原作キャラが出ますが、調べても年齢が書いてなかったため、独自にななちゃんと同い年にしています。
慌ただしく動くヴィレ本部の中を、Mark7があるケージに向かって全力で走っている。
人の行き交う本部内だが、私の進路を塞がないように、皆が避けてくれる。
発端はエヴァ航空隊にかけられた緊急発進の命令。
詳細に関しては知らされていないが、今までに無かった緊急事態だ。
私はなりふり構わず、ケージのパイロット専用入口へ速度を下げずに突入していく。
入口に入ると直ぐ、プラグスーツが吊るされている。
脱ぎやすく設計されたパイロット専用のヴィレの制服を剥ぎ取り、プラグスーツを着用する。
簡易消毒を受け、直ぐさまエントリープラグへ飛び込む。
緊急事態のため、起動シークエンスは大幅に省略されている。
エントリープラグ内には既にLCLが注水されていた。
「エヴァMark7、緊急起動!」
音声入力に反応し、即座にシンクロと起動が行われる。
特別コマンドのため、細かい調整は後回しとなっている。
起動を完了すると、機体が外へと運ばれている最中だった。
発令所でもMark7の起動を確認したのか、通信が入り、
そこへ息を切らしたミサトさんの声が聞こえてくる。
『いいわね?ユウカ。
先程、南極方面から大量の未確認飛行物体の移動が検知されたの。
波長パターンはアポストルタイプの新型よ。
現状では、他航空戦力の配備が間に合わないわ。
貴女は単騎先行して遅滞戦闘につとめて。良いわね?
最短の増援はMark9が360秒後。
44B航空団、及び空中戦艦群は660秒後になるから、何とか保たせて。』
敵の航空戦力か…
出てくるのが遅かったじゃない。
そんな事を考えながら、自分が獰猛に笑っているのを自覚する。
自らを鼓舞するための強がりかと、自己分析する。
視界に外の景色が映り、私は覚悟を決める。
『Mark7、了解。緊急発進します。』
機体を最速で飛ばしながら、検知されたデータを閲覧していく。
私の後ろには、スクランブルをかけられたウルトビーズ。
そしてUNの次世代型戦闘機ADF-11F Ravenも展開されているのが見える。
最新鋭の戦闘機とはいえ、アポストル相手に通常兵器での出撃とは、パイロットは命知らずだね。
『こちら、UN空軍レイヴン01だ。フェアリー07久しぶりだな。』
この声は合同訓練の時の隊長さん。
今だに初めて会った9歳の頃のコードネームのままなんて、ちょっと恥ずかしい。
『お久しぶりです。接敵まで時間が無いので手短にいきます。
訓練通りに、囮兼、ATフィールド中和を本機が行います。
ご存知かと思いますが、青の機体ウルトビーズは自律式無人運用機ですので、細かい戦術動作は苦手です。なので、そちらが合わせてあげてください。
いざとなったらウルトビーズに敵を擦り付けてください。従来のアポストルはエヴァに惹きつけられる性質がありますので。
しかし、この事に関しての過信は禁物でお願いします。相手は新種ですから。』
『了解、お嬢ちゃん!いや、今は少佐だったな!』
このままじゃ階級が追いつかれそうだ!と笑う隊長さん。
部隊の隊員も軽口を言い軽い雰囲気だ。
見えてきた、まるで海の中の魚群の様に、固まって動いている飛行群体。
アポストル飛行タイプ…
奴らに対して、UNの戦闘機が戦力として動けるかは未知数。
しかし、ATフィールドを持つ飛行体との戦いを想定した、シミュレーター訓練を受けたパイロット達だ。
戦い方は熟知しているだろう。
後は、敵の性能によるだろうけれど…
速度を更に上げて、敵へと近づいていく。
エヴァが手に持つ、新型パレットライフル[パワードエイト]を握りしめる。
私、だいぶ緊張してるみたいね。
エヴァの動きにまで、精神状態が反映されるなんて
…敵もこちらに気がついたようだ。
一部が群れより離脱して、こちらに接近してくる。
あいつらの速度は音速を超えている
徐々に縮まっていく距離。
距離3000、今だ!
