弦神島における非日常的な日々   作:caose

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 キセキサイドです。


キセキの願い

「観測対象、心肺停止間近です。強心剤の投与と同時に各員警戒態勢に移行せよ。」

 管制室にてレギンの一人が鳳に向けてそう報告すると鳳は拘束されている・・・キセキの映像を見てこう呟いた。

 「ふむふむ、今日のキセキちゃんは随分長く抵抗しているねえいやあ結構結構。」

 鳳は現在の状況を把握していた、あれから30時間以上が経過し常人ならば既に100回は死んでいるであろうその光景に対して鐵がこう聞いた。

 「何時とは様子が違うな、妙な感じがしますが草薙タケルとの面会で何か

変わったのでしょうか?」

 「さあね、まあ少し草薙君が取り乱しただけだけどキセキちゃんは大人しかったって

聞いたよ?それに彼が面会に来てくれた日は不思議と精神バイタルが安定して力の活動が

鈍くなるから僕からしたら大助かりだよいやマジで。」

 コストパフォーマンスに良いからねと言うと鐵は鳳に向けてこう返した。

 「確かにそれは分かりますが・・・これ以外の方法は無いのでしょうか?これでは彼女の心がいつまで」

 「持たさなきゃいけない、持たなかったら彼女の中にアル力が目覚めて最悪3年前の

関東魔力汚染事件の二の舞だ。あの時は当時勇者の一族が駆けつけて其れでも5人も死んでおまけに当時のキセキちゃんが住んでた村は壊滅してしまったんだ、其れの再来だけは

食い止めたいし何よりも・・・あと少しであれが完成するんだそれまでの辛抱だよ。」

 「効くのでしょうかあれは・・・貴方が直接スカウトしたとはいえ彼には

前科があります、奴と共に持って来たあの」

 「あれは僕達にとっての切り札だ、うまく行けばこれ迄救えなかったであろう

オーバーフローコンプレックスの人達の犠牲が報われこれからの犠牲は間違いなく0だ・・さてと彼女の中にアルあれが目を覚ます・・・全員気を引き締めて行動しておくように。」

 鳳がそう言ったと同時に・・・キセキの心拍が停止したという報告があった事から

鳳は鐵に目配せすると鐵は全員に向けてこう言った。

 「総員第一種戦闘配備!私が監獄に入ったと同時に全部隊は下がれ!!誰も通すな奴は私一人で相手する!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ・・・お兄ちゃん・・・何処?」

 キセキはそう呟きながら辺りを見渡していた、自身の力・・・

『不確定古代属性〈鬼〉』。

 その力は不明で分かっている事は以下の通り。

 ①術者・・・つまりはキセキ自身はどんな状態になっても死なない。

 ②自身以外の全てのあらゆる物質・現象・魔力を取り込んで自分の肉体のエネルギーに変換できる。

 ③定期的に力を放出させることが出来なければこの〈鬼〉の魔力によってキセキの魂が変貌して暴走或いは・・・自身を中心に魔力崩壊で現状の範囲・・・

半径100キロ圏内が消滅する。

 そしてそこから更に230㌔県内は魔力が濃厚となり魔力中毒で死ぬ。

 これに伴い弦神島全体が死の街に変わるのだ。

 このためキセキは毎日生と死を繰り返しているのだがタケルはこの事は

知られていない、当たり前だ。

 自分の家族がこんな非人道的実験をされていると聞けば間違いなく

どんなことをしてでもキセキを外に連れ出そうとする事位は明白だ、そしてキセキは外であの力を使うであろう。

 其れだけは阻止したいという願からキセキ自身も黙認したのだ。

 「お兄・・・ひゃ・・・にい・・・つ・・・や」

 キセキは兄を・・・タケルの事を想い、憎しむ事で自身の存在を認識し続けている、たったそれだけで死ぬよりも辛い生き方に耐えられるし何よりも・・・また会いに

来てくれると分かっている。

 だがふとある事を思い出した、それは栗色の・・・ツインテールの兄よりも年上の

少女の事を幻想した。

 見た事ないその少女がタケルと共に歩みソシテ・・・タケルと共に離れていくのを見てキセキはその姿に手を伸ばすが届かない・・・自身の手が拘束されているのを見て

キセキはそんな自分の魂が孤独の闇に沈んでいくのを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーお前は何を望む?

 キセキの耳元から声が聞こえた、異端・・・〈鬼〉の力がキセキにそう聞くとキセキはこう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お兄ちゃんに会いたい・・・外に出たい・・・お兄ちゃんと一緒に生きたい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーその願い・・・聞き届けたり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「グレイブニル破砕!鉄の処女(アイアンメイデン)を引きちぎっています!!」

 「私が中に入って奴を止める!戦術機部隊及びデュラハンはこの場から退避!!

もし私に何かあったら・・・地下監獄の全施設を放棄!?其れと同時に私とあれを

供犠建材として最地下ブロックに封印しろ。」

 鐵の言葉を聞いて納得はしていないだろうが暫くして・・・了解と言う答えを聞いて

鐵が地下監獄に入るとそこで目にしたのは・・・赤い肉の塊であった。

 夥しい数の口や目、歯、角がひしめき合っているそれを見た後鐵は其の儘進んでいくとそこで目にしたのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・頭部に1本の角が出ているキセキを見て鐵はこう言った。

 「5年ぶりか、お前はあれから俺を憎しみ、恐れ、恨めばいいだろう。だが俺はお前に謝らないがお前も俺を殺すことに罪悪感は持つな、だからこそ・・・『限りなき願いを

持ってお前を救う(コロス)。』

 そう言ったと同時に鐵の足元に漆黒の雷が鐵を覆ってそして現れたのは・・・

レリックイーターの鎧を身に纏った鐵がその姿を見せたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『お兄ちゃん』

 『お兄ちゃん』』

 『お兄ちゃん』

 『お兄ちゃん』

 『お兄ちゃん』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お兄ちゃんは何処?」

 キセキの言葉がそう言ったと同時に戦闘が始まった。




 次回はこの戦闘の後。
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