D×D 悪魔の兄弟   作:水飴トンボ

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長くなりましたが、区切りの良いところまでいきます。


第174話 望むこと

 翌日の早朝、大一はひとりで魔法陣部屋に赴いていた。まだ誰も起きておらず、彼は普段は朝のトレーニングに励んでいる時刻であったが、この日はルシファー眷属が集まっていた。と言っても魔法陣越しであるが。

 出かかったあくびを噛み殺しながら、大一は魔法陣の出現先を指定されたサーゼクスの仕事部屋へと設定し、魔力を流し込む。間もなく、彼は半透明の姿で目的の場所へと出現した。

 

「兵藤大一、ただいま参りました。おはようございます」

『おはよう、大一くん。あとはセカンドとベオウルフだけだな…』

 

 疲れた様子でサーゼクスは部屋にある壁掛けの時計を見る。その隣に控えているグレイフィアは毅然とした態度で、彼のためにお茶を用意していた。

集まったメンバーは早朝であることもあってか、少し疲れているような印象を受けた。中でもマグレガーがずば抜けており、クリフォトの件でトライヘキサの術式調査にあたっていたため、いつもの優美さは鳴りを潜めている印象であった。映像越しにも分かるほど、ひどいくまは以前の大一にも劣らない。

 目をこすったり、あくびをしたりと各々が疲労や眠気と戦っている中、間もなくセカンドとベオウルフも現れた。2人も健康とは程遠く、覇気が感じられない。

 

『これで全員集まったね。疲れているところに申し訳ない。直接、伝えておくべきだと思ってね』

『サーゼクス様、前置きはいいですから早々に終わらせましょう』

『ん、グレイフィアの言う通りだ。私含めて日ごろの激務による休息は必要だからね。まずクリフォトの件についてだ。アザゼルがシヴァに接触して、動いてもらうことを取り付けた』

 

 クリフォトがトライヘキサを復活させ、リゼヴィムを筆頭に大暴れするという最悪の展開を迎えた場合、いざという時のために三大勢力のトップは保険を考えていた。それが破壊神シヴァへの打診であった。その実力は絶大であり、グレートレッドやオーフィスにも比肩し、トライヘキサにも対抗しうる可能性を持つ彼に協力を要請したのであった。そして彼は同盟からの情報と条件を受けて、最悪の結果が迎えられる時のみ動くことを約束したのだという。なんとも早朝にしては重く感じる内容であった。

 ルシファー眷属はこれに対して、誰も声を上げなかった。シヴァの存在とその関係性は理解していたため、ギリギリまで協力しないことについて文句など出るわけが無かった。むしろ協力まで漕ぎつけたことに、ただ感心していた。

 

『無論、その状況を迎えるわけにはいかない。先日はリゼヴィムに手痛いダメージを与えられたと聞くし、邪龍の動きも考えれば敵の動きは少しずつだが削れている。このままシヴァの協力を借りずに済むなら、それに越したことは無い。キミらにも一層の協力を求めたい』

 

 ルシファー眷属は一斉に頷く。今更、この責任を避けようと考えるメンバーはここにいなかった。

 

『さてもうひとつの話は、クリフォトにいる「異界の魔力」を持つメンバーについてだ。先日の事件で、一部メンバーが判明したが追加情報がある。ハニエルの件は聞いているだろうが、もうひとりの人物について関係のありそうな事件があったんだ』

『例の岩男か…』

 

 セカンドがぼそりと呟くのに、サーゼクスは軽く頷く。ルシファー眷属内でも大一が関わっているだけあって、「異界の魔力」関連については周知されていた。

 サーゼクスは机に置かれてある資料の束に触れる。

 

『旧魔王の時代にひとつの研究がされていたんだ。その中に別の生命に変化させるというものがあった。一部の研究者だけで進められていたようだ。大一くん、たしか彼には悪魔の魔力の感覚もあると話していたね』

「ええ、私が正体に迷った要因でもあります。…ちょっと待ってください。まさか変化させるって悪魔をゴグマゴグにしようとしていたのですか?」

『実際は悪魔以外にも様々な存在に対して、実験を行っていたみたいだ。お世辞にも人道的な内容ではない』

 