ATフィールドを最大まで展開し、敵のATフィールドを中和していき、トリガーを引き絞る。
パワードエイトから吐き出される弾丸は、敵の先頭集団を蜂の巣にしていく。
距離も近づき、くっきりと敵の姿が見えてきた。
翼が生え、下半身のなくなったA1という見た目。
さらに、尻尾の先端も刃状に変わっている。
私の後方からはレーザーが飛んでいく。
ADF-11F Ravenに搭載されているレーザー兵器による攻撃だ。
撃ち落とされていくアポストルだが、戦闘機よりも速度が速い。
特に旋回性能が想像以上だ。
ADF-11F Ravenでは、あの旋回性能には追いつけない。
UNのパイロット達もそれを悟ったのか、一時離脱し、距離を取る。
その際に彼等が置き土産として放った誘導ミサイルが、次々と敵に着弾していく。
敵後方に動き有り、第二波!
視界の隅に置いた第二波は長蛇の列を作るように進行してくる。
単縦陣か…
偶然の産物なのか、それとも、思考の果ての末取った行動なのか。
散り散りになった、敵第一波の掃討をウルトビーズに担当させ、Mark7の速度を上げて、敵第二波に接近し攻撃を加えていく。
銃撃を与えつつ、敵を誘引していき、キルポイントにおびき寄せる。
ちっ!弾切れ!?撃ち過ぎたか…
空になったマガジンを外し、アポストルへ投げつける。
タイミング良く飛来し、敵に着弾していく戦闘機のミサイル群。
良くこちらを見ている。援護ありがたい。
大蛇の腹を食い破る様に、単縦陣の側面から、ADF-11F Ravenとウルトビーズが攻撃を加えていく。
それに合わせるようにMark7を急速反転させ、敵集団先鋒へ、右腕を振り払い圧縮したATフィールドを叩きつける。
肉体が四散していくアポストル達の姿を、流し見しながら左ロールで機体を動かす。
事前に放り投げていたパワードエイトを掴みつつ、マガジンを装填し、第二波後方を撃ち抜いていく。
くっ、センサーに感あり?。
第三波と第四波と第五波の多方面からの同時展開!
まだ第二波の残敵掃討が終わってないのに!
『掃討任せます!』
『任せろ、少佐!』
機体を更に加速させ、それぞれの単縦陣をかすめる様な機動を取りつつ、銃撃を加えていく。
喰い付いたな…
3個の単縦陣がそれぞれ動き私を追いかける。
付かず離れずの距離を取りながら、パワードエイトで撃ち抜いていく。
『こちら、アルテミス04、オペレーター長良。Mark7応答願います。』
遠隔操作キラー衛星アルテミスのオペレーター、長良ちゃんの声だ!
10代前半で、重力操作適正とレガリアへの適正を見込まれて、徴兵されたオペレーター。
『聞こえてるよ、長良ちゃん。』
『支援可能域に到着しました。
これより援護に入ります。』
『了解!ATフィールド中和範囲のデータを送ります。後はよろしく!』
了解という、返事を聞き敵に集中する。
遥か上空より、降ってくるポジトロンリボルバーカノンによる砲撃。
アルテミスのメインウェポンだ。
リボルバー式電導カートリッジのシリンダーを切り替えていく事により、充電と砲撃を同時に行える様にしている。
カートリッジ型の利点は、動力直結型よりも次弾発射が早い事で、欠点はどうしても大型化してしまう事。
ちっ!くそっ!
第六波が既に来ている。
しかも、場所が戦闘機部隊に近い!
ウルトビーズに戦闘機部隊の援護命令を出す。
『来やがったな、01より各機。
死ぬ気で飛べよ!』
隊長さんより、激が飛ぶ。
旋回性能では大きく劣るADF-11F Ravenだが最大戦速は上回っている。
見事な編隊を組み、各々アポストルの死角から致命傷を与えていく。
凄い!ATフィールドを持っていないのに!
