球が滅ぼされなければいいが…」

 

「それは大丈夫じゃろう。クリリン達が布石を打っといてくれたからのう。」

 

悟空があなたを殺してくれるとそう言って意識を悟空に向けた。バビディだけならそれを待たずに破壊する可能性も考えられるが強敵の出現を予感されたとき、ブウは嬉しそうにしていたから。

 

「まあ、俺達には悟空が何とかしてくれるのを祈るだけだな。自身の無力が悔しいよ。」

 

ヤムチャが悔しそうにつぶやきそれから半日が立ち、孫悟空が精神の時の部屋から修業を終わらせてやってくる。

 

 

「「「「!!」」」」

 

「ようやく終わったか…いや、それとも。」

 

悟空が精神と時の部屋に入れる時間は二十八時間。そのぎりぎりまで時間を使って彼は精神の時の部屋を出てきた。

 

「待たせてすまなかったな。みんな。」

 

そう言って悟空が仲間たちの元に行く。その顔を見た時修業がうまくいったのか、それを聞く者はいない。きっと彼ならなんとかするとそう信じているから。

 

「みんな無事…ってわけでもないみてえだけど、もう大丈夫だ。後はおらが何とかするから。」

 

そう言って悟空は瞬間移動で消えた。

 

 

ピシュン!

 

「ん?やっと来た!」

 

「お前が、魔人ブウだな。見れば見るほどふざけたなりだ。それなのに悟飯やベジータ、それにクリリンを殺したってんだから覚悟はできてるんだろうな。」

 

「俺、お前と戦うの楽しみにしてたんだ。俺を殺すなんておかしなこと言ってるのが本当のことなのか、俺すっごく楽しみだった!」

 

会話がかみ合わない。この化け物が人間性を得るような、そんな世界があるのだとしたら、それはきっと特別な力がない人間がそれを為すのだろう。おら達には出来ないことだ。

 

「おめえに殺された地球人のためにも!」

 

こんなに怒ったのはいつだっただろうか。

 

「そして、殺されたおらの仲間たちのためにも!」

 

ああ、きっとフリーザだ。こいつはフリーザとは違って悪意はないのかもしれないけれど。

 

「おめえをぶったおす!」

 

もう、おらはこいつを許せない。

 

「はああああああ!」

 

金色のオーラに紅さが混じる。

 

「何をするつもりか知らないけど、俺には勝てないよ?」

 

その言葉と同時にオーラが消えて、孫悟空が宣言する。

 

「十倍超界王拳!」

 

金色のオーラを覆うように深紅のオーラが悟空を包む。彼が七年前に一度だけ、ただの界王拳と超サイヤ人を併用したことがある。超サイヤ人の状態で穏やかな心を得ることができたのなら出来るのではないかと。しかし超サイヤ人の界王拳は二倍にすら達しない倍率の界王拳でさえ気のコントロールを一瞬でも間違えたら体中がぶっ壊れてしまう危険な技となっていた。だから彼は超サイヤ人と界王拳の併用を諦めていたのだ。

 

「超サイヤ人での気のコントロールを極めてきた。お前をぶったおすために。」

 

「ゾクゾクッ!ゾクゾクッ!」

 

気を探る能力のない魔人ブウがそれでもその最強の魔人としての本能か、孫悟空の実力を正しく測り取る。

 

「早く戦おう。俺もう我慢できない!」

 

「そうだな、さっさとやろうぜ。」

 

この姿を長く維持することはできないから。安定して十倍を引き出すことは一年余りの時間じゃできなかった。どうしようもなく短期決戦にしか勝ち目はない。だけど。

 

ピシュン!ドゴン!ドンドンドン!

 

それは負けていい理由にはならない。それは信じて散っていった三人の覚悟を無駄にすることになるのだから。




だからいつからこの話は能力バトルになったんだと。
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