はじめまして、私のエヴァンゲリオン   作:siriusゆう

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技術関連にクロスオーバー要素があります。

今回は、賛否両論があるかと思いますが、今後の成長のため欠かせないのかな?と思います。




死中求活

エヴァンゲリオン・リルインフィニティ

 

人類補完委員会が多額の資金を投じたF計画により完成した新しいエヴァンゲリオン。

 

 

レガリア細胞により作製され、その性能は全てコンピューターのような機能と自己保存に特化した機体。

その体躯は既存のエヴァの2倍以上の大きさを誇る。

さらに4本の腕を持ち、S2機関を搭載している。

 

 

この後月面のタブハベースへ輸送され、保管されるとのことだ。

 

 

レガリアプロジェクト、Mプラン、F計画。

レガリア関連のこれらは、既に大部分が私の手を離れ、委員会が進めている。

これらが今後、どのように進められていくのかは機密となるようで、私では知り得ない事になってしまった。

 

…もしかしたら委員会、いやゼーレはレガリア細胞のコントロール方法を見つけたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

ヴィレ本部第7会議室、今そこでエヴァンゲリオン航空隊の会議が、作戦部の主導で行われている。

 

現在ヴィレが保有するエヴァンゲリオン航空隊はAFが出現して以降、徐々にその数を減らしている。

現状私、綾波さん、マユミちゃん、サクラの四人のナンバーズ、それと44Bのパイロットが106人で計110名が在籍している。

高シンクロ率を前提とした、44Bのパイロットはその性質上、簡単には補充が出来ないため、数が減る一方だ。

 

 

当初は単縦陣を形成し、ただ獣のように襲いかかるだけであったアポストルであったが、黒い甲殻を纏った指揮官タイプのアポストル・ACが出現して以降は、ただ襲いかかるだけでなく、多少戦術を使うようになってきている。

 

 

過去、2度確認されたパターン青に近い波長を持つアポストルに関しては、最近は確認されていない。

1度目はAFをコピーする能力を持ち、2度目はACを過去に遡らせる能力を持っていた。どちらも共通しているのは波長パターンとコアブロックを持っていたことであった。

これら、パターン青に近い波長を持つアポストルを私達は特異個体と呼んでいる。

 

 

そんな徐々に進化をしていく敵に、こちらも手をこまねいている訳にはいかない。

今まで航空隊は3機1個小隊で有ったのを、4機1個小隊へ変更。

それらをATフィールド中和に長けた各ナンバーズの指揮下に置き、1機あたりの攻撃力を高めることにした。

少くなった小隊数の穴埋めとして、今まで以上にヴンダーを始めとした空中戦艦や戦闘機達との連携を密にする事が決定している。

 

4機編成となっても、ヴィレが保有する44Bが1機余ってしまうことになる。

そこで最も能力の高い44Bとパイロット。

彼らを、少尉という階級を持ってはいるが、唯一ナンバーズの中で士官教育の受けていないサクラの補助とすることになった。

 

 

 

会議が終わり、44Bパイロット達が部屋から退室するのを待っていた私達の元へ、二人の44Bパイロットが近づいてくる。

 

「やっ!綾波、山岸さん、サクラちゃん、長門さん。」

片手を軽く上げ、挨拶をするメガネをかけた青年。

その後ろで私達に、にこやかに手を振る、そばかすの残る女性。

 

「あっ!ケンスケ兄さんや!

顔はたまに合わせるのに、何か話すの久しぶりやね。」

見知った人物に、顔をほころばせるサクラ。

 

相田ケンスケ中尉。

シンジ君と鈴原トウジさんの友人で、アスカや綾波さんの元クラスメート。

もちろんマユミちゃんやマナとも面識がある。

鈴原トウジさんとは仲が良く、サクラとも見知った中のようだ。

 

そしてもう一人のパイロットは、洞木コダマ中尉。

アスカの親友である、洞木ヒカリさんのお姉さんだ。

 

「サクラちゃん、実は編成の件なんだけど。

俺とコダマさんがフォローする事になったんだ。

まぁ、ということで、これからよろしくな。」

相田さん達がサクラのフォローか…

 