 サーゼクスの渋い表情から、実験の内容は彼の言葉以上に非情であることが想像された。

 

『研究は不意の事故によって頓挫。しかしそこに生き残りがいてもおかしくないはずだ』

『…気分が良いものでは無いスね』

『まあ、「悪魔の駒」だって悪魔に転生するんだから似たようなものだろうよ』

『セカンドの言うことも一理あります。こういう残酷なことの積み重ねが今を体現しているのもあるのでしょう』

 

 ベオウルフの言葉に、セカンドは達観したように言い、マグレガーは鋭く追及する。自分よりも遥かに長く生き、経験を積んでいた悪魔達の価値観は、何度も目の当たりにしてきた大一としても複雑になってしまう。そのように割り切れたら今のしがらみからも抜けられるのだろうか。

 

『そういう意味では、この研究の生き残りは「はみ出し者」とも言えると思う。ハニエルも戦争時代は何度かミカエルと意見の食い違いがあったと聞くし、そういったメンバーが集まる「異界の地」には何かあると思うんだ』

 

 サーゼクスはちらりと視線を大一に向けて、意見を求めてきた。これに対して、大一は考え込むように顎に手を当てながら、これまでの接敵時の状況を思い出していった。

 

「以前、アウロス学園の襲撃を受けた際にアリッサという女性に助けられたことは報告しましたよね。その時に敵のひとりが、彼女を勧誘してそれを断ったことを話していました。彼女が現在クリフォトと敵対関係にあるのを踏まえると、その住処である『異界の地』がクリフォトの拠点とは思えません。ですから、私としてはあの地で暮らしていたメンバーを、敵が勧誘したのだと思います」

『正体に関してはいまだ不明。しかし大一殿が1度だけ行った経緯も踏まえれば、ありえることでしょう』

 

 横で炎駒が大一の考えを補強するように助け船を出す。正直なところ、他のメンバーもこれ以上の結論は出ると思っていないため、長く議論する気力は無かった。

 サーゼクスは少し考えるように目を閉じてうんうんと頷くと、仲間達を見渡して話す。

 

『クリフォトの中でも邪龍とは別に厄介な敵たちだ。また何か分かったことあれば共有したい。頼んだよ』

『了解』

『さてだいぶ話を割愛したが、それでも時間は経ったね。これでお開きだ。暖かいベッドに向かおうじゃないか』

『私とバハムートはまだ仕事があるんですけどね』

 

 苦笑い気味に答える総司と従うように頷くバハムートの姿が消えていく。他のメンバーも次々と通信を終えて消えていった。

 最後に残った大一は通信を切ろうとするが、それをサーゼクスが手を上げて待ったをかける。

 

『大一くん、少しだけ待って欲しい。まだ勘案事項ではあるのだが、私はキミをそろそろ正式なルシファー眷属として発表しようと考えているんだ』

 

 この言葉に、大一は冷水をぶちまけられたかのように目が覚める想いであった。なるべく動揺しないことを意識しながら答える。

 

「サーゼクス様、それはいけません。ルシファー眷属は特別なもの。下級悪魔の私では、冥界に示しがつかないじゃないですか。一誠のような名声や実績だって…」

『一部のお偉方は騒ぐだろうが、キミの実績と実力を踏まえれば十分だと思う。ユーグリットのことだって、我々が動けない代わりに誤解を解いてくれたんだから』

「し、しかし…」

 

 大一は助けを求めるようにグレイフィアを見る。彼女は小さく咳払いをすると、ゆっくりと頷く。

 

『私は賛成です。あなたのおかげで助かりましたから。それに白状しますと、この件を提案したのは私です』

「グ、グレイフィア様が…!?」

『意外だろう?私も相談を持ち掛けられた時は驚いた。いずれにしても、キミに負担の無いようにしたい。しかし同時にキミのような素晴らしい眷属を、このまま埋もれたままにするのも心苦しい。まだ勘案事項だからゆっくり考えて欲しい』

