青春を傍観せし者   作:暇けんぴ

80 / 105
アイドル覚醒

ー彼方sideー

 

エボルドライバーの3分の2を完成させて一休みする。

いやほんとなんでこんな複雑な機構なの?

葛城巧はよくここからビルドドライバーを発明したよな...

 

取り敢えず今の状況を確かめる為に部屋に設置してある水鏡を覗く。

モルガンの魔術を応用した物だけど結構便利なんだよね〜。

これにダスタード達の視覚を共有することで外で何が起こっているのかが一目で分かる。

元の世界でもこれを使っていた。

 

視覚を共有させると予想外のものが映っていた。

 

ビルドとクローズが西都の仮面ライダーにやられた姿だった。

まさかもう進行していたとは...『ローグ』が...

 

よく見てみるとエボルドライバーの作業し始めてから一日以上経っていた。

え、僕そんな長時間ずっと作業してたの?

ブラック企業もびっくりの残業じゃん...

 

ん?よく見たら黄色くんに着けていたダスタードの反応が無い...?

まさか...!?

 

カズミンの手を見てみると握っているドッグタグが増えていた。

黄色のドッグタグってことは...

そうか...逝ったか...

 

僕はなんともいえない気持ちを胸に意識を手放す...

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

いつの間にか眠っていたのか、僕は椅子の上で目を覚ます。

よく見るとブランケットがかけられていた。

多分フォリアがやってくれたのだろう。

 

取り敢えず寝起きの身体を動かしてシャワーを浴びる。

何気に丸二日は浴びていない気がする...やべ、臭うよね...

入念に洗っておく...

 

その後、普段着に着替え何となくお腹が空いたからたまには外で食べようと思った。

ただあの代表戦以降多分僕が外で出歩いてたら侵略しに来たって思われるだろうから一つしかないんだけどね...

 

...

 

..

 

 

 

ということでやって来たお馴染み『nascita』。

中に入ると筋肉バカくんがラーメンを食べてそれを美空ちゃんがつまんなそうに見てた。

 

入って来た僕を見て二人とも歓迎みたいな雰囲気を出す。

 

彼方「やっほ〜、何か食べ物ある?」

 

龍我「おう!どうしてここに来たんだ?」

 

美空「いらっしゃい!うちの他にも店はあるはずだけど?」

 

彼方「いや、その〜、僕ってほら?ね?」

 

龍我、美空「「ん?...あ、あぁ〜...」」

 

彼方「そゆこと。だからここしかなくってさ。」

 

龍我「じゃあこれ食ってけよ。」

 

そう言って筋肉バカくんが取り出したのは、彼が食べているカップラーメンだった。

いやさ...確かに食べ物無い?って聞いたけどさ...これは...

流石の美空ちゃんも苦笑いしている。

 

龍我「ん?なんだ?その味嫌なのか?意外とうめえぞ?」

 

美空「...あたしが何か作りますよ?」

 

彼方「いや、いいよ。たまにはこーゆーのも食べたいしね。」

 

僕はそう言って魔術を使ってお湯を入れる。

そして時空結界をカップラーメンを囲うように展開して、3分時間を早める。

するとあっという間にカップラーメンの出来上がり〜。

所要時間たったの五秒。

 

龍我「うお、すげえ!?どうやってやったんだよ!?」

 

彼方「う〜ん、ちょっとした魔術だよ。」

 

そう言って僕は麺を啜る。

ん〜、久しぶりに食べるカップラーメンは案外美味いね〜。

てかこれってプロテイン入ってるんだ...なんか、ほんと筋肉バカだよね...

 

食べ終わると美空ちゃんがタイミングを見てコーヒーを出してくれた。

と言っても缶コーヒーだけど。

 

コーヒーを飲んで落ち着いてるとビルドくんが帰ってきた。

何故か荷物を持ったカズミンと赤色くんを連れて。

 

ビルドくんの話によると、どうやら協力関係を結んだらしい。

まあ今更東都だの北都だの言い争ってる場合じゃ無いからね〜。

 

一海「という訳で、今日から東都で世話になることになった猿渡一海だ。カズミンって呼んでくれ。」

 

美空「カズミン...?」

 

一海「みーたん♪」

 

それとこれは美空ちゃん達から聞いた話だけど、どうやらカズミンは生粋のドルオタらしい。

で、美空ちゃんがネットアイドルとして扮してる『みーたん』に一目惚れしたらしい。

いや〜、何か癖がありそうな気がしたけどまさかドルオタだったとはね〜。

 

そんなことを考えてると筋肉バカくんとカズミンが喧嘩を始める。

なんていうか...血の気の多い二人だな〜。

 

そんなことを思ってると美空ちゃんが間に入ってカズミンに止めるように言う。

すると態度をコロッと変えてすぐに喧嘩をやめたのだった。

いや流石にそれは引くよ...?

