うーん。
とりあえず外に出るか。
でもどうやって?
ワームだし穴掘りとかできるかな?
やってみなきゃわからん!
よし!やろう!
私は土の壁に突き刺さる勢いで突進する。
土と牙、両方が追突し、牙の根本が痛くなる。
口を大きく開けて土を飲み込もうとする。
そうすれば穴が掘れると本能が教えてくれたからだ。
噛む、飲み込む、その2つの動作を繰り返す。
土がどんどん体内に入っていき、胃にどっしりと積み重なっていく。
それでも満腹になることはない。
きっと私の持つ無限の食欲のせいだろう。
スキルにも称号にも、満腹になることはないなんて説明は無かったけど、隠し効果であるかも知れない。
そんなことを思っていると牙が無を通る。
青空が見える。
外だ。
私は全身を出す。
周りを確認。
一方は山。
一方は森。
一方は草原だ。
ここは草原で、見渡す限りだと何匹か生物がいる。
でもそれは前世で見たようなものでは無く、キメラのような、全く未知のような、とにかく見たことがない生物だった。
グゥ
うご!
あの子らを見てると凄いお腹が減ってくる!
食べたいぜ!
むしゃむしゃしたいぜ!
ひゃあ我慢できねぇ!突撃だー!
とはならない。
いや確かに彼らは正直言って美味しそうな料理にしか見えない。
お腹が減るのは事実だし、今すぐにでも食べ尽くしたい。
でもステイステイ…。
そういうのはステータスを見てからだ。
鑑定がLV10になったんだし、使わなきゃ。
うーんでもここからだと遠すぎて無理か。
ならば近づこう。
私は身体を波のようにうねりながら遠くにいる生物に近づく。
今回はゆっくりじゃなくて歩き。
いや這い寄り?
まぁいいや。
ズリズリ…
草が潰れる。
後ろを見れば通った後が残っているだろう。
ズリズリ…
ヨダレがダラダラ垂れる。
ヨダレの染みた地を這い、冷たい思いをする。
かなり目標に近づいてきた。
ウサギにイッカクのような角が生えている。
あの角で刺されたら痛そう。
…よし近づけた、鑑定。
『ホーンラビット LV3
ステータス
HP:27/27(緑)(詳細)
MP:4/4(青)(詳細)
SP:28/28(黄)(詳細)
:13/30(赤)(詳細)
平均攻撃能力:14(詳細)
平均防御能力:11(詳細)
平均魔法能力:3(詳細)
平均抵抗能力:4(詳細)
平均速度能力:23(詳細)
スキル
「跳躍LV2」
スキルポイント:20』
戦闘力、たったの14か。
ゴミめ。
結構近づいてるけどまだ私の存在に気づいてない。
私って忍び寄る才能あるのかも?
ふふふ。
《スキル「食いしん坊」の効果が発動しました。「食いしん坊」の効果により、一時的にステータスが上昇しました》
そのアナウンスと同時に私は無防備な背中に噛みつく。
するとホーンラビットは短い悲鳴を上げ、動かなくなる。
噛みついた場所がブクブクと音を立てながら溶けていく。
スキル「酸攻撃LV1」試してみたけど中々強力だね。
私は酸で柔らかくなった肉を噛み千切る。
デロデロだけど結構美味い。
肉はもちろん骨も柔らかいからとても食べやすい。
柔らかくて美味しいとか最高かな?
今後このウサギを見つけたら積極的に食べるとしよう。
さーて次!
あそこにいる狼みたいなの。
次はあいつだ!
見た感じ防御力高そうだけど、イケる…はず!
イケなかったら逃げよう!
ズルズル…
グヘヘ。
あ、気づかれた。
私に向かってきてるね。
ほう?向かってくるのか。
このワームに対して!
良いだろう!
その勝負、受けて立つ!
お、鑑定出来る距離になった。
グヘヘ……鑑定!
『ウォンウルフ LV6
ステータス
HP:57/57(緑)(詳細)
MP:10/10(青)(詳細)
SP:123/123(黄)(詳細)
:112/123(赤)(詳細)
平均攻撃能力:94(詳細)
平均防御能力:32(詳細)
平均魔法能力:12(詳細)
平均抵抗能力:14(詳細)
平均速度能力:82(詳細)
スキル
「斬撃強化LV2」「疾走LV4」
スキルポイント:50』
お、おう。
なかなかやるじゃない。
めっちゃ鋭い爪持ってるし斬撃強化なんてスキル持ってるし、数値より攻撃力は高そう。
……勝てるかな?
