決勝の次の朝、俺は朝練で早く来て、軽いトレーニングとストレッチなどをした。
朝練後、下駄箱に行き、ちょうど武元と会った。
うるか「純!!オッハヨー!!」
純「おぅ、おはよ。」
うるか「いやぁ、一昨日はスゴかったね。ナイスピッチング!!後、県大会優勝オメデト‼︎」
純「ありがと。後、来てくれてメッチャ嬉しかったよ。」
うるか「そりゃあ、純の投げる試合だったら・・・ゼッタイに・・・その・・・」
純「うん?なんだって?」
うるか「う、ううん!!何でもない!!次の関東大会の初戦は投げるの?」
純「多分な。」
うるか「じゃあ、見に行こっかなぁ?」
純「構わねーけど、開催場所は県外だぞ。その期間は普通に授業あったし。お前も練習あるだろ。」
うるか「そっか・・・。残念。」
純「はは。まぁ、しょうがないよ。でも、気持ちだけは受け取っとく。」
うるか「うん・・・。」
純「でも、また見れるから、その時は来れたらで良いから、見に来て。」
うるか「う、うん!!もちろんだよ!!必ず見に行くよ!!」
純「あぁ、楽しみにしてる。」
そう言って、俺は武元の頭を撫でた。その際武元の顔が真っ赤になっていて、その姿が可愛いと思ったのは内緒だ。
その後廊下で武元と別れた後、
緒方「安達さん、おはようございます。」
古橋「安達君、おはよう。」
純「おう、おはよ。」
緒方「一昨日の試合、お疲れ様でした。後、県大会優勝おめでとうございます」
古橋「うん、凄かったよ。お疲れ様。」
純「あぁ、ありがと2人とも。」
緒方「安達さん、普段とは全く違いますね。」
古橋「うん、なんか凄い気迫を感じた。」
純「あぁ、俺それよく言われるわ。なんかこう、スイッチが入っちゃうんだよね。」
古橋「へぇ、そうなんだ。でも、かっこよかったよ。」
純「はは。ありがと。んじゃ、また後で。」
古橋「うん、また。」
緒方「はい、また。」
その後3-Bの教室に入り、
成幸「おはよう、純。一昨日はお疲れ。後、県大会優勝おめでとう。」
純「おう、ありがと。」
成幸「しかし、お前は相変わらず野球になると凄い気迫だな。」
純「はは。単純にスイッチが入るだけだよ。」
成幸「そうか。あぁ、そうだ。お前今日練習ある?」
純「いや、今日はオフだけど。なんで?」
成幸「実は今日、家族が親戚の集まりでいないから、久々に自分の勉強に集中したいんだけど、ちょっと日本史で分かんないトコがあったから、見てもらいたくて。」
純「あぁ、んなことなら、いいよ。」
成幸「本当か、助かる。」
純「なに、俺とお前の仲だろ。」
成幸「すまん。それじゃ、学校終わったらな。」
純「あぁ。」
そして学校が終わった後、成の家に行った。
純「成の家に行くの、久しぶりだなぁ。」
成幸「そうだな。まぁ、適当に座って。」
純「あぁ。」
成幸「それで、早速なんだけど、ココの時代がよく分からなくて。」
純「あぁ、ココの時代。ココの時代はね・・・。」
そうやって1時間が経った・・・。
成幸「なるほどね。ありがとう、純。」
純「いや、たいしたことしてねーよ。他は大丈夫?」
成幸「あぁ、他はね・・・。」
すると、「ピンポーン」とチャイムが鳴った。
純「誰だ?新聞か?」
成幸「わかんねー。ちょっと見てくる。」
そう言って、成は玄関に向かった。
緒方「こんばんは。」
成幸「緒方?なんで?」
緒方「唯我さんに用があって来ました。」
成幸「まぁ、とりあえず入れよ。」
緒方「はい、お邪魔します。」
そして、
純「緒方?なんで?」
成幸「俺に用があるんだって。」
純「ふーん。」
緒方「安達さんこそ、なんで唯我さんの家に?」
純「俺は成に日本史を教えてくれって頼まれたからな。ちょうど今日練習オフだったし。」
緒方「そうだったんですか。」
純「それより、一緒に持ってるそれはなに?」
緒方「ウチのうどんです。良かったらどうぞ。」
純「マジか!!そういや、もうこんな時間か。道理で腹が減るわけだ。」
成幸「そうだな。いただくか。」
そうして、俺と成は緒方の家のうどんを食った。
成幸「・・・で、緒方。この日も暮れようかという時間にやってきて、小論文のコツを教えろって?」
緒方「はい。明日までに提出しなければならず、大ピンチなのです。」
成幸「・・・しかしこのうどん美味いな。」
純「あぁ、コシがしっかりしてて、今までの中で1番美味いうどんだわ。」
緒方「ウチの自慢のうどんです。食べたからには教えてください。」
純・成((ワイロじゃねーか!!)
