はじめまして、私のエヴァンゲリオン   作:siriusゆう

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赤い少女は幼女の夢を見るか?

エヴァMark7は次世代型のテストベッドとして開発されたが故に、他のエヴァから大きく規格が外れている。

その最たるものとして、物質の生成と侵食というものがある。

それらは無機物、有機物を問わずに行えると説明されていた。

 

 

実際にどのような原理で行えるのかは、私には解らない。

赤木さんは知っている様だが、説明をする気は無いのだろう、聞いてもはぐらかされてしまう。

備わっている筈の機能を使うことが出来ないのは、私の能力不足であることは明白なのに、赤木さんやミサトさんから、これといったアプローチが無いのは何故なのだろうか。

 

 

 

 

ここ最近のシンクロテストは実機で直接行われている。

しかも、チルドレンは私だけ。

 

それに、ケージの中の照明が落とされており、周りが殆ど見えない環境となっている。

これって本当に、ただのシンクロテストなのだろうか?

 

 

そんなことを考えていると、テスト開始の合図をする赤木さんの声が聞こえる。

それと共にプラグ深度が、段々と下げられているのを実感出来た。

 

 

近づいていく私とエヴァMark7。

 

 

不思議な一体感。

暖かく、穏やかで、欠けたものが補われていく。

 

居心地が良い。

何時までもシンクロしていたいと思える。

 

 

じわじわと私の中でナニカが広がる。

それと同時にココロが暖かくなっていく。

 

これ以上は広がらない、そんな限界を越えたくて、私はさらに深く潜る。

 

そして私は壁を1つ越えた。そんな確信があった。

微睡みに似た感覚を覚えると同時に、私の脳裏に唐突に、あるイメージが浮かんでくる。

二重螺旋構造の何か。私はそれを見て美しいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

マリと少し遅めの朝ごはん。

今日は私達が非番の日だ。

紅茶を二人で飲みながら、ゆっくりとした朝を過ごしていると、タブレットをいじっていたマリが奇声を上げる。

何処か喜びの混じった声。

 

そんな声を聞き、疑問に思った私はマリへとどうしたのかと問う。

 

その答えを聞き、私は驚愕した。

「8号機とMark9が完成したの!?」

いつの間に!と驚きを顔に貼り付けた私にマリが答える。

「そうみたいにゃ!や〜っと、8号機に乗れる。」

マリの視線は未だにタブレットに釘付け。

 

「マリちゃん、ほんと好きなんだね、エヴァに乗るのが。」

微笑む私の瞳に、マリの満面の笑みが映る

 

「あたり前田のクラッカー!ななちゃんも好きでしょ?エヴァに乗るの。」

楽しみで仕方ないという笑顔。まるで子供みたいと、思う私であった。

 

 

 

 

マリから詳しく聞いた、新しくロールアウトされた2機のエヴァ。

 

エヴァ8号機、S2機関搭載型エヴァンゲリオン。

[主機直結型超電磁砲アダド]対応機。

フィールド偏向制御装置を標準装備とした後発正規実用型。

 

エヴァMark9、S2機関搭載型エヴァンゲリオン。

[ヴェルテクス飛行ユニット]装備空戦対応機。

8号機と同様にこちらも、後発正規実用型。

 

両機とも正に次世代型エヴァンゲリオンというべき代物だった。

 

 

 

 

 

 

 

食堂でハムカツサンドとトマトサラダを食べた後、マリと一緒に来たのは第三ケージ。

エヴァ8号機を格納しているケージとのことだ。

 

 

昨日出来たばかりの出来立てほやほやちゃん。

ピンクのカラーリングがチャームポイントである。

 

「いや〜、さっきりっちゃんにさぁ、さっさと乗せてってモーニングコールしたんだけど、出来るわけないでしょってズンバラリン。

んじゃあ乗れないなら〜、ベイビーに一目お会いしないとっ、てね!」

 

うん、まあ完成したのは夜中とかだと思うからね。

休ませてあげようよと思いながらも、実物を見た感想を伝える

「ピンク色なんだ、8号機って。」

 

「違うのは色だけじゃ無いにゃ!

