弦神島における非日常的な日々   作:caose

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 続きです。


タケルの過去語り②

タケルがキセキと出会って1年が経った、あの時からほぼ毎日通っているが其れが何なのか分からなかったがタケルにとっては心地よい時間であった。

 蔵の外からタケルはキセキと話すが大体は他愛な事ばかりであった、今日の稽古、

道場に出てくるゴキブリ退治、近所のクソガキとの諍い、動物の事とかまあ

そんな程度であったがタケルはキセキとの会話を心のストレスを解消させるのに

知らずに丁度良かったのだ。

 

 

 

 

 

 

 『なあ、お前って何なんだ?』

 タケルがキセキに向けてそう聞くがキセキは自身の事をこう答えた。

 『・・・キセキはキセキだよ。』

 『其処から出たいと思った事無いのか?』

 『・・・出たい?』

 『普通そうだろ?俺だったらこんな狭い所大嫌いだ、全部ぶっ壊して外に出たいと

思うけどお前は違うのかよ?』

 『キセキ・・・広い所苦手、行った事無いけど分かるの。其れにキセキは・・・

キセキは・・・この世界に居ちゃいけないって言われてるの。』

 『誰だよそんな事言っているのはよ?俺に言えよ俺がぶっ飛ばしてやるからよ。』

 『・・・お父さんとお母さん。』

 『そんなの親じゃねえだろ。』

 『・・・・・』

 『お前・・・本当は出たいだろ?』

 『広い所だけどタケル君にはちゃんと会ってみたい・・・かな?』

 『良し・・・俺がお前を其処から出してやるよ。』

 『・・・』

 『俺がお前を救ってやるから・・・約束だ。』

 タケルがそう言って刀を蔵に向けた瞬間に・・・背後から声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『何しているタケル!』

 『!・・・父さん。』

 タケルが背後を見るとそこで目にしたのは・・・タケルの父親の

『草薙 剣断(つるたち)』がそこに立っていた。

 『お前・・・こんな所で何している!』

 『何をって・・・父さん手伝ってよ中に女の子が閉じ込められて』

 タケルがそう言いかけると・・・『剣断』はタケルに向けてこう答えた。

 『そこにいるのが何なのかは俺も良く知っている。』

 『知っているって・・・何で父さんが』

 タケルがそう聞くと剣断がこう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『俺が其の子を・・・キセキを閉じ込めた奴だからだ。』

 『・・・・え?』

 タケルが其れを聞いて何言っているんだと思った瞬間に『剣断』は

その一瞬の隙を付いて・・・タケルのど頭に一撃を与えた。

 『キセキ・・・タケルの事は忘れてろ、良いな。』

 『剣断』がそう言ってタケルを引きづって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『父さん・・・あの子に存在しちゃいけないって父親と母親から言われたって

聞いた。』

 『そうか・・・聞いたのか。』

 『けど俺は今迄あの子の事なんて知らない・・・父さんあの子は一体何なんだよ!』

 タケルが『剣断』に向けてそう聞くと『剣断』はそうだなと言ってこう続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『分かった・・・話そうあの子の事を・・・そして草薙家の闇を全て。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 嘗て・・・草薙流には真明流とは全く違う流派があった、その名は『草薙諸刃流』。

異形の種族を相手取る流派で草薙家は代々それらと相手取っていた。

 そしてその中でも最も多くの敵を討ったのが・・・鬼であった。

 人の闇から生まれた日本古来の妖怪、鬼には感情があるが人を喰らって

生きながらえていた。

 草薙家は陰陽師だけではなく幾つもの偉人や鬼を屠った同志たちと共に戦ったが

とあるとき草薙家に悲劇が襲いかかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 草薙家の女の子が鬼の力を持って生まれてきたのだ、それが一人二人ならば未だしも

女児全員がそうであり然も世代を経ることに力が増してきていた。

 まるで鬼の力が時代に変遷して適応して強く成るように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『そして私の代になって・・・鬼の力を持って生まれたあの子の力は私よりも強く成り私では殺せなくなった事から私はあの子を封印した、済まないが・・・あの子の事は

忘れて』

 『嫌だ。』

 『タケル!我儘を言わないでくれ、あの子を大切にしようとすると何れあの子の力が

あの封印の蔵では抑えきれなくなった時お前は選ばなければいけない・・・

殺すべきかどうかを。』

 『剣断』がタケルに向けてそう言うとタケルはこう返した。

 『それって可笑しいだろ?キセキが鬼なら親父とお袋だって殺しているはずだ、

俺だったらそうするしキセキが鬼なんてあり得ねえよ、あいつは優しいんだ。』

 『・・・そうかあの子は優しいか・・・だがあの