唯我家
成幸「ただいまー。」
花枝「成幸、お帰り。あら?」
純「お邪魔しまーす。」
花枝「いらっしゃい、純君。」
葉月「兄ちゃんお帰りー!純兄ちゃん、いらっしゃい!」
和樹「お帰りー!純兄ちゃん、いらっしゃい!」
純「おう、葉月ちゃん、和樹君。」
花枝「今帰ってきた所なの、ちょっと待っててね。純君も好きにくつろいで。」
成幸「ああ。」
純「ありがとうございます。ふー。」
成幸「練習、相変わらずキツいのか?」
純「まあな。あれは慣れてもキツいわ。」
成幸「そうか・・・。」
すると、
葉月「ねーねー兄ちゃん達!見て見て!」
和樹「今日はね、食べられる草こんなにとれたよ!えらい?えらい?」
葉月と和樹が、草を出して純と成幸に尋ねた。
成幸「おっ、お手柄だな!偉いぞ!」
純「凄いな2人とも!」
それに、純と成幸は共に褒めた。しかし、その様子を見ていた
水希「・・・。」
水希は、純の事を心配そうに見ていたのだった。
七緒南中学校室内プール
水希「えー、今日は久し振りに・・・我が七緒南中水泳部が誇るOG・・・あの武元うるか先輩が特別顧問に来てくれましたー!」
うるか「おーし、んじゃ、よっく見ててよーっ!」
と言ったが、
うるか「おりゃーッ!!!うん、まあだいたいこんな感じ!!」
女子A(毎度ながら速すぎて・・・)
女子B(全然参考にならん・・・。)
よく伝わっていなかった。けど、水希のみ伝わっており、また、武元の姿に見とれていたのだった。
水希「忙しい時期なのに感謝です先輩!」
うるか「ベンキョーばっかじゃ、体うずいて死んじゃうもん。にしてもみずきん、また速くなったねー!」
すると、
水希「・・・あの、最近純さん、学校でどんな感じですか・・・?お兄ちゃんによると、国体が終わってから、いつも疲れている感じがして少し心配で・・・。」
と武元に尋ねた。
うるか「え・・・それは・・・。・・・ねぇみずきん、こんな事聞いちゃって良いのか分かんないんだけど・・・。」
水希「はい?」
それを聞いた武元は、言うのを少し躊躇ったが、ある事を思いだし、その事を水希に聞いてみた。
武元家
純「うっめー!!うるかは相変わらず料理上手いな!!しかもこの餃子・・・」
うるか「へっへー!!純のお母さんの手作り餃子を作ってみたんだ!!一杯作ったからね!!」
純「マジで!!?サンキュー!!」
そう言って、純は武元が作った自身の母の手作り餃子に舌鼓を打ったのだった。
純「しかし、お前んちなんていつ以来だ?中3か?」
うるか「うん!確か、中3の冬だったと思う!」
純「高校入ってから、一緒に帰るときはあっても部活で忙しくて家に行く時はなかったからなぁ・・・。」
うるか「そーだね。」
すると、武元は純の近くに寄り、
うるか「あははは、見て見て純、このコンビ、純も好きだよね!!あたしもだけど!!」
某芸人A『ちょっと何言ってるか分からない。』
某芸人B『何で分かんねーんだよ!!』
うるか「ホント、何で分かんないんだよ~!なんちって!」
純に某お笑いコンビの漫才動画を見せた。
純「あはは、そうだな!!」
純もそう言って笑っていたがその半面、
純(何かちけーな・・・。)
と思っていた。すると、
ぎゅ・・・
純「!」
武元が、純の手を握ったのだった。これには純も驚いたが、
うるか「あ・・・。」
純も武元の手を握り返したのだった。それと同時に、
純「それで、何の用で俺を呼んだんだ?わざわざこれを食わせるためだけじゃねーだろ?」
と言い、
うるか「あ、あはは・・・鋭いね、純。」
これには、武元は苦笑いしたのだった。
純「つまり、水希ちゃんから俺が毎日疲れているのを気にしていると聞いて、必死で元気づけようとしてくれたってことか・・・?紛らわしいな・・・、別に大したことじゃねーよ。」
うるか「それだけ気にしてたってことだよ。」
純「そっか・・・。」
その時、
うるか「あのさ純、プロかメジャーか迷ってたんだって?」