後期開発型テストタイプのMark7のデータを反映させた、ななちゃんの愛が詰まったパーペキなエヴァンゲリオンよ!」

8号機の前で腰に手を当て、こちらを見るマリ。

 

自信満々な表情も似合うな〜。

でもそんな事を自信満々に言われても。

まあ悪い気はしないけども…

 

若干の照れを隠すように、ニコッと笑いかける私。

それを見て、衝撃を受けたようにのけぞるマリ。

 

「っ!これが天使っ!…ちゃ〜んす。」

マリが言葉を続けながら、顔を私から背ける。

 

…チャンスってなんの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘訓練。

私達の場合は、自身の体を使う戦闘訓練ももちろん行うが、1番カリキュラムが多いのがシミュレーターを使ったエヴァでの戦闘訓練。

こう言っては緊張感がなく聞こえてしまうが、正直ゲームみたいで凄く面白いのだ。

 

なにせ、この世界は碌にゲームが無い。

理由は単純で、セカンドインパクトが有ったからだ。

 

セカンドインパクトの復興は私が思っている以上に大変だったのだろう。

ゲーマーだった私としてはちょっと寂しい。

 

そういう訳で、私にとってシミュレーターの戦闘訓練はシンクロテスト並みに楽しみな時間である。

 

 

 

それで今日はシミュレーターでの戦闘訓練を行う。

ミサトさんを前にプラグスーツ姿で並ぶ私達は、訓練内容の告示を待っている。

 

「さてと、今日の訓練内容を発表するわよ。

今日はなんと、これ!

…エヴァでの1on1。シングルコンバットよ!」

わざわざ用意したのか、小さいホワイトボードを掲げ、内容を読み上げるミサトさん。

 

 

それにしても、シングルコンバット!?一騎打ちってこと?

 

そんなミサトさんの発表に、待ってましたという表情のアスカ。

確かにアスカは強そうなイメージがある。

 

てか皆、結構余裕が有りそうな表情をしている。

不安なのは私だけなのかな?

 

 

「んじゃ、早速。1番手やりたい人〜?」

とミサトさんが腕を組みながら笑う。

直ぐに挙がる赤いプラグスーツの手。アスカだ。

「はいは〜い!私がやるわ!」

 

「それじゃあ皆、アスカの相手を順番にやっていってね。」

 

 

うっ。いきなりアスカが相手か〜。

私、対人戦なんてやったときないんだけどな。

 

 

 

今回の訓練にはルールがある。

特殊な武装は使用禁止。

飛行ユニットは飛行以外では使用可能。

武装は自由。戦場にある物は何でも利用可能。

 

 

 

 

現在はアスカとマリが戦っている。

既に綾波さんとカヲル君との試合は終わり、両試合共にアスカの勝利となっている。

 

 

カヲル君が負ける所を想像が出来なかったが、見学してる感じでは、アスカの方が強かった様に見えた。

 

 

マリはライフルや短銃等を使用して上手い具合に距離を取って戦っているが、アスカの方が上手な様だ。

遠近どちらも戦える二人だが、近接戦闘ではアスカが、遠距離戦闘ではマリが強い。

 

だがATフィールドがある時点で、必然的に中和範囲での戦いになる。

故にある程度は距離が近くなるということだ。

 

AT弾等の特殊武装は禁止されているため決め手に欠けるマリが不利。

それにアスカの反応速度が早い。

 

回避する8号機だが、上手く合わせた2号機により、大剣で足を切り飛ばされた。

巨大な剣を匠に操り、盾としても活用するアスカの戦闘技師には眼をみはる。

 

それにしても、とんでもない剣である。

剣というにはあまりに無骨すぎるよ。

 

 

 

 

 

マリの敗北。

次は私の番だ。シミュレーターだから痛みはかなり抑えてるみたいだけど、正直すごく緊張する!