「…わかりました。出来るだけ早くお返事をしたいと思います。失礼します」

 

 大一はぐっと頭を下げ、通信を切る。残った彼の感情は溶けかかったアイスクリームのようにドロドロとしていた。

 自分が認められている、それを実感したことは非常に嬉しかった。がむしゃらに鍛え、研鑽を積んできたことが実を結ぶ直前まで来たような気がした。半年以上前に己の無力感を何度も呪ったあの頃とは大きな違いであった。

 しかしそれを心から受け入れられない。そんな資格は自分には無い。幸せを享受することが出来なかったのだ。そのように考える理由には気づいていても、彼は意を決して行動に移すことが出来なかった。

 

「…トレーニングするか」

(やめておけ。戻って女と共に寝てろ)

「なんだ、今日は優しいじゃないか」

(てめえも影野郎もそんな状態で鍛えたところで得もねえからな)

 

 ディオーグの威圧的かつ呆れたような声を聞きながら、大一は重い罪悪感を背負ったまま部屋に戻っていった。

 

(また迷っていやがるが…まあ、それでいい。迷いに衝突し、それを乗り越えるほどお前はもっと強くなるんだからよ)

 

────────────────────────────────────────────

 

 ほぼ同時刻、ロスヴァイセは自室で電話をかけていた。相手は祖国にいるゲンドゥルであり、彼女の心にひっかかる心情を吐露していた。

 

『大一さんがねえ…』

「お正月に生島さんと会ってから、どうも様子がおかしいんだ。表面上は取り繕ってるけど、わたすが頼まれたことを思うと何かあったとしか…おばあちゃん、どう思う?」

『私に聞くんじゃなくて、本人やリアスさん達に聞くべきでしょうが』

「で、でも、隠しているような感じしたし…」

 

 祖母のピシャリとした言葉に、電話越しでありながらロスヴァイセは縮こまるように言いよどむ。彼女がゲンドゥルに持ちかけていた相談は、正月からいつもの様子ではない大一のことであった。一見いつもの彼ではあったが、よく観察すると考えに耽っている姿が見られていた。なによりも生島の落とした写真を代わりに渡してほしいと言った時の大一の驚愕と絶望の入り混じった表情が忘れられなかった。

 

『生島さんにはどうした?』

「私が写真を拾ったことにして、後で渡したよ。すごく安心していた。よっぽど大事な写真だったんだと思う」

『ふーむ、もしかしたら、大一さんに拾われていなかったことの安心かもね』

「…大一くんが生島さんと確執あるなんて信じらんね」

 

 悪魔になってから彼らとは何度も仕事をしていたが、その関係性は揺るがないものだと感じていた。互いの信頼を近いところで目の当たりにしてきた彼女にとって、今更2人とも後ろめたいことがあると思えなかったのだ。

 ただそれがきっかけで関係性が大きく崩れる可能性があるのならば…

 

『あんたは力になりたいんだろ?』

「…うん。2人とも私にとって大切な恩人だ」

 

 ロスヴァイセはきっぱりと言い放つ。自分のことを気にかけ、悪魔について教えてくれた。自信を与え、危機に陥っていた自分を心と共に救ってくれた。大一と生島は、彼女にとって悪魔になってから大切な人たちであり、多くの物をくれた。それゆえに彼女は、今度は自分が力になりたいと強く思っていた。

 彼女の願いを汲み取ったゲンドゥルはふっと笑いをこぼすと、聞くものを安心させるような声色で話す。

 

『思ったとおりに行動すればいい。あの人たちのためにやったことは、絶対に無駄にならないさ』

 

 具体的な内容ではなく、当たり障りのないアドバイスであった。それでもロスヴァイセには、祖母が自分の背中を押してくれることをしっかりと感じ取っていた。そして彼女自身、すでに頭の中で考えていたことを実行する決意をするのであった。

 

「…ありがとう、おばあちゃん」

『大切な孫娘の恋なんだ。アドバイスのひとつやふたつ出すよ』

「ななななな、なにを言ってるだ!」

『少なくともあの人には安心して預けられると思っているよ。あんたも大一さんも、真面目で不器用で、似ているところがあるだろう』

「大一くんは付き合っている人がいるんだよ!?」

『悪魔なら問題ないのだろう。まったく、自信を持ちなって前にも言ったじゃないの』

 