見知った相手にフォローされることに、気恥ずかしさや申し訳なさを感じさせる表情をするサクラ。

ナンバーズの中で、一人だけ補佐が付いてしまうことに何処か納得のいってない感じであった。

それに、真面目で責任感がある娘だから、気にしてしまうのだろうか…

 

 

それじゃあ、と挨拶をして離れていく相田さんと洞木コダマさんの背中を見送りながら、無理に笑顔を作るサクラを、私は横目で眺めていた。

 

 

 

 

次はシンクロ実験の為、模擬体のある実験棟へ歩みを進める私達。

そんな中、先程の表情が気になり私はサクラに声を掛ける

 

「サクラ、フォローが入ることは気にしない方がいいよ?」

 

「……。」

 

「どちらにせよ編成の都合上、1機余っちゃうし。それに指揮しながら戦うのって凄く大変なんだから。」

 

「……。ユウカに、私の気持ちの何が解るの?」

え?と返してしまう私に、怒ったような顔をしてサクラは言葉を続ける。

「何でも出来るユウカには、そうやって解ったように口出さんで欲しいわ。」

 

「え、あ、ごめん…。そんなつもりは…ただサクラが心配になって…。」

 

「心配って…、私の方が年上やない…。

…もうええ。」

そう言葉を吐き捨て足早に去っていく。

そんなサクラを慌ててマユミちゃんが追いかけていった

 

怒らせてしまった

…踏み込み過ぎてしまったのかな?

ため息を付き、落ち込む私の頭をポンポンと撫でる綾波さん

 

「人間関係って、難しいですね…。」

 

「ええ、そうね。」

 

 

 

 

今回のシンクロ実験では、新しいデュアルシンクロの方法を試す。

 

今までフォロー型に使われていたデュアルシンクロは、パイロット同士をブレインハンドシェイクと呼ばれる神経接続により繋げ、その繋がった二人を、一人としてエヴァに認識させてシンクロさせていた。

 

しかし新しいデュアルシンクロは、二人のパイロットがそれぞれエヴァにシンクロして、息を合わせ操縦する仕組みだ。

この新しいデュアルシンクロの場合、従来の方法に比べると、機体の性能やATフィールドの出力が上がる。しかしデメリットとして、シンクロや操縦の難易度まで上がってしまう。

 

この実験はかなり注目されているみたいだ。

冬月司令や加持さんまで見学に来ている。

 

 

 

 

そんなシンクロ実験が終わると、サクラは私の顔を見ようともせずに出て行ってしまった。

 

そんな私達の様子をおかしいと思っていたようで、アスカが残った私に話しかける。

「ちょっと、アンタ達どうしたのよ?」

 

アスカの周りには、マリやマナに加持さんまで居る。

正直私は、何故サクラを怒らせてしまったのか理解できていなかった。この現状を打破したいが、今までこんな事は経験したことが無かった為、どうしたら良いのか解らない。

サクラの事を考えると事情を話しても良いのか悩んでしまう。

そんな、悩む私に微笑んだマリが声を掛ける。

 

「ななちゃん。一人で悩んでいたって良いことなんてないよ?話してみなよ…これでも口は堅いからさ。」

 

 

うん…

私は頷き、会議室での事から実験前までの事を四人に話した。

話を聞き最初に口を開いたのは、苦笑いしたマナだった。

 

「多分、サクラは劣等感を抱いてるんだと思うよ。」

 

「劣等感…。」

 

「そ。自分だけ士官教育を受けていないこともそうだけど、やっぱりナンバーズで一番シンクロ率が低いのもあるし、シングルコンバットの成績では下から二番目だし、そういった積み重ねが劣等感を刺激してるんだと思うな。

まあ、私も経験あるもん。

それに、年下のユウカが博士号持ってるし、ナンバーズの中でもトップクラスに強いし、スタイル良いし、色んな言語喋れるし、運動も出来るようになっちゃったし。欠点もあるけど、あまり見えないじゃん?

そんな年下のユウカに慰められるのは、きっと堪える事だよ…。」

マナ、結構ズバッと言うね…

でも、そっか…

 

 

マナの言葉に続き加持さんも意見を言う。

「そうだな。劣等感以外にも、後悔。そんな感情が有るんじゃないかな?」

 

「後悔、ですか?」

小首を傾げる私に言葉を続ける加持さん。

 

「ああ…、皆は努力して士官教育を受けただろ?

