その日は朝から浅葱は制服の儘アルバイトをしていた、
ここはキーストーンゲート地下12階にある弦神島管理公社の保安部であり
中枢とでも言える場所に何故浅葱がいるのかと言うと・・・其れは彼女が
プログラムのエキスパートであったからだ。
『よお、お嬢。不機嫌そうだなあ、折角の別嬪さんが台無しだぜ?』
浅葱に向けてそう言ったのはパソコンから出た声・・・
補助人工知能であるAIアバター・・・『モグワイ』であった。
見た目は着ぐるみみたいに見えるが紫の体をしたまるで怪獣の様な
特徴をしたアバターであった。
然し口調は見た目に反して・・・軽い口調をしながらこう言った。
「うっさいわね『モグワイ』、たかがAI風情がいい気になっていると・・・
消すわよ。」
『おお怖い怖い、まあ見る限り流石の天才プログラマーも色恋沙汰には
疎そうだよなあ。まあ仕方ねえよなあ、愛しの暁は今冥界らしいからな。』
「全く何やってんのよ本当に!北欧のいざこざに自分から
巻き込まれるなんてさ!!」
『仕方ねえさ、まあグレンが言わなきゃ巻き込まれる事は無かったのにな。』
「本当よね!全く何でこうなったのよ!!」
浅葱は怒ってポテトチップスを食べながらそう言っていると・・・
鈍い振動と衝撃、そして・・・悲鳴が聞こえていた。
「な・・・何よ今のは!」
『ちょっと待ってろ嬢ちゃん、今調べて・・・やばいなこいつは。』
「何よモグワイ!何があったのよ!!」
浅葱がそう聞くとモグワイはこう答えた。
『侵入者だ、今ビルの中で警備隊と交戦状態に入っているが歩兵程度じゃあ
話にならねえ。今戦術機部隊が向かっているようだが間に合わなさそうだな、
って言うか今の振動で如何やらこっちの建物が幾つか壊れちまったようだぜ。』
「はあ何よ其れ!マジ大丈夫なのそれ!!」
浅葱が大声でそう言っていると『モグワイ』はこう返した。
『だけどこっちは良い方だ、上層は被害が甚大で脱出するにしても
エレベーターシャフトはいかれちまってる。非常階段も使わないほうが良い、もし襲撃者と・・・今その襲撃者の映像が入ったぜ。』
そう言って映ったのは・・・オイスタッハであった。
「こいつが犯人?神父??」
『ちぃーっと待ってろ、顔認証で調べて・・・おいおいおいこいつやばいぜ
ロタリンギア王国の教会で有名な戦斧教神様だぜ。』
「何でロタリンギア王国のがって・・・何でこんな所に!」
『分かんねえが今は台風が通り過ぎるのを待ってどっかで隠れとけ嬢ちゃん、
確か緊急用に造ったここのスーパーコンピューターを入れるときに造った
エレベーターシャフトがあったはずだ。そこに入ってな。』
「わ、分かったわ!」
浅葱はそう言って中に入って行った。
キーストーンゲート一帯は既に多くの戦闘部隊で囲まれていた。
「優君!こっちこっち!!」
「おお与一!お前も呼ばれてたのか!!」
優一郎がそう言うと与一も近づく中士方がこう言った。
「取りあえずだが現状説明するからよく聞けよ。」
そう言うと説明が始まった。
「敵は如何やらあのおっさんだ、今キーストーンゲートの歩兵戦闘員達が
立ち向かってはいるがあのおっさんの前じゃあ雑魚同然だ。俺達も突撃するが
それと同時に対魔導学園の連中も向かっているらしいから先ずは俺達も出撃する、俺達が入るのはあのおっさんが入ったルートと同じ場所に行くから・・・死体の山確定だ、気を引き締めるぞ!」
「「「「おおおおおおおおおおおおおお!」」」」
それを聞いて優一郎は中に入って行った。
「成程、やはりここの結界が邪魔ですね・・・ならば!」
オイスタッハはそう言って両手にアル片刃斧を振り下ろそうとして・・・
ばちりと音が鳴って弾き飛ばされそうになったのだ。
「矢張りまだ駄目ですか・・・そうなると矢張りこれを。」
使うしかないですねと言っている中・・・背後から声が聞こえた。
「動くな!」
そう言って現れたのは・・・アイランドガードの特殊部隊であった。
攻魔師二個分隊と重装歩兵戦闘部隊1個中隊であったが・・・オイスタッハは
片刃斧の内の一本からフルボトルを抜き取るとオイスタッハは全員に向けてこう言った。
「今から言う事ですがよく聞いてください、家族・恋人・大切な人、
どれでも構いません。いる方がいて泣かせたくないのでしたらここから去ることを予め言います、私の目的を達成するためには貴方方を殺さなければいけませんが
生きたいと、死にたくないと願う者はここから去ってください。私は死ぬ覚悟は
出来ていますし一つ言いますが・・・
・・・・・私はこの力を扱いきれませんので悪しからず。」
そう言って注射器に装填するとそれを首筋に刺したと同時に・・・
音声が流れた。
『エンジン』
それが聞こえたと同時に・・・黒いオーラが辺りを支配した。
そしてそれから暫くの間・・・断末魔の悲鳴がその階を支配した。
『大体は片付いたな、では。』
と言ってオイスタッハ?は立ち去ろうとすると・・・声が聞こえた。
『成程、敵が来るのですね。ですがもう・・・遅い!』
そう言ったと同時に結界に触れて其の儘・・・破壊した。
そして次回へと続く。