人魚姫と野球小僧   作:ホークス馬鹿

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34話です。


34話

滝沢「安達。唯我・・・。このままだと、お前ら体育赤点だぞ・・・。」

 

この一言に、純と成幸は固まった。

 

成幸「えええ!?そ、それは推薦的にマズイっていうか・・・!!」

 

純「なんで俺は赤点なんすか!?」

 

滝沢「安達は全体的に文句はないよ。唯我はアレだが・・・。唯我は特に水泳があまりにもなぁ・・・。安達は水泳の授業に出てないし・・・。」

 

純「俺の場合は、大会の運営に文句言って下さいよ!!」

 

滝沢「そう言われてもなぁ・・・。」

 

成幸「た、滝沢先生、そこをなんとか!!」

 

滝沢「うーん・・・。じゃまァ、2人とも補習だな。」

 

純「え、俺国体の練習が・・・。」

 

滝沢「体育赤点でも良いのか?」

 

純「・・・分かりました。」

 

そして、2人の補習が決まったのであった。

 

 

 

 

室内プール

 

 

 

 

後輩女子A「武元せんぱいっ。そろそろ国体ですねっ!」

 

後輩女子B「武元先輩ならマジでいけますよ!絶対優勝できるって信じてますから!」

 

池田「が、頑張ってください・・・!」

 

うるか「おうっ!!まかせとけっ!!」

 

その時、

 

うるか「ん?」

 

端の1レーンで何かに気付いた武元は、そこに目をやると、

 

滝沢「ホレしっかり足動かす!1・2!1・2!」

 

純「成、頑張れー!」

 

バタ足をしている成幸とそれを応援している純、そして、滝沢先生がいた。

 

うるか「うえええ!?純!?成幸!?なんで!?」

 

純「よう、うるか!」

 

滝沢「おう、お前ら来たか。悪いが端の1レーン、補習で使わせてもらうぞ。お前らは気にせず部活やっとけ。」

 

成幸(なんたる辱め・・・!さっさと終わらせて一刻も早く帰りたい・・・。)

 

すると、

 

滝沢「よし、じゃあ唯我。ビート板ありでいいから、25mなんとか泳ぎ切ってみろ。それで合格にするから。」

 

そう言った滝沢先生。

 

成幸「は、はいっ!」

 

しかし、

 

滝沢「これは・・・、なんというか、筋金入りだな・・・。」

 

成幸は沈んでしまった。

 

純「滝沢先生、成のこれは昔からっすよ。」

 

うるか「ギャーッ、成幸ーッ!!!」

 

純「滝沢先生、このままだと俺の補習がなくなっちゃうんすけど。」

 

滝沢「おっと、そうだな。悪いが誰か安達の泳ぎを見てやってくれないか?」

 

すると、

 

うるか「!」

 

水泳部のみんなが揃って武元を見た。

 

海原「ギロンの余地はないよねー。」

 

うるか「え!?ええ!?」

 

そして、武元は準備をしたのであった。

 

うるか(も、もう・・・。みんなして・・・。)

 

そして、武元はプールに入った。

 

うるか「あ・・・、じゃあ・・・、よろしく・・・。」

 

純「おう、よろしくな。」

 

そう言って、純は武元の頭を撫でた。

 

うるか(はぅ・・・。嬉しいけど恥ずかしいよぅ・・・///)

 

純「はは。顔真っ赤!!」

 

うるか「も、もー!!」

 

その様子を見ていた周りは、

 

海原(この2人・・・。)

 

川瀬(既に付き合ってるみたいだな・・・。てかもう付き合えよ!)

 

池田(武元先輩のあんな姿、初めて見る・・・。)

 

成幸(武元でもあんな表情するんだな・・・。)

 

滝沢(武元・・・。)

 

それぞれ色んな反応をしていたのであった。

 

純「そんじゃあ、泳ぐわ。」

 

うるか「う、うん!!」

 

そして、純は25mを危なげなく泳いだ。

 

純「うし!おしまいっと!」

 

うるか「お疲れ!!」

 

純「おう!」

 

滝沢「安達はOKだな。うーし、それじゃ唯我にも見てくれないか?」

 

うるか「はい!」

 

その時、

 

桐須「滝沢先生。」

 

滝沢「桐須先生・・・。」

 

桐須先生がプールに来て、滝沢先生を呼んだのであった。

 

桐須「先日お伝えした申請書・・・、期日は今日までですが、提出をお忘れではありませんか?」

 

滝沢「あ!いっけね忘れてた!あっぶねー!」

 

桐須「早急。では速やかに・・・」

 

すると、

 

滝沢「ごめん・・・、あと頼めるかな、桐須先生!」

 

桐須「え!」

 

滝沢「ダッシュで書類出して来るから!!」

 

桐須「えええっ!?」

 

桐須先生に全てを任せて、書類提出に向かったのであった。

 

桐須「・・・私、担当は世界史なんですが・・・。」

 