ユウカちゃんも物凄い努力をして博士号を取ったりと、7年程前から全員が絶えず努力を積み課せねてきた。それによって今の君たちが居る。

だけどな、サクラちゃんは、はっきり言ってしまえば、今までそういった個人的な努力って物をしてこなかった。」

 

そう言うと、一度言葉を区切り、私の様子を伺いながら再び口を開いた。

「もちろん、彼女は彼女なりに頑張ってきた。

しかし、君らと違い、エヴァに乗る明確な理由、覚悟と言うべき物がサクラちゃんには無かったのも有る。その差が今になって現れているんだ。」

まるで、誰かを重ねているような…そんな表情の加持さん。

 

「サクラちゃんは、その事に気が付いていて後悔しているんだろうな。

だからこそ自分に苛ついているし、それが周りにも出てきてしまっている。まあ一種の八つ当たりみたいな物さ。」

 

私、根本的に対応を間違っていたんだね…

 

「ユウカちゃん。心配なのは解るが、もうちょっと信頼しても良いと俺は思うぞ。

時には見守ることも必要なんだ。」

優しく笑みを浮かべながら語る加持さん。

昔を思い出しているかのような表情にも見える。

 

劣等感、後悔、昔の私ならきっと解っていたはずなのに。

やっぱり私も変わっていってるのか…

 

感謝の言葉を四人に伝える。

私一人じゃきっと空回りしていた筈だから、聞いてもらって、本当に良かった。

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして、今私はサクラに呼ばれ、あまり人の来ない廊下で二人きりになっている。

 

「ユウカ、この間はごめん。私イライラしてて、つい当たってもうた。」

下げられたサクラの頭を見て思う。

やっぱり優しい人なんだと…

それに、もしかしたら誰かがフォローしてくれたのかもしれない。

 

「私こそ、ごめんね。サクラの事を解ってるつもりになって、話をしてたよ。」

そう…、私の中には未だに新劇場版のサクラがいたのだと気が付いた。少しそれと重ねていた事も。

新劇場版のサクラと、今目の前に居るサクラ。

声も同じで、仕草も似通った部分が多い。

しかし、その辿った人生は全然違うことに今更ながら思い至った。

 

親が居て、兄がいて、友人が居るこのサクラ。

兄が居るも、親や友人と死別したあのサクラ。

 

違うのは当たり前だったのにね。

 

「私もユウカの事、わかってへんかった。」

 

「お互い、解ってるふりをしてたのかもね。」

 

「そやね。」

 

私はサクラへ向けて手を差し出し、握手を求める。

「私は長門ユウカ。実は皆から結構ポンコツだと思われてます。」

キョトンとした顔で私の手を見つめていたサクラだが、私の言葉を聞き笑みを浮かべ、手を取った。

 

「ふふふ、それは知っとるよ。

私は鈴原サクラです。兄曰く、しっかりしてそうだけど甘えん坊らしいです。」

 

「それ、知ってるよ。」

笑い合う私達。

そんな私達に聞こえてきたのは、コネメガネ!押すんじゃないわよ!という声と、何かが倒れるような音。

 

振り向いた私達の目に飛び込んできたのは、床に重なって倒れた、バツの悪そうな顔のアスカとマナ。

それを起こそうと手を伸ばすマユミちゃん。

そして、悪びれもなく佇むカヲル君と綾波さんだった。

 

 

…マリは、廊下の影に隠れてるな。

 

 

 

 

 

 

 

長いインターバル。

約3か月に渡った、準備期間。

何時敵が来るかなんて予測はつかない。

そして、いつも機先を制するのは奴らからだ。

 

敵の本拠と思わしき場所は南極。

しかしそこは、あまりにもL結界密度が高すぎて、ヴンダーやNHG、ナンバーズの乗るエヴァでしか入れぬ聖域。

何度か攻撃作戦が提唱されては、その未知数の領域を理由に却下されてきた。

 

 

その南極より、またしても大規模な敵の侵攻を検知する。

それは今までの侵攻が、お遊びだったのでは無いかと思えてしまうほどの数であった。

 

 

ヒリつくほどの緊張感を感じながら、新しく編成された44B航空隊の中隊である12機とウルトビーズ16機を率いて先頭で飛行する。

 

