はじめまして、私のエヴァンゲリオン   作:siriusゆう

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シークレットエンド。
この話は、マリを含め皆とのお別れになります。

それと、主人公はその設定や、作られた性質上バイセクシュアルであります。


苦手な方は、ブラウザバックでお願いします!


命の選択を 〜ヒトの形、ココロの形〜

マリの姿が脳裏によぎった瞬間、ふと自然に言葉が口をついて出る。

 

 

マリ、ごめんね。と

 

それは意識もしていない事だった。

そしてその言葉は世界を覆い、私の中に響き渡ったのだ。

 

 

 

それを自覚した時、私の瞳が熱を持つのを感じる。

 

しかし、涙は流さない。

これは私が決めたことだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

私達の戦い。

それは他人から見たら、きっと一瞬の事だったのだろう。

虚構と現実が合わさった時。

心の中での戦いは、現実での決着となっていた。

 

 

唖然とした私は宙を回転する槍の柄を見つめ、流れを追う。

 

弾き飛ばされた槍は、大きく空中を回転し、その矛先を地面へと沈めた。

 

 

私は、自らが乗るMark7の両手を見つめる。

 

 

 

 

 

 

その手の中には、アルベスの柄が握りしめられている。

 

 

 

視線を、地面に刺さる槍へと移す。

刃を土の中へ埋めるカシウスの槍がそこには有った。

 

 

 

『何で、何で僕は大事なときに限って!!』

インダクションレバーを殴り、自身への怒りを顕にするシンジ君。

そんな彼は俯き、肩を震わせている。

 

 

『私は、これで良かったと思っています。

だって、これは私の我儘だから。

お互いの我儘をぶつけ合った結果、私の方が頑固だったって事なだけ。

だから、自分を責めないで…。

私が貴方に願うのは、皆の想いに向き合って欲しいと言うことだけです。それがどんな結果でもね。』

 

涙を流しながら、私を見つめるシンジ君。

その視線を受け止めながら、カシウスの槍を手に持つ。

 

2本の槍を携えて、翼を羽ばたかせる。

 

『私、皆に出会えて良かった!!』

この一言をATフィールドに乗せて広げていく。

さよなら、それは別れの言葉。

 

 

 

急上昇し加速する私。

 

 

朱い月を見据え、これ迄の道のりを思い出す。

 

実際に一緒に過ごした時間は、私の人生の半分にも満たなかったけど、確かに愛情を注いでくれた家族。

 

会えるなんて、思ってもいなかった人達との楽しかった日常。

 

辛かったけども、けして忘れたくない戦いの記憶と、それに携わった人達の事。

 

そして、彼女と一緒に見た火星の夜空。

 

 

喜びも、怒りも、哀しみも、満足感も、生も、死も、愛も。

全てを飲み込んで、私の意識は世界を覆う。

 

 

私の元へと飛来してくるロンギヌスの槍。

 

 

ムーンセル・オートマトンにより導かれた私の思考は、確実性に欠ける新たなインパクトで無く、別の答えを選択する。

 

 

 

カシウス、ロンギヌス、アルベス。

それら(希望)(絶望)(意識)が一つに成った新たなる槍の創造。

最果てへと至る槍、聖槍アルベス。

 

一つとなった、槍を掲げ、その矛先を奴に向かって振り下ろす。

三千世界より来たりし幾億もの槍が姿を表し、アザゼルの肉体へと音速を超えて迫る。

 

もはや大瀑布となった大量の槍は、奴が生成した触手やアポストル達ごと飲み込んでいく。

 

 

 

 

 

月の様な巨大な肉体すらも脱ぎ捨てようと、エヴァ並の大きさをした影が藻掻くように外へと出てくる。

 

 

それはまるで資料で見た4号機のような姿をしている。

 

 

アザゼルがリリスへと到達する前日。

奴は、人知れずエヴァ4号機を乗っ取り、ネルフ本部へと進行した。

度重なる使徒との戦いにより疲弊し十分な迎撃が出来なかったネルフは、リリスと、4号機に乗り移っていた奴との融合を阻止できずニアサードインパクトが発生してしまった。

 

その際奴は、所詮仮初の肉体であったエヴァ4号機を捨て、新たな肉体を創り出した。

 