このアポストル、ATフィールドの強度が低いのか。だから不意打ちへの防御が弱すぎる。
恐らく、ATフィールドを推進力に回してるからだ。
翼とATフィールドによる飛行、初期のMark7に少し似てる。
まあ、出力が低すぎて、初期型Mark7の足元にも及ばないけども…
ウルトビーズが到着し、第六波の数が少なくなってきたからか、後ろに付かれた戦闘機はクルビット機動で後ろを取り、撃ち落としている。
凄い練度だよ。
こちらも負けてはいられない。
3個の単縦陣を削っていってるが、未だに数が多い。
パワードエイトも予備マガジンが無くなりつつある。
アルテミスの援護もあるけど、掃討には時間がかかりそうだ。
パワードエイトを背部にマウントし、腰部にある大きな翼、ヴェルテクスユニット改に取り付けられている新武装シグナムハンドガンを2丁両手に持つ。
この武器はQRシグナムを使った陽電子拳銃。弾数無限だが射程距離が短いという欠点を持つ。
ハンドガンの射程に入った敵からフルオートで撃ち抜いていく。時にはバラバラの標的を2丁の拳銃で狙う。
高速回避機動の中、機体を回転させたりして狙うため、視界が目まぐるしく変わっていく。
あれ?射程外の敵が弾け飛んていく?
これは北東方角から。…綾波さんだ!
Mark7の最大望遠でも補足が難しい遠方から重粒子弾が飛んでくる。
今の戦力なら敵の本隊も殺れるか。
『綾波さん、敵本隊を始末しましょう。』
ヴンダーを始めとした本隊の到着を待つ手も有る、本来ならそうするべきなのだが、何か嫌な予感がする。
いくら群れているとしてもコイツらの侵攻速度が遅いのだ。それに戦力を小出しにして来るのも解せない。
『解ったわ。私も同感よ。』
そう答えて、天使の背骨のバレルを装換する綾波さん。天使の背骨のレーザーバレルだ。
機体を加速させて、敵本隊へ奔らせる。
『長良ちゃん!オリオンコンテナM番を出して!』
『了解。コンテナの軌道データを送ります。
オリオンコンテナM番射出。
突入角度調整、燃焼開始。
…燃焼終了。調整ブースター、ジェットソン。
角度、軌道問題なし。オリオンコンテナ突入します。』
赤く発熱した巨大なコンテナが落下してくる。
軌道はデータ通り、流石は長良ちゃん。
降ってきた、エヴァよりも少し大きなコンテナに飛びつき、レバーを思いっきり引く。
中から出てきたのは、エヴァ並の長さのガトリング砲、その大きさの殆どがドラムマガジンだ。さらに指向性N2ミサイルと、その大きさに見合うブレードを合わせ持った兵装、マステマセカンド。
リツコ先生の力作。
マステマセカンドを構え、敵本隊に銃弾の嵐を直撃させる。
近くまで来ていた綾波さんも、太いレーザービームを撃ち込んでいく。
高速機動で敵の動きを纏めながら、数を減らしていく。
ウルトビーズもADF-11F Ravenも敵をバラつかせ無いように動いている。
爆破範囲内に敵が収まった。
味方に警告を送り、緊急退避を促す。
発射される、指向性N2ミサイル。
『耐ショック、対閃光防御!』
世界をを埋め尽くさんとする眩い光と轟音。
まさしくラース・オブ・ゴッド、神の怒りのようだ。
後に残るは、多少バラけてしまっていた敵の残党のみ。
通信越しに聞こえる、戦闘機部隊の歓声。
ほっ、と、一息つく
考え過ぎだったかな?
アポストルの変な動きに敏感になりすぎたのかも…
落ち着いた所で、私達が今居る座標に驚愕する。
いつの間にか南極に近づきつつあったのだ。
これ以上南極側に近づけば、空中のL結界密度も高くなるから戦闘機のパイロット達は危なかった。
ミサトさんに現状を報告。
呆れながらも、良くやったわ。とお褒めの言葉を頂いた。
残党狩りをウルトビーズに命令しようとした瞬間、エントリープラグ内に響き渡る警告音。
展開される電子ウインドウに表示されるのは、パターン青の警告。
『そんな!パターン青?使徒!?
何処にいるの!?』
慌ててあたりを見渡す私。
『何故?』
と困惑する綾波さん。
何でセンサーに反応がない?
誤作動?
それにアポストル反応でなく、使徒の反応だなんて。
周囲のL結界密度が揺らめいているのに気がつく。
強大なATフィールド反応!?
まさか!海中!?
クソ!L結界密度が高すぎて気が付かなかったんだ!
敵の伏兵なんてね、しゃらくさい!
揺らめく赤い水面。
南極の海から迫り上がってきたそれは、土星の様な形をした巨大な黒い球体だった。
違う、球体じゃ無い。その形に形成された飛行型アポストルの群体。
それに中心部にコアブロックの反応?