 声も上げられない恥ずかしさを感じながらロスヴァイセは身体を落ち着きなく動かす。電話の向こうでは、祖母が全てを見透かしているかのような笑みを浮かべているような気がした。

 

────────────────────────────────────────────

 

 その日の放課後、引退した3年生も含めたオカルト研究部は隣町のたい焼き屋に来ていた。まだまだ寒さが際立つ中で、湯気の立つ温かさはより味わい深く感じた。リアスやレイヴェル、小猫がスイーツ談議に花咲かせる中、大一の頭の中では甘いものということでディオーグが非常に騒がしかった。

 

(これも美味いなあ!やわらかい生地に餡子とカスタードが合う!もっと食おうぜ!)

『ちょっと食レポが詳しくなっている気がするね…』

(まあ、食の楽しみを知ったのならいいと思うよ)

 

 大一はたい焼きを味わいながら答える。いまだに戦いに渇望こそしているものの、ディオーグがそれ以外の楽しみも見つけていることには不思議と喜ばしく感じた。

 だがその感情は長く続かなかった。ディオーグも大一もたい焼きを味わうことなく、油断なく周囲に警戒を抱くのであった。

 

(…何か来た)

 

 彼が無理やりたい焼きの残りを飲み込むのとほぼ同時に、他のメンバーも強烈なプレッシャーを感じた。強い戦意が当てられているのを感じる中、彼らはすぐに陣形を組んだ。

 その感覚の正体を見つけるのに苦労しなかった。大一と小猫が感知した方向を見ると、祭服をまとった白髪の巨漢が立っていた。しわだらけの顔は年齢を感じさせたが、身体は服の上からでも分かるほど筋肉がついており、顔とのギャップが凄まじく感じた。

 

「Buon giorno、悪魔の子らよ」

『ストラーダ…!』

 

 シャドウの言葉が頭に響いた瞬間、白髪の男性の姿が音も無く消える。大一はすぐさま背後に向かって魔力で強化した裏拳を放つと、余裕の表情で陣形の真ん中に現れたストラーダはそれを片手で受け止めた。

 

「勘が良いな、影を持つ少年よ」

「俺も魔力で強化した腕を防がれて驚いているよ…!」

 

 すぐに一行は距離を取って構えるが、相手は破顔させるだけであり野太い声で話した。

 

「私はヴァチカンから来たヴァスコ・ストラーダというものだ」

 

 ストラーダの圧倒的なプレッシャーに彼らは動きが取れなかった。彼の戦士としての実力がひしひしと伝わる中、当の本人はゼノヴィアへと視線を向ける。

 

「戦士ゼノヴィアよ。悪魔になったそうだな?」

「…ストラーダ猊下、お久しぶりです」

 

 常に大胆不敵に振舞うゼノヴィアが、彼を前にして脂汗だらけであった。その緊張感は今まで見てきた彼女からは想像もできないほどだろう。

 ストラーダは懐から封筒を取り出すと、それをリアスに渡す。

 

「これを渡しにきたのだ」

「…こ、これは…?」

「挑戦状だ。私たちは貴殿らに挑戦状を叩きつけようと思う」

 

 豪胆さを前面に押し出したこの言葉に、全員が顔を強張らせた。首謀者単独のこの行動に、リアスは怒りを露わにする。

 

「冗談ではないわ。今がどういう状況だか、わかっているの?いくら、教会の上役だとしても───」

「魔王の妹よ。若いな、若すぎる」

 

 このストラーダの反応に、一誠はリアスを守るように彼女の前に立つ。相手の実力を垣間見たところで引き下がる理由は彼には無かった。

 

「…この人には触れさせないぜ、あんたが何者であってもな!」

「…いい目だ、悪魔の子よ。───さあ、レグレンツィ猊下。宣言をお任せ致します」

 