その4号機が今、Mark7へと存在を変えてアザゼルを追い詰めている。

 

 

4号機のコアに有った魂は、汚染されてはいたが確かに存在していたのに、新生する際に奴はその魂を見捨てていた。

それがMark7の事故の原因であり、

アザゼルの残り滓と私が称したモノの正体。

 

それもまた、アルベスの槍という存在に姿を変えて奴を追い詰める要因となっている。

 

 

今、そのMark7と、アルベスの槍と一つに成った私は、巨大な肉体から抜け出そうと、地を這い藻掻く奴を見下ろしている。

 

魂の切符を渡した際、彼が保険の為に私へと移したネブカドネザルの鍵が、漸く馴染んだ。

量子テレポーテーションを使い移動した私。

 

 

私を見上げる奴の顔を見つめる。

 

 

そして私は槍を振り上げる。

 

ふと、奴の顎部が動き表情を変える。

それはまるで私を嘲笑っているかの様に見える。

 

 

身体へと走る衝撃と激痛。

足元から生えた鋭利ないくつかの触手が、私の機能中枢を貫いている。

 

口元から溢れ出る血液。

 

 

勝ち誇った奴の顔を見据え、冷たい視線を送る。

最後まで、奴は自分の事しか考えられなかった。

4号機のコアに触れて、ココロを持った奴だが、結局は考え方を改めることなんか出来ないようだ。

 

 

振り上げた槍に力を込める。

 

「三千世界に、その魂の屍を晒せ!」

 

怯えるように、その身体を震わせ、逃げようと自らの肉体を切り離すアザゼル。

しかし、もう遅い!

 

「逃げ場なんて無いよ。ここが貴様の終焉だ。」

繰り返しも輪廻転生も無い。正真正銘、これが終わりというやつだ。

 

逆手に持った槍を振り下ろす。

矛先が奴へと突き刺さった瞬間、聖槍アルベスは真価を発揮する。

 

奴の存在を、多重次元に至ってまで、未来永劫消し去る変わりに、私の魂も消滅する。

 

光に包まれる感覚。

その先の不安は無い。まるで、眠りにつく直前のような気持ちだ。

 

 

マリ。ごめん、ありがとう、愛してた。

 

 

私の瞳が降りる瞬間、私はワタシから切り離される。

白に覆われた世界で、離れていくワタシへと手を伸ばす。

しかし、そんなワタシは私に優しい笑みを浮かべるだけ。

 

 

遠のくワタシ。

 

落ちていく意識。

 

 

 

 

…。

 

 

次に目が覚めた時、私は赤い水の中にいた。

身体を起こし、水の中から勢いよく出る。

 

立ち上がり、辺りを見回す。

 

赤い海、そして白い砂浜。

 

 

遠くには崩れた巨大な綾波さんの顔が、存在感を発していた。

 

 

 

 

散策する私だが、何も見つけられない時間が続く。

 

砂浜を歩く私の目の前に、横たわる人影。

漸く見つけた人の姿に嬉しくなる私。

 

 

駆け寄った私は、その人物の様子を観察する。

上下する胸元。

良かった…、生きてる。

 

安堵し、その人物の頭を持ち上げ、自らの太腿へと乗せる。

 

 

 

何でだろうか?どうして私はこんな行動を取っているのかな?

疑問に思うも、膝枕くらいは良いかと思い直す。

 

 

 

 

早く起きてくださいね、見知らぬ誰かさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢を見ている。

寝る前に読んだエヴァの二次創作の影響なのか、その夢には真希波・マリ・イラストリアスが出てきた。

 

彼女は自分を見据え、何かを喋っているが、その内容が頭に入ってこない。

そんな自分の状態を把握したのか、肩をすぼめる。

 

 

そして寂しそうに笑う。

 

唐突にマリに突き飛ばされる。

身体が落ちる瞬間、聞こえてきた言葉。

今度はやけに鮮明に理解出来た。

 

「…ななちゃんを、ユウカをよろしくね。」

 

そう彼女が言っていたのは確かだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだろう、何か硬いような、柔らかいような感触が頭に。

目を開くと、そこには一人の少女の顔がこちらを覗いていた。

 

金色の瞳。

茶色の髪の毛。

物凄く整った顔。

日本人のハーフかクオーター。

そんな感じの美しい少女。

 

 

「起きましたか?バイタルは正常のようですが、気分が悪い所とかありますか?」

そう声をかけてくれる、その少女。

 

どこかで聞いたときが有る声だ。

アニメの声優の声に似てる気がする。

 

周りを知覚すると、膝枕されている自分が…。

 

驚き、身体を起こす。

そして声を出そうとするが、声が出ない事に気がつく。

 

そんな姿を見て、目の前の少女がこちらを観察するように見つめる。

 

「ATフィールドが定着しきっていないのですね。しばらくしたら喋れるようになると思いますよ。」

 

…ATフィールド?

