はじめまして、私のエヴァンゲリオン   作:siriusゆう

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〜序〜
はじめまして


紅く、赤く、赫く染まった母なる星を見つめ、私の脳裏には人生が変わったあの日の事が、鮮明に浮かび上がってくる。

 

2015年、当時7歳であった幼い自分は、ある筈の無い記憶に右往左往していた。

それを、何と言葉に表せば良いのだろうか?

在り来りな言葉で言うのなら、前世の記憶か?

いや、異世界で生きた記憶と言うべきであろうか。

 

『新世紀エヴァンゲリオン』

そう呼ばれた作品を好んでいたヒトの記憶。

 

セカンドインパクト、そして赤く染まった海、常夏の日本。

自身を取り巻く、それらの事柄は使徒と呼ばれる超常との戦いを描いた、その作品の世界そのものであった。

 

幼かった自分にはどうしようも無かった当時の無力感や焦燥感が今もなお思い出す事が出来る。

 

決戦の時が刻一刻と近づく中で、子供の頃の事を思い浮かべているのは、恐らく自分に自信がないからなのだろうか。

大人といってもよい歳になっても、私はあの頃と同じ様な感情を抱いている。

 

 

 

眼前に映る、アカイ地球を睨みつけながら、溜息を吐く。

ほんと、人生何が起きるかなんて解らない。

 

あれから14年経ち大きくなった私は今、戦う者として、エヴァンゲリオンに乗っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2015年、第一次使徒会戦と呼ばれる人類と使徒との戦いは、ニアサードインパクトと呼ばれる事象が発生し幕を閉じた。

 

 

 

次から次へと襲来する使徒。

人の常識を遙かに越えた力を持つ使徒達との戦い。

その戦いは苛烈さを極め、強大な力を持つ使徒が、次第に間髪入れずに襲いかかってくるようになる。

 

 

疲弊していく人類の戦力。

 

そして遂に、第13の使徒襲来において第3新東京市の巨大な地下空洞、通称ジオフロント内に有る、対使徒用に発足された特務機関ネルフ。

その本部に封印、守護されていた第2の使徒・リリスとの接触を許してしまった。

 

 

 

使徒とリリスとの融合。

 

それは新たな生命の誕生、そして古き生命の滅びであるサードインパクトの発生を意味していた。

 

そう、人類の終わりであった。

 

 

 

 

しかし対使徒決戦兵器エヴァンゲリオンのパイロットであるサードチルドレンと呼ばれる少年と、その専用機であるエヴァンゲリオン初号機によって滅びは免れることとなる。

 

 

サードチルドレンは自らをトリガーとして、初号機を核に独自のインパクトを発生させ、使徒のサードインパクトへ介入。

そして新生する使徒をジオフロント内に有るリリスの眠っていた地である、セントラルドグマの最深部[レベルEEE]に封印することに成功した。

 

自らが乗るエヴァンゲリオン初号機と共に

 

 

 

 

 

 

甚大な被害を受けた人類防衛の要であるネルフ本部と使徒迎撃要塞都市・第3新東京市を再建するのに膨大な予算と月日がかかるのは明白だ。

 

滅びを免れた事に安堵する人々。

 

しかし、使徒との戦いはまだ終わっていなかった。

 

各ネルフ支部に存在する第7世代有機コンピューター・MAGIシステムによる計算の結果、再度の使徒侵攻が予期されたからだ。

 

 

使徒といっても従来の使徒と違い、単一の完成した生命体ではなく群体としての使徒による再度の侵攻。

 

それは、第13の使徒を起源とした新たな理を持つ生命との戦い。

 

 

 

 

これらの予想される脅威に対抗するべく、世界各国でエヴァンゲリオンの開発・建造が着手される。

 

エヴァンゲリオンの各国保有数を決めたヴァチカン条約を改定、エヴァのパイロットである適格者の選抜をマルドゥーク機関より国連及び関連機関へ委託し検査の大規模化に着手。

 

そして、これまで使徒戦を担っていたネルフを解体し、新たに対使徒迎撃組織ヴィレを設立。

国連総会にて新たな国際法[使徒迎撃戦力確保法]とそれに関連した条約が制定される。

 

