はじめまして、私のエヴァンゲリオン   作:siriusゆう

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一部、紳士の方に謝ります!
期待させてごめんなさい!!m(_ _)m

許してくだされ!


〜破〜
嚆矢濫觴


穏やかな風、暖かな光が差し込む、湖畔にあるベンチの上で、小型のキーボードを打ち込み端末へ情報を入力していく。

 

 

ここはジオフロント内に人工的に作られた場所。

気温、水温、そして気流までもが管理されている空間。

この陽射しすらもまやかしでしかない。

 

 

人類補完委員会か将来を見越して進めているMプラン。

その為に創られた世界。

 

 

 

私はこの環境が好きだ。

例え人の手によって創られた物だとしても、そこには暖かさがある。

 

データを入力しながら、何気なく端末に映る日付を見る。

 

そうか。

私が人でなくなって丁度7年が経つのか。

 

 

 

 

 

新生日

 

勝手にマリが作った記念日だ。

 

あの時は、もう成長する事が無いという、説明のしづらい現実を想像して、たまに顔を合わせる家族へどのように説明したらよいのかと、頭を悩ませていた。

 

 

しかしそんな悩みを嘲笑うかのように、すくすくと成長していく私の肉体。

 

この躰を構成するナノマシン型の細胞は、私に眠る人の遺伝子を読み取り、成長させていっているようだ。

 

都合のいい奴。と自分の躰に内心で語りかけた。

 

 

 

 

無機物、有機物に変化し自己増幅と侵食機能を有したナノマシン細胞。

 

それは光のような波と粒子の性質を併せ持つ。

表向きにはエヴァが持つ特有の因子によって制御可能なナノマシンとして、世間に知られている。

 

レガリア細胞という名前で。

 

 

しかし、その正体は第13使徒アザゼルの細胞が、人と混じり合って出来た代物だ。

 

 

 

 

…レガリア細胞の事を考えていたら、手が止まっていた。

 

今日中に、新しく来る作戦部の新人さん達の為に、エヴァの簡易資料完成させないといけない。

 

ある程度完成した資料を読み、間違いが無いかとチェックを行う。

 

 

 

 

 

 

 

〜部外秘〜

エヴァンゲリオンシリーズ簡易資料

 

エヴァ2号機改。

メインカラー︰赤

機能中枢は以前の2号機よりそのまま流用、大規模改修を行い素体の強化と、S2機関を搭載させた第一世代エヴァンゲリオン。

担当パイロットは式波・アスカ・ラングレー中佐

 

 

エヴァ5号機改。

メインカラー︰ダークグリーン

以前の使徒会戦において、第3使徒との戦闘にて自爆した封印監視特化型限定兵器 人造人間エヴァンゲリオン 局地仕様 仮設5号機の機能中枢を流用し、ほぼ新造に近いほどの改修を施したS2機関搭載の第一世代エヴァンゲリオン。

エヴァンゲリオン用強化外骨格・アイギス対応機。

担当パイロットは霧島マナ中尉

 

 

エヴァMark6。

メインカラー︰紺

旧ネルフ月面のタブハベースで建造されたエヴァンゲリオン。

製造方法、その他機体性能は、人類補完委員会の権限により開示不可となっているため、不明となっている。S2機関搭載型である事は確認済み。

担当パイロットは渚カヲル中尉

 

 

エヴァMark7レガリア。

メインカラー︰白亜

後発型実験機として開発された、エヴァMark7を改修し、レガリア細胞を全体に使用した、第二世代エヴァンゲリオン。

ヴェルテクスユニット改を搭載し、レガリア細胞の特異性である多重ATフィールドを展開できる、全領域対応型エヴァ。レガリア細胞によりすべての武装を使用可。

全身をコンピューター化させて演算機能を高めることにより、ソロモンシステムを使用する事が可能になる。

 

第二世代型の概要として、フィールド偏向制御装置とS2機関を建造段階から搭載した、後発機。

以降記載せず。

担当パイロットは長門ユウカ少佐

 

 