武元が、純にそう聞いた。
純「お前・・・」
うるか「うん、成幸から聞いた。」
純「そっか・・・。でも、今は迷ってねーよ。まだあの舞台には早過ぎるからな。」
うるか「そうなんだ・・・。」
純「そういやうるか・・・、留学だけど、親御さんにどう話したんだ・・・?」
うるか「ほえっ?あたし?こう。」
回想
うるか『サーセンパパママ、留学させてつかーさいッ!!』
うるか父・母『『スライディング土下座!?』』
回想終了
純「そ、そうか・・・。」
純(コイツらしー・・・。)
うるか「・・・ヨノナカってさー、子供だけの力じゃ、『できない』ことで一杯じゃん。だからこそ、ちゃんと大人に頼って、感謝して、死ぬほど感謝して、後で倍返すっきゃないっしょ!」
と武元はそう言った。
純「・・・ああ、そうだな。」
すると、
うるか「・・・みたいになりたいんでしょ?」
純「えっ。」
武元が何か言っているのが聞こえた。すると、武元は顔を上げて
うるか「斉藤○巳選手みたいな選手になりたいんでしょ?」
純にそう言った。それを聞いた純は、
純「お前・・・、覚えてたのか?」
と驚いた顔で聞いた。
うるか「うん・・・、覚えてた・・・。それに、みずきんからも聞いて確信した。」
回想
純『いつかこの人みたいに、いろんな人を魅了する選手になりたいんだ!!』
回想終了
うるか「あの時の純の顔、本当にキラキラしてたし・・・。」
そして、武元は純の手をまた握って、
純「うる・・・」
うるか「お母さんを大切にする純はスキだけど、ちゃんと幸せになるために、ちゃんと周りを頼ってよ。純を助けたい人、一杯いるんだから!あたしがホショーする!」
と真っ直ぐに見てそう言った。それを聞いた純は、
純「・・・うん。・・・うん。」
少し涙ぐみ、零れないように顔を伏せた。それを見た武元は、純の傍に寄って、優しく抱き締めたのだった。そして、小さい子供をあやすかのように頭を撫で、背中をポンポンと叩いたのであった。
そして、ひとしきり泣いた後、
純「その・・・、悪かった。」
と純は視線を逸らしながら言ったが、
うるか「ううん、私も助けてもらってるから・・・。」
と武元は言った。
うるか「でも、まだ他にも悩みがあるでしょ?」
純「・・・何でそう思った?」
うるか「この前、成幸が最後まで付き合ってくれって言った時、なんか複雑そうな顔だったから。」
と言った。それに対して、
純「・・・よく見てるな、お前は。」
純はそう言ったが、正直に言った。
純「実は俺、冬休みが終わったら、新人合同自主トレに参加しなくちゃいけねーんだ。それが終わったから春のキャンプ、そしてオープン戦に入る。だから、お前らと一緒になるのは、実質冬休みまで。次に学校に来るのは卒業式なんだ。」
うるか「そうなんだ・・・。」
それを聞いた武元は、少し寂しい表情を浮かべた。
純「けど、出来る限りサポート役をやるから、だから・・・その・・・」
すると、
うるか「うん、分かった。ありがとう、言ってくれて。」
武元は優しい顔でそう言った。
純「うるか・・・。」
うるか「だから、冬休みまで宜しくね、純。」
純「ああ、ありがとう。」
そう言って、純は武元の頭を撫でたのであった。
純「それじゃあ、また明日な。」
うるか「うん、また明日。」
そう言って、純は武元家を後にした。そして、自身の手を見て、
純(サンキュー、うるか・・・。)
と思った。一方の武元も、
うるか(純・・・。)
自身の手を見ていたのであった。
投稿できました。
今回は、12巻の問105のお話をアレンジし、投稿しました。
他のお話だと何か纏めにくかったので、思い切って問105をやってみました。
結構読みづらいかも知れませんが、お許しください(土下座)
何か最後の方、もう恋人ですね・・・。
さ、さて、次回ですが、まだ決めておりませんので、ゆっくり考えます。
では、また!!