今回敵は南アメリカへのルートを取っている。

収集されたデータを見るに、敵の航空戦力は今までの侵攻と変わらない数のようだ。

 

 

 

戦場へ先に到着したのは私達。

敵の到着までの予測時間は、残り1時間となっている。

それまでの間に陣形を組み、次から次へと送られてくる弾薬等の物資を、援軍として来たヴィレやUNの部隊に行き渡らせる。

そうすると1時間なんて直ぐに経過してしまう。

 

地上にて即応待機していたエヴァ航空隊の発進命令がミサトさんよりくだされる。

その命令通りにエヴァMark7で空を駆けていく。

 

海岸線を埋め尽くすアポストルの大群

しかし、敵の航空戦力は少し後方に位置している?

おかしいと、地上の敵に目を配らせる。

海上に今までと違う敵影。

まるでクジラのような姿

新種のアポストルか!

 

『全隊停止!』

通信にて号令をかけるが、指揮権の違う戦闘機部隊は敵へ近づいてしまう。

しまった。そう思った瞬間、新種の敵より何かが飛来してくる。

四散する戦闘機部隊、一部は回避するも大きな損害を受けている。

 

敵の遠距離攻撃!

判断するやいなや、すぐさまヴンダーへデータを送信し、隊をエヴァMark7の後方へ下げる。

後続の戦闘機部隊も機首を返し方向転換しているのが確認出来る。

 

ATフィールドを最大に展開したウルトビーズの小隊を先行させる。

飛来する敵の攻撃がATフィールドと接触

徐々に侵食されるウルトビーズのATフィールドだが、最終的には防御の方が勝る。

 

侵食型のATフィールドを纏った遠距離攻撃とは…

ウルトビーズの最大出力を突破できないという事は、44Bの最大出力のATフィールドを突破出来ないという事だ。

 

しかし今見た限り、新種の敵一体から、一度の攻撃で同時に7から8発の攻撃が散弾銃のように飛んできていた。

恐らくは、3から4発同時に被弾してしまえばATフィールドを破られる…

 

ATフィールドを貫通する、情報宮装備弾は新種への攻撃に取られるか。

中隊全隊で、所持するパワードエイトのマガジンを情報宮装備弾へ変更し、新種のアポストルを安全圏から撃ち抜いていく。

 

 

呼応するように敵の航空戦力AFが動き出す。

単縦陣で進路を向ける。

 

『全隊、今装填しているマガジンの中身は、全部見える限りの新種へ撃ち込め!

後、通常弾へシフトし、AFへ対処する。

敵新種の位置に注意。』

 

お互いにカバーしながら奮戦する各小隊の姿を見ながら、敵新種の位置をマークしていく。

横から襲いかかってくる敵の群れを、ATフィールドで薙ぎ払い、別の位置にいる敵へ弾丸を食らわせる。

 

やっぱり、指揮しながら戦うって難しい。

 

『新種アポストルが戦線を押し上げてるのを確認。こちらのラインを下げます!』

 

 

ん、ヴンダーから敵遠距離攻撃の解析データが…

これは、海水をATフィールドで包んで飛ばしているのか。

ならば上陸はしないはず。

 

しかし、そんな私の浅知恵を嘲笑うかのように上陸していく新種。

体内に水を貯蓄していたのか…

私の間抜けめ!

 

…それにしても、上手い具合に戦線を後退させられている。

地上の援護が出来ない。

これ以上は下げたく無いが、私達だけその場に留まっても意味がない。

 

圧縮した多重ATフィールドを広範囲に叩きつけ、敵を粉砕しながらも、焦りが募っていく。

多重ATフィールドを次々に展開し敵を砕いていくが、戦況は変わらない。

 

ヤバい、そろそろATフィールドを攻撃に転用出来なくなる。

長時間ATフィールドを攻撃に使用した場合の弊害が現れているのを自覚する。

息が乱れていき、頭の痛みが少しずつ増してくる。

 

攻撃方法をパワードエイトへシフトする。

ふと遠方の空に、多数の巨大な影が映る。

 

また新種!?

てか、既にサクラから発見の報告が来ていた!

気づかなかったなんて…

 

 

それにしても、なんだろう、あれ。

空飛ぶ巨大なクラゲ??