ATフィールド!?

え、どういうこと?

困惑する自分に、少女は微笑みながら話す。

 

「ATフィールド。ご存知なんですね?

うん、うん。…そっか、マリがアナタを。

…ごめんなさい。少しだけアナタの記憶を覗かせて貰いました。

それにしても、こんな事があるんですね。

あ、えっと、はじめまして?長門ユウカです。

…。

でも、アナタは私の事を知っているみたいですね。

ふふっ、まさか、私が二次小説の登場人物なんて。」

驚いたように表情を変える彼女。

 

 

え。

ドッキリ?いやいや、こんなドッキリ誰がするの。

二次の登場人物ドッキリなんて…

 

そう考えを巡らす自分に、ドッキリじゃないですよ。と思考を読み、返事をする彼女。

しかし、その口は動いてなく、耳から聞こえた声でもない。

頭の中に聞こえてくる不思議な感覚。

 

…もしかして、テレパシー?

 

 

 

 

そんなテレパシーを通じ、やり取りをする自分たち。

 

この世界から外へと出るためには、自分が彼女のパイロットになるしか無いとのこと。

 

今の、魂の欠けた彼女には、自身のエヴァとしての機能を十全に発揮出来ないそうだ。

だからパイロットが必要なのだと…。

 

 

ここから外に出たら何処へと行き着くのか。

元の世界に帰れるのかを聞いた。

 

その質問に対して、彼女は申し訳なさそうに答える。

「この世界から、そう遠くない次元世界に出ると思います。

今の私とアナタのシンクロ率では、多分元の世界へ戻ることは出来ません。

あの、ですが、いずれシンクロ率が高くなれば帰ることもできます。

私にはその機能が有りますから、安心してください!

それにシンクロをしていれば、歳も取らないですし!」

引きつった笑み。

自分でも無茶苦茶な事を言ってると自覚しているようだ。

 

でも、まあ仕方ない。

 

 

こんな世界から近い次元ってなると、もしかしてエヴァの世界かな?

 

まさか、自分がエヴァの…

彼女のパイロットになるだなんて。

 

 

 

パイロットになるという決意を彼女へと送る。

 

それを受け取り、笑顔で手をこちらへと差し出す少女。

同性、異性どちらから見ても可愛いと思えるような彼女に微笑まれると、少し気恥ずかしくなる。

 

自分へと差し出される手を、握り返す。

その瞬間、自分はエントリープラグの中で座っていた。

 

 

凄い。

エントリープラグだ!と感動する。

 

慣れないLCL。

そしてシンクロする自分と彼女。

 

外の景色が映ると同時に、自分の感覚が広がっていくような感じがする。

全能感と、暖かさが自分の中を駆け巡っていく。

 

 

成功の実感。

緊張していた自分が安堵するのを知覚する。

 

ふと、彼女の事を知った二次創作小説の題名を思い出す。

彼女にとっても想い出が有るであろう、あのセリフを自分も言ってみる事にした。

今なら声も出そうだ。

 

 

はじめまして、長門ユウカさん。

「はじめまして、私のエヴァンゲリオン。」

 




これにてマルチエンディングも終了になります。
皆さんの思っていたマルチの感じとは違うかもしれませんね(汗)

最後に登場してきた人物は、読者さんでもよいですし、見知らぬ誰かでも、良いです。

男性、女性どちらでも構わないですし、くっつく、くっつかないも皆様の自由。

そう、皆様のココロのままに。


今までお付き合い頂き、ありがとうございます!



外伝、bパート、後日談をもしかしたら書くかも?
あとは私のモチベ次第かな?
ひとまずは、もう少しだけ後日談を一部書こうかなとは思っています。
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