D×D 悪魔の兄弟   作:水飴トンボ

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原作初見で例の歌よりも困惑したのがこのビームでした…。


第108話 乳力と旧魔王

『さっきは勝負できなかったが、今度は勝たせてもらう!』

「勝手にほざくことだなッ!」

 

 錨を薙ぎ払うように連続で振る大一に対して、クーフーは槍で攻撃をいなしながら後退していく。まったく手の内を知らない相手なら押していると思えるが、京都で彼の神器を知っていればどこで盾のカウンターを狙っているかに注意が向けられる。

 とはいえ、この戦場で一騎討ちがルールに決められているわけではない。間もなく、大一の背中を狙った死神のひとりが大きく鎌を振りかぶるが、尾で相手の首を絞めつけると硬度を上げた翼で何度も叩きつけた。

 

「禁手化!」

 

 死神へと注意が逸れたと感じたクーフーは禁手化した盾で、右下から振り上げられる錨を受けようとする。攻撃を受けた方向とは反対方向に吹き飛ばす盾であったが、接する直前に錨の動きが止まった。同時に大一の口には魔力が込められており、クーフーは顔面からその一撃を受けた。よろめくクーフーの腹部に、追撃するように大一の蹴りが入り込む。

 

「がっ…!」

 

 一瞬、声にならない苦痛の音が漏れると、そのままクーフーは後方に蹴り飛ばされた。すぐに大一は後ろを振り返ると死神の頭を地面へと叩きつけて、再び相手の吹き飛んだ方向へと視線を向けようとする。

 その瞬間に、炎、氷、雷、風の属性の魔力が斬撃となって飛んできた。素早く魔法陣を出してその斬撃を防ぐと大一は目を凝らす。この戦いの煙に紛れて脚力強化の神器で動いてくるものだと予想していたが、意外なことに煙が晴れると軽く息を切らしたクーフーが立っていた。口から血反吐を吐き捨てると、据わった眼で大一を睨みつける。

 

「…なるほど、死神に自分を狙うまで待っていたな。某がそのタイミングで攻撃すると踏んで」

『ああ、そうだ。あんたは油断しないからわざとでも俺の気が逸れたと勘違いさせる必要があった』

「ふむ、貴殿を侮っていたわけではないが見事なものだ」

 

 感心するように頷くクーフーに、大一は訝し気な表情を浮かべる。数刻前に大一達を「期待外れ」と評価した男とは思えない態度である。強者との戦いを楽しむ姿勢、やはりクーフーも英雄派ということなのだろうか。もっとも大一の場合は、自分を強者とは思っていなかったが。

 そんな大一の表情に気がついたクーフーは服の襟を直して神妙な面持ちになる。意図して演じているような変わりぶりには、余計にも奇妙な印象を抱かせた。

 

「まあ、今の某は自分の役目を全うするだけだが…」

『それは俺も同じだ。ここから出るためには、お前らをどうにかしなければいけないんだからな』

 

 再びクーフーが動き出す。クーフーは神器により猛牛のように突っ込んでくるのに対して、大一は体重を上げながら錨を構える。大きく錨を横に薙ぎ払うが、それを受けずにクーフーは身体を逸らしてかわすと、風の魔力で貫通力を上げた槍で刺突を狙ってきた。最初の一撃を硬度を上げた左腕でいなすも、わずかに肌が斬れる感触を感じる。すぐに錨を構え直した大一は、連続で向かってくる刺突を錨でいなし始めた。

 

「大したものだな。貴殿も、ジークと刃を交える少年も、他にも優秀な人材が揃っている。だからこそ我々は危惧している。その力の行く末をな!」

『お前ら、英雄派だって大概だろうが。上位神滅具を3つも手の内にあるお前らに加えて、独自の禁手化の数々…それで世界を混乱に陥れようとしているんだから堪ったものじゃない』

 