 

しかも自作なのか美空ちゃんがプリントされた枕を取り出すし...

思わず美空ちゃんの目を塞いで見ないようにしたよ...

それで嫉妬に狂うカズミンが誕生したんだけどさ...

 

するとビルドくんが何やら思い詰めた表情で地下室に行くのが目に入る。

それを見た僕は地下室に行く。

すると後ろから美空ちゃんもついて来ていた。

 

地下室に入ると浄化装置の前でビルドくんが座っていた。

どうやらセンチメンタルになってるみたいだ。

 

それを見た美空ちゃんがこっちを見てくる。

美空ちゃんの思いを分かった僕は頷き、彼女の背を押す。

そして僕はビルドくんから見えないように壁にもたれる。

 

戦兎「覚悟ってなんだろな...本当に俺達東都の街守れてんのかな...」

 

そんなことを言うビルドくん。

それを聞いた美空ちゃんはビルドくんに視線を合わすようにしゃがむ。

そして...顔を両手で挟んだ。

 

思わぬ行動にビルドくんは笑ってしまう。

どうやら和ます為にやったみたいだ。

だけど美空ちゃんは昔より笑ってないと文句を言う。

 

そんな美空ちゃんに礼を言うビルドくん。

ムードメーカーな存在である美空ちゃんに助けられてることを感謝する。

それに対して自分にはこれしかできないからと言う美空ちゃん。

 

それを聞いたビルドくんは立ち上がる。

 

戦兎「思い出したよ。戦争が始まる前、俺はラブ&ピースの為に戦ってたんだって。また、前みたいに心から笑えるように...ラブ&ピース、悪くねえな?」

 

美空「うん!ラブ&ピース!」

 

ラブ&ピースか...立派な信念持ってたじゃん...

そう思った時、一瞬ビルドくんの姿が弦ちゃんと重なったように見える。

...そっか。彼も僕の憧れる仮面ライダーなんだな...

 

そんなことを思ってると突然美空ちゃんのバングルが光りだす。

すると突然苦しみ出す美空ちゃん。

僕は慌てて駆け寄る。

 

彼方「美空ちゃん!大丈夫か!」

 

戦兎「おい美空!美空!」

 

すると意識を失って倒れ込む美空ちゃん。

僕は慌てて抱き止める。

すると上からやってきた筋肉バカくんも異常に気づいたのかこっちに駆け寄ってくる。

 

龍我「おい美空!大丈夫か!おい!どうなってんだよ!」

 

戦兎「わかんねえよ!」

 

彼方「持病があるような感じじゃなさそうだし...」

 

何が原因なのか考えてると電子音が鳴り響く。

どうやら二人が着けてるブレスレットから鳴ってるみたいだ。

すると首相さんの声が聞こえてくる。

 

泰山『氷室だ!政府官邸に西都が攻めてきた!至急応援を頼む!』

 

どうやらパンドラボックスを狙いに西都が攻めて来たらしい。

だが二人は美空ちゃんのことがあり躊躇してしまう。

 

彼方「美空ちゃんは僕は看てるよ。二人は早く行きなよ。」

 

戦兎「...頼んだぞ。」

 

龍我「ぶっ倒して来てやるよ!」

 

そう言って二人は地下室から出ていく。

僕は取り敢えず美空ちゃんはベッドに寝かせる。

何故急に意識を失ったのか探る為にバングルに触ろうとする。

 

するとバングルが光り、僕の手が弾かれる。

どうやら火星の女王様には警戒されてるみたいだ。

 

すると突然美空ちゃんが起き上がる。

何故か目を瞑ったままで何も言わないが...

 

彼方「美空ちゃん?大丈夫?」

 

僕の呼びかけにも応じない。

僕は美空ちゃんの身体を揺らそうとする。

すると今度は美空ちゃんが僕の手を弾く。

 

そして目を開けて僕を見つめる。

だがその瞳はいつもと違い、緑色に輝いている...

もしかして...

