土曜日。天気は快晴、絶好の野球日和だ。
俺は今、野球場にいる。今日は、春の県大会準決勝だ。
今日のウチの先発は俺。相手は、今年一緒に選抜に出た学校だ。
これに勝てば、関東大会出場は決まるし、何より、夏に大きく繋がる。
それに今日は、武元が見に来ている。
気合を入れるぞ。
そう思っていると、主将の吉田が戻って来た。
純「吉田、じゃんけんどうだった。」
吉田「勝った。後攻めにした。」
純「そっか、わかった。」
そして監督が来た。
西辺「ここから先の戦いは全て夏に繋がっている!!本気で全国制覇を狙うというのなら、この一戦を取れ!!」
野球部メンバー「「「はいっっっ!!!」」」
その頃、スタンドでは、
うるか「いやぁ、間に合った間に合った。」
成幸「ったく、今日純の試合とは、しかも先発。」
緒方「私、ウチの野球部が強いことは知ってますが、安達さんは、凄いのですか?」
古橋「確かに、私もあまり安達君のこと詳しく知らないや。」
唯我「純は、入学してすぐに試合に出てたぞ。1年の秋からエースナンバーを背負って、去年の夏、甲子園準優勝したし。今年の選抜はベスト8だったし。プロ注目の選手だよ。」
緒方「そうだったんですか。」
古橋「へぇ、詳しいね。唯我君。」
成幸「まぁ、あいつとは小学生の頃からの付き合いだし。その頃から上手かったなぁ。」
古橋「そうなんだぁ。」
うるか「それはそうと、早く試合始まんないかなぁ。(早く純のカッコいい姿見たいし♡)」
海原「ははぁーん、乙女ですなぁ、川瀬隊員。」
川瀬「全くですなぁ、海原隊員。」
うるか「何よもう、うっさいなぁ‼︎」
唯我「ほらお前ら、試合が始まるぞ。」
審判「これより、試合を始めます。礼!!」
「「しゃーっす‼︎」」
コール「まず守ります、一ノ瀬学園のピッチャーは、安達君。」
その瞬間、球場がどっと湧き上がる。武元と川瀬、そして海原は大丈夫だが、緒方と古橋に関しては、間抜けに辺りを見回していた。
緒方「な、何ですか?」
古橋「安達君の名前が呼ばれたみたいだけど。」
そして、純はマウンドに上がって土を均した後、純の表情が変わった。
緒方「あれ、安達さんですよね。」
古橋「うん、多分そうだけど・・・。」
成幸(緒方と古橋は、普段の純とのギャップに驚いてるなぁ。)
うるか(ヤバい、めっちゃカッコいい♡)
成幸(武元なんか、目がヤバいし。)
川瀬・海原((ホント、乙女だなぁ。))
そして、純は軽いフォームで投球練習をし、キャッチャーミットを叩き上げ、パーンと小気味良い音を奏でていた。
緒方「えっ!?」
古橋「は、速い⁉︎」
緒方と古橋が言葉を失ってる間に投球練習は終わり、打席には、相手のバッターが構えていた。
そして1球目、純はストレートを投げ込んだ。
審判「ストライークッ‼︎」
気合の入った審判のコール。その瞬間、球場から、名前をコールされた時に匹敵するような歓声が聞こえた。
緒方「あっ、あれ見てください‼︎」
緒方が指差す方向を見ると、バックスクリーンに『150km/h』の表示が灯っていた。古橋なんか、呆然としている。
成幸(すげぇ、いきなり自己最速タイとは。純の奴、相当気合が入ってんな。)
俺たちがそれぞれの思いで見ているのを尻目に、純は、初回を3者凡退に抑えて、軽快な足取りでチームメイトと共にベンチへと下がっていった。
その後、一ノ瀬学園のチームは、コツコツと点を積み重ねていき、純は、初回に見せたストレートと、鋭い変化球を織り交ぜていき相手を抑え、時折雄叫びを上げるので、緒方と古橋なんか終始びっくりしていた。
若干1名は目が本格的にヤバいが・・・。
そして7回に入ろうとしていた。
古橋「ここまで6-0。何か上手く言えないけど、凄いね、りっちゃん。」
緒方「はい。普段の安達さんとは全く違います。」
うるか「だよね!!スゴイよね!!でも、こっからがホントにスゴイんだよ!!」
古橋「えっ、どういう意味、うるかちゃん?」
緒方「何が凄いのですか、武元さん?」
うるか「まぁ、見れば分かるよ!!」
そして、7回の純のピッチングが始まった。するとその初球、それまでとは違う150キロのストレートを出した。
緒方「何か、それまでの150キロとは違う気が。」
古橋「うん、なんか速く感じたような・・・。」
うるか「純はね、回を重ねれば重ねるほど、スピードとキレが増すの!!」
緒方「つまり、また一段階調子が上がるということですか!?」
成幸「あぁ、普通は終盤あたりまでいくと、疲れでスピードとキレが落ちるんだが、あいつの場合は、落ちるどころか、増すんだよ。」
緒古「「!!」」
成幸「つっても、この時期だからまだ本調子じゃないんだけどな。」
緒方「えっ!これでもまだ本調子ではないのですか!?」
成幸「あぁ、あいつは気温が上がれば上がるほど良くなるのだが、とりわけ夏場が凄いぞ。」
うるか「そん時の純なんか、めっちゃカッコいいかんね!!」
川瀬「あんた、ちょっと落ち着きなよ。」
海原「そうだよ、もう。」
そういったことを話していると、最後のバッターを三振に打ち取り、純の雄叫びが響いた。
純「シャーーーーー!!!!」
成幸(今日1番の雄叫びだな。)
うるか(はう・・・、純、カッコよすぎるよぅ・・・///)
その後、一ノ瀬学園は、裏に1点追加したことで、この試合は7回コールドとなり、決勝進出が決まった。
純はこの試合ヒット2本しか打たれず、奪った三振の数は13奪三振の圧巻の投球であった。
その帰り道・・・
緒方「しかし、あれで本調子ではないというのが未だに信じられません。」
古橋「ホントだね・・・。」
成幸「いやぁ、マジでヤバいよ。今日のピッチングが可愛く見えちまうほど。」
うるか「ソウダヨ!!ホントにスゴイんだから!!」
川瀬(久しぶりに安達の試合を生で観たからか、うるか、いつに増してハイテンションね。)
海原(ホント。よほど嬉しかったんでしょうね。)
それぞれ色々な思いを抱えながら、帰路についたのであった。
一方、一ノ瀬ナインは、
吉田「なぁ、純。今日はいつに増して気合が入っていたな。」
純「あぁ、今日友達が来てたからな。」
吉田「そうか。そりゃあ気合入るわ。」
純(後、武元も来てたし・・・。今日は、武元楽しめたかな?)
そう思っていた純であった。
その翌日の決勝戦、俺は投げなかったが、一ノ瀬学園は4-0と快勝し、春季県大会を優勝した。
投稿できました。
今日は、主人公の試合を投稿しました。そのため、メッチャ長くなった(汗)
そして、うるかがデレすぎ感がある・・・。でも、悔いなし!!
ただ、このデレデレ感に気づいているのは、川瀬と海原だけで、緒方と古橋は、試合に集中していたので、その様子を見ておりません。
しかし、緒方と古橋が主人公に恋心を抱くことはございません。そこはお許しください。
次回のお話は、まだ決まってないので、ゆっくり考えます。
では、また!!