その法律の概要は至ってシンプル。

それは今後予想される使徒戦において、所属や分野に限らず一定の有用性を持つ人材・兵器・技術に対して、国連及び対使徒迎撃組織ヴィレが超法規的措置を行える事になるという事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2015年のとある朝、私は小学校へ行く準備をしながら、居間でテレビのニュースを見ていた。

そんな私の目に飛び込んで来たのは、第3新東京市壊滅のニュースであった。

 

 

使徒との戦いがあることは知っていた。

しかし未だに幼い自分には、どうしようも無いことなのだと諦めていた。

 

残りの今生をいかに過ごすのか。

私を産んでくれた両親や、双子の妹と幼い弟との良い思い出をどのように作るのかを考えて、いつか来る滅びの日を考えないようにしていた。

 

 

 

海が赤く染まり、海洋生物がほぼ絶滅しているため新劇場版の世界だと考えていたのだが、第3新東京市が壊滅してもニアサードインパクトが起こっていないことから、もしかしたらアニメ基準の世界なのかもしれない。

 

…ということはアニメの第16使徒との戦いが終わったということなのだろうか?

もしそうなのならば、残りの使徒は後一つ。

 

それは滅びの日が近いということを示していた。

 

 

 

「ユウカ、どうしたの?顔が真っ青じゃない。どこか具合悪いの?」

幼い妹達の世話をしながら母が心配そうな顔をして声を掛けてくれた。

 

「大丈夫。なんでもないよお母さん。少し、ニュースを見てたら…」

と言葉を濁しながら返答してしまう。

自分が思っている以上に動揺しているのかもしれない。

 

このどうしようもなく、もどかしい気持ちを誤魔化すように、ランドセルを背負い母に笑顔で、行ってきますの挨拶をして、私は日常へと逃げるように駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3新東京市壊滅の報道から既に三ヶ月が経過した。

 

 

今か今かと、滅びの時が来るかもと思いながら過ごすことは凄く苦痛な事であった。

 

あらゆる物事に集中することができなく、自分では気づかぬうちにうわの空だったのだろう。

小学校の友人や先生、家族から何度も心配されてしまっていた。

 

 

前世の記憶を思い出す前から大人しい子供だった私は、思い出してからは大人っぽい子供として周りに認知されていた。

 

そんな子供がソワソワして落ち着かない様子を見せていれば心配されてしまうのは解っていたが、どうしても態度に出てしまうのだ。

 

 

 

休日である今日は、お昼から家族で近場のショッピングモールへ出かけて、映画を見る予定をたてていた。

 

双子の妹達たっての願いで魔法少女アニメの新作映画を見るらしい。

私はそのアニメには興味ないが、小学校の友人達には好きな娘たちが多いらしく羨ましがられた。

 

 

 

朝ごはんを家族で食べていた時、家の電話が鳴り母が応対に出る。

直ぐに終わるだろうと思っていた電話がなかなか終わらない。

どうせ連絡網ついでのママ友同士の会話なのかな?と思っていたが、どうも母の声から見知った相手ではないと気付く。

 

母が私をチラチラと見ながら電話で話をしているが、動揺・驚愕、そんな表情がその顔に張り付いている。

そんな母のらしくない様子に、私は何かしたのかと最近の記憶を必死に掘り起こすが、思い当たる事なんかしていない。

 

 

いや、もしかしたら少し前にあった学校での健康診断で悪い結果でも出たのかとも考える。

最近はサードインパクトの事で悩むことが多かった為、ストレスでまさか重病にでも罹ってしまったのかと不安になる。

 

 

 

そんなことを考えていると母が父を電話口まで呼び出す。

父も母の様子が心配だったのか直ぐに駆け寄った。

父も通話先の相手と何かを喋っていたが、突然大きな声を上げた。

 

「そ、そんな馬鹿な話がありますか!?なんの冗談なんだ!?