エヴァ8号機レガリアニコイチ型。

メインカラー︰ピンク

[主機直結型超電磁砲アダド]対応型、第二世代エヴァンゲリオン。

レガリア細胞素体を四肢に換装しているため、ATフィールドを同時に展開可能となっており、四肢限定ではあるが自己修復可能となっている。

レガリア細胞をエヴァに使用する際は、パイロットに特殊な適正が必要なため注意。

担当パイロットは真希波・マリ・イラストリアス中尉。

 

 

エヴァMark9。

メインカラー︰山吹色

ヴェルテクス飛行特化ユニットを搭載した第二世代エヴァンゲリオン。

素体接続式外部生体ユニット ヘカトンケイル、通称[ヘカトンケイルユニット]

ヘカトンケイルユニットにより増やした腕素体を直接改造し遠距離兵器とした[天使の背骨]を装備。

重粒子を弾丸とするため実質、残弾を気にせずに運用可能。

上記天使の背骨は、その性質上たやすく生産、換装が出来ないため、他エヴァンゲリオンへの装備は現実的では無いと明記する。

担当パイロットは綾波レイ大尉。

 

 

エヴァMark10。

メインカラー︰ガンメタリックグレー

第二世代エヴァンゲリオンとして開発されていたが、葛城ミサト准将の発案により、超弩級空中生体戦艦シャマシュの主機として運用される。

四肢を船体と直結させているため通常運用は不可。

回転座式エントリープラグを使用し、あらゆる体勢での長時間運用を可能にしている。

 

追記

空中生体戦艦シャマシュ:全長3000メートル、最大幅400メートル

 

レガリア細胞を使用して、廃棄されたエヴァの残骸を再利用しキールを作成。

船体構成はエヴァの素体を流用した生体4割、機械6割となっている。

 

動力

エヴァ4機分のS2機関を搭載

 

艦載装備

簡易式超電磁砲アダド14門

天使の背骨2門

多連装ミサイルランチャー8機

広範囲ATフィールド中和装置エンキ

全対応艦載コンピューターシステム・ナブー

 

艦載機

下記参照

担当パイロットは山岸マユミ大尉。

 

 

エヴァMark11。

メインカラー︰藤色

特装型義足装備及びヴェルテクスユニット改を搭載した第二世代エヴァンゲリオン。

特装型義足により、水上・水中での運用に対応。

ヴェルテクスユニット改を使用して航空運用も可能。

刃状の両義足のため、地上運用に注意されたし。

担当パイロットは鈴原サクラ少尉。

 

 

エヴァMark12。

メインカラー︰黒

AIコンピューター会稽零式とダミーシステムを使用した自立稼働型の第二世代エヴァンゲリオン。

4本の腕を持つ、ケンタウロス型の機体のため、エヴァンゲリオン専用エアーキャリアー対応外となっている事に注意されたし。

 

 

エヴァンゲリオン・ウルフパック

メインカラー︰蒼銀

統合AIコンピューター・レギオンを使用して集団運用を最適化。

戦艦シャマシュに格納されるため、小型化する為に犬型のエヴァとなっている。

最大格納数12機。

狼の特性をインストールされており、命令はリーダー権限を持つ戦艦シャマシュにより行われるため、山岸マユミ大尉に一任される事に注意されたし。

無人運用をコンセプトとした第三世代エヴァンゲリオン。

 

 

エヴァンゲリオン・ウルトビーズ

メインカラー︰青

エヴァMark7レガリアをベースに、レガリア細胞によって複製し、エヴァMark7レガリアの搭載システム・ソロモンによる、遠隔操作によって運用する機体。

システムとシンクロによる操作のため、Mark7行動時は細かい戦術に対応出来ないため、注意されたし。

第三世代エヴァンゲリオン。

 

 

エヴァンゲリオン・フォロー4型シリーズ

メインカラー︰グレー

通常のエヴァンゲリオンと違い、生体部品を最小限に抑え、身体の大部分を機械化にすることによりパイロットに必要な適性を低くしている機体。

ダミーコアシステムを搭載し、パイロットの交換を簡略化。

パイロット単体運用では機械部品とのシンクロに大きな負担がかかるため、メインパイロットとコパイロットのデュアルシンクロにより、負荷なく操作可能となっている。

動力源はN2リアクター。

機械部品が多い都合上、S2機関は搭載不可。

簡易量産型をコンセプトにした第四世代エヴァンゲリオン。

 

