那月によって倉庫街に転送してもらった優一郎達は上空を見て気づいた。
上空にいたのは漆黒の妖鳥・・・巨大な烏であった。
時折溶岩に似た琥珀色の輝きを放ち吐き出される火球は辺り一帯を
火の海にしていた。
そして時折であるが巨大なワタリガラスは暴風を放って自身を守っていた。
如何やら爆発を具現化した眷獣であろう威力は十分であると同時に
ビルの屋上にいる男性を月光韻を出した与一が見つけた。
「いたよ!西に6キロにある左から8番目の大きなビル!!」
与一の言葉を聞いて辺りを見回して・・・那月がこう言った。
「あそこだな。」
そう言ってその地点にいたのは上品な上着を身に纏った吸血鬼であった。
年齢は恐らく30前後であろうがその魔力の大きさを見て優一郎は間違いなくその10数倍は長生きしているタイプであると踏んで優一郎はこう言った。
「与一、お前はあのでけえワタリガラスを引き付ける事って出来るか?」
「やってみるよ。」
「士方、あいつの力をお前の魄刀で何とか出来ねえか?」
「あんだけの魔力となりゃあ・・・20数えて行けるかどうかだ。」
「分かった、だったら俺と三葉で抑えるから那月先生はその間に」
「あいつを捕まえろ?だろ??やってやろう生徒が戦うのだからな。」
那月がそう言ったと同時に転送すると優一郎はようしと言って全員に向けてこう言った。
「隊長はいねえけど俺達暁隊の力を見せようぜ!」
「「「「おおおおおおおお!!!!」」」」
そう言って全員が構えた瞬間に・・・与一が全員に向けてこう言った。
「あの眷獣に向かって行く人影がある!」
「「「?!」」」
「人数はどれくらいだ!」
優一郎はもしかしたら援軍かアイランドガードかと思っていると与一は
ええとと言って・・・こう答えた。
「神父みたいな恰好をした男性・・・だけど。」
「「「「・・・・・はあ?」」」」
それを聞いて優一郎達は全員何言ってるんだと思うかのような顔をすると同時に与一がこう言った。
「あ!今ジャンプして眷獣二向かって行ってるよ!?」
「「「!?」」」
何だとと思って見て見ると確かに大柄な神父が両手に片刃斧を眷獣目がけて
振り下ろそうとしていたのだ。
「何やってんだあのおっさん!」
「死ぬ気かよ!?」
士方と三葉が互いにそう言うと同時に大柄の神父は其の儘片刃斧を振りかざして其の儘眷獣目がけて・・・
・・・・・一閃すると同時に眷獣は其の儘両断されて消えたのだ。
「「「「はあああああああああああああああああああああああ!?」」」」
それを見て優一郎達は絶叫の如き驚きを口にした。
「おいおいおい何だあいつは?神父・・・エクソシストか何かか??・・・おいお前あいつの事知っているのか?」
那月は目の前でふんじばった吸血鬼に向けてそう聞くと吸血鬼はこう答えた。
「し、知らん!いきなり襲いかかって来て私は自己防衛の為に戦ったまでだ!」
「・・・其れが本当だとしても腕輪を」
「危ない!」
吸血鬼の男がそう言うと同時に那月が振り返った先で目にしたのは・・・
・・・・・片刃斧を振り下ろそうとするオイスタッハがそこにいた。
「邪魔ですよ攻魔師。」
そう言ったと同時に振り下ろして・・・大爆発が起きた。
「那月先生ーー!」
優一郎は爆発した場所に向かって行った那月を思い出して大声で安否を
確認しようとすると・・・目の前に那月が現れたのだ。
「那月先生!」
「大丈夫だ、だがしかしあの神父の法衣は確かロタリンギアの」
「その吸血鬼を渡してもらいましょうか?小さき攻魔師と戦鬼隊の子らよ。」
「「「「「!!!!!」」」」」
その声を聴いて聞こえた方向に目を向けるとそこにいたのは・・・
オイスタッハであった。
「あれは・・・酷い戦闘があったようです。」
そう言ってモノレールの上で雪霞狼を持っている雪菜がそこにいた。
吸血鬼が暴れていることを聞いた雪菜は近くのモノレールを使って
最寄りの駅に着くと其の儘貨物運搬用のモノレールの屋根の上に移って来たのだ。
先ほどの戦闘がやんでも雪菜は何やら気掛りがあるのであろう向かって
行ってたのだ。
何かあると言う想いで。
「貴様は・・・何者だ?」
那月がそう聞くとオイスタッハは・・・ふんと鼻息荒してこう言った。
「他者に名前を聞く前に先ずは自身の名を言うのが礼儀だと思われるが小娘?」
「誰が小娘だ誰が!」
「まあまあ先生。」
与一がそう言って那月を宥めていると優一郎達が自己紹介した
(那月は渋々だったが)後にオイスタッハはこう答えた。
「私の名前は『ルードルフ・オイスタッハ』、ロタリンギア王国の
元神父です。」
次回は多分戦闘。