だが、幸せになる方法は二つある。
一つは人間の安全装置を作動させること。
つまり、妄想の世界に逃げ込んで幸せになることだ。
二つ目は死ぬことだ。
君ならどっちを選ぶんだい?
-ドロップ
1996年5月14日
東京都内にあるドロップの自宅
PM5:00
僕は家で宿題をやっていた。
「えーと。13+25か・・・。筆算でやると・・・ おけ。解けた。」
そのときだった。
「って。おい!!」
筆箱の中に入っていた鉛筆が勝手に動き出し、ノートに何かを書き始めたのだ。
最終的にノートにはこのように書かれた。
≪私を助けて≫
一体何のことだ?
「▪▪▪うん? もしかして▪▪▪」
僕は本棚から1冊の本を取り出し、ページを開いた。
そのページには一つの写真が載っていた。
黄色く変色した20歳ぐらいの男性の死体のカラー写真だ。
この写真は1946年6月2日に占領任務中の米軍により撮影された写真で、遺体には外傷が全く無かったため、現在でも解決できていない。
その後、遺体は現地住民と現地の米軍によって供養されたが、その後、供養に参加した人々が次々に原因不明の死を遂げた。
この事件の前に東京都庁に〈私を助けて〉という手紙が300通届いた。
これの送り主を探したが、米軍でも見つけることが出来なかったらしい。
これと関係があるのだろうか?
少なくとも、地下室に存在すると噂されているヴァクセスラールの遺体に関係があるかもしれないな。
少し調べてみるか。
僕は時計を見た。
午後9時20分。
今日はもう寝るか。
「例の子たちは連れてきたか?」
「ああ。連れてきた。これで計画が成功するだろう。」
「そうか。全員に通達する。ソームラック作戦*1を実行せよ。1日目は東、2日目はユーラシア、3日目は地球、4日目は宇宙だ。」
ピピピピピピピピッ!!
「はぁ! はぁはぁ・・・」
うなされていたようだ。
僕はベッドから出て、姉のいるリビングに行った。
「おはよう。って、ええ!?」
そこにいたのは確かに私の姉であるセレーネで間違いはなかったが、意識を失っていた。
「お姉ちゃん! ねえ!」
セレーネ視点
「うーん・・・。ここは・・・。」
顔に当たる冷たい風で目が覚めた。
周りには岩が転がっていて、周りもとても暗い。
「近くに木の棒があれば火をつけられるんだけど・・・。ドロップは大丈夫かな?」
私に異常(死亡や歩行不能、大怪我など)が起きた時には私の知り合いにメールが行くようにしているが、最近はシステムの更新をしていない。
少しまずいかもしれない。
パキッ!
木の棒を踏んだようだ。
私は木の棒を拾って魔術で火をつけた。
「きゃっ!」
火をつけるべきではなかったかもしれない。
周りには人骨が転がっていた。
「これは夢なのよね?」