 

エヴァ・フォロー4型Aタイプ

上記機体、地上砲撃戦特化タイプ。

上半身は通常タイプと差異がないが、下半身は車輪のついた4本の脚部となっている。

 

エヴァ・フォロー4型Bタイプ

航空戦を可能とした第四世代エヴァンゲリオン。

その性質上、パイロットの資質が高くないと操縦不可となっている。

航空能力をつけるため生体部品の割合を多くしており、細かな調整が必要な為、パイロット専用機での運用である事に注意されたし。

 

 

以上エヴァンゲリオンシリーズ簡易資料となる。武装については別紙参照。

 

 

 

 

 

 

 

 

…これで、良いかな?

 

 

私がまだ小さかった時、書類仕事なんてしたことが無かった。

 

本来、任務を終えた後は、その内容を書類にまとめる必要があるはずなのに、今までどんな任務を終えても報告書を書く必要が無かった。

 

それは全てのナンバーズがそうだった。

何故なら、作戦部のスタッフがそういう雑務をしっかりと肩代わりしてくれていたからだ。

せめて、少しでも私達の負担を無くそうという心遣い。

 

ミサトさんが上司で良かった…

 

 

 

 

昔の事を思い出しながら、上を見上げる。

 

映るのは人工の光と、ジオフロントの天井。

このヴィレ本部施設が出来たのは、今から3年程前だったか。

 

 

昔は階級なんて付いてなかったのに、ちゃんとした軍事組織となってからは階級も統一され、色々と変化もあった。

 

ヴィレは同時に研究組織でもあるし、司令の特色なのか、他の軍事組織よりも緩いところが有るから、独特な空気を持っている。

 

そういえば、チルドレンからナンバーズへと呼び方が変わったのも同じ位の時期だったかな?

いや、もう少し前だったか。

 

確か、エヴァフォロー型が開発され始めた頃からだったはず。

パイロットが増えすぎて番号を付けるのが大変だったからとか。

 

 

…エヴァフォロー型か。

あの頃は忙しかったな。

リツコ先生とマリと私で、一生懸命に開発したのが昨日のように思い出せる。

 

睡眠を必要としなくなった私はまだ良かったけど、リツコ先生なんかは常時寝不足が続いていた時期もあった程だ。

試作4機目でようやくの目処が付いた時は、技術部総出でパーティーを開いてしまったくらいに大変だった。

 

 

 

そういえば、誰だったっかな?

フォロー型Aタイプを、第四世代4型Aタイプだからフォーツーエーなんて呼んだの。

 

ミサトさんだっけか?

 

新劇場版のあれとは似ても似つかないのに、そんな呼び方って無いよ。頑張ったのにさ…

 

しかもその呼び方が定着しちゃったし。

 

 

 

その他にも、時間が無いからって、このヴィレ本部施設とジオフロントの再建、それとセントラルドグマの防衛の要であるバビロンシステムをレガリア細胞で作れだなんて。

 

委員会は何を考えているのか。

アザゼルの封印を防衛している設備に、アザゼル由来のナノマシンを使わせるなんて。

 

危機管理がなってないよ。リスクが高過ぎる筈なのに。

 

 

 

次々と脳裏をよぎる過去の思い出。

一つを思い出すと数珠つなぎの用に記憶が蘇る。

 

 

色々大変だったけど、楽しかったんだ、本当に…

 

 

 

 

 

携帯端末を横に起き、ベンチより立ち上がる。

 

 

湖畔を覗く私。

そこに映るのは私の顔。

そして、金色の瞳。

 

それは、ナノマシン型の細胞の弊害。

 

いつかリツコ先生にも言われた

もはや、躰全体がコンピューターのように成っているって。

 

 

ふと、目の前が真っ暗になる。瞼に触れる人肌。

 

「だ〜れだ。」

 

「誰だろうな〜。マナかな?それともサクラ?」

解っているけど、あえて答えない。

 

「ヒント。胸の大きな良いオンナ。」

自分で言うのか。それじゃあ私も

 