まさか、あの群れが一つの生命体だとでもいうの?
あまりにも強い反応で、センサーがパターン青と誤認したのか!
それを目の当たりにし、目を見開き驚愕の表情を浮かべる私と綾波さん。
なんなの、あの数…
『マズイ!ユウカ、レイ、逃げなさい!!』
ミサトさんの声が聞こえる。逃げる?
で、でも、あんなの野放しにしたら…
物凄い速度で群体から伸びてくる、単縦陣を布いたアポストル達。
反射的に機体を動かし回避するが、追ってくる。
機体の旋回性能が落ちている。
くそ、マステマセカンドが重すぎるんだ!
『長良ちゃん!マステマセカンドの回収よろしく!』
私の言葉にすぐさま反応し、マステマに重力糸がくっつく。
機体を加速させるが、敵も加速してくる!?
これは、お互いをATフィールドで押し出して加速しているの?
マズイ、数が増えれば増えるほど、敵のスピードが増していく。
『綾波さん!』
私の一言で察してくれたのか、私達は機体を前後に並べる。
シグナムハンドガンを両手に構え、迫ってくる敵に撃ち込んでいく。
Mark9は私の後ろからレーザーを照射する。
Mark9単体だとこのスピードに追いつかれるから、Mark7の後ろに配置するしかない。
私のATフィールドでMark9を押し出す形になる。
その為、射線を塞がないように小さいフィールドを展開する。
くそ、敵の処理が追いつかない!
速度的に、重力遮断の方にフィールドを使ってる余裕がないよ。
意識し遮断率を下げる。
すると途端に身体への負担がかかる。
射撃をしながらの後退機動のため、どうしても足を敵に向ける事になる。
そこへ繰り出される敵の尻尾が、瞬時に私のATフィールを破る。
っ!Mark7の足に敵の尻尾が刺さった!
チクショウ、アンチATフィールドか!
『ランダム機動を取るよ、綾波さん!』
『合わせるわ。』
インダクションレバーを押し込む。
二人で、迫りくる敵の大群に攻撃を途絶えないようにしながら、高速でランダム機動を行う。
ウルトビーズは既に戦闘空域から退避済み。
戦闘機部隊も同様。
故に敵は私達達に釘付けだ。
『ユウカ、レイ!』
聞こえてくるミサトさんの声。
そして視界にチラッと映るヴンダー。
本隊が来たのか。
でもこの数はヤバい。
測定不能な数の敵。
下手したら全滅だよ!
『来ないで!』
私と綾波さんの声が重なるす
今、敵が散らばったら袋叩きに合ってしまう。
味方はヴンダー、エリュブズンデと44Bの4個航空団。
随伴の4個空母打撃群。
エヴァMark10シャマシュ。
他には、ナンバーズのエヴァが全機揃ってるの?
それにしても、私達の攻撃で敵の数減ってるのかな!?
かなりの敵を倒してるのに、全然勢いが衰えないんだけど…
援軍に少しだけ視線を移す。
味方本隊は単縦陣、先頭はMark10シャマシュで、それにヴンダーが続いている。
少しするとミサトさんからの通信が入る。
『ユウカ、レイ。そのまま、敵を撹乱して。
ヴンダーで敵のコアブロックごと叩くわ。』
え、ヴンダーで?
まさか!?
『葛城准将!本気なの!?
まだ試射すらしてないのよ!
それにいくらヴンダーの主砲でもあの規模の敵を仕留められないわ。』
リツコ先生が反対意見を述べる。
『ええ、ですので防御用のATフィールドを全て主砲関連の保護に回し、S2機関を最大出力で主砲を放ちます。』
『正気の沙汰とは思えないわね。』
リツコ先生、もうエヴァ説得諦めたの?
ブリッジ要員も無茶だ、無理ですと言う。
『無茶は承知の上よ。ですので希望者の退艦を許可します。』
そんなミサトさんの言葉に笑っているのは、青葉さん、日向さん、マヤさん、リツコ先生と古参の旧ネルフスタッフ達。
若いメンバーは引き攣っているも、誰も退艦しようとしない。
『誰もいないのね。…では作戦開始。
シャマシュ、ヴンダー前進!』
ミサトさんの号令の元、動き出す全隊。
『ヴンダー各砲門、任意に標準。
撃ち方はじめ!』
日向さんの指示によりヴンダーの対空砲やレールガン、副砲が火を吹く。
ヴンダーよりも前に出るエヴァMark10に敵が殺到する。
エヴァMark10シャマシュの上には、船首にエヴァMark12が、主機であるMark10本体の近くにはエヴァ5号機アイギスが守るように陣取っている。
『ほ〜、ほ〜、よっと。ふむ、ふむ?これはなかなか…』
と声を漏らすのはマリ。
8号機に、四肢に重機関銃を装着するガンスーツを装備している。
その機体にはアルテミスから重力糸が付いている。
『結構難しいけど、楽しいからイイ!