 

ベルナージュ『エボルトと同族の者が私に触れようとするなんて...』

 

彼方「ベルナージュか...」

 

ベルナージュ『エボルトから聞いたのか?ならば貴様も奴の仲間なのだな?』

 

彼方「違うよ。まあ今は仲間って立ち位置かもだけどさ...そんなに疑うんなら美空ちゃんの記憶を覗けばいいじゃんか。まあ、彼女がどう思ってるかなんてわかんないけどね。」

 

僕がそう言うとベルナージュは目を瞑る。

するとバングルが光り出す。

多分記憶を漁ってるんだろう。

 

しばらくすると光は止み、ベルナージュが目を開ける。

だがその目はさっきより警戒心が薄れたように感じる。

 

ベルナージュ『大体把握した。ならば行くぞ、異界人。』

 

彼方「行くってどこに?」

 

ベルナージュ『仮面ライダーとやらの場所までだ。』

 

そう言うとベルナージュは起き上がり、裸足のまま出て行こうとする。

僕は慌てて美空ちゃんの靴を探し、それを履かせる。

その時には?みたいな表情をされた時は思わず煽ってしまった...

 

彼方「女王なのに靴も履かないって大丈夫かよ...」

 

ベルナージュ『それはどういう意味だ?喧嘩を売っているのか?』

 

彼方「いやいや、喧嘩なんて売ってないよ。意外に気が短いんだね...」

 

ベルナージュ『...スカイウォールに埋めてやるぞ。』

 

その一言ですぐに辞めたよね。

何!?スカイウォールに埋めるって怖すぎるんですけど!?

いくら僕でも流石に生きれるかわかんないよ!?

 

そんなことを思いながらベルナージュの後を着いていった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

しばらく歩いて行くとスカイウォールがどんどん大きく見えてくる。

スカイウォールの近くで戦ってるのか?

 

そう考えてると戦闘音が聞こえてくる。

てことは近くだな...

 

僕は西都の奴らにバレないように変装しようと思ったけど、どうせ近いうちに裏切るんならもういっかと思いそのまま着いていく。

どうせ向こうもスパイを忍び込ませて来てるんだからトントンだろ。

唯一の懸念材料であるブラッド族のクズ野郎二人も僕が本気を出して潰せばおしまいだと割り切った。

 

すると爆発音が二つ聞こえてくる。

もしかしてと思い駆けつけると東都勢が変身解除に追い込まれていた。

そこにローグがビルドくんに追い討ちをかけようとしていた。

 

僕はスチームガンでローグに射撃する。

あくまで気を逸らす為だからダメージが通ってなくても構わない。

 

ローグ「...我望、貴様か。」

 

エンジン「お前...何のつもりだ?」

 

リモコン「私達を裏切るつもりですか?」

 

彼方「元からお前達の仲間じゃないけど?あくまでスタークのビジネスパートナーってことだったんだけど...君達って教育受けてきたの?」

 

エンジン「っ!貴様!」

 

リモコン「私達だけでなくあの人を侮辱するなんて!」

 

ローグ「お前をここで消す...」

 

彼方「おっと〜?残念ながら今日の主役は僕じゃないんでね?」

 

そう言って僕は横にズレる。

すると僕の後ろからベルナージュがやってくる。

美空ちゃんの身体を使ってるからビルドくん達は驚いてる。

 

ベルナージュはローグ達に向けて手をかざす。

するとバングルが光り、とてつもない力を放つ。

 

ローグ達は抗えず、宙に浮いてしまう。

そしてスカイウォールに穴を開け、ローグ達を穴の向こうに飛ばす。

穴はその後、何もなかったように塞がった。

 

火星の力ではないスカイウォールをいとも簡単に操るなんて...

女王ハンパないって...

 

皆もベルナージュの力に驚いている。

まあカズミンはちょっとズレた反応をしたけど。

 

するとベルナージュがあることを呟く。

 

ベルナージュ『エボルト...』

 

そう言ってベルナージュの意識が離れたのか、美空ちゃんは倒れてしまう。

僕は慌てて駆けて何とか抱き止める。

 

てかどんだけエボルトに怒ってるんだよ...

なんか改めて女性を怒らせたらダメだって思っちゃったよ...

 

...

 

..