イケる…はず。
もし出来なくても逃げれる。
この狼くんより私のほうが足速いからね。
……狼より速いワームって何?
まぁいっか。
天の声からステータス上昇のアナウンスが来る。
これで私のステータスはぐーんと上がった。
イケる!
勝てる!
来いよ!
…来た!
狼くんが飛びかかってくる。
鋭い爪で私を切り裂くつもりなんだろう。
私はさっきウサギから取ったスキル「跳躍」でバックステップして避ける。
華麗に着地、よし!
そのまま突っ込めー!
棒のような身体からは想像できないスピードで狼くんに接近する。
狼くんは避けようと身体を動かすが間に合わず足に私の牙が食い込む。
ジュ~っと肉が溶けていき、狼くんが甲高い悲鳴を上げながらも私に反撃とばかりに噛み付いてくる。
狼くんの牙が皮を貫き肉を断つ。
悶絶しそうなほど痛い。
血が溢れていく感覚を感じながら狼くんの脚を千切る。
狼くんの噛む力が弱まっていく。
次に私は身をよじらせてフカフカな胴体に噛みつく。
私の身体に血がかかる。
狼くんの毛は真っ赤だ。
私も真っ赤。
だんだん溶けていく。
もう狼くんは途切れ途切れな声しか出せていない。
私は止めに首元を噛み千切る。
狼くんは短い悲鳴を最後に動かなくなった。
《経験値が一定に達しました。個体、ワーストワームがLV3からLV4になりました》
《経験値が一定に達しました。個体、ワーストワームがLV4からLV5になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル「酸攻撃LV1」が「酸攻撃LV2」になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル「酸耐性LV1」が「酸耐性LV2」になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル「酸強化LV1」を取得しました》
ふぅ…倒せたみたいだね。
なんかもの凄い血みどろな戦いだったけど、勝ったからヨシ!
いや本当に血みどろだよ。
私も、狼くんも、周りも。
まるで血のプールだね!
泳ぐには虫ぐらい小さくないといけないけど。
それにしても熟練度が溜まればスキルレベルは上がるんだね。
なんか「酸強化LV1」なんてスキルも取ったけど、これは酸攻撃の威力が上がるのかな?
だとしたら私にぴったりなスキルじゃん!
ありがたやありがたや。
また私は強くなってしまった……。
いやそれでもまだLV5だし、この世界ではまだまだ弱いだろうなー。
一番上のステータスってどれくらいなんだろう?
1万?10万?100万?
とにかく私なんかデコピンで倒せちゃうほど強いと予想。
んー…よし!
目標が決まった!
一番上の人と戦っても瞬殺されないぐらい強くなる!
超えるとは言わない。
一番上に人ってとんでもなく長生きしてるイメージがあるからね。
ステータスだけじゃなくて技術とか色々あっての1位でしょう。
その人と並ぶにはその技術を覆せるほどの超パワーを持つしかない!
じゃあその超パワーを持つにはどうするか?
強欲で沢山の生物の力を吸収する。
この手に限る。
よし、ちょうど向こうに生き物がいるし食べに行こう。
今の私の頭の中には強欲で力を奪うことと美味しいものを食べることしか無い。
ん?いや、ちょっと待てよ。
ちょっとステータスオープン。
『ワーストワーム(飯田麻衣) LV5
ステータス
HP:128/128(緑)+10(詳細)+18
MP:28/28(青)+20(詳細) +4
SP:126/126(黄)+40(詳細)+18
:126/126(赤)+40(詳細)+18
平均攻撃能力:297(詳細) +43
平均防御能力:28(詳細) +4
平均魔法能力:128(詳細) +4
平均抵抗能力:28(詳細) +4
平均速度能力:136(詳細) +12
スキル
「酸攻撃LV2」「酸強化LV1」「斬撃強化LV1」
「飽食LV1」「跳躍LV1」
「酸耐性LV2」
「食いしん坊LV1」
「鑑定LV10」
「強欲」「征服」「禁忌LV3」
「外道魔法LV1」
「n%I=W」
スキルポイント:39437
称号
「食いしん坊」「血縁喰ライ」「強欲の支配者」』
あ、スキルポイント沢山あるじゃん。
これ使った方がいいよね。
残しておく理由ないし。
えーっとどうしようかな。
どんなスキルが良いんだろう?
今の私に足りてないのは防御力かな?
