はじめまして、私のエヴァンゲリオン   作:siriusゆう

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Omniscience

ぶつかり合う初号機と13号機。

カシウスとロンギヌス。

 

お互いに渾身の力で槍を押し込もうとする。

顔を押し付け合うように鍔競り合う両機。

何より驚くのは、皆が中和しようとしても中和出来なかった13号機のATフィールドを中和しているエヴァ初号機だ。

 

お互いのパワーにはじかれるように距離を取る2機のエヴァ。

 

私は、この隙に機体の修復を済ませておく。

 

 

仕切り直し、後、再びぶつかり合う紫色のエヴァ。

かがみ合わせのように同じ動きをしている。

 

『力だけでは私を倒せんぞシンジ。』

まるで教えるように話すゲンドウ。

 

『解っているよ、父さん。』

 

『そこのロストナンバーを使うことによって、理想の世界を築き上げる事が出来るのだ。

シンジ、母さんに会いたくはないのか?』

 

『僕には、そこまでして母さんに会いたいという気持ちが理解出来ないよ。』

語り合いながら、槍を打ち合うシンジ君とゲンドウ。

拮抗する両者。

 

『夢を見ていたんだ。エヴァが見せてくれていた夢…

皆、僕の尻拭いの為に長い時間を準備に費やし、エヴァで戦ってくれていた。

綾波も、アスカも、カヲル君も、マナも、山岸さんも、サクラちゃんも、真希波さんも、そして長門さんも。

…怖気づいて、結局は中途半端にしか封印できなかった僕のために人生を賭けてくれた。

皆、やさしいんだ。だから父さんと戦うよ。』

どこか泣きそうな声で話すシンジ君。

 

『僕がもう少し早く決断していれば、こんな戦いは起こって無かった。

父さんも、新生した使徒を操ってこの事態を起こすなんて事は無かったはずなんだ…』

まるで懺悔するように言葉を絞り出す。

 

『ふん、そんなのはお前のエゴだろう。シンジ。

人はそんなに綺麗なものでは無い。別の戦いが起きていただけだ。』

そう、どこか諭すように言葉を紡ぐゲンドウ。

そこに含まれているのは、冷たさでなく温かさ。

 

『他者という存在を求めながらも、自身が傷つきたくないというわがまま。

欠けた人間の心は、どうしても他者を求める。

傷つけられることを恐れるが故に、他者を傷つける。

そんな矛盾に多くの人間が気づかぬ振りをしている。

だからこそ、絶対的な心の支えが必要なのだ。あらゆる恐怖に耐えられるように。

それは決してATフィールドなどでは無い。ATフィールドを開放してこそ、それらを手に入れることができる。』

言葉を区切り、シンジ君の顔を見つめるゲンドウ。

 

『だからって、多くの人が死んだんだよ、父さん!

父さんのように、大切なモノを失った人が居るんだ。

それを解っていても自分の願望をかなえようとするからこそ、そんな父さんを僕が止める。』

 

『お前に出来るのか?私を止める事が。』

真剣な雰囲気を作り、シンジ君へ問いかけるゲンドウ。

そんな問いかけに対して、彼は力強く答える。

『出来るか、出来ないかなんて関係ないよ。

やるんだ。何がなんでも。』

その赤くなった瞳でゲンドウを正面から見据える。

その眼差しには、紛れもなく強さが宿っていた。

 

 

 

既に機体の修復は完了してある。それでもこの二人の戦いに介入出来ない。

シンジ君の援護をして、早々に13号機を無力化する事は誰だって考え付くし、そんな行動を取るのが普通だ。

 

でも、この戦いは力だけでは解決しない。

碇ゲンドウの持つATフィールドは恐らく、通常のATフィールドでは無い。

 

内向きのATフィールド。故に、同じATフィールドを操れるシンジ君にしか戦えない。

性質の違うそのフィールドは、ただ傷つけようとする意志に対しては、より強い効力を発揮する。

 

 

槍を、言葉を、気持ちをぶつけあう二人の戦いを眺めている。

 

そうしていると、唐突にレベルEEEの入り口が爆発するようにはじけ飛ぶ。

そこから降りてくる2号機と5号機と8号機とMark9。

 

『初号機!?うそ…。

…バカシンジ。』

 

『シンジ。やっぱり生きてたんだ。』

 

『碇君…。』

 

『………。』

Mark7の周りに着地する4機のエヴァ。

 

互角の戦いを繰り広げる初号機と13号機を見て、この戦いがどういうモノかを察した4人は私に並んで見守る。

 