 大一とクーフーが戦っている一方で、祐斗とジークフリートが激突していた。祐斗は龍騎士団と幻術を組み合わせて新たに創りだせるようになった龍殺しの魔剣を用い、ジークフリートはお得意の6刀流で名だたる名剣を手足のように扱っていた。

 

「…そうだな。しかし世界を混乱に導いているのであれば貴殿らも大概だ。3大勢力などが結成されて世界が良い方向に傾いた…戯れ事でもそうは言えないからな」

『…何が言いたい?』

「同じ穴の貉というわけだ。であれば、互いに信じるもののために戦うだけだろう!」

 

 クーフーは大きく飛び上がると、強引に大一の顔面を蹴りつける。神器によって脚力が強化されているため、その蹴りの威力は十分であった。

 しかし大一は怯むことなく歯を食いしばる。そのままクーフーの脚を掴むと投げ飛ばし、その先に魔力を数発撃ち込んだ。今度は相手も盾で防ぎきっており、ダメージは与えられなかったことに大一は軽く舌打ちをする。

 

『鼻が折れるかと思った…』

『この程度で俺の感知が変わることはねえがな』

 

 鼻血を拭いながら彼の口からディオーグの呟きが漏れる。血の匂いが鼻を蝕むも、この程度の攻撃で怯むような彼らではなかった。すぐに体勢を整えて追撃にかかろうとするが、頭に感じる重さが大きくなる。気分の悪さが先行し、彼は後退をするもクーフーがそれを見逃すはずもなかった。

 

「動きが鈍ったか…」

 

 クーフーが少し呆れたような発言と共に走り出そうとするが、すぐに踏みとどまった。上空から強力な雷光が彼と大一の間に落とされたからだ。

 間もなく朱乃が大一の横へと降り立つ。彼女がクーフーに向ける視線は鋭く、身体に突き刺さるのではと思わせる凄みがあった。

 

「こちらもわざわざ一人で相手をする道理はありません。大一、ひとりで無理しないで」

『悪かった…』

「雷光の巫女か…堕天使の血を持つ貴殿とは初めてだな。さすがに某だけでは手に余るかな。ここはジークに倣うとしよう」

 

 クーフーは静かに呟くと同時に後退していく。そして彼の壁になるかのように大量の死神が出現し、生命を刈り取る鎌をちらつかせていた。

 徐々に敵の包囲網が狭められていく。圧倒的な数の差がここに来て致命的になっていた。じわじわと後退を余儀なくされた大一と朱乃は、同様に追い詰められていく一誠、リアス、祐斗の3人と合流し、多くの死神に囲まれる形になっていた。アザゼルは未だにプルートとの激しい戦闘を繰り広げており、後衛も上空から向かってくる死神の相手で援護どころではない。ここに来て、戦局は英雄派と死神側に再び傾いていた。

 

『寿命を奪う鎌に玉砕覚悟で相手はしたくないな』

「数が多すぎますね。僕のスピードでもこれは難しいかな…」

「私と朱乃がまた一誠に譲渡してもらえば…いや相手もそれは警戒しているものね」

「…あらあら、これはちょっと大変ですわね」

 

 追い詰められていく中、一誠は上を見合げアザゼルへと呼びかける。声の調子は慌てた様子で、衝撃的な現実にぶつかったような印象を抱いた。

 

「せ、先生っ!大変なことになってる!歴代の先輩たちがリアスの乳を次の段階に進めようって言ってきてるんだ!」

「きたぁぁぁぁっ!よぉぉぉしっ!いますぐつつけ!もめ!触れっ!ふははははっ!おい、英雄と死神ども!うちのおっぱい夫婦が噂の乳力を発揮するぞ!グレモリー眷属必勝のパターンだッ!」

 

 アザゼルの狂喜乱舞の雄たけびが響き渡る。死神たちはキョトンとして様子で疑問がさざ波のように広がっていったが、ジークフリートは戦慄し、クーフーは不快の2文字が刻まれたような表情をしていた。京都で1度経験している分、彼らの不穏さは察するに余る。