 

「ふふふ、ちゃ〜んと優しく、撫でてあげるわよ。」

不敵に笑うアスカ。

 

 

怖いっ。

逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ!

 

 

 

ミサトさんが送る戦闘開始の合図とともに、こちらへ疾走する2号機。

その手にはいつの間にかソニックグレイブを持ち、既に振りかぶっている。

 

ヤバい!意識が逸れていた。

私は、ATフィールドを推力へと利用して前へ出ると同時に、足を滑らせ広げながら腰を落とし2号機の懐へ。

 

その勢いのままに掌底を繰り出す。

掌底と共に溜めていたATフィールドを、2号機を抉る様に展開。

砕けた装甲を撒き散らしながら吹き飛ぶ2号機を追撃する。

 

苦し紛れに突き出すソニックグレイブへと合わせ、しなやかに腕を絡めながら相手の力を利用して、柄を折り、勢いに押され流れていく刃を逆の手で掴み、2号機の前腕へと叩き込む。

 

そのまま地面へと、腕を掴んで叩きつけ、刃を押し込み縫い付けるように力を込める。

 

叩きつけた反動を使い、そのままMark7で宙を舞う。

反転する私の視界。

視線を地に縫い付けられた2号機へと移す。

 

そして私は、多重ATフィールドを使い押し潰した。

 

 

 

着地して、すぐさま体勢を整え、身構える。

 

…。

 

 

あ、あれ?アスカ?

 

 

 

 

 

 

 

 

エヴァンゲリオンMark7。

 

多重ATフィールドを複数展開し、S2機関を搭載し、強化素体を使用し、フィールド偏向制御装置と飛行ユニットによって機動力を強化された機体。

 

 

飛行ユニットを使ってないにしろ、あまりにも強過ぎる機体性能により、シミュレーターでの戦闘訓練はMark7による無双モードになってしまった。

 

 

ATフィールドがある限り、近づくことも傷をつけることも出来ない。

それがエヴァや使徒の戦い。

 

多重ATフィールドを複数展開出来るMark7は、もはやバランスブレイカーと言っても過言では無い。

更に波長を変えることが出来るため、ATフィールドの中和は困難を極めるのだろう。

 

 

 

う〜ん。それにしても、カヲル君は戦い辛かった。

何を考えてるのか少しも読めないし、終始凄く余裕そうな感じを受けた。

 

今も飄々と立っている。

 

 

綾波さんは近接戦闘が苦手なようだ。

組み手とかの生身での戦いは強いのに。

 

今は、無表情で佇んでいる。

 

 

マリは私のインターフェイス・ヘッドセットの位置を、ああでもないこうでもない、と弄っている。

マイペースが過ぎませんか?

 

 

アスカはイライラしたように腕を組んで目を瞑っている。

プライドが高いから、やっぱ怒ってるのだろうか?

 

 

 

ミーティングを終えると、アスカが私の前に立つ。

 

見おろされる私。

 

だが、直ぐに目線が合う。

何故ならアスカがしゃがみ込み私に目線を合わせたからだ。

 

「あんた、やるじゃない。

私の動きに合わせて踏み込んで来るなんて。

少なくとも、今まで戦闘訓練を受けた事の無い人間に出来るとは思わなかったわ。

それもこんな小さいガキがね。

…言い訳はしないわ。…私の負けよ。」

一方的に、淡々と私に伝えるアスカ。

そして私の頭を優しくポンポンと触り、

その後直ぐに立ち上がり、歩いていく。

 

 

 

…もしかして、褒められたの?アスカに?