疑似シン化形態へと移行する初号機は、徐々に13号機を押していく。

先手を取っていくシンジ君の動きは、まるでこれから13号機がどのように動くかを解っているかの様だ。

それに反応するゲンドウも同様だが、まるですべてを理解している様に動く両者。

 

『馬鹿な!ネブカドネザルの鍵を超えていくのか。シンジ、ユイ!』

大きくはじかれて飛んでいくロンギヌスの槍。

 

地面に片膝をつく13号機。

槍を引き、眼前に立つ初号機。

 

『私の、敗北か…。』

 

『…うん。僕たちの勝利だよ、父さん。』

 

 

遂に終わったんだね…

息を吐くと、自分の身体を抑えつけていたようなものが取れていく感覚。

通信越しにマリと視線を合わせる。

肩をすぼめ、笑顔をみせるマリ。

 

他の3人は、頬を赤く染めシンジ君の顔を見つめる。

 

 

 

後は、アザゼルの再封印を施すだけ。

碇ゲンドウのおかげでアルべスの槍が、第13使徒の停止装置として使える事が分かった。

 

視線を移し、アザゼルを観察する。

機能中枢付近に刺さっていたアルべスの槍を探すが、見当たらない。

ん?確か、あの位置だったような気がしたけど。

 

ふと、視界の隅に光るものを見つけ気になり、視線を移す。

レベルEEEの隔壁扉の残骸が積み重なっている。

光った部分を見つめると、その下に埋まる、アルべスの槍の柄が視界に入る。

 

視線をそっとMark7の手に移す。

何かの間違いであって欲しいと思う自分と、冷静に結論を下そうとする自分。

 

映る手の中にもアルべスの槍がある。

今この場で現存するアルベスの槍は二本のはずだ。

碇ゲンドウが、使徒を停止させるために使った槍と、私が13号機と戦うための槍。

 

 

 

…急激に血の気が引いてくのを実感する。

 

瞬時にアザゼルへと視線を移す。

先程と変わらぬ姿勢だが、その眼球は初号機に向いていた筈だったのに、今は私と目が合う。

見つめ合う私達。

 

 

そんな私の様子にマリが心配して声をかける。

 

『どったの?ななちゃん。』

 

『…げて。』

声がかすれる。

 

『え?』

キョトンとすマリ。

他のみんなも私を見て疑問符を浮かべる。

 

『逃げてっ!!』

叫ぶ私に呼応するかのように、地面が揺れる。

手に持つ、アルべスの槍をコアブロック周辺へと投げつける。

 

地面から生えるように展開された巨大な触手により防がれる投槍。

防がれたのを見るや否や、私は瞬時に槍を呼び戻し、その手に握る。

 

 

距離の近い初号機へと鋭利に尖った触手を突き出すアザゼル。

疑似シン化を解いていた初号機は反応が遅れる。

 

迫る触手が紫の機体を貫通する。

立ちふさがった13号機から血が噴き出していく。

 

『父さん!』

叫ぶシンジ君へ、ゲンドウが叫ぶ。

 

『逃げろ!シンジ!』

 

次々と展開される触手が迫る。

疑似シン化した初号機がレーザーを放ち触手をバラバラにするが、数が増えていく触手に、処理が追いつかなくなってくる。

 

『シンジを逃がせ!レイ、セカンド!』

ゲンドウの声に反応したアスカと綾波さん。そしてマナが初号機を羽交い絞めにして下がらせる。

それを追い迫る触手を、アルべスの槍を持つ私とマリが切り払っていく。

 

『ゲンドウ君!』

叫ぶように名前を呼ぶマリにゲンドウが懇願する。

 

『真希波、頼む。シンジとユイを…。』

貫く触手から徐々に侵食を受けていく13号機。

ATフィールドを展開しさらなる攻撃を防ぐ13号機だが、アザゼルが持つ無数の触手の矛先より検知するデストルドー反応。

それによるアンチATフィールドにより、徐々に侵食されていく13号機のフィールド。

 

 

『アスカ!綾波!マナ!どいてくれ!父さんが!』

 

『バカシンジ!あれを何とかする方策があるの!?