「う〜ん、長門ユウカって名前だったりしない?」

 

「むむ、確かにしっかりと育っておられる。

しかし、偽物の可能性も。

触って確かめるかニャ!」

視界を塞いでいた物が、下へとズレる。

胸を触ろうとする手をペシっと軽くはたく

 

「良いではないか、良いではないか。」

振り向いた私の前には、厭らしく手を動かす、眼鏡の少女。

真希波・マリ・イラストリアス

 

その少女が、出会った時から少しも変わらない姿でそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

人造人間エヴァンゲリオン。

 

それはパイロットに特殊な条件を求める対使徒兵器の名称。

セカンドインパクトの後に生まれた人間にしかシンクロ出来ず、素質の高い人間、適格者でしか動かすことが出来ない。

 

 

そのエヴァンゲリオンには心があると、パイロットは言う。

 

パイロットがエヴァを求め、エヴァがパイロットを求める。

その過程でエヴァからのアプローチにより、パイロットは、エヴァの求める姿になっていくのかもしれない。

 

誰かが言っていた、エヴァの呪縛。

 

 

初めて会って何年も経つのに、姿の変わらないマリ。

アスカも、マナも、マユミちゃんも、カヲル君も、綾波さんも、少しだけ成長しているが、年齢相応とは言えない若さを保っている。

しかし小さかった私とサクラは無事に大きく成長している。

 

 

 

 

隣で歩くマリを見ながら、目を細める。

本当に違いが無いのか、気になる…

電脳内に昔の写真を投影して見比べてみた。

 

…髪の長さしか変わらないや。

 

「そういえば、ななちゃん。

イスラエルの反乱がようやく鎮圧されたってさ。

ほんと連中も危機感ないよね。」

思い出したかのように話を振るマリ。呆れるように肩をすぼめている。

 

「エヴァフォロー型の実装のせいなのだろうね。

自分たちでもエヴァを揃えられる。

だから、自身の力だけでアポストルを撃退出来るであろうという勘違い。まあ、その考え自体が米国の差金だよ。」

 

「ヴィレへの依存が面白く無いと。

世界のパワーバランスに敏感な所は、本当にあの国は変わんないね〜。

イスラエルを焚き付けてヴィレの戦力を偵察するとは、しゃらくさいにゃ。」

 

「イスラエル周辺に配備していたフォロー型の全滅と防衛設備の全壊。

進んでいた第5次防衛計画が白紙だよ。ミサトさんも大変だ。」

 

「荒れてたよね〜。冬月先生もカンカン!」

 

「まあ、私達も少しだけやり過ぎたかな?」

 

「姫も、ななちゃんも容赦なく暴れたからね〜。

ついたアダ名が赤い悪鬼と、白い悪魔か…

味方からは赤き戦乙女と白衣の天使だってさ。」

にやにやと含み笑いをしてるマリ。

 

「やめてよね。そういうあだ名は好きじゃない。

…それにしても勿体ないよね。反乱に加担したとはいえ、フォロー型Bタイプの航空団の全滅は。

精兵である敵パイロットも処理命令なのだから、上の人達も容赦ないよ。」

 

「まあ反乱に加担した時点でギルティ。しゃあない、しゃあない。

そういえばさ、反乱の際に押収した、あのサメみたいな顔のエヴァはどうなった?」

 

「現在松代に移送して、精査中。

向こうの技術部に一任してるよ。

まあざっと調べた感じでは、第一世代のエヴァンゲリオンに近いみたい。」

 

「ほうほう!ってことはパイロットはどうするつもりだったのか…。宝の持ち腐れとはこの事ね。」

 

「アポストル侵攻まで、後どれくらい時間が有るのか分からないというのに頭の痛いことだよ。

最悪の場合は、日本以北とユーロ方面の防衛戦略にシフトする必要が有るかもね。」

 

「防衛プランCの33か…。そうなったらワンコ君補完計画の妨げになりそうだにゃ。」

 

舌打ちをする私。リリン同士の争いとかバカバカしい。

 

「あ、そういえばマスコミがまた、施設出入り口にたむろしてるって、サクランが言ってたよ。」

思い出したかのようにマリが話題を変える。

マスコミ?最近多いな

 