しかし、やむを得ず、水着に着替えた桐須先生であった。

 

桐須(・・・何故私がこんなことを・・・。)

 

と、威圧感むき出しのオーラを放ったのであった。

 

川瀬「うわ怖ッ!」

 

海原「威圧感だだ洩れてますなぁ・・・。」

 

うるか「じゃ成幸、お手本見せるから、あたしと同じようにやってみて。」

 

成幸「お、おう!」

 

純(あ、でもコイツ・・・。)

 

うるか「まず、良い感じに息継ぎしながらドンッっと行って・・・、ギュワっとターンして、ビャーッと戻ってくるみたいな!うんまあ、だいたいそんなカンジ!!あれ?」

 

成幸「ブボバボベゲ(ムチャぬかすなアホーッ!!)」

 

純(ヤッパこうなった・・・。)

 

川瀬(忘れてたぜ・・・。うるか、こいつ・・・、)

 

純・川((教えるのド下手なんだ・・・!))

 

海原(天才でバカだからなぁ・・・。)

 

その後も、

 

うるか「もー、沈むのやめなってばー。」

 

成幸「好きで沈んどるんちゃうわっ!!」

 

うるか「じゃ、もう一回いくよ?こういって・・・、こうっ!!」

 

成幸「いや・・・、だからもう少し具体的なアドバイスを・・・ッ。」

 

全く上手くいかなかったため、

 

純「・・・桐須先生。」

 

桐須「・・・はぁ、そうね。」

 

そう言って、上着を脱いで水着姿になり、プールに入ったのであった。

 

成幸「!」

 

桐須「・・・らちがあかないわね。」

 

そう言って、成幸の手を取った。

 

うるか「おっ!」

 

成幸「えええっ!?」

 

すると、

 

桐須「畏怖。水が恐い?唯我君。」

 

桐須先生が、成幸に聞いた。

 

成幸「あ・・・、いや・・・、はい少し・・・。」

 

それを聞いた桐須先生は、

 

桐須「泳げないもっとも大きな要因のひとつは、恐怖といわれているわね。呼吸のできない恐怖、足のつかない恐怖、沈んでしまう恐怖。様々な恐怖が折り重なって発生するが故に、余計に体が固まってしまう。それでいいの。まずは自分が何に怖がっているのか受け入れた上で、私に集中しなさい。私が手をとっている限り沈みはしない。いつだって足もつける。呼吸もできる。そのまま・・・、ゆっくり足を動かしてみて。」

 

と、成幸に丁寧に指導したのであった。

 

成幸「は、はい・・・。」

 

そう言って、成幸はバタ足を始めた。

 

成幸(ううう・・・、これってまるで子供じゃないか・・・。それにこんなので簡単に泳げるようになったら苦労は・・・。)

 

その時、

 

桐須「目を開いてちゃんと見てみなさい、唯我君。」

 

桐須先生にそう言われて、目を開けてみると、先程いた場所より5m程進んでいた。

 

成幸「ぬおおおっ!!?」

 

うるか「すすすスゴイじゃん!5mは進んでるよ成幸!!」

 

純「ホントだよ!!スゲー!!」

 

桐須「おめでとう。まだたったの20mね。」

 

そう言って、

 

桐須「武元さん、あとは代わってもらえるかしら?」

 

うるか「はっ、はい!」

 

そう言って、後は武元に任せて、上がったのであった。

 

 

 

 

 

シャワー室

 

 

 

 

うるか(桐須先生、か。たしかリズりんや文乃っちの、元キョーイク係だっけ・・・。)

 

 

 

 

 

回想

 

 

 

 

 

古橋『とても・・・、冷たい人です。』

 

 

 

 

 

回想終了

 

 

 

 

すると、

 

桐須「失礼。失礼。」

 

うるか「ってうわっ!きっ、桐須先生!?」

 

隣に桐須先生がいたのであった。

 

桐須「失礼・・・、シャンプーを貸してもらえないかしら。」

 

うるか「あ・・・、どうぞ。」

 

桐須「どうも。」

 

その時、武元は桐須先生の体を見て、

 

うるか(細いのに・・・、すごくバランスよく引きしまったしなやかな筋肉・・・。)

 

と思い、見つめていた。

 

桐須「何か?」

 

うるか「あっ、いえっ・・・。」

 

そう言って、体を洗うのを再開した。

 

うるか「先生ってもしかして、何かスポーツやってました?それもけっこーガチめに・・・。」

 

桐須「・・・えぇ。昔少しね。」

 

うるか「あ、あはは。どーりで教えるのうまいわけですねー!なるほどガッテン!」

 

すると、

 

うるか「あっ・・・、大会なんかにも、出たりしたんですかー?」

 

と質問すると、

 

桐須「そうね、何度かは。」

 

そう返したのであった。

 

うるか「やっぱ先生って、クールっぽいですし・・・、あんまキンチョーとかしなかったカンジですか?」

 