鑑定で取れるスキルが見れるみたいだから防御力に関係しそうなスキルを探してみよう。
んー…お、城塞がすごいね。
防御力を上げるスキルの中では最上位のスキルか。
でもスキルポイントが5000も必要かー。
うーん?
縮地…はスピードを上げるスキルでスキルポイント1000。
その上が韋駄天でスキルポイントは10000。
高いねー。
お、剛毅はスキルポイント500で取れる!
これは……攻撃力を上げるスキルか!
確かに私のステータスの中で一番高いのは攻撃力だもんね。
転生特典らしき「食いしん坊」も攻撃力を上げる効果があるし、私は攻撃力を上げるのが得意なのね。
いいねー。
あ、既存のスキルもスキルポイントで上げられるじゃん!
ならば食いしん坊を上げよう。
そうすれば最強の攻撃力も夢じゃないかもしれない。
フフフ。
えーっと食いしん坊を上げるには200ね。
オーケーオーケー。
多分スキルレベルはLV10が最大だから、食いしん坊で1800、剛毅で5000か!
だから足して6800!
残りスキルポイントは……31637か!
結構あるぜ!
なんかないかな?
んーあーんー?
耐性スキルとか取ったほうが良さそうだね。
えー…貫通耐性?いるかな?
破壊耐性……なにそれ?
んーなんか沢山あって迷うなー。
それっぽいのは取っておくべきかな?
いや、耐性系はその時になったら取るべきかな?
何が来るのか分からない以上、無駄な耐性を取るのは避けたほうがいい。
んーとりあえず打撃耐性と破壊耐性は取っておこう。
なんか打たれ強くなれそうだし。
これもカンストで……いや、その上の大耐性があるね。
両方ともスキルポイントは2000。
高いねー。
でも大耐性をLV1で取れば消費は4000。
熟練度が溜まればレベルが上がっていくし、耐性系スキルはスキルだけ取って後は熟練度に任せるのも良いかもしれない。
そうすると残りスキルポイントは……27637だね!
よし!
まだまだあるぜ!
んーでも後で必要になった時ように10000は残して置きたいから、今使えるのは17637か。
んー。
これから戦闘だらけだろうし、戦えるパワーが欲しい。
となると…やっぱりスピードと防御力を上げたほうが良さそう。
韋駄天が10000、城塞が5000。
これを取ってステータスの底上げをしたほうが、下手なスキルを取るより有利に立てるのかもしれない。
んー……。
あ、そういえば食いしん坊って食欲の対象に直面するとステータスが底上げされるじゃん。
今の所食欲の対象外な生物は出てきてないし、称号の効果もあって今後も現れない確率が高いから戦闘時にはステータスは上がっているものと思って良さそう。
えーっと食いしん坊はカンストするとー……+500%上がるのね。
だから実質6倍か!
つよい!
とても強い!
ふふふ。
これはやらねばならない。
やるぞー!!
『スキルポイント:12637』
やっちゃった。
これで私は今!究極のパワーを手に入れたのだ!!
……これ前も言った気がする。
まぁいいか!
今の私のパワーはどうなってる?
『ワーストワーム(飯田麻衣) LV5
ステータス
HP:128/128(緑)+10(詳細)
MP:28/28(青)+20(詳細)
SP:126/126(黄)+40(詳細)
:126/126(赤)+40(詳細)
平均攻撃能力:2197(詳細) +1900
平均防御能力:128(詳細) +100
平均魔法能力:128(詳細)
平均抵抗能力:28(詳細)
平均速度能力:236(詳細) +100
スキル
「酸攻撃LV2」「酸強化LV1」「斬撃強化LV1」
「飽食LV1」「跳躍LV1」
「酸耐性LV2」「打撃大耐性LV1」「破壊大耐性LV1」
「食いしん坊LV10」「剛毅LV10」「城塞LV1」「韋駄天LV1」
「鑑定LV10」
「強欲」「征服」「禁忌LV3」
「外道魔法LV1」
「n%I=W」
スキルポイント:12637
称号
「食いしん坊」「血縁喰ライ」「強欲の支配者」』
もの凄い極端なステータスになっちまったぜ!!
それでも超パワーを手に入れた!
逆にいえば超パワーしかねぇ!
当たれば勝つ!
当たらなければ負ける!
これが私のスタイルか!
あ、向こうに蛙がいる。
なんかでかいけど。
ふふっ。
待ってろよ蛙くん!
私の牙の汚れにしてくれるわ!
誰かが言った、力こそパワーだと。