そんなこと…、あ、ありえないでしょう!」

聞いたこともない父の声に驚く妹達と弟に、私は大丈夫だよと笑顔で声を掛ける。

そんな私達を見て父は再び声を小さくして会話を再開させた。

 

 

 

電話が終わったのは、それから少し経ってからだった。

 

その後父は自身の携帯を持ち外へ出ていった。

どうしたのかと気になったが、車のエンジンの音がしないため会社とかの用事では無いのだろう。

 

不安になりながらも、日課である小さな弟の食事を手伝う事にした。

 

 

 

 

 

弟の食事が終わり少しすると、父と母は私達に、今日のお出掛けが出来なくなってしまったと申し訳無さそうに伝えてきた。

 

どうしても大切なお客さんが家に来るのだと…

 

 

まあ、当然ながら下の姉弟達は、素直にうんとは言わない。

絶対にお子様ランチを食べてから映画に行くのだと駄々をこねている。

 

 

最終的には祖父母が一緒に行き、父と母と、何故か私は家で来客を待つことになった。

 

 

 

薄々と感じていた不安は現実味を帯びてきた。

 

どんな病気なのか、何か犯罪でも犯したのか、そんなの冤罪だとか、頭の中で支離滅裂で無茶苦茶な事を考えるはめになった。

後々考えると、馬鹿な不安を抱いていたものだと笑ってしまうが、不安と焦燥感に苛まれていた私は、妄想に逃避していたのだ。

 

 

 

祖父母が下の姉弟を迎えに来て、出かけて行った。

それから30分程すると家のインターホンが鳴る。

 

母が玄関先に迎えに行く傍ら、私と父は居間のテーブルに並んで座って待っていた。

 

 

 

私の心臓はバクバクと大きな音を立てている。

私はなにかしたのだろうか…ずっと考えていたが思い当たることが無い。

ちらりと父の様子を除くが、父も緊張しているが怒っている様子では無い。

 

静寂の中、居間の扉が開き、母が来客を案内する。

 

 

 

 

来客は二人の女性だ…

 

 

 

その姿を見て私は唖然とした。

余りにも記憶の中のある人物の特徴と一致していたからだ。

 

しかしその姿を見ても、私がここにいる理由を思いつかないし、混乱は増すばかりだ。

何故なら会うはずがないし、会う理由が無いから。

 

 

一人目は赤いジャケットを着て十字架のペンダントをつけた女性。

 

二人目は金髪に染めた髪で白衣を着た女性。

 

 

漠然と二人を見つめる私は、二人の女性が他人の空似ではないかと考え、現実から逃げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

居間に案内された二人の女性は母に促され、私と父の向かいに座る。

そして父に名刺を差出し自己紹介を始めた。

 

「わたくし、対使徒迎撃機関ヴィレ・作戦部所属作戦部長の葛城ミサトと申します。」

 

「同じく技術部所属技術部長、赤木リツコです。」

父は自身も自己紹介をしながら私のことも紹介する。

 

 

「この度は急な要請に対応頂き感謝しております。

担当官がお電話でもお話した通り。

娘さん、長門ユウカさんのチルドレン、エヴァンゲリオンパイロット登録の件で参りました。

ある程度はご存知かと思いますが、使徒との戦いに関しては後々一般にも詳しい情報公開されます。

ひとまずとして、これが今までの使徒戦の推移と公開可能な情報でございます。」

と葛城さんが書類を出してきた。

 

 

父と母がその書類を読んでいる間、私はこの短いやり取りで出てきた情報に混乱していた。

 

ネルフでなくヴィレ、私がチルドレンに登録、一般への情報公開?

…なにそれ正直意味がわからない。

 

ニアサードインパクトも起こっていないのにヴィレ?

いったい、どうなっているのか…

 

 

 

 

両親が書類を読んでいる姿を目で追っていた赤木さんが口を開いた。

「長門ユウカさんは、以前行った簡易検査で、現在建造中のエヴァンゲリオンMark7への高い適正を示しました。

これは、次に高い適格者の10倍以上高い数値となっています。

資料で読んでいただけたかと思いますが、ニアサードインパクトの結果、以降の使徒戦は世界規模の戦いとなり一機でも多く戦力が必要になります。

特にエヴァンゲリオンMark7は現行のエヴァンゲリオンを大きく超える性能を有しており、そのため高い適性をパイロットに要求します。

故に非常に言いづらい事ではありますが、お嬢様は国連で定められた使徒迎撃戦力確保法の対象となり、強制的に徴兵されることとなります。」

そんな赤木さんの言葉に両親は怒りをあらわにする。

 

まだ7歳なんだ、小さい子供なのにと…

 

 

 

そんな両親を尻目に私はニアサードインパクトが起こっていた事に驚きつつ納得もしていた。

それ故の第3新東京市の壊滅なのかと。

 

 

怒りをあらわにする両親に、葛城さんは頭を下げ言葉をつげる。

 

「私達は、力及ばず使徒に負けてしまいました。

その尻拭いをしてくれたのは碇シンジ君…。

私の家族で弟の様な存在の子でした。

彼は怖くて、逃げて当然な状況でも逃げないで戦ってくれた。

決して強い子では、いえ…臆病な子だったのに、皆の為にと、その身を犠牲にしました…。

ですから!