「サクラ?外に用事あったの?」

 

「ジャージくんが来てたから、送って行った時に見たらしいよ。」

 

「鈴原さん、また来てたんだ。ヴィレの採用試験に受かったんでしょう?」

 

「まあ、サクラン最近気落ちしてるから。」

 

「人を殺した。そのことに悩んでるんだね。」

 

「反乱鎮圧は急務だったとはいえ、まだ16歳。悩みもするか。」

 

人を初めて殺したのは、殆どの皆がそうだったと思う。

でもサクラ以外に悩んでいる人は居なかったな。

悩むのが普通なのに、私達エヴァパイロットは何処かハズレているのかもしれない、

 

 

ちなみに、私は何も感じることが無かった。

あったのは、将来の戦力が減ってしまった事への、残念という気持ちだけ。

 

段々と人だった時との差異が、浮き彫りなっていく。

 

 

傷ついたサクラに寄り添うことは出来る。

しかし、今の私にサクラを理解する事は、きっと出来ないのだろう。

 

 

 

 

 

 

マリと一緒に食堂の席へ着く。

 

私のご飯はかつ丼大盛り。

マリはローストビーフ丼。

 

本来、今の私は食事をする必要がない。

しかし、私が人で無くなったのは最高機密となっている。

 

 

だから、これはアピールみたいなものだ。

 

カヲル君と同じく、人であると周りに認識させる為の行為。

 

人から外れた行動は少しでも取らないように注意されている。

だから寝れなくても夜は部屋にいるし、食堂も利用する。

排泄物は出ないのに、たまにトイレにも行く。

汗はかかないから、あまり運動はしないようにして誤魔化している。

 

 

それにしても、かつ丼。うまうま…

消化の機能が無いから飲み込んだ物は、これもレガリア細胞を使い分解処理をしている。

 

それ故に、私は周囲から結構食べると認識されている。

まあ、食べても全然お腹が膨れないからね…

 

かつ丼に舌鼓を打っていると、頭の上から声をかけられる。

 

「ホント、色気の無い食事ね。

ユウカ、あんたも15歳なんだから、少しはそういうの気を使いなさいよ。」

 

目の前に現れるハンバーグ定食。

自然な動きを意識して、箸でハンバーグを摘もうとするも、避けられる。

 

「ユウカ、アンタいい度胸じゃない?」

不敵な笑みの少女。

式波・アスカ・ラングレー。

はじめの記憶よりも、身長も伸び、胸の大きくなった少女。

少し成長してる彼女だが、決して22歳の女性には見えない。

 

「お姫!おつかれサマンサ〜。

会議、少し長引いたんじゃない?」

ローストビーフを箸でヒラヒラさせながら挨拶するマリ。

行儀悪い。

いや…人のことを言えなかったや。

 

「アスカおつかれ。そのハンバーグ美味しそうだね。全部頂戴?」

ハンバーグ凄く美味しそう。

 

「い、や、よ!いくら食べ盛りでも食べすぎよ、長門博士さん。あまり運動しないんだから、太るわよ。」

 

「失礼ね、適正体重の範囲内だよ。

…アスカこそ、油断してると碇さんに会ったときに、困るんじゃないの?最近書類仕事が増えて、身体動かしてないでしょ?」

 

「んなっ!なんでそこでバカシンジの名前が出てくんのよ!」

真っ赤になるアスカ。

やっぱりアスカをイジるときは碇さんの話題に限るね。

 

「おやおや、真っ赤な姫は、囚われの王子様に夢中のようだにゃ。」

ヒューヒューと囃し立てる私達。

真っ赤になりながら、身体を縮こまらせ、ハンバーグを摘むアスカ。

そこで逃げないアスカのプライド。

何だろうこの式波さんは…。かわいいね

 

 

「お!アスカ、マリ、ユウカおっはよ〜。」

元気が形造っているような高校生ぐらいの茶髪少女。霧島マナ。

彼女も初対面の時より少し大人っぽくなっている。

「榛名っち、もうお昼だよ〜?寝てたの?」

 

「非番だから許して〜。」

榛名っちというアダ名に慣れ、訂正を諦めているマナ。

そんな彼女のご飯は、リゾットとフルーツにサラダ。

 

な、なんて女子力!?