成幸(あああ・・・、せっかく今日家族が親戚の集まりでいないから、久々に自分の勉強に集中したかったんだが・・・。)
成幸「ふむ・・・、『文明と人の関係について』・・・か。」
緒方「今まで何度か提出しているのですが、何故か全て却下されてしまって・・・。」
緒方の書いた論文には、『興味がないので特にありません。』と2行しか書かれてない原稿用紙を見て、俺と成は唖然とする。
純「何故か、と言えるのが逆にスゲーぞ。」
成幸「何か、もうちょっとあるだろ・・・。」
緒方「・・・思ってもないことを、自分の中で解に出ていないものを書くなど、私には無理です。」
純「まぁ、一理あるな・・・。」
成幸「つってもなぁ、俺も基本的なことしか教えられないぞ。」
成が「どうしたもんかなぁ」と考え事をしていると、緒方のスマホの通知が鳴った。
うるか『こんばんちゅ♡』
うるか『今日久しぶりに練習オフで、ひとりカラオケ中~♪リズりんもおいでよ♡文乃っちは勉強中だって断られちってさ~(><)』
うるか『LOVE YOU♡』
純(うわぁ、スッゲエイヤそうな顔・・・。武元か)
緒方『行きません。』
緒方『今、唯我さんの家で安達さんと一緒に勉強中ですので。』
するとドドドと地響きがし、それと同時に襖を開ける音がし、純と成幸は振り返る。
うるか「あっれぇ、リズりんぐうぜーん!!」
成幸「武元!」
うるか「いやーっ、あたしも丁度純と成幸に教えてもらいたいことがあってさーっ!」
緒方「ひとりカラオケ中だったのでは?」
すると、
うるか「せーい!」
緒方「ひゃう!な、な、何するんですか!?」
武元は緒方の胸を鷲掴みにした。成は硬直しちゃったよ。
うるか「リズりん胸大っきいんだから、そんな細かいこと言わない。」
そう言って、武元は鞄を逆さにしたが、出てきたのはお菓子類だった。
うるか「ってあれ?筆記用具無いや。」
純「何やってんだよ、お前・・・。」
成幸「勉強する気ゼロじゃねえか!!」
成幸「ったくしょうがねえな。テキスト貸してやるから待ってろよっ!!」
すると突然、部屋の電気が消えた。
うるか「びっくりしたーっ。停電?ブレーカー?」
成幸「妙だな・・・。今月確かちゃんと電気代は払っていたはず・・・。」
純「気にするとこ違くね?」
うるか「確かに・・・。」
そう言い、俺と武元はスマホのライトを灯けた。
うるか「うわっ、街灯も全部消えてんじゃん!」
純「ホントだ!」
成幸「こりゃ完全に停電だな。」
うるか「うひゃーっ、停電だって!テンションあがる!!」
純・成「「なんでだよ!?」」
俺と成が同時に突っ込む。
緒方「まったく理解に苦しみますね。停電くらいで・・・、一体何をはしゃいでるのですか。」
緒方はそう言いながら、成の体に密着していた。成が横にずれると緒方も成の近くに移動する。
成幸「あの、緒方・・・、もしかして暗いの怖」
緒方「1ピコメートルもそんなことはありません。」
成と緒方がそんなやりとりをしていると、俺と緒方、そして武元が持っていたスマホの電池が切れる音がした。
うるか「ありゃ・・・、充電切れちった。」
純「俺もだ。やっべぇ、充電器鞄の中だ・・・。」
すると緒方は成の体に密着した。それを見た俺は、
純「武元。その・・・、なんだ・・・、手、繋ぐか?危ないし。」
うるか「えっ、いいの?」
純「あぁ、なんか暗いと不安だろ?だから、さ・・・。」
そう言って、俺は武元の手を取る。すると武元は、
うるか「う、うん!!喜んで!!」
俺の手をギュッと掴む。
うるか(恥ずかしい・・・///でも、幸せ・・・///)
純(武元の手、柔らかいな・・・。よく見えないけど、なんか良い匂いするし・・・。って何考えてんだろ、俺!!)