今助けるよ!な〜なちゃん!
ほんじゃわっしは、上から行くよ〜ん。
それじゃあ、長良っち。操演ヨロピクねぇ〜!!』
マリが言い終える前に、急上昇する8号機。
重力糸に操作され、宙を舞う8号機。
近づいてくる敵に次々と弾丸を浴びせる。
『速度維持、トンボ位置プラス
上昇していく8号機に、下から追いすがる敵群。
『にゃにゃにゃにゃ、にゃにゃ、にゃにゃにゃにゃはぁ、にゃにゃにゃ、にゃんにゃにゃにゃー!
にゃにゃにゃにゃにゃっ、にゃにゃにゃー!』
とヤケクソに掛け声を出しながら撃っている。
ちょっと楽しそう。
敵の大群に襲われるMark10の船首では、Mark12が4つの腕に長いブレードを持ち、アポストルの身体を次々に両断していく。
もはや人の目には映らないほどのスピードで腕を振るっている。
適所にATフィールドを展開し、防御しながら攻撃していく様はまさに古の武将を思わせる。
主機として直結しているため、動けないマユミちゃんを守るのはマナだ。
5号機アイギスの巨腕を振るい、迫りこようとするアポストルを四散させていく。
たとえ自分が危なくなろうとも、マユミちゃんのため、その場を離れない戦いに、見てて不安になってくる。
マユミちゃんは、アポストルに取り付かれ、少しずつバラバラにされている船体のダメージに耐えながら操艦している。
船体へと取り付いたアポストルはウルフパック達が駆け回り随時排除している。
シャマシュの上ではアスカがツイングレイブを振り回し、次々と敵を屠っているのが見える。
しかし、近くにいるMark11の様子がおかしい。
Mark6も近くで槍を振るい、戦っている。
『む、無理です。こんなん出来ません。』
サクラの声だ。
『私一人でなんてやった時ないんですよ。
こんな数の敵、倒すなんて…そんなん博打や。』
そんなサクラにアスカは怒鳴る。
『無理って言うな!出来ないなんて、やってもないのに言うんじゃ無いわよ!
あのバカシンジは、初めて見たエヴァで単騎で出撃したのよ。
それに比べて何とも思わないわけ?』
それでも動かないサクラに業を煮やしたのか
『ちっ!良いわ。私が左側をやる。
渚、ちょっとだけ敵を近づかせないで。』
『行くわよ、2号機。裏コード999!』
拘束具がパージされる2号機。
身体のリミッターが解除され、2号機から赤い霧が上がっていく。
S2機関が高エネルギーを発している。
轟音が鳴ったその瞬間、2号機は既に空中にいた。
グレイブを目視できない速度で振り回し周辺の敵を瞬く間に、バラバラにしていく。
そして空を飛ぶ敵を踏みつけ、空を駆けていく。
2号機鬼神化形態。
僅かな動きでも肉体を損傷するほどのパワーを発揮させる裏コード。
機体から立ち昇る赤い霧はエヴァ2号機の血液。
S2機関を使用した素体再生を利用しての荒技である。
激痛に苛まれるも、アスカは動き続ける。
ツイングレイブの真ん中のジョイントを外し、双剣にして、敵の中へと突っ込んでいく。
『それじゃあ、鈴原さん。僕も行くよ。
さよなら。』
そうサクラに告げ、Mark6を宙に踊らせるカヲル君。
宙に浮くMark6は、Mark10の右側に機体を動かす。
やっぱ飛べるんだねカヲル君。
槍を振るうたびにATフィールドは伸びていき、アポストルを両断している。
とてつもない強度のATフィールドを操るカヲル君は、まさしく自由の天使のごとく、何者にも阻害されない存在になっていた。
孤立してしまうサクラにも敵は殺到していく。
あまりの敵の数に怯んでしまっているサクラ。
そんなサクラを守るために、意識してウルトビーズを動かし周りの敵を仕留めていく。
『長門さん!』
綾波さんの警告!