無いんでしょ!』

アスカの一喝を聞き、悔しそうに唇を噛みしめるシンジ君。

 

 

 

『私ってさ…すごくわがままなんだよね。』

急な私の独白を聞き、一瞬キョトンとする皆の顔を見る。

そんな中、諦めたような表情を作るマリは、その手に持つアルべスの槍を私に手渡す。

 

アルべスの槍を経由して伝わってくるマリの感情、意思。

両手にアルべスの槍を持ち、構える。

 

 

『行くよ、アルべス。

アイン・ソフ・オウル!』

 

 

白く、強く輝く機体と頭上のエンジェル・ヘイロー。

 

閃光と化したMark7を走らせ、呼応し迫りくる無数の触手を、機体を翻しながら回避していく。

すれ違いざまに槍を突き出し、次々と触手を切断していく。

地面を、空中を蹴りつけ進路を変えながら13号機に接近する。

 

徐々に触手に飲み込まれていく13号機。

『バカな。何を考えている。綾波ユウカ。』

驚きの表情を張り付けているゲンドウの顔。

 

こんな時に、そんなことを言ってくるなんて、貴方も何を考えているの?

 

『何の事か全然わからないけれど、カミングアウトは時と場所を考えて!

貴方は、黙ってあたしに助けられていてください!碇ゲンドウさん!』

 

跳躍し、渾身の力で、交差させていた槍を振り払う。

増幅したエネルギーとATフィールドが斬撃として広がっていく。

 

周辺の触手が一掃されてゆくのを見ながら、13号機に抱き着く。

ヴェルテクスユニットの機能を最大まで発揮させ、離脱する。

元の位置より、さらに後退した皆の元へと戻っていく私達。

 

 

 

そんな私達を追う、触手群を居合い抜刀で斬り払う鬼神化2号機。

そのまま横から迫りくる無数の触手を、地面を蹴り、身体を横回転させながらビゼンオサフネで斬り裂く。

 

正面と横からさらに展開してくる触手群を、足を引き、後退しながらの回転斬りでまとめて斬り裂き、

時間差で襲い掛かってくる、触手を刃を閃かせ斬り払っていく。

 

四方八方から襲い掛かる触手を最小限の動きで回避しつつ、大刀を振るう。

密集した触手群が正面から迫り来る。

 

居合いの構え、そして強く前傾姿勢になる。

舞っていく2号機の血煙。

 

 

静寂のち、掻き消える2号機。それはまさに霹靂一閃

赤い閃光が奔り、そしてバラバラになって飛んでいく触手群。

 

 

2号機の硬直を狙う触手をシンジ君がレーザーを奔らせ、焼き切る。

 

後退する2号機を援護する為に前進する5号機。

プログレッシブナイフを閃かせ、迎撃していく。

 

後退しながらビゼンオサフネを振るい続けるアスカだが、反応が落ちていく。

長いリーチを誇るビゼンオサフネだからこそ、中に入られると無防備になる。

アスカへと迫る触手を破ったのは、私のシグナムハンドガンを持つ8号機だった。

 

『コネメガネ!援護射撃2秒遅い!』

 

怒鳴るアスカに対して言い返すマリ。

『そっちの位置、3秒早い。』

 

『臨機応変!合わせなさいよ!』

 

『仰せのままに、お姫様っ!』

狙いを定め、ハンドガンで次々と撃ち抜くマリ。

そんな援護射撃の合間を縫うように動いていく2号機。

 

密集陣形を組む私達。

 

次々に触手が生えていくのを眺める。

アザゼルはその巨体をゆっくりと動かしながら、こちらを見つめる。

 

離れた距離でにらみ合う私達だが、地面を奔る振動が強くなり、アザゼルの前方の地面が隆起していく。

地面から顔を出すように、エヴァから見ても巨大なワームが現れる。

先端をこちらへと向けるワームだが、大きく開いていくそこから見えるのは、何重にも重なった円状に連なる牙。

 

『口!!なんでこうも口に縁が有るのよ私は!』

アスカが顔を引きつらせながら、悪態をつく。

 

『おえ!エグイね~あれは…。食べられるのだけは勘弁だにゃ!』

 

 

唐突に通信システムに追加される電子ウインドウ。

通信範囲に入ったのか、映るカヲル君とサクラの顔と、サウンドオンリーのアイコン。

そして上から降ってくるMark6、Mark11、Mark12。

 

『シンジ君…。また、会えたね。』

シンジ君を見つけ、微笑むカヲル君。

 

『あの、碇さん。お久しぶりです。私、鈴原サクラです。

兄がお世話になりました。』

頬を赤く染め、緊張したようにサクラが自己紹介をする。

 

そんな二人に、微笑むシンジ君。

『積もる話もあるけど、今は13使徒を何とかしたいんだ。

力を貸して、二人とも。』

 