 

 

 

あの後『nascita』に帰った僕達。

一旦地下室に戻ろうかと思ったけど、多分エボルトが来てそうだから辞めた。

一応エボルドライバーはいつも作業が終わると虚空に閉まっている。

誰が入ってきてもいいようにね。

 

どうやらあの後ビルドくんはエボルトと会ったみたいだ。

まあ美空ちゃんのあの力を見て知りたくなるのも無理はないよね。

 

だがそこでアイツは何も知らないと言って逃れたらしい。

代わりに難波チルドレンの存在を教えて。

 

まあ今回の襲撃もスパイが西都に情報を流したから起こった事だからね〜。

なら早い内に始末しておくしかないか。

 

そんなことを考えていると地下室から美空ちゃんと紗羽さんが出てくる。

特にどこにも影響は無さそうだ。

 

戦兎「大丈夫か?」

 

美空「うん。心配かけてごめん。」

 

紗羽「美空ちゃん、全然覚えてないんだって...」

 

龍我「あんな凄え力出しといて?」

 

美空「ねえ、あたしのこと調べてくれないかな?」

 

美空ちゃんの提案に僕達は取り敢えずやってみることにする。

もしかしたらベルナージュが何かしら美空ちゃんに影響を与えてるかもしれないしね...

 

...

 

..

 

 

 

僕とビルドくんは美空ちゃんの検査の為に残り、筋肉バカくんとカズミンはそれぞれある作戦の為に動いている。

紗羽さんはというと上で寛いでいる。

 

僕達は美空ちゃんにゴーグルを着けてもらい、バングルと指にそれぞれ計器を着ける。

今回は弾かないのね...

そうしてある程度検査をしているとある結果が出てきた。

 

それを見た僕達は取り敢えず美空ちゃんにも伝えることにする。

計器を外しながら美空ちゃんは説明を聞く。

 

戦兎「美空の念じる思いと、バングルの力がシンクロして未知なるパワーを生み出したとするなら、バングルに人工知能のような意志が存在してる可能性がある。」

 

彼方「そこで美空ちゃんの思考と連動させてみたらこんな映像が出てきたんだ。」

 

そう言って僕はモニターにある映像を映す。

そこには中心に天に向かって聳え立つ塔があり、その周りの文明や地形が崩壊している映像だった。

恐らくベルナージュが見た、火星が崩壊していく様だろう。

 

美空「これ、ボトルを浄化する時に見るやつ...」

 

その言葉に僕とビルドくんは注意深く聞く。

 

美空「意識を集中させると頭に浮かんできて、こんな風になりたくないって祈ると浄化できたの...」

 

戦兎「一瞬で壊滅させたこの力は、パンドラボックスのエネルギーなのかもしれない...」

 

美空「どういうこと?」

 

彼方「バングルの中の意志が火星の二の舞にさせない為に、美空ちゃんを介してパンドラボックスを開けさせないようにしてるんだよ。」

 

美空「じゃあ、傷を治したりスカイウォールに穴を開けたりしたのも?」

 

美空ちゃんの問いにビルドくんは頷く。

それを見た美空ちゃんは思い詰めた表情になる。

 

美空「あたしがそんな力を...」

 

そう言うと何故か立ち上がる。

そして何にもない風にして笑顔を見せる。

 

美空「そっか。じゃあ、これで皆と一緒に戦えるんだ...」

 

そう言うがだんだん表情は暗くなる。

それにスカートを掴む手の力が強く、震えている。

 

美空「怖いよ...自分がどうにかなっちゃいそうで...」

 

その姿を見て僕は美空ちゃんの腕を掴む。

それに驚く美空ちゃん。

 

彼方「なら僕達を頼りなよ。自分でどうにもできないなら僕達を頼ってくれ。助けるから。」

 

美空「彼方さん...」

 

彼方「僕達が戦争を終わらせる。その時はさ...笑顔で迎えてくれない?ほら、カズミンが気絶するぐらいいい笑顔でさ?」

 

美空「...うん!」

 

よかった...

まあ最初は自分が人外の力を持ってるかもしれないって思うと怖いからね〜。

僕だって今こそは慣れたけど、あの当時は早く使い熟さないとって焦ってたからな〜。

 

そんな昔を懐かしんでいるとビルドくんのブレスから電子音が鳴る。

どうやら筋肉バカくんからで、連中が罠にかかったようだ。

 

ビルドくんは東都機械工場に向かった。

その間僕は待機ってことに...

 

取り敢えずお腹空いたから何か食べよっかな〜...

 

彼方「美空ちゃん、何か食べる?」

 

美空「そういえばお腹空いたな〜...うん!」

 

彼方「じゃあ何か作ろっかな〜...」

 

美空「え!?彼方さん料理できるの!?」

 

彼方「これでも炊事洗濯は完璧なんだよ〜?何が食べたい?」

 

美空「う〜ん...パスタ!」

 

彼方「よし!じゃあ美味しいの作ろ〜!」

 

美空「お〜!」

 

ということでご飯を食べる僕達。

紗羽さんも一緒に食べて二人とも満足してくれた様子。

 

そして食後のコーヒーを飲んでる時にふと何かを感じる。

嫌な予感がし、ビルドくん達につけているダスタードと共感覚する。

だがしかし一体が反応しない...