桐須「緊張、しているの?」

 

その質問に武元は、

 

うるか「最近・・・、あんまり眠れないってゆーか・・・、」

 

 

 

 

 

回想

 

 

 

 

後輩女子A『武元せんぱいならマジでいけますよ!』

 

後輩女子B『絶対優勝できるって信じてますから!』

 

池田『が、頑張ってください・・・!』

 

 

 

 

 

回想終了

 

 

 

 

うるか「次の大会、絶対に勝ちたい。勝たなきゃ、あたしみんなに・・・ッ。」

 

 

 

 

回想

 

 

 

 

川瀬『負けんなよーっ!!』

 

海原『行ける行ける!』

 

 

 

 

回想終了

 

 

 

 

うるか「平常心平常心って・・・、いつも自分に言い聞かせてはいるんですけど・・・、どうも・・・。」

 

すると、

 

桐須「くだらないわね。」

 

うるか「!!」

 

とバッサリと言った。

 

うるか(うえぇ!?思った以上にばっさりじゃん・・・!!やっぱ冷たい人ってホント・・・。)

 

と思った。

 

桐須「皆無。正念場で全くの平常心でいられる選手なんて、そういないわ。」

 

うるか「えっ!?」

 

桐須「無理に平常心でいようなんて、くだらないことを考えるのはやめなさい。緊張感、周囲の期待、結果へのプレッシャー、全てを受け入れて楽しんでしまえばいいわ。むしろそういう時にこそ、高いパフォーマンスは引き出せるものよ。あなたと特に仲が良い安達君も、恐らくそうなんじゃないかしら?」

 

うるか「あっ・・・。」

 

すると、武元は、過去に純と話していた時のことを思い出していた。

 

 

 

 

回想

 

 

 

うるか『前から思ったけどさ、純ってさー、スゴイ気迫で投げてるし、よく吼えてるから、メンタル強そーだよねー。』

 

純「俺?イヤイヤ、俺メッチャ脆いよ。』

 

うるか『えっ!?ウソだぁー。』

 

純『マジマジ。俺、登板の日は毎試合胃が痛くなるから・・・。」

 

うるか『マジ!?』

 

純『ああ。だから酷いときは胃薬飲まねーとダメだったときもあるんだよ。』

 

うるか『へえ、意外。』

 

純『でも、背負えるもんは、逆に背負って行ったれって思いながら投げてる。』

 

うるか『へえ。』

 

純『それで自身の力が出せるのなら、まあそれの方が俺にとって良いのであれば、そうしようって決めたから・・・。』

 

うるか『そっか・・・。なんか、純らしくて良いね!!』

 

純『はは。』

 

 

 

 

回想終了

 

 

 

うるか(たしかに・・・、純もそのようなことを言ってた・・・。)

 

桐須「大人になってしまえば、そんな大舞台には、そうそう巡り合えない。そこに立てるのは、才能ある者の特権なのだから、しっかりかみしめていらっしゃい。」

 

そう言って、シャワー室を後にしたのであった。

 

 

 

 

その帰り

 

 

 

 

うるか「ねえ、純。」

 

純「何、うるか?」

 

うるか「桐須先生って、良い人だね。」

 

純「・・・なんだ突然。」

 

うるか「実はさ・・・」

 

そう言って、シャワー室での出来事を話した。

 

純「へえ。桐須先生が・・・。」

 

うるか「うん。だから、あたしも国体楽しんでみようと思うんだ。」

 

純「そっか。まぁ、俺はみんなとやれる最後の大会だし、お前同様、思い切って楽しむことにするか!」

 

うるか「えへへ!!お互い楽しもーね!!」

 

純「ああ!!」

 

そう言って、グータッチをしたのであった。

そして国体では、武元は女子400m自由形を圧倒的なタイムで優勝を、純達野球部も、国体制覇したのだが、中でも純の投打に渡る活躍が目立った優勝であった。




投稿できました。

今日は、8巻の問63と、アニメ2期の8話をミックスしました。

桐須先生、確かに冷徹ですけど、本当に良い先生ですよね。的確な指導とアドバイス、結構理想の先生ではないでしょうかね、ある意味では・・・。

後主人公の『試合当日は胃が痛くなるから酷いときは胃薬飲んでた』や、『背負えるもんは、逆に背負って行ったれ』っていうのは、斉藤○巳選手の発言を取りました。この発言を聞いたとき、意外だなと思いましたが、それと同時に、らしいなとも思い、何か分かると思いました。
だから、短いながらも、あそこまで圧巻のパフォーマンスを見せれたのかなと思いました。
だからこそ、もっと長い目で見たかったんですけど、しょうがないですね・・・。

次回ですが、国体後のお話を投稿します。内容は、ゆっくり考えてみます。
また、前回告知した通り、お仕事が決まった関係で、今後の投稿が一気に遅くなりますので、そこはご了承下さい。

では、また!!
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