新選組顛末記ー桜セイバーと男の幕末譚ー   作:とある

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最終回

 彼女が残した功績は以下の通りである。

 

 ・新撰組の名誉挽回のために、新聞へその顛末を書き記し投稿。

 ・天然理心流の当主代役を全う。

 ・新政府に剣術指南役として貢献、etc。

 

 誰がなんと言おうと、これが彼女の残した功績である。近藤勇が死んで、廃人のような生活をしていた彼女も、立ち直ってからは大いに活躍した。

 今では彼女を知る人間は大日本帝国に多数いる。そして、彼女と同じく知られている近藤勇も、日本人であれば知らぬ者はいないと言われるほどの知名度を誇っている。彼が目指した天下一の侍というものがどんなものかは分からない。けれど、知名度だけで言えば、確かに彼は天下一の侍なのであった。

 

 

 

 

 

 

 一寸先も見えない暗闇の中、それは落ちる。

 体中からの熱は失せ、聴覚も、視覚も、触覚も機能を果たさなくなった。沖田はそのことに悔しさを感じることもなく、「ああ、死ぬのか」と妙な達観だけが心に残る。

 やり残したことはあるのか、と誰かに聞かれた気がした。

 聞こえるだけの耳はもう持っていない。だからこれは心の奥底から出てきた、自分自身への問いかけなのだろう。だから沖田はそれを聞いた瞬間、「ありません」と答えるのだった。

 

 新撰組は彼が残した遺産だった。

 誰がなんと言おうと、遺産だった。

 彼は死に、新撰組が残った。

 最初はそれに腹を立てたりもしたが、何年後かにそれも彼らしいと笑えるようになった。

 だから、沖田にやり残したことはない。死ぬとわかった今この瞬間ですら、それに変わりはない。幸せな人生だったし、満足できる足跡だった。彼と歩んだ十数年間も、彼がいなかった数十年間も、沖田は幸せだったのだ。

 

 ならば、この生にしがみつくはずもなく。

 沖田はすっと力を抜くのだった。

 体中から消え去った熱と同じように、彼女は意識半ばで、己の生命活動を終わらせた。

 大正3年のことである。

 最後の新撰組生き残りであった沖田総司は、この年を持って人生の幕を閉じたのだった。

 

 

「お疲れ、総司」

 

 今度はその言葉がはっきりと聞こえた。

 己の声ではないことなど分かりきっている。沖田が目を開けば、そこにはにやにやと眩く笑っている男が立っていた。

 相変わらず、だらしない格好をしている。

 それでも武士なのか、と問いただしたくなるその出立ちに沖田は、はあと深い息を吐いた。

 

「だらしないですよ、近藤さん」

 

「うるせぇ。死んでまでオメーの説教は聞かねーよ」

 

 近藤がそう言うと、まるで沖田の目線を誘導するように、すっと奥の方へ目配せした。

 

「ほら、源さんも歳も待ってんだ、お前だけだったからな、まだ生きてたの」

 

「なんですか、その言い草。短命は罪ですけど、長寿は立派でしょ?」

 

「うるせー、待たせすぎなんだよ。一や新八にも言ったけど、お前ら意外としぶといのな」

 

 その言葉に私はにっこりと微笑んだ。

 ああ、これだ。私はこれをずっと待ち望んでいたのだ。

 近藤が死んでからの数十年間。願い焦がれたこの瞬間。沖田はそれだけのために生きて、この時のためだけに奮迅した。

 

 だから、もう何もいらないのだと思った。

 彼女の戦いは、もう終わったのだから。

 

「さて、飲み明かそう。ここが地獄でも天国でも、お前らといれればそれでいいからな。

 

———俺たちの幸せはここからだ」

 




言うまでもなく打ち切りエンドです。
私の力が足りないばかりに、こうなりました。
申し訳ございません。
理由は言わずもながら、客観的に見て面白くないからです。
なので他の作品に専念することとなりました。



あらかじめに言っておきます。
この作品は絶対に続きません。
続くとしたらリメイクとかですが、どうせ出ません。
お気に入り登録とかしていただいたのに申し訳ありません。
ありがとうございました。

話の進め方についてのアンケート。

  • 余計な話は省いて、展開を早く
  • 余計な話は省いて、もう少し展開を早く
  • このままの感じで、遠回りしながら
  • もっと話を入れて
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