そんなんでよく訓練であんなに動けるよ。

 

「マナ、まさか目覚まし壊してないよね?」

私の直した目覚まし

 

「……あはは、…ごめん。」

 

「アンタ、また壊したの!?これで何回目よ。」

呆れるようなアスカの表情

 

これでも、任務には全く遅れる様子がないのが、マナの凄いところ。

 

「そんで他の皆は?」

マナが疑問に思う。

 

「綾波さんは、今は宇宙。カヲル君は、委員会に呼ばれてるし、マユミちゃんは、エヴァに乗ってウルフパックの訓練。サクラはMark11の調整が長引いてるらしいよ。」

 

「サクラ、大丈夫かな?最近精神的に揺れてるよね。」

マナが心配そうにしている。

 

「そればかりは仕方ないわ。時間がまだあるかどうか、それを祈るだけよ。」

リーダーとしての顔をしたアスカが呟く。

 

時間が心の傷を癒やす。

人は忘れる事により生きていける、か。

 

 

 

 

 

ご飯を食べ終えた私達は、食堂の出入り口に向かっていた。

この後は各々予定がある。

別れる前に、こちらへ歩いてくる見知った人影が見えた。

…加持さんだ。

 

「こんにちは加持さん。」

 

「やあ皆。お疲れ様。

ご飯は食べたかい?」

 

「食べました!加持さん、リョウト君元気?」

マナが元気に聞いている。

 

加持リョウト君。

ミサトさんと、加持さんの息子さん。

実際に会ったときは無いが、しょっちゅうミサトさんから写真を見せられている。

ちなみに二人は、結婚していない。

まあそれでも一緒に過ごす時間を何とか取っているみたいだ。

 

「ああ、元気だぞ〜。今はエヴァのフィギュアに夢中さ。」

エヴァのフィギュア。

ヴィレで出しているからか、一通り見たけど凄いクオリティだった。

 

「あの子の一番人気は、ユウカちゃんがデザインした、白いウナギみたいなエヴァだな。」

 

何と…、お遊びでデザインしたあの量産機が。

「よく、あのウナギ見たいな頭のエヴァに、2号機がやられてるけどな。」

そ、そっか〜

 

…アスカ、目を押さえてどうしたの?

え?目に埃が?ほら目薬だよ

 

 

 

 

唐突に赤く点滅する館内。

壁面に展開される電子ディスプレイが緊急事態を告げている。

 

『総員、第一種戦闘配置!対アポストル迎撃戦用意!』

『これは訓練ではない。繰り返す、これは訓練では無い!』

 

驚きを現すマナ。

真剣な表情でディスプレイを見る加持さん。

「…遂にこの時が来てしまったか。皆、後は頼んだぞ。」

私達を信頼したようには見つめている加持さん。

 

頷き、走る私達に、道を譲るように別れるヴィレスタッフ。

敬礼する者、声をかける者、こちらを見て首肯く者、不敵な笑みを浮かべる者。他者多様である。

 

「まったく。いつも奴らは唐突だにゃ〜。」

 

「うう、ちょっと緊張しちゃうな。」

 

「ミサトさんはどうするんだろうね?」

 

「はん!今更使徒なんて、どうってこと無いわよ!

たく、ミサト!さっさと通信開きなさいよ!

え…何!?タスクAAA!?

アンタ、やっぱりイカれてるんじゃない?」

 

いきなりタスクAAA!?

 

初実戦だってのに。

ミサトさん、やっぱり動く時は大胆が過ぎるよ。

 

 

 

「エヴァパイロット全員に通信繋いで。

 

OK!?全員聞こえてるわね?

それじゃあ行くわよ、アンタら。

覚悟はいいわね。

 

ナンバーズ、アッセンブル!!」

 

 

これ言ってみたかったのよね、と残るアスカの声。

 

 

 

はいはい、キャプテン・アメリカさん




唐突に時間が飛んですみません。
あれ以上は蛇足感が出たかなと思いこんな感じに。

もしかしたら序章の外伝とか、後々出そうとは思っています!


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