 

驚き、立ち尽くす私の後ろで、ほうほう、これは面白くなって来た、とマリが呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

あの訓練の後より、マリが部屋に帰ってくるのが少し遅い。

しかも帰ってくると少し疲れたような表情を見せている。

 

マリは、今日も少し遅く帰ってきた。

お風呂上がりで髪をほどいている。

 

借りたマリの本を読みながら布団に横になっている私を抱き上げ、マリは自分の膝の上に私を座らせる。

「はぁ、ちかれたび〜。」

くたびれた様子のマリ。

 

「おつかれさま。訓練、また今日も長引いたの?」

大体こう遅い日は、私の居ない格闘訓練の日が多いようだ。

 

「うん、まあ、お姫がね。なんか気合い入っててさ〜。シミュレーターを使っての自主練ってやつをちょいちょい。」

 

ん?自主練!?

「え!?マリちゃん!自主練って出来るの?」

驚いた!まさかシミュレーターを使った自主練が出来るなんて!

そんな目を輝かせる私に

 

「ななちゃんは、残念ながら出来ないにゃ!

子供に必要な休息を取るためにって、リっちゃんが禁止してたからね〜。」

ガーン!!

うう、理屈はわかるけど、酷いや赤木さん。

 

そっかー。

でも、色々考えてくれてるんだな。

 

 

むふむふと私の髪に顔を埋めるマリに、今日は好きにさせようと思うことにした。

 

 

 

 

 

少しずつ回数が増えてきた、国連御用達エヴァの宅急便。

宇宙への物資配達が主な任務。

人工衛星や宇宙ステーションのパーツを運んでいるが、宇宙ステーションとは違う巨大な建造物も立てているみたいだ。

 

他にも通常の人工衛星よりも大きく、宇宙ステーションよりも小さい物なんかも。

 

 

多分パーツから見るに、兵器関連だろう。

宇宙にも防衛設備を配備するだなんて、SF好きとしては興奮してくるシチュエーションだ。

 

 

最近の宅急便は、私一人ではないから運べる物資もかなり増えているのだ。

 

そう、エヴァンゲリオンMark9。綾波さんである。

オレンジをベースにしたモノアイのエヴァ。

少しメカメカしくなったエヴァ0号機のような見た目。

 

モノアイのロボットは私の好みだ。凄くカッコイイ!

 

 

 

 

二人で宇宙を進みながら、原作の事を思う。

 

今、この世界を生きると誓ってからは、原作の事をあまり考えないようにしてきたが、軌道エレベーター、宇宙ステーション、宇宙に配備される戦力を見ていると、新世紀エヴァンゲリオンの更にその先を想像してしまう。

 

まさに私がいる世界は、その先の世界。

しかしアフターEOEでも、アニマでも、新劇場版Qでも無い。全く新しいエヴァンゲリオン。

 

その物語を紡いでいくのは私達、この世界に生きるすべての人達なのだ。

 

 

 

 

「長門さん、見えてきたわ。」

綾波さんが見る方向にそれはあった。

 

…え?なにあれ?

 

宇宙を飛び作業をする、複数いる少し大きめのロボットと…

完成しつつある巨大な建造物。

 

まさか、これは宇宙要塞!?

ここ、スパロボの世界じゃないよね!?

 

驚くとともに、興奮してしまう。

 

 

無感情な綾波さん。驚かないのだろうか?

 

「?わからないの。こんな時どうしたらいいのか。」

 

「えっと、わーおって言えば良いと思うよ。」

 

……

「わーお。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の夕食は、皆で一緒のご飯だ。

 

その際に今日見た、宇宙要塞の事について話をした。

アスカとマリは驚いているが、カヲル君は微笑みながら聞いているだけ。

カヲル君に驚かないのか聞くと意外な答えが返ってきた。

 

「宇宙要塞ってなんだい?」

あぁ、そうか。そもそも知らなければ驚かないよね。

 

 

詳しく説明するも驚く様子は無い。

いや、何処か嬉しそうだ

「リリンは常に進化を模索してきた。少しずつ行ける場所を増やし、その場を自分達のテリトリーに変えていく。

これはその延長線上での出来事でしかない。そう思わないかい?

