うさぎの祖父は厳しい人であった、子供であろうが時に厳しくして時にはちゃんと導く
優しい人で父親と言う形だけの存在よりも最も良心的な存在であった。
そんな中でうさぎに向けて祖父はこう言っていた。
『審問官になりたいのならばその武器を持つ以上子供だからと甘えるな、綺麗ごとも
理想も全てごみに捨てろ。何?夢もか??武器を持つ以上大切なのは何時いかなる時も
仲間を守るために最も現実的な結論を見つけろ、夢は語るは良いが現実を見ない事は絶対にするな。』
『愛人の子だからと言ってそれがお前にとって何のデメリットだ?そもそも
それを言うなら奥さんがいながらも不貞をした馬鹿息子を憎むべきであってお前が憎まれる理由ではない。』
『失敗するのは良いが同じ間違いだけは二度とするな、失敗していけないのは仲間の命がかかっている時だけだ。』
それと自分の身もなと言ってうさぎに常日頃から注意し時には引っ叩きもするが
常に優しい存在であった。
うさぎにスナイパーとしての才能を見出した祖父はまずうさぎに子供用のおもちゃを
買い与えそこから練習し更にスナイパー教室にて練習を重ねに重ねてある時祖父は
うさぎを連れて猟銃片手にうさぎ(勿論スナイパーライフル持ち)と共に山に
入って行った。
行政からの依頼でここ最近農作物を荒らす鹿が近隣を屯ッているのだ、然も
頭が良いためか猟師が来れば山奥に逃げて手が付けられないようだ。
其の為長距離戦闘に適していた祖父が仲間達から引き受ける形で向かったのだ。
そして鹿を見つけた中で良しと祖父はうさぎに対してこう言った。
『うさぎ、これであいつを討て。』
『・・・・え?』
『あいつは今迄色々と悪さしてきた、勿論それは我々人類が
あいつらの支配領域に迄開発してしまった事からの報いなのだがだがそれでも
ここで人間を恐怖しなければ奴らは更に大群となって人間のいる街に入って
悪さをするだろう。そうなれば自然相手に人類が戦争したところで無常な結末を
迎えるだけなんだ、審問官になる以上お前は何時か人間に対して引鉄を弾く事となる。
初陣の人間が人間に対して引鉄を弾く際に躊躇う事から死ぬことも度々ある、うさぎ、
お前が審問官になると言うのなら・・・討て。』
祖父はそう言ってまだ幼いうさぎに対して彼女のスナイパーライフルを渡すとうさぎははいと答えてそれを渡されてスコープ越しから鹿を捉えると祖父はうさぎに向けて
こう言った。
『審問官になれば腕か足だがこの場合は頭か心臓だ、決してそれ以外を狙うな。
生き物の死を痛みの中長らえさせる事などましてやそれを楽しんではいかん。』
それを聞いてうさぎは一度深呼吸して・・・両目を見開いて鹿を見つめた。
スコープ越しからとなれば本来ならばそっちの目だけに集中する方が良いかと
思われるが実際はそうではないのだ。
本来ならばもう片方にも向かうはずの目に向かう酸素が目を瞑る事で残った目に
集中して鋭敏化してしまい誤差を引き起こす恐れがあるのだ。
以前初めてスコープ越しの際に片眼を瞑った事から祖父はそれを注意して事から
それを行い今では自在に意識してやれるようになったのだ。
そしてその儘放って・・・鹿の心臓に直撃したのだ。
『やった・・・の?』
うさぎがそう呟くと次の瞬間に祖父がうさぎに向けて不味いと言ってこう続けた。
『行政の奴らしくじったな・・・・あれは只の鹿じゃない〈怨鹿(おんか)〉だ!』
祖父がそう言った途端に鹿の体が・・・変貌していったのだ。
可愛らしいであろうその顔が口が引き裂かれるように開き体はまるで
ゴリラのようにむくみあがって見た限り大きかったその角は三回り大きくなってまるで
クワガタムシの頭のようにガシガシと動くのを見て何ですのあれとうさぎが呟くと祖父がこう答えた。
『〈怨鹿(おんか)〉、この山一帯の守り神だがあまりにも多くの生き物が死んだ際にそれらが集まって出来た怨霊だ。だがそうなるには何かしらの巨大な工事とかで動植物が死んだ際に数十年もかけて実体化するはずなのに何故・・・・ああそうか!この間の
トンネルの崩落事故の時に死んだ人間の怨念も入ってるから出現が早まったのか!』
そして恐らくあの鹿に寄生したがトリガーが引いてなかったから
出なかっただけかと言うとうさぎを連れてこう言った。
『逃げるぞうさぎ、あれ対応の銃弾が無い中であれを・・・うさぎ!』
祖父が突如として前に出るうさぎを見て仕方ないと思って自身も持っている
猟銃を使って攻撃しようとした瞬間にうさぎが祖父に向けてこう言った。
『この子は私が仕留めます!私が最後までやりますわ!!』
そう言って祖父の持っていた銃弾の一発を込めるとうさぎは
『怨鹿(おんか))』に向けてこう言った。
『貴方は只生きたかっただけ、ですが・・・貴方の命をここで
終わらさなければいけませんわ。』
そう言って引鉄を弾く手前で『怨鹿(おんか)』に向けてこう言った。
『御免ね。』
そう言ったと同時に兎のスナイパーライフルから散弾が放たれ頭に
命中したと同時に内部で爆裂して・・・破壊された。
『うさぎ。』
『お・・・おじい様・・・御免なさい私その』
うさぎがそう言って祖父に向けて謝ろうとすると祖父はうさぎを抱きしめて・・・こう言った。
『よくやったなうさぎ、お前は誰よりも強く優しい子だ。』
『!』
それを聞いてうさぎは初めて自分が褒められたこと、そして何よりもこうやって
抱きしめてくれたことに喜びソシテ・・・泣き始めたのだ。
今まで欲しかった居場所が手に入れたことに感涙したのだ。
この時からうさぎの居場所は祖父母であった。
だがそれも・・・一月だけであった。
再びの悪夢。