うさぎは祖父母から色々と教えを聞きそれを全うしながらも祖父からスナイパーとしての素質を見出されて以降は猟友会のお爺さん方々から本当の意味での幸福な時間が
過ぎていく中・・・両親が兄を連れてきたのだ。
何処からか聞いたのであろううさぎが怨鹿(おんか)を討伐した事を聞いて自分も
習わして欲しいと言うが祖父はそれを承諾しなかった。
両親はどうしてと言うがうさぎの祖父は難しい顔でこう答えた。
「この子とうさぎとでは才能が違う、何でも出来るからという理由でうさぎと
同じような事が出来るとは限らんし何よりも・・・こう言っては何だがこの子と
うさぎとでは明確に心の有り様・・・覚悟が違う以上この子に武器を・・・
生き物の命を奪う物を持つ事など許されん。」
それを聞いて両親達はああだこうだと差別だとか暴論だとか言うがうさぎの祖父は
ため息交じりにこう言った。
「お前たちがうさぎの事をどう思っているのかはまあ見て分かるがな・・・あの子は
お前たちの不平不満を押し付ける道具ではない、これ以上実のならない事言うのであれば
儂はあの子を正式に儂の娘として引き取る。」
それを聞いて不可能だとか横暴だとか言うがうさぎの祖父はこう返した。
「ならばあの子に愛を与えぬどころか妾とか言っておきながらそばに置いて世間様からのお涙頂戴させるでないわい、あの子が出来るからと言って自分も出来るなどと
ほざく様では西園寺家はもう終わりじゃな。」
それを聞いて更に喧嘩の内容(主に父親と母親の子供めいた癇癪)があったが
祖父はそれを右から左へと流すかのように理性的な反論をしていた。
それが終わったのは・・・夕方頃であった。
その頃うさぎは外で雪かきをしていた、元々降雪地帯であったことから毎日
やっている内に慣れてしまい的確な訓練としてやっていたのだがそんな中倉庫で何か
物音がしたのだ。
「何ですの一体?」
うさぎはそう呟いて中を見るとそこで目にしたのは・・・銃と実弾を
取り出している兄がそこにいたのだ。
「な・・・何しているのですかお兄様!」
それを聞いて兄はうさぎを見て・・・バカにするような目をしてこう言った。
「はあ?何お前俺に対してお兄様呼ばわりなんだよ?何で手前が良くて
僕は駄目なんだよ!お前みたいな落ちこぼれなんかよりも僕の方が良くできるはずなのに何で何だよ!!僕がこいつを使ってお前よりも上だって事を証明させてやる!?」
そう言って銃弾を込めると兄はうさぎに向けてこう言った。
「先ずはお前を・・・こいつで仕留めてそんで其の儘向こうに行くさ!どうせ父さんも母さんも俺の言う事聞いてくれるんだろうしな!」
「お兄様・・・貴方と言う人は!」
うさぎはそれを聞いて心の底から兄を嫌悪した、ここ迄他人の信頼を利用して
自分の行動を成功させるとはと思っていると・・・うさぎはすぐ様に銃を
奪い取ろうとしていた。
その時にうさぎは祖父からの教えを思い出していた。
『良いかうさぎ、武器を持つという事は相手を傷つける事。それはつまり己の心を
傷つける事この上ないのだ。そして何よりも・・・お前は誰よりも人の心を
優しくする事が出来る優しい子だ、だからこそお前は命を奪う力の覚悟を持てるのだ。』
それを聞いてはいおじい様とそう思いながら何とか兄から銃を奪おうとして
向かって行ったのだ。
「おいお前何するんだ!」
「駄目ですお兄様!銃を持つ心得が無い人間が持ってはいけないのです!」
「ふざけた事言うな!心得何てよりも使う人間が優秀かどうかなんだ!!お前みたいな役立たずの能無しよりも僕の方が優秀なんだ!!」
そう言いながらもみ合ってそして・・・
・・・・・ズドン!という銃声が倉庫に響き渡った。
「あ・・・ああ。」
うさぎはそう呟いて目の前で・・・息絶えている兄であったその姿を見た。
顎下から脳天を突き抜けた一撃で即死であった。
『お前が殺した!』
祖父母以外の誰もがそう言うが祖父は万が一と言う事で監視カメラと兄の懐から
出てきた鍵と監視カメラに映った兄の所業が映っており更に元検視官である老人の
簡易的な指紋分析から兄の指紋が幾つも出た事からこれは兄の行動を止めようとした
うさぎが誤って撃ち殺してしまった事の証明であったが両親はそれを信じられずに
うさぎに対して罵詈雑言を吐く事から当時いた祖父母達や仲間たちは白い目で
見る事となるがうさぎはその事から極度のあがり症と同時に緊張感が高まり今に至りその祖父母の死んだときも・・・姉が病死した際にも全てがうさぎのせいとされた。
それをうさぎは疑うことなく受け入れてしまい自分の心が沈む中で礼真と姉の葬儀で会ったが当時うさぎの祖父母のいた場所に彼も来ていてその時にやったことを
脅迫まがいで言われただけではなく礼真の優位性を保証させるがために
服従させようとしていたのだ。
無論西園寺家はそんな事分かっていないがために結局はいまのメンバーと出会うまで
うさぎは一人であったのだ。
「全くさあ、あの子の過去ってどうしてまあ重いんだろうねえ。」
流はそう呟きながらうさぎの下に向かって行く中である資料情報が出た、
それはうさぎの祖父母の友人からの証言データと共にとある手紙が書かれていた。
それは親友が持っている・・・うさぎの祖父母の遺言書であった。
そして物語は現在へと続く。