 仲間達の方も祐斗と朱乃は苦笑い気味、大一は感情のこもったため息をこぼすが、リアスは何度も経験した当事者のためか覚悟を決めたような表情になっていた。

 

「あ、あの、聞いて欲しいことがあります!」

「何?今更何が来ても驚かないわ」

「…そのおっぱいに赤龍帝のパワーを譲渡していいですか?」

「───やっぱりわからないわ。京都でもよくわからなかったし、いまも正直理解ができない。けれど、わかったわ!私の胸に譲渡してみせてちょうだい!」

『やけを起こしているだろ、あの赤髪女』

『言うな、ディオーグ…』

 

 嘆く兄の姿には気づかずに、一誠はリアスの胸に自身の譲渡の力を渡す。わざわざ鎧の腕の部分を解除して行うほどの本気っぷりであった。ブーステッド・ギアの音声とリアスの恥じらう声の両方が響くと、Bustの音声が連呼されリアスの胸が光を帯びていた。さらにそこから一筋の赤い光が一誠へと伸びる。この光を受けた一誠はたちまちにオーラが回復して、再びトリアイナの「僧侶」へと姿を変化させた。

 

「いっけぇぇぇぇぇぇ!」

 

 一誠の怒号と共に3発目のドラゴンブラスターが撃ち出される。圧倒的な破壊力と規模は死神を3分の1も消し去ったのだ。

 しかしこれだけでは終わらない。リアスの胸から伸びる光が彼のドラゴンのオーラを再び回復させたのだ。

 

「さしずめ、『紅髪の魔乳姫(クリムゾン・バスト・プリンセス)』と言うべきか!一言で表すのなら、『おっぱいビーム』!または『おっぱいバッテリー』か!とんでもないバカップルだな!」

「うるせぇぇよっ!いいからだ黙って戦ってくださいよ、バカ総督!」

「…そっか、私、ついに『ビーム』で『バッテリー』なのね」

 

 その能力に興奮するアザゼル、ツッコミを入れる一誠、諦めの境地に至るリアスと三者三様の反応の一方で大一の口からはディオーグの声が漏れる。

 

『つまりあの女の胸の光でいくらでも回復できるというわけか。ただあくまでエロ弟とあの籠手の中にある想いによってもたらされたもの。他の奴には無理だろうな』

『頼む、ディオーグ…ちょっと黙っていてくれ…俺もドライグの受けているカウンセリングを紹介してもらおうかな…』

「大一さん、なんか怖いですよ」

「私としてはあの仲の良さは羨ましいとすら思いますわ」

 

 こちらも同様にそれぞれの反応で事の行く末を見守っていた。

 しかしこの技にはどうにも弱点…なのかは不明だが、エネルギーを使うたびにリアスの胸が縮小していく特性があった。リアスは一時的なものだと一誠をなだめるが、彼からすれば最愛の相手の胸を縮小させるのは心が痛んだ。

 それでもリアスは一誠と共に戦えることに喜びを感じており、それに対して彼も鎧の中で涙を流す。

 

「俺も愛してます、リアスッ!リアスリアスリアスッ!」

「どこまでも一緒よ、イッセー!イッセーイッセーイッセー!」

『な?お前がいなくても弟はどうにでもなるんだよ』

『今言わなくちゃいけないことかな…』

 

 一誠とリアスの不可思議な愛の攻撃はしばらく続いたのであった。

 

────────────────────────────────────────────

 

 数分後、フィールドからは先ほどの信じられないほどの数の死神の存在は消えており、その広々とした疑似空間の景色がよく見えた。相手の残り数はゲオルク、ジークフリート、クーフー、プルートのみ、戦況はすっかり覆したのだ。一誠はリアスの胸が小猫並みに小さくなったことに血の涙でも流しそうな勢いで号泣していたため、はるか離れた小猫から野球ボール程度の瓦礫を投げつけられたのだが。