そう思っていると、
成幸「純、武元、緒方、心配すんな。」
そう言うと、成はアルミホイルとサラダ油を取り出し、ティッシュをろうそく代わりにして、即席ろうそくを作った。
成幸「うちはしょっちゅう電気止められちまうからな。そう言う夜は、こいつの灯りで勉強するわけよ。はっはっはっ。」
純「お前、けっこー笑いづれーよそれ・・・。」
すると、緒方が、
緒方「なんだか・・・、お誕生日みたいです・・・。」
成幸「だよな!」
成は共感するが緒方はすぐにそっぽを向く。
緒方「今のは失言です。忘れてください。」
成幸「俺なあ…、電気は便利だし、使えないと困っちゃうけどさ、たまに誰かと暗い中灯りを囲むのは嫌いじゃないんだよ。普段あった人との距離がぐっと縮まるような気がしてさ。」
成の言葉に緒方は恥ずかしそうに言う。
緒方「まぁ…、そういう側面も、なくはない…かもしれませんね。」
成は緒方の言葉に微笑む。
うるか「ところでさー、この火って、どのくらいもつの?」
成幸「まぁ、その油の量なら30分くらいは…、ってかあんま息を吹きかけると…」
成の忠告も虚しく、武元の息によりろうそくの火が消え、全員がパニックになった。
うるか「わああっ、消えちったぁ!!」
純「落ち着け武元!成、ライターはどこにあるの?」
成幸「確かこの辺に…。」
純「お前、それ俺の手!」
成幸「わぁ、悪い、じゃあ、ここか。」
緒方「ちょ…っ、唯我さんそれは…ひゃん♡」
成幸「あ、あれっ!?ちがった!?」
俺たちが暗闇でドタバタしていると急に部屋の電気が点く。
成幸「あっ…停電、直ったみたいだな…ってあれ…?どうしたの?」
純「あっ、武元、大丈夫?」
うるか「う、うん。大丈夫///」
純「って、わりい、近かったな!!」
うるか「ううん!!大丈夫だから!!(嬉しいけど、恥ずかしい///)」
緒方「最低です…。」
成幸「怖っ!!俺は一体何をした!!」
俺たち3人は、それぞれ背中を向けて座っている。成に至っては、背中に『私はヘンタイです』と書かれた紙を貼られている。
成幸「え、えーと…、まぁ、なんだ。停電も直ったことだし…、小論文の続きをやるか、緒方。」
純「あぁ、そうだったな。」
緒方「…いいえ、もういいんです。帰ります。」
成幸「はぁ!!まだやれるって!!」
緒方「それではさようなら。」
成幸「緒方ァァァ!!」
純(答え、見つかったのか?あれで…。)
翌日…
成幸「…え?提出できたの?小論文。」
純「マジか。」
緒方「はい。提出したら、今回はちゃんと受け取ってもらえました。」
成幸(何だったんだよ昨日のは!?)
緒方「唯我さんと安達さんのおかげです。ありがとう。」
成幸「お…、おう…?」
純(俺ら結局なんかしたっけ?」
一方、職員室では…
桐須「それ、緒方さんの小論文ですか?」
先生「ええ。やっと提出してきましてね。『文明の庇護から離れた時にこそ、人と人との本来あるべき距離を再認識できるものなのかもしれない』か…。」
桐須「凡庸。いっそ稚拙といってもいい見解ですね。」
先生「相変わらず桐須先生は手厳しいですな。ですが、あの緒方がこうやって自分の意見を書いてきたんです。そこは進歩じゃないですか。」
そういった話をしていたのであった。
投稿できました。
今日は、メッチャ長くなった。前回より長い(汗)
そして、うるかがデレすぎた…。でも、悔いなし!!
ただ、かなりグダってしまったかも…(泣)
うるかのデレで許してください…。
では、また!!