ヤバい!意識を少し割きすぎた為、敵に取り付かれてしまった。
目の前に繰り出される、敵の尻尾。
アンチATフィールドにより多重ATフィールドは破られていくが、この敵を振り払う動作は、殲滅しながら移動する私達に、取り返しのつかないロスを生み出す。
そうなると、二人共敵の波に飲み込まれる事になってしまうだろう。
一か八か、エヴァの口で尻尾を受け止めるしかない。
失敗したら、ATフィールドを一極集中させて綾波さんを逃がすしかないかな…
眼前の敵を睨みつけ、ATフィールドが破られる瞬間に集中する。
ATフィールドを破られる瞬間、敵を串刺しにする巨大な刃が視界に映った。
そして、そのまま目の前のアポストルか視界から消える。
世界最速を誇るエヴァンゲリオン、エヴァMark11。
刃状の脚部で飛び蹴りをしたのか。
『ありがとう、サクラ。』
空中を滑るように動くMark11。
刃状の両足は、何もない所にATフィールドで広い足場を作っている。
空間に道があるように滑っていくMark11は、自由機動で敵を撹乱していく。
踊るような動きは、戦場で無ければ見る者を引き付ける。
巨大な球体のようであったアポストル群は、各々に攻撃され、惹きつけられる様に動き、縦に伸びている。
皆の奮戦のおかげで、敵の速度が落ち、こちらへの負担がだいぶ減った。
私と綾波さんは通信越しに頷く。
やることは解っている。
既に、私達が次に取る軌道はデータとしてMark9に送ってある。
二重螺旋を描く軌道。
お互いのATフィールドで重力場に異常を起こしながら、その軌道を描く。
多重ATフィールドを前方に展開し、ドリルの様に動かし突撃する。
多少だが薄くなった敵の群れを突き破るが、コアブロックは守りが固く突破出来ない。
まあ、それは私達の役目では無いから構わない。
コアブロックの付近を掠める様に通った私達の後に続くよう、重力場異常が起こっていく。
その重力異常に引き寄せられていく、周辺のアポストル達。
その直前には退避していたナンバーズ。
敵が居ないと足場がないアスカはサクラがちゃんと拾っている。
『エネルギー充填率300%。
ATフィールドにて重要機関保護完了。
葛城准将!』
青葉さんの報告を受けて、ミサトさんは頷く。
『ユウカとレイによる、重力場異常が正常に戻るまで残り10秒よ。葛城准将。』
リツコ先生の計算を聞き、獰猛な笑顔になるミサトさん。
『それじゃ、あの子達に変わってお仕置きよ。
グラヴィティレール展開。』
『重力場直ります!』
『グラヴィティレール展開完了。主砲発射行けます!』
マヤさんと日向さんの報告が聞こえてくる。
『グラヴィティブラスト、撃てぇー!!』
ミサトさんの号令に合わせて、発射される主砲。
黒く歪んだ重力場が広く奔っていき、敵を飲み込む。
その黒い重力場は、その中にあるもの、全てを潰していく。
まるで、全力で握りつぶされた卵のように、潰れるコアブロック。
QRシグナムを破壊され爆発する敵群の姿は、黒く歪んだ重力場も相まって、天の川の様に見えてしまう。
『波長パターン消滅を確認。状況終了!』
青葉さんの声を聞きながら、身体をエントリープラグのインテリアに沈め、身体の緊張を解くように大きく息を吐く。
…つかれた。
勝利に湧く歓声を聞きながら目頭を押さえ、目をつむる。
『では、上空に配置してた44Bで、散らばった残敵を始末してくれ。葛城君、君も休んでいたまえ。
後始末は私がやっておくよ。
帰ったら祝勝会といこう。』
冬月司令!?増援か。いつの間に44Bを上空に配置してたの!?
奇襲準備とは、流石ですね。
祝勝会と聞き、さらに湧く歓声。
豪勢な事だ、ヴィレとUN軍の合同祝勝会とは。
素晴らしき褐色美女。
なお、今は美少女。
ということで、長良さんです!
サクラの精神モデルにかんしては、若干シンジをイメージしております。
これは16才の普通の少女の為です。