…私は、あの子の願いを叶えたいんです。

なのでお願いします。

私には、いえ…、私達人類には娘さんの力がとうしても必要なんです。」

 

そして次に私を見つめ目線を合わせた。

「長門ユウカさん。お願い、貴女の力を私達に貸してください。」

 

 

ああ、そうなんだ…

こういう世界なんだ。

もう居ないんだね君は。

 

1番会ってみたかった君が居ないなんて。

碇シンジ君…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葛城さんと赤木さんが家に来た日から1週間。

本来は、あのようにわざわざ来て、頭を下げる必要なんてなかったのに、両親と私に誠意を見せてくれたことを私は嬉しく思う。しかし両親にとっては、娘を奪い、兵士にするのだと告げた悪人という印象の様だ。

 

 

しかしどのように思おうと、一定以上の適正を持っている場合強制的にチルドレンとして登録されることになる。

 

だからやるしかないんだ…

それでも葛城さんが頭を下げたのは自らへのケジメなのか…。

 

 

この1週間、父は仕事を休んでいっぱい私達と遊んでくれた。

それは今後、私がヴィレの管轄に入り滅多なことがない限り直接家族と過ごすことが出来ないからだ。

 

母は私と一緒に寝たがったり、一緒にお風呂に入りたがったりとまるでどっちが子供なのかと言いたくなるような感じだった。

別れ際には家族みんな泣いて悲しんでくれた。

 

幼い弟以外は。

まあ弟は何が起きているのかを全く理解できていないので仕方ないことだ。

 

 

私を迎えに来てくれたのは葛城さんだった。

黒いsuvに乗り最寄りの空港へ向かう。

道中、いっぱいお菓子をくれた葛城さんだが、何処かぎこちなさを感じる。

多分小さい子と接した機会が余り無いのだろう。

明るくフレンドリーな女性だが、何処か不器用さを感じた。

 

 

 

空港の滑走路へと進入する車両。

向かう先にはヴィレのマークがついたV-TOL。

私達はそれに乗り、旧ネルフ松代支部へ移動する事になった。

 

 

 

 

 

旧ネルフ松代支部。

壊滅した旧ネルフ本部を再建する間、暫定的にヴィレの本部として運用しているとの事だ。

 

 

簡易的に増設されており、現存する稼働可能なエヴァンゲリオンが配備されていると聞いた。

 

 

私は葛城さんに連れられて両側に兵士が立つ扉の前まで来た。

 

 

「司令、葛城です。長門ユウカさんを連れて来ました。」

 

「構わんよ。入ってくれたまえ。」

 

入室する私達を出迎えたのは二人の男性。

長身の初老の男性と、無精髭を生やし髪を後ろで結っている男性。

 

「はじめまして、長門ユウカちゃん。

私は冬月コウゾウ。

ここの司令を勤めているよ。冬月さんと呼んでくれて構わない。」

初老の男性が優しく私に声をかける。

 

 

…違和感がある。

こんな冬月先生はアニメで見た時無い。

 

私が幼いからだろうか?

そんなキョトンとしながらも自己紹介をし、ユウカと呼び捨てにして下さいと伝える私に気さくに声をかけるもう一人の男性。

 

「はじめましてユウカちゃん。

俺は加持。加持リョウジ。

このヴィレの司令補佐なんてやっているよ。

まあ、司令補佐なんて言ってもただの何でも屋、雑用係だからね。ユウカちゃんも何かあったら直ぐに言ってくれ。」

 

冬月先生が司令。

ということはゲンドウさんが居ないのかな?