 

 

ゆっくりと近づいてくるクラゲ状の敵。

こちらの攻撃範囲に侵入してくるが、それと同時に敵のAFが苛烈に攻撃を仕掛けてくる。

 

攻撃させまいとしている…

意図が見え見えだが、それが出来ない。

そんな敵の意図を砕かんと、ヴンダーよりグラビィティブラストが放たれ、敵の航空戦力が大きく削れていく。

 

それに乗じ突撃していく、UNの44B部隊を援護しようとした

その時、各地に散らばったクラゲ状の敵が一斉に大規模な帯電を始める。

高エネルギー反応、同時に核反応を検知。

 

研ぎ澄まされた集中により、周りの時間だけが遅くなったように見える感覚の中、攻撃?退避?防御?と次に何をすべきか思考を巡らす。

 

『全ユニット、ナンバーズもしくは空中戦艦のフィールド内へ退避!

フィールド最大で展開して!

無理なら最大戦速で後退、及びプラグイジェクト!緊急脱出急いで!』

ミサトさんの声に反応して、私は瞬時に前方へATフィールドを最大にして展開した。

 

 

クラゲ型が眩い光を放つ。

空間に走る電流、強力な電磁波を伴い光が広がってゆく。

さらに地面を奔る大電流が地上部隊を飲み込んでいく。

 

 

 

 

嘘でしょ…

まさか、EMP攻撃?

既に地上では多くのフォロー型は動いていない。

戦車大隊等も同様。

 

一般の物よりも電磁パルスの対処は強化していたのに、それすらも上回って来るなんて。

 

もはや現存する戦力は、ナンバーズや空中戦艦の後ろへ退避していた僅かな戦力のみ。

 

幸いなのはこちらの航空戦力が大多数残っている事と、既にクラゲ型が自滅という形でいなくなり、巻き込まれたAFも殆どが死滅していることか。

 

しかし、地上の敵は津波のように押し寄せてこようとしている。

 

地上の戦力が足りなすぎる。

それにウォール・オブ・ジェリコも稼働して無いじゃん。

 

 

アルベスの槍を持ち、エヴァMark7を地上にダイブさせ、地上の一部アポストルを一掃する。

…そういえば、このダイブ結構やってるよね。

そろそろ技名を付けても良いかもしれない。

プロミネンス・ダイブなんてどうだろう、と心の中で呟く。

これは只の強がりだ。今弱気になるわけにはいかないから。

 

 

頭痛に耐え、エヴァMark7の体勢を整える中、ミサトさんより通信が入る。

『皆、全軍に撤退命令よ。

…といっても、ここら一帯の文明の利器は、ただのオブジェに変わってしまったし、壁のゲートも稼働しないから殆どが逃げられないかもしれないわね。…それでも、お願いできるかしら?』

 

 

『わかったわよ。さっさと戦艦を地上に降ろしなさい。

…一匹たりとも通さないから。』

 

『よし!それじゃあ気合入れようか。』

 

『…まあこれも約束の内、というやつだね。』

 

『私が右から来るのをヤルからね。

ふふん、今宵のアルベスは血に飢えているよ。』

 

『んじゃあ、あっしがななちゃんのフォローを頂くよん!』

 

『地上、任せたわ。』

 

『私もすみません。ウルフパックを展開しますので、皆さんご無事で…。』

 

『私も、地上で戦います。このままじゃ不甲斐ないやんか。』

 

『我が戦術体躯でもって、全力で守護すると誓おう。』

 

壁面を背に、半円の陣を組む私達。

その中へと懸命に走ってくる兵士の人達。

私達の後ろには、残った地上戦力が密集陣形を組む。

ヴンダー等の空中戦艦が降り、生存者を回収するまで守り続けるのか…

 

制空権はほぼ確保済みといっても、正直これはキツイ。

まあ人命救助優先、仕方ないよね。

 

 

槍を構えて、前を見据える。

頭痛はまだ治まっていない…

敵を睨みつけながら、笑みを浮かべる。

 

 

 

 

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ!

 




難産でした。
サクラって難しいですね。

しかも、この世界のサクラは新劇場版とは違う人生を歩んでいるためこうなりました。

サクラは、まだ成長途中ということで許してください。
はっきり言ってサクラの心理描写は自分も自信ないです(汗)

感想欄とかで、ご意見等も。

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