驚きはしないけども、感心はしているよ。」

 

わーお。カヲル君の淡々とした感情にビックリだよ

 

「そうだね。人間黙ってたって、なんの良いこともないってね。

幸せは歩いてこない、だから歩いてゆくんだね〜て言うじゃん?」

マリは、カヲル君の答えを肯定しながら、両手を頭の後ろで組み天井を見上げる。

 

そっか、これも進化の形なのか。

 

 

 

 

 

 

 

それから数日が過ぎ、今日の戦闘訓練は1on1。

二度目のシングルコンバットのシミュレーション訓練だ。

 

なんかMark7に制限でもかけるのかと思っていたが、ミサトさん曰く、

「そんなのかけても訓練にならないでしょ?壁は高い方が良いのよん!」

らしい。

 

 

進んでいく訓練。私は既に綾波さん、カヲル君に勝ち星を収め、マリと戦っている。

 

 

銃撃を混じえながら接近してくる8号機、それをフィールドで吹き飛ばし、空中にいる相手にこちらからも短銃を全弾撃ち込む。

8号機の頭に吸い込まれて行くように走る弾丸。

だがフィールド偏向制御装置を利用して体勢を変えることによって避けられる。

 

着地する8号機。

「にゃろ〜う。フィールドかったいな〜。」

 

そう呟き、パレットライフルを構えこちらの頭に狙いを定める。

 

そんな8号機に、私は右手の平を見せる。

マリの視線の先に右手を置き、手の延長線上に多重ATフィールドを小さく何枚も展開。

 

困惑するマリに間髪入れず、右手の位置を少しも変えずにエヴァの体を左に傾け、足に力を入れて疾走する。

頭部への狙い故に、私の動きに遅れて反応するマリ。

銃制御を揺さぶる様に、機体を射線の反対側へと動かしていく。

 

防御用のフィールドは最低限に、攻撃用のフィールドに力を貯めておく。

 

 

パレットライフルを蹴り上げ、左足のみで跳躍。

空中で体勢を整え、8号機の上がった右腕を拘束しながら宙返りをする。

見上げる8号機と視線が交じわる。

宙返りの勢いとフィールドによる推力を利用して、拘束した右腕をねじ切る。

 

咄嗟に千切れた右腕部分を抑えてしまう8号機の頭へ向けて、左手を銃の様に形作り構える。

 

伸ばした人差し指と中指、少し開けた隙間の中に歪む圧縮したATフィールド。

それを見据えるマリ。

 

「ななちゃん、」

ア・イ・シ・テ・ルと口を動かす。

 

圧縮したATフィールドを撃ち込む。黒く変色したフィールドが8号機の頭を撃ち抜いた。

 

 

いや…これ、訓練だよ?

 

 

 

 

 

 

 

いや〜、負けた負けた。と頭を掻くマリ。

次はアスカだ。

 

どんな戦いになるのか?

前回は緊張していたが、少し楽しみを感じる。

 

 

 

 

 

戦闘開始!

そんかミサトさんの合図と共に、突撃してくる2号機。

 

私は叩きつける様にフィールドを展開し迎撃する。

そのフィールドを横に飛び回避する2号機は、続けざまに薙ぎ払う様に手を振るう。

 

っ!ATフィールド!?

 

2号機の攻撃用フィールドを、多重展開したフィールドで受け止める。

その間に2号機はもう一度、ATフィールドで空間を薙ぎ払う。

もう一度防ごうと防御用の多重ATフィールドを展開するが、2号機のフィールドは下にそれている。

 

 

接触する2号機のフィールドと地面。

 

同時に高鳴る轟音と、地面を走る衝撃。

割れた地面により、少し崩した体勢を立て直しつつ、前方を見渡すが砂塵により見えない。

 

 

上!?