 

それに加持さんが司令補佐になっている。

私の知る原作知識なんて殆ど役にたたないな。

 

 

「ユウカちゃん。済まないがこんな老人でも凄く忙しくてね。

本当はヴィレの中の案内をしたい所だが、偉い人との会議があってね。また後で話をしよう。」

冬月先生が済まなそうにしている。

 

「よし、それじゃあ俺が案内をしよう。もちろん葛城も一緒にな。」

と私と葛城さんにウインクしながら加持さんが話す。

 

「あらあら、お忙しい加持司令補佐にユウカちゃんだけでなく私も案内して頂けるなんて、光栄ですわ〜。」

とニヤリと笑う葛城さん。

 

「ユウカちゃん。加持司令補佐が案内がてら色々と奢ってくれるそうよ。パーッ!と行きましょ。パーッとね!」

 

「おいおい。給料日前なの知ってるだろ。手加減してくれよな。」

 

やっぱりこれだよね。こんな二人のやり取りが見たかったんだよ。

私の周りで笑う二人を見上げながら、私は嬉しくなり笑顔を浮かべた。

 

 

 

 

 

 

冬月司令に挨拶をして部屋を退出した後、ヴィレ施設内を加持さんと葛城さんが案内してくれた。

 

途中葛城さんがミサトでいいと言ってくれたので、ミサトさんと呼ぶことにした。

 

 

宿舎、食堂、大浴場、ランドリー、売店と日常生活に必要な施設を案内して貰ったが、よく3ヶ月でここまで建てられたものだと感心する。

 

 

基本的にチルドレンは食堂、売店、ランドリーをお金かけずに利用出来るとのことだ。

凄い!食べ放題だ!と喜ぶも、使い過ぎると経理の人たちから怒られるとのこと。

 

チルドレンとして、まだ本登録されていないから、今日の食堂は加持さんの奢り。

私はカツ丼とパフェを堪能した。

ちなみにミサトさんは焼肉定食だったが、加持さんはかけ蕎麦だった。

 

次に案内されたのがトレーニングルーム、実験棟、エヴァ格納庫、そして最後に仮設の発令所。

エヴァは見れなかったが、後で見せてくれるそうだ。

 

 

 

 

発令所に入る私達に目線を向ける四人の少年少女達。

私はその人たちを見て少し緊張してしまう。

その四人に近づく私達。

 

 

ミサトさんが四人を紹介するよりも早く、私に飛びかかる人影。

その人に抱きつかれ困惑する私。

 

動き早すぎ…。

 

 

「わ〜お!本当に小さいじゃん。こんな歳からエヴァパイロットだなんて、苦労するね。

…う〜ん、それにしてもいいニオイ。」

と私の後ろから抱きしめる胸の大きいいい女。

メガネをかけた美少女、真希波・マリ・イラストリアス

 

「ほら、紹介出来ないからそっちに行く。」

マリの頭に軽くチョップ入れ止めるように促すミサトさんに、ホイホーイと軽口を叩き三人の所に戻る

 

あ、マリがアスカに足を踏まれてる

 

 

「それじゃあ、左から順番に紹介していくわね。

ファーストチルドレンの綾波レイ、セカンドチルドレンの式波・アスカ・ラングレー、でさっきのがフォースチルドレンの真希波・マリ・イラストリアス、それで彼がフィフスチルドレンの渚カヲル君。

あとは現在アメリカに出向中のシクスチルドレンの霧島マナを含めた計五名が、ユウカちゃんの仲間になるわ。」

 

「それで皆には伝えてあったけど、この娘がセブンスチルドレンの長門ユウカちゃんよ。

貴方達はお兄さん、お姉さんなんだからちゃんと教えて上げるのよ。」

とミサトさんが矢継ぎ早に紹介して行く

 

それにしても、チルドレン呼称なのに惣流でなく式波だし、真希波マリが居るし、霧島マナがチルドレン?