 いよいよ勝利が見えてきた瞬間であったが、耳に火花が散るような音が入る。音の方を向けば空間が割れていた。

 これには一誠達はもちろんのこと、敵も訝し気な表情をしており予想外の存在が登場したことを意味していた。

 

「久しいな、赤龍帝。───それとヴァ―リ」

 

 現れたのは旧魔王派のトップであるシャルバ・ベルゼブブであった。どうも彼は英雄派に保護されて傷を癒していたのだが、突如独断で行動を始めていた。

 ジークフリートが目を細めて非難するかのようにシャルバに問う。

 

「それで、ここに来た理由は?」

「なーに、宣戦布告をと思ってね」

 

 マントを翻したシャルバの元に小さな少年が姿を現す。英雄派で「魔獣創造」の神滅具を持つレオナルドという少年であった。目は虚ろで表情は無く、操られている様子に英雄派の全員が目を見開く。英雄派からすれば彼は別の作戦に当たっていたはずで、この場にいるのは疑念と嫌な予想を禁じえない。

 

「少しばかり協力してもらおうと思ったのだよ。───こんな風にね!」

 

 シャルバが手元に小さな魔法陣を展開させレオナルドに近づけると、少年は苦悶の表情でそれに合致するような苦しみの叫びをあげる。さらに少年の影がフィールド全体を覆うほどの規模に広がると、いくつもの巨大なモンスターが現れた。特に大きいものでは200メートル近くはあり、グレートレッド以上の巨体に鼓膜が張り裂けそうなほどの咆哮を上げた。

 

「フハハハハハッ!今からこの魔獣たちを冥界に転移させて、暴れさせてもらう予定なのだよ!これだけの規模のアンチモンスターだ、さぞかし冥界の悪魔を滅ぼしてくれるだろう!」

 

 哄笑しながらシャルバは叫ぶ。「魔獣創造」を持ち、しかも悪魔に対してのアンチモンスターを生みだすことに長けているレオナルドを拉致した彼はこのモンスターを使い現悪魔への復讐を目論んでいた。

 すぐさま一誠達はモンスターに攻撃を加えるも、まるで気にした様子もなくこの巨大な怪物たちは転移魔法陣の中に消えていった。

 同時に疑似空間も不穏な音をたてながら崩壊し始める。怪物の出現と転移は多大な影響を及ぼし、強固な疑似空間にも限界をもたらしていた。

 

「装置が持たん!シャルバめ、所有者のキャパシティを超える無理な能力発言をさせたのか!」

「…仕方ない、頃合いかな。レオナルドを回収して一旦引こうか。プルート、あなたも───」

 

 ジークフリートはプルートへと視線を向けるが、上位の死神の姿はすでに消えていた。彼らにはこれだけでハーデスが裏で手を引いていることを理解していた。手段を択ばないハーデスは、英雄派も利用していたようだ。

 彼らはレオナルドを回収すると、立ち尽くして不満を表情にしたクーフーに呼びかける。

 

「クーフー、脱出するぞ」

「ああ…。シャルバめ、余計なことを」

 

 間もなく英雄派も霧によって姿を消し、この場から離脱した。

 

────────────────────────────────────────────

 

 シャルバの暴れっぷりはこれだけにとどまらなかった。大量の魔力による攻撃で後衛にいたヴァ―リを攻め立てる。純血で魔王の家系という自負から、人間との混血であるヴァ―リは許し難い存在であったが、それに加えて自力で彼に勝てなかったことがシャルバのプライドを大きく傷つけていた。

 さらにシャルバは魔力をロープのように扱い、力を奪われたオーフィスを捕えて引き寄せる。

 

「情報通りだ!今のオーフィスは力が不安定であり、いまの私でも捕えやすいと!このオーフィスは真なる魔王の協力者への土産だ!パワーダウンした私に再び『蛇』も与えてもらおうか」

「させるかよッ!」

 

 ドラゴンの翼を広げて飛び上がった一誠の目に映ったのはシャルバの狂気に満ちた顔であった。

 

