居場所のないうさぎ
「それで・・・うさぎ、学業の方はどうなってるのですか?」
「あう・・・あの。」
「時間を無駄にさせないで頂戴。」
うさぎに向かってそう言うのは眼鏡を掛けた初老の女性、名前は『西園寺 桔梗』。
うさぎの母親である、厳しい口調でうさぎに向けてこう続けた。
「貴方の成績は逐一私の耳に届いております、此の儘では卒業どころ進級も
危ぶまれるわ。」
そう言って『桔梗』はうさぎの成績と小隊の戦歴データを見せるとはあと溜息付いて
こう続けた。
「ノルマの期限はざっと見積もって後半年もない、どう見積もっても無理ね。まあこれは自明の理ね、誰も貴方には期待などしていないのだから。学園に入れたのは
おじいさまの遺言に則った形でしたが・・・例の件を早めさせます。」
「お・・・お母さまそれは」
「あちらのご子息から催促を頂いてるのよ、あの方も大層貴方を
気に入っているようですから何も問題はないでしょう。」
「私が卒業してからと言うのが決まりだとおじいさまの遺言に」
「学園に通うのは今月一杯よ、こんな無駄な学費を支払う余裕は今の西園寺家には
ありませんから。」
「無駄には致しませんわ!失望も致しません!!だから・・・学園を辞める事だけは」
「黙りなさい!貴方は西園寺家存続のための贄となるのです。市場を捨て己の分を
弁えなさい。」
『桔梗』はそう言って椅子から腰を上げて立ち去ろうとすると
うさぎは慌てた様子でこう思っていた。
「(やっと・・・やっと小隊が形になってこれからだって時にここで終わりだなんて
嫌ですわ!やっとできた繋がりを・・・断ち切りたくない!!)」
そう思いながら母親に考え直させようとするも・・・『桔梗』は冷たく
うさぎに向けてこう言った。
「触らないで、私は貴方の母などではありません。貴方がいなければ全てが
上手く行っていたのです、自業自得でしょう?」
そう言い残して失意に沈むうさぎを放って部屋を後にするがうさぎは部屋の中で
大丈夫だと呟きながらもこう思っていた。
「(戻りたいですわ・・・あそこに・・・35試験小隊に。)」
そう思いながらあそこを失ったらもう自分には居場所何て無いと考えながらも・・・
内心諦めの心境であった。
郊外の林道にて3人の人間が立っていた、一人は対魔導学園の生徒で残りの2人は
暗闇のせいで分からなかったが・・・その相手に向けてこう言った。
「もう逃がさないぞ!『アッシュダウンの魔女』!!」
そう言って銃を構えるとその2人が姿を見せながらこう言った。
「相変わらずここは醜い街ね、お姉さま。」
「ええ本当に。」
片方は紅い装束を身に纏った女性、「アラビアンナイト」の踊り子を思わせるような
露出度の高い衣服を身に纏っていた。
扇情的なガーターストッキング、そして魔術師のローブを連想させる長い頭巾。
20歳前後の女性であろうが彼女が漂わせている禍々しい雰囲気を一言で表すなら
間違いなく・・・魔女である。
そしてもう一人の女性は・・・漆黒である。
鍔広の三角帽子を被って闇色のマントを羽織り、ボンデージ衣装のような黒革の
ライダースーツで全身をくまなく覆っているのだ。
艶めかしい体のラインがくっきりと浮き出してある意味裸よりもエロティックな
雰囲気を漂わせている。
すると対魔導学園の生徒が銃を向けてこう言った。
「お前たちに殺された仲間の仇・・・取らせて貰う!」
そう言うと(´∀`*)ウフフと『アッシュダウンの魔女』2人はこう言った。
「(´∀`*)ウフフ、何言ってるのかしらねお姉さま?」
「ええそうね、私達が今迄見た人間とは変わっていて面白いわね?」
「ほざけや!」
そう言って銃で放つも・・・それがナニカによって阻害されたが生徒はああそうかよと言ってこう続けた。
「だったら・・・こいつだよ!」
そう言って大型のリボルバー式キャノン砲を向けて・・・放ったのだ。
ズドン!と言う音と共に大爆発が起きてずざざと後ずさりながらも生徒はこう言った。
「へへへ・・・如何だ糞アマドモ!あいつらの仇を取ってやったぜーー!!」
ハハハハハとと笑いながら爆発音のある方向を見て爆炎が止むと
そこで目にしたのは・・・無傷の『アッシュダウンの魔女』達であった。
「嘘だろ・・・あれだけの威力だぞ!対IS用の特殊弾頭だぞ!!何でだよ糞が!?」
そう言って銃を地面に叩きつけると緋色の魔女がこう言った。
「仮にも魔族特区を名乗る都市の住民がこの程度で驚かないで頂きたいわね。」
「それは無理な注文と言う物よ『オクタヴィア』、あの礼儀知らずの小娘が
住んでいるのだから。」
「それもそうね、お姉さま。」
そう言うと2人の女性の内『オクタヴィア』と名乗る女性が目の前で
魔法陣を出すとそこから・・・巨大な触手の・・・烏賊の様な触手を持った生物が
出てくると生徒はそれを見て・・・こう呟いた。
「・・・畜生が・・・!」
それを最後に・・・生徒は触手の中で姿を消した。
それを見届けた後『オクタヴィア』はこう言った。
「さあ始めましょう姉さま、この街に狂気を蔓延させるために。」
「ええそうね『オクタヴィア』・・・あの女を殺すために。」
そう言ったのを最後に彼女たちは姿を消した。
後に残るは生徒が使っていた・・・リボルバー式キャノン砲だけであった。
次回は古城達サイド。