それにシンジ君が居ないのにカヲル君が居るし。

 

 

…もう前世の知識を必要以上に、当てにするのは辞めよう。

 

もうフィクションの世界ではないんだ。

 

ここは私が現実として生きる世界。

キャラクターでなく、皆がそれぞれ考えて生きている世界。

 

 

ここに来て、ようやく実感できたのかもしれない。

 

私は今、生きているということを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私を見て、キョトンとした表情で戸惑っている様子の綾波レイ。

わかんない事があったら直ぐに聞きなさいと、私を気にかけている、式波アスカ。

何故か、私を後ろから抱きしめている真希波マリ。

そして笑顔だが、どこか壁を感じるカヲル君。

 

 

 

 

そんな初対面から早くも2週間が経過した。

現在、私が乗るであろうエヴァンゲリオンMark7はまだ松代にないらしく、模擬体とのシンクロテストやシミュレーターを使っての機体操作訓練。

それと軽い体力トレーニングが日課だ。

それ以外は基本施設内という制約が有るが、ある程度の自由を与えられている。

 

 

 

それと私は見た目がまだ7歳だからか、宿舎はなんと相部屋だった。

そのお相手は、真希波・マリ・イラストリアス。

 

 

それ故に殆どマリと二人で過ごすことが多いのだが、学校にも行かないし外にも出られないと、やることが無くなる。

 

私の部屋での暮らしは、マリが持っている大量の本を読んでいるか、勉強をしているかだ。

特にマリは私に機械関係の本を読ませてくる事が多いように思える。何故なのだろう?

 

 

私が部屋で本を読んでいると、訓練の終わったマリが部屋に戻って来た

 

「ねぇねぇ、ななちゃん。朗報だよ〜。」

と抱きつきながら話しかけてくる

 

「マリちゃん、どうしたの?」

何故かマリは、私にななちゃんという渾名を付け、自分の事はマリちゃんと呼ぶように要求してくる。

 

「なんとエヴァMark7、3日後に到着するって!」

そんなマリの言葉に喜ぶ私。

ふふふ、私のエヴァか…。

どんな見た目かな?ワクワクしてくる。

 

「私も早く8号機乗りたいにゃ〜。」

 

「8号機って、ここで造ってるんですよね?あとどれ位で出来るんですか?」

 

「んにゃ〜。全然情報寄越さないのよ。まったく、リっちゃんもケチだよね!?」

和気あいあいと話す私達。

まあ2週間も共同生活してるし、マリのコミュニケーション能力が高いから凄く助かっている。

 

 

「一応なんかあった時の為に、姫と渚君がエヴァに乗って待機するみたいだから大船に乗った気持ちで挑みなよ。

ななちゃんなら、だいじょぶだいじょぶ〜!」

そんなマリの言葉に、逆に少し不安になってしまう。

 

 

アスカとカヲル君といったら、エヴァ2号機とエヴァMark6。

現存するエヴァの全てだ。

 

それが、ただの起動実験に?

それに聞くところによると仮設ケージで行うとのこと。

原作3号機と同じように離れた位置で。

 

そんなことを考えながら、こちょこちょしてくるマリと戦う私だった。

 

 

 

 

 

 

 

Mark7の事を聞いてから3日後、私はマリとアスカと加持さんと一緒にヴィレ地上施設の屋上に居た。

今日来るエヴァMark7を一目先に見るためだ

 

「お!最大望遠でエヴァMark7発見!!」

と望遠鏡を持ちながらテンションの高いマリ。

 

アスカはそんなマリを見ながら腰に手を当て、その方向を眺める。

睨むような顔。

憎しみが宿る表情。憎んでるの?エヴァを?

 

 

そんな二人を見ながら私は加持さんにお礼を伝える。

「加持さん、ありがとうございます。付き添いをお願いして。」

 

「いやいや、司令補佐といっても案外暇なんだ。これくらいお安い御用さ。

…それに俺も見たかったからな、エヴァMark7を。」

そんなやり取りをしていた私達を見て、こちらへ来るアスカ。

 

「ホントこれのどこらへんが7歳児なのよ!ガキはガキらしくしてなさいよ、ガキユウカ!」

と私の頭をワシワシと乱暴に撫でる。

 

そんなやり取りを発見したマリが私とアスカに飛びかかるも、それをアスカが迎撃する。

 

そんなじゃれている二人を見ていると、徐々に飛行音が聞こえてくる。

視界に映る、巨大なウイングキャリアー。

 

それに吊るされて居る、エヴァンゲリオン。

 

肉眼でも段々と見えるようになってきた。

手すりに掴まり食い入るように見る私と、そのすぐ後ろに佇むマリとアスカと加持さん。

 

 