 

またか...なんで呑気に飯食ってたんだよ...

僕は静かに立ち上がり、ドアに向かう。

それを不思議に思う二人が聞いてくる。

 

紗羽「彼方君?どこに行くの?」

 

美空「もしかして戦兎達に何かあったの...?」

 

彼方「...赤羽が死んだ。今からちょっとローグを捻り潰してくる...」

 

紗羽、美空「「え...」」

 

彼方「僕が何もしてなかった所為だ。せめて一発でもアイツを殴らないと気が済まない。」

 

美空「...なら私も連れて行って。」

 

紗羽「美空ちゃん!?無茶だよ!?」

 

彼方「...戦いに巻き込まれるかもしれないのに?」

 

美空「それでも...今までずっと守ってきてもらったから...あたしでも力になれることがあるなら...一緒に戦いたい!」

 

彼方「...そっか。なら着いてきなよ。」

 

そう言って僕はドアを開ける。

美空ちゃんはそれに頷いて僕に着いてくる。

 

美空ちゃんを守りながら戦うことになるかもだけど...

それでもアイツだけはマジで殴ってやる...!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

パンドラボックスが保管されている倉庫に着いた僕達。

中に入ると、ローグに苦戦しているビルド達が居た。

 

僕達が入ってきたことに皆驚いている。

それに対して美空ちゃんがさっき僕に言ったことを言う。

そしてバングルに手を添え意識を集中させる。

 

だがそれをローグが阻止しようとスチームガンで撃ってくる。

その弾を僕が全てスチームガンで撃ち落とす。

 

ローグ「...我望、また貴様か。」

 

彼方「お前は一発殴らないと気が済まないんでね...」

 

そう言って僕は美空ちゃんの前に出る。

 

彼方「カズミン...赤色くんの側に居てやれなくてごめん...」

 

グリス「...気にすんな。アイツはお前のことを憎んでねえよ。」

 

彼方「...そっか。そうだといいんだけどね。」

 

そう言って僕はスイッチを取り出す。

ビルドとクローズはそれを見て驚く。

だがそれ以外は何なのかわかっていない様子。

 

彼方「久しぶりに使うからね...ちと力加減できないかもだけど、まぁお前には加減する必要ないよな?」

 

そう言って僕はスイッチを押す。

全身を黒いモヤが覆っていく。

ローグが何かヤバいと感じたのか射撃してくるが無意味だ。

 

モヤが晴れるそこには久しぶりにオピュクスに変身したオレが居た。

 

オピュクス「オレはただ一発...オマエを殴るだけだ...!」

 

オレはそう言ってローグに向かって走る。

ローグは走ってくるオレに向かって射撃してくるが全て避ける。

するとローグはボトルをスチームガンに装填して撃ってくる。

 

ワニ型のエネルギーがオレに向かって襲いかかってくるがオレはそれを殴る。

するとガラスが割れるようにエネルギーが弾けた。

 

ローグ「何...!?」

 

グリス「なんだあの力...!」

 

クローズ「やっぱ凄え...」

 

ビルド「アイツならハザードを止めれるかもしれない...」

 

オレは足に魔力を纏わせてスピードを上げる。

それによってローグは完全にオレを見失った。

 

ローグ「クッ、どこに行った...!」

 

オピュクス「ここだよ。」

 

ローグ「っ!?」

 

オレはローグの背後に現れ、鳩尾に向かって全力のパンチを放つ。

ノーガードで受けたローグは壁に向かって思い切り吹っ飛んでいった。

だがその時に方向を見てなかったからパンドラボックスを巻き込んでしまった。

 

するとローグに向かっていつの間にかハザードに変身したビルドが向かっていく。

ん?よく見たら暴走してねえか?

 

ローグはなんとか立ち上がり、必殺技でビルドを吹っ飛ばす。

そしてパンドラボックスを抱えてボトルの力を使って飛び去っていった。

ミスったな...

 

すると暴走したビルドがグリスを倒して、美空の元に向かう。

オレはそれを見て止めようと駆ける。

 

だがその瞬間、美空のバングルが光り出す。

するとビルドのタンクの複眼がラビットに変わる。

これは一体...

 

 

 

 

to be continued...

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。