僅かながら見える影に方向を察知する。

 

私じゃなきゃ、見逃しちゃうね。、なんて…

 

 

上からくる影を避けるように機体を動かす。

着地の直前を狙い、フィールドを攻撃するために溜める。

 

一撃必殺。そんな思いで圧縮したフィールドを撃ち出す。

 

四散する影、響く轟音と爆発!?

 

 

爆発?なんで!?

エヴァの持つ圧倒的な身体能力のフィードバックを受けてゆっくりと流れるように瞳が映す。

 

視界に入る戦艦の砲塔。

 

まさか戦場近くにあった戦艦?

 

 

周りを警戒するよりも早く、聞こえる風切り音。

とっさに回避行動を取るも、上腕から切り飛ばされてしまう右腕。

 

再度奔るプログナイフ。

なんとかナイフを持つ2号機の手首を、左手で掴み握り潰す。

 

しかし、畳み掛けるように力強く前進する2号機に、片腕では押し負けて体勢が崩れる。

フィールドで吹き飛ばそうとするも、赤い機体は既に視界の外にいた。

ゼロ距離。気づいた時には、後ろから首を締め上げられ、そして何かが折れる音がする。

 

 

停止するシミュレーション。

 

…負けたんだ。私。

 

 

 

 

 

 

今回の全勝はアスカ。

1番スペックの低い2号機を使っての全勝。

よく考えれば、前回も、他の機体よりスペックで劣っているのに勝ちを収めていた。

 

 

 

勝ちへの執念、精神力の高さ、冷静な判断力、相手の力を見抜く分析力。そして高い操縦技術。

 

これが、エースと言われた者の資質。

 

私はそんなことを考えながらアスカを見つめていた。

 

 

ミーティングを終えると前回同様、私の前に立つアスカ。

 

「式波さん。えっと、凄かったです!」

感動から出た言葉。

そんな私に

「あんたもね。ナイフで決めるはずだったのに避けられたわ。

…正直焦ったもの、腕を握りつぶされた時は。」

褒めてくれてる、アスカ

「でも組まれると、まだまだね。対応が雑なのよ!」

 

うう、反省点だ。

でもアドバイスか、嬉しいな。

あはは、と笑いながら私はお礼を言う、

「ありがとうございます!式波さん。」

 

顔を逸らすアスカ。すこし頬を染めている。

「私のこと、アスカで良いわよ。」

おお、やったぁ!

 

「わかりました!アスカさん。」

喜ぶ私の頭を乱暴に撫でながら。

「アスカよ!ア・ス・カ!呼び捨てにしなさい。私も呼び捨てにしてんだから。

後、敬語も禁止!」

 

「え?あっ、うん。わかったよアスカ。」

アスカがデレた!

と感動する私だが、

 

その後ろでやり取りを聞いていたマリが、

「くっ!またしても、ななちゃんが寝取られるなんて!まさかのお姫!」

と崩れ落ちていた。

 

そんなマリに怒りの表情で詰め寄り、目の前で仁王立ち。

「コネメガネ!アンタねぇ、子供の前で変な言葉使うなって言ってんでしょ!

ほんとつくづくウルトラバカね!」

 

この二人も仲いいね!

 

 

そんな二人に近づき食堂へ誘う。

先に歩いていた綾波さんとカヲル君にも声をかける。

 

 

五人で食べる夕食。

みんなカツ丼だった。最高だよねカツ丼。

 

 

綾波さん、ここの食堂に大豆ミートのカツ丼なんて有ったの?

 

 

え?

 

カツ丼のとんかつ抜き?

 

 

……なんかごめんなさい。




読んでくださり、ありがとうございます。
オリジナル武装を出しました。
もしかしたらいつか、武装や機体の設定とかをまとめて書くかも、書かないかも。

初戦のアスカはかなり油断していました。
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