シンジ君の言葉に力強くうなづく二人だが、巨大なワームとその奥のアザゼルを見つけ顔が引きつる。

 

 

『よせ、シンジ。現状、奴をどうにかする方策は無い。

解っている筈だ。』

沈黙を保っていたゲンドウが言葉を発する。

そんな言葉に沈黙で返すシンジ君。

それが同意の沈黙なのは、ここにいた全員が理解した。

 

 

今なら何とか逃げられるかもしれない。

飛行ユニット3機、地上ユニットが6機

 

 

一層強くなる振動、頭上の地盤が崩れていく。

視線だけ上に移すと映るのは、もう一つのワームが顔を覗かせている姿。

 

このままじゃ退路が塞がれるが、目の前のワームや触手が邪魔だ。

対処しきれずに挟み撃ちに会うだろう。

 

『私が殿を務める。お前たちは上のアレを突破して撤退しろ。

ここからは、年配者の務めだ。』

ロンギヌスの槍を手元に呼び寄せ、ボロボロな機体を、槍を杖のようにして立ち上がらせるゲンドウ。

 

 

しかし、そんな13号機の眼前に手をかざし静止するMark12。

 

零式…

 

 

命を守るようにプログラムされた零式。

その背中は反論を許さなかった。

そこには確固たる意志が宿っているように思える。

 

ATフィールドを操るように作られた彼には、もしかしたらゴーストが宿っているのかも知れない。

四本の腕に刃を持ち、広げていく。

 

 

そんな姿を見て涙を流す、マナ。

 

 

 

光翼を生やす初号機。

え、初号機って飛べるの?

驚く私を尻目に、13号機を抱え右手にはカシウスの槍を持ち、上に陣取るワームをにらむシンジ君。

 

撤退の準備を進める私達。

Mark7の背中に抱き着く8号機。

翼部のヴェルテクスユニットを掴むMark6。

 

そして、

Mark11にくっつく5号機。

Mark9に嫌々引っ付く2号機。

 

 

初号機が放つ金属イオンを多く含んだ荷電粒子ビームを合図に、

カヲル君が渾身の力で槍を投擲する。

投擲の反動で、急造した義足が砕けるMark6。

 

 

飛び立つ私達。

ATフィールドを合わせ、私達は一本の槍となりワームを貫いていく。

 

 

殿を務めるMark12は、私達を追おうとするワームや触手へ向けて疾走する。

 

『行け、我が屍を踏んで。』

それが私達への最後の言葉。

多くは語らない零式、その機体はS2機関を過剰に動かしソニックブームを纏う。

 

『力を以て山を抜き、気迫を以て世を覆う!我が意思を、此処に示さん!』

 

リミッターを外し刃を振るいながらアザゼルへ接近していくMark12。

高エネルギーにより自壊していくその機体を見送り、私達のエヴァはレベルEEEを脱出する。

 

 

 

センサーが、Mark12が持つATフィールドの崩壊を検知する。

そして大規模な爆発。

 

セントラル・ドグマを抜け、上空に退避する私達の目に映るのは半円状のエネルギーバーストだった。

 

 

 

 

地下で起こったことを、手短に報告するアスカの声を聞きながら、真下にある壊滅したジオフロントを見下ろす。

 

既にMark7とMark9以外のエヴァは格納している。

ゲンドウさんは、大人しく13号機から降り隔離されている。

使徒に関しては崩壊したMark12の影響か、反応を全く検知できないでいる。

 

 

『なにこれ、パターン青反応増大!質量が大幅に増加してる?

何なのこれ、マジあり得ないんですけど!』

唐突にミドリの困惑しつつも焦る声が聞こえてくる。

 

その報告と共に異変が起こる大地。

辺り一帯からアザゼルの巨大な触手やワームが生えてくる。

 

隆起し、砕けていく大地。

L結界密度が上昇し、コア化が急速に進んでいく。

 

『そんなことが、あり得るというの?