 ストラーダの言葉と共にひとりの少年がどこからともなく現れる。年齢はかなり若く、せいぜい12歳前後であるが、ストラーダ同様の祭服を身にまとっている。彼こそ、クーデターの首謀者の一人テオドロ・レグレンツィであった。

 

「私は…エクソシストの権利と主張を守る!そなたらがたとえ『良い』悪魔であろうとも、祓わなければならない邪悪と悪魔と吸血鬼もいるのだ!彼らから一方的に悪を断罪する役目を奪うなど…納得できない!それがたとえ、主や大天使ミカエル様の意志に反していたとしても…これだけは、これだけは納得できないのだ!」

 

 レグレンツィの強い意志のこもった言葉と共に、大一たちは多数の教会の戦士たちが取り囲んだ。祭服を纏う者、ゼノヴィアやイリナのようなボディスーツを着る者、フリードやジークフリートのように白髪の者と多様なエクソシストや戦士がいたが、彼らに共通するのは「悪」への戦意であった。大一も肌に刺すような戦意を感じ、同時にシャドウの動揺が体中に伝わっていた。

 一方で、ゼノヴィアはデュランダルを取り出すとストラーダへと切っ先を向ける。

 

「…ストラーダ猊下」

「戦士ゼノヴィア。デュランダルは使いこなせているかね?」

 

 この言葉を皮切りにゼノヴィアが動き出す。エクス・デュランダルの破壊に満ちたオーラを纏った刃が、ストラーダに向かって真っすぐに振り下ろされるが、なんと彼はそれを避けるどころか真正面から指1本でこの攻撃を防いでいた。

 

「まだまだのようだ」

「ゼノヴィア!猊下、失礼を承知でいきます!」

 

 親友のピンチにイリナは天使の翼を展開すると、高速で一気に距離を詰めていく。握る聖剣オートクレールの力から彼女の本気が窺えたが、今度は彼女の攻撃を別の中年男性が聖剣で防いだ。

 

「クリスタルディ先生っ!」

「…戦士イリナよ、視野を狭めてはいけないな」

 

 エヴァルド・クリスタルディはイリナを押し返すと、ふっと息を吐く。ストラーダも見せたその余裕の表情は、彼の経験値の高さを物語っていた。

 そして彼の登場に、祐斗も勝負を仕掛ける。

 

「元エクスカリバーの使い手…ッ!勝負ッ!」

 

 祐斗は神速で、得意の高速戦闘を仕掛けていく。隙の無さとスピードには定評のある彼であったが、クリスタルディはそれをものともせずに、体捌きだけで彼の斬撃を防いでいった。祐斗は高速移動による分身も交えて斬りかかるが、それすらも相手の身体に届かなかった。

 

「聖魔剣か。キミが噂の聖剣計画の生き残りだな?いい波動だ。しかし、私をフリードのような下の下と比べてもらっても困るぞ?」

 

 何度も斬りかかっている祐斗に対して、クリスタルディは一撃振り下ろすだけで彼を地面へと叩きのめした。その一撃も油断ならず、余波によって道路にクレーターが出来るほどであった。

 

「木場、ゼノヴィア、イリナっ!」

 

 圧倒的な実力差によって、3人の剣士が倒れていくのを見た一誠が悲痛な声を上げる。意を決してリアスと共に一歩前に出ようとするが、その前に大一が素早く伸ばした黒い影の腕で3人を掴むと、すぐに近くへと引き寄せた。

 その瞬間、周りを囲む一部の戦士から暗い憎しみの念を向けられたが、大一はそれに構おうとしなかった。

 そしてほぼ同時に、ストラーダ制止させるように手を向ける。

 

「グレモリーの姫君、私たちは戦争をしにきたのではない。最後の訴えをしにきたのだ。それだけはわかってもらいたい」

「…なら、お互いに矛を収めた方がいいでしょうね」

 

 音も無く去っていく教会の戦士たちを確認して、リアスも応じるように足を止める。残った首謀者3人は踵を返していった。

 

「───再び見えよう。若き戦士たちよ」

 




ついに出ました、ストラーダさん。この人、もはやバグのレベルでしょう…。
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