「呪いだ!これは呪いなのだ!私自身が毒となって、冥界を覆いつくしてやる…ッ!私を拒絶した悪魔なぞ!冥界なぞ!もはや用なしだっ!このシャルバ・ベルゼブブ、最後の力を持って、魔獣たちと共にこの冥界を滅ぼす!」

 

 復讐に狂った怪物は高らかに笑うこの状況でもフィールドの崩壊は進んでいく。このギリギリの状態だからこそ転移も可能であり、すでに黒歌が手を打って魔法陣を展開させていた。

 

「イッセー!転移するわ!早くこちらにいらっしゃい!」

「俺、オーフィスを救います。ついでにあのシャルバもぶっ倒します」

 

 リアスの呼び声に一誠はシャルバへの睨みを利かせたまま動かなかった。その静かな答えに全員が驚愕する。

 祐斗や朱乃が共に戦うと進言するが、彼は頭を振ってそれを否定する。

 

「俺だけで十分だ。皆はあの魔獣どもの脅威を冥界に伝えてくれよ。どちらにしてもフィールドはもう保たないだろう?俺ならこの鎧を着込んでいればフィールドが壊れても少しの間、次元の狭間で活動できるはずだ。…いま、シャルバを見逃すことも、オーフィスを何者かの手に渡すこともできません」

 

 見過ごすことは出来なかった。狂った感情で冥界を危機にさらすその存在を、このまま利用されそうになるオーフィスを一誠は見過ごすことは出来なかった。

 アザゼルに肩を借りているヴァ―リは一誠に呼びかけた。

 

「兵藤一誠」

「ヴァ―リ!お前の分もシャルバに返してくる!」

「イッセー!あとで龍門を開き、お前とオーフィスを召喚するつもりだ!それでいいんだな?」

 

 ただ頼もしく頷く弟の姿に、大一は口の中で歯を食いしばる。すでに龍人状態は解除しており、あとはリアス達に続くだけであった。しかし…しかし弟の姿をそのまま見ていられるほど彼も穏やかではなかった。

 

(ディオーグ、今の俺なら次元の狭間にいられるか?)

(…そうだな、俺の力を表面化させた状態で魔力をしっかり流し続ければちょっとは保てるだろ)

(そうか…お前との約束もここで果たそう)

(あ?)

(最後のケジメだ)

 

 一誠が決心したように、大一もすでに腹をくくっていた。軽く息を吐くと、リアスの方へと向き直る。

 

「俺も残りますよ」

「大一!?あなたまで…」

「一誠を連れて帰るだけですよ。不測の事態が起こってもそれなら大丈夫でしょう。主の最愛の人を死なせるわけにもいかないので」

「…また私のあなたへの信頼を利用する。…わかったわ、お願いね」

「お任せを」

 

 リアスの言葉に大一は頷くと、ちらりと隣に立つ朱乃に目を向ける。彼女の方もなにか言いたげな様子ではあったが、彼が止まることがないのもよく理解していた。

 

「大丈夫だよ」

「…ええ」

 

 朱乃の不全まみれではあるが、ひとまず肯定した発言を確認すると大一は正面へと向き直った。横に立つ一誠は祐斗や朱乃に対して向けた断りを彼には言わなかった。

 

「イッセーッ!必ず私のところに戻ってきなさい」

「ええ、必ず戻ります!」

 

 最愛の相手との一時の別れと約束をした一誠は、仲間達が転移の光に消えていくのを見届けた。仲間達が無事に脱出した、これを確認できただけでも彼の心には安堵が広がっていた。しかも彼の横には手厚い信頼を持つ男が立っている。

 

「なあ、兄貴」

「ん?」

「ありがとな」

「俺が勝手にやったことだ。さっさと終わらせて戻るぞ」

「当たり前だ!」

 

 龍の力を持つ2人の兄弟は翼を広げて、敵へと向かっていった。

 




次回あたりで11巻分も終わりそうです。
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