しっかりと見えてきた白亜の機体。

エヴァンゲリオンMark7。

 

白いんだ…私のエヴァ。

 

 

 

エヴァの顔を見て、安堵する私。

………よかったよ。鰻のような頭部じゃなくてさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

淡い青色をベースとしたプラグスーツを着た私は今エントリープラグ内に居る。

いよいよ始まる、エヴァMark7の起動実験。

 

 

 

 

…大丈夫、何度も模擬体とのシンクロテストはしている。

 

少し緊張しながら通信越しに見るアスカとカヲル君は、真剣な表情で待機している。

 

まるでこれから戦いが始まるのではないかと思えてしまう。

 

 

 

 

もう一方の通信越しに、赤木さんがスタッフへと色々と指示しているのが聞こえてくる。

 

そして、ついに準備完了の報告が入る。

赤木さんが通信で冬月司令に確認を取る声が聞こえた。

 

 

 

遂にこの時が来た。

始まるんだ。本物のエヴァとの接続が…。

 

「では長門さん。始めるわよ。」

赤木さんの声にうなずく私。それを見た赤木さんが号令をかける。

 

 

動くエントリープラグ、機械が接続する音、そして注水されるLCL。

 

私は瞳を閉じる。私の中を知覚する為に

 

 

 

繋がる。

その時何かが触れてくる感覚、それを受け入れようとして…嫌な予感がして、私はそれを拒絶した。

 

シンクロは、エヴァを受け入れることが重要なのは知っている。

 

しかし、これは違う。

この感覚を説明が出来ないけれども、なんか違う。

 

これは何だろう?何となく覚えがある。

 

 

そう、一度死んだ時のこと?

記憶にはないのに、魂が覚えている。そんな感覚。

 

 

死。

 

死の感覚?違う?これは何だろうか?

 

 

わからない…。

でもこれだけは受け入れてはいけない!

 

 

 

そう思い私は触れてくるナニカを強く拒絶して弾き飛ばす。

 

私の心の壁、ATフィールド。

それがエヴァの中へ流れていき、そして強くなるのを感じる。

 

奥に押し込まれ、消えたナニカ。

空になったエヴァの中。その中に私から何かが流れ込んでいくのを感じる。

エヴァの中に広がっていく私の世界。

そして寂しさと損失感を自分の中に感じた。

 

 

 

本来生れ出づるはずのないものがエヴァの中に生まれるのを知覚する。

 

それが私に触れようとしている。

それを私は、優しく受け入れる。

 

 

重なる私とワタシ。

そこには暖かさがあるだけ…

 

 

 

そして私は目を開ける。

 

 

 

 

「神経接続問題なし。双方向回線開きます。」

 

「シンクロ率安定!エヴァMark7起動。」

聞こえてくるオペレーターの人達の声。

周りのざわつき、驚きの表情が張り付いている赤木さんの顔を見る。

さらに細かくデーターを収集するように指示を出す赤木さんから視線を外し、アスカとカヲル君を見る。

 

 

ホッとしたアスカの表情。

そして今まで何処か壁を作っているようなカヲル君であったが、今はそれを感じさせない柔らかな微笑みを浮かべている。

 

 

ふと、エヴァから見る視界の隅にチラチラと何かが映る。

 

仮設ケージに乱入してきたマリと綾波さんだ。

綾波さんはマリに手を引かれている。

きっとマリが綾波さんを無理やり連れてきたのだろう。

 

マリが両手で思いっきり手を振り、笑っている

それを見た私は緊張していた体を解く。

 

 

 

成功の実感。

 

 

ミサトさんに首根っこを捕まれ連行されていくマリと綾波さんを見ながら、私は声を出して笑った。

 

晴れやかな気持ち

 

 

そして私は挨拶をする。

 

「はじめまして、私のエヴァンゲリオン!」

 

 

 

 




妄想の垂れ流し。
失礼を。
シン・エヴァンゲリオンを見てからエヴァ熱が再燃してしまい。
自分で作りたい話を書いてしまおうと思いやってしまった。
小説は読む専門だったため、書くのには苦戦しているため、アドバイスとか頂けたら幸いです。

一人称視点でおくっていく為、謎な部分とかは後々判明したりします。楽しんで頂けたら幸いです。

読んでくださりありがとうございます。
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