まさか使徒が、地球のコアと一体化するだなんて…。』

絶望の表情を張り付けるリツコ先生の言葉を聞き、ミサトさんが命令を下す。

 

『委員会に観測データを送って。これより本艦とエアレーズングは宇宙空間へ退避します。

冬月司令、構いませんね?』

司令へと確認を取るミサト。頷く司令を皆が見つめる。

 

 

退避する傍ら、ロシア・中国方面から天へと昇っていく沢山の光を見つめる。

ロシアの首都は形をそのままに、巨大な二つの軌道エレベーターを軸に宇宙へと上がっていく。

まるで、空中都市の様に。

 

 

人類補完委員会が発令したアーク計画。

人類及び保存された種を宇宙へと退避させる計画だ。

 

 

 

赤く染まっていく地球を宇宙空間から唖然と眺める。

 

 

周りにはいくつもの避難シャトルと移動都市。

それが宇宙要塞へと集結していく。

 

 

 

急に大きく揺れる機体。はしる強い衝撃と爆発。

衝撃により私の身体が、前へとつんのめる。

機体のATフィールドに接触するミサイル群とレールガン砲。

 

『何をしているの!攻撃中止!攻撃中止よ!』

ミサトさんが国連軍へと連絡するが、帰って来たのは使徒殲滅の命令。

エンジェルブラッドを注入しリミッターを外した影響で、パターン青を発する私の殲滅。

それが国連の下した決断。

 

 

私の乗るMark7へと集中する攻撃の嵐。

しかし、ATフィールドを突破できずにいる。

 

私のATフィールドが教えてくれる。

多くのリリンが抱く、恐怖、憎悪の感情。

私が使徒だという情報は既に一般の人達にも拡散されている様だ。

 

 

ヴィレの皆が止めようとしてくれているのを感じる。

通信越しに映る皆の顔は、焦りと怒りが入り混じった表情をしている。

 

 

……。

 

 

 

機体を奔らせ、みんなから距離を取り、国連組織の中核を担う宇宙船へと近づいていく。

周りに展開した国連軍のパイロット達は、しかし私への攻撃を中止していく。

通信越しに映る私の表情から何かを察したのか、視線を送ってくるだけ。

 

 

思い出すのは、加持さんのあの言葉。

 

私の選択次第か…

そうですね加持さん。私なら逃げる事も、戦うことも簡単に出来る。

 

でも、きっとこの選択が正しいのだと信じている。

それが、皆を守ることに繋がるから。

 

そうだよね?カヲル君。

リリンには未来が必要なんだ…

 

 

 

本当はこんな所を…他の、親しい人たちに見られたくなんかないし、見せたくもない。

 

でもきっと最終的には皆解ってくれると思う。

 

 

 

通信の音声は既に切ってある。皆の声を聞くと辛くなるから

 

でも通信自体の遮断は出来ない。それをしてしまうと装置の起動が出来なくなってしまうから…

 

だから、ごめんね。

 

……

 

 

見ないと誓っていた通信画面をつい見てしまう。

 

そこには画面いっぱいに、泣きながら叫んでいる皆の顔。

 

 

シンジ君、君までそんな表情をしないでよ。

 

マリ、君は泣かないと勝手に思っていたのに…

 

アスカ、涙が似合わないね

 

マナ、もうずっと泣いてばかりじゃん。

 

綾波さん、泣きながら叫ぶ貴方を想像も出来なかったよ。

 

マユミちゃん、顔を上げて欲しいのは私のわがままだよね…

 

サクラ、泣きながらそんなに怒らないでよ。般若みたいだよ?

 

リツコ先生、床冷たいですよね。泣き崩れる貴女を見るなんて…ごめんなさい。

 

カヲル君は微笑みながら、まっすぐこちらを見つめている。

後は任せたよ、カヲル君。

 

 

 

 

遂に射程範囲内に入ったのか、首に巻くDSSチョーカーが作動する。

首の回りを周回する、細かく欠片のような簡易式ロンギヌス。

 

 

 

腕を広げ、リリンを受け入れる。

 

 

 

 

痛み

熱い血潮、噴出する命

赤く染まる世界

暗転していく視界

 

 

 

そして、終わる世界…

 

 

 

 

 




予告??

月に降り立つ、エヴァMark6と8号機。

対峙するエヴァ13+初号機とMark7。

赤き地球へと迫っていくエヴァ6+7+8号機。

起動するエヴァンゲリオン・リルインフィニティ。

赤き海岸に映る人影。
はたして、生きることを望む人々の物語は何処へと向かっていくのか。

次回、シン・エヴァンゲリオンrepeat
さ~てこの次も、サービス・サービスゥ!!


そろそろ、マルチエンディングのアンケート締めます!

今後の展開。エンディング前に主人公以外の視点のBパート。既に展開したストーリーの別視点です。他キャラの内心描写等

  • Bパートを先にやっていい?
  • まずエンディング後でええやろ?
  • いや、いらんやろ。
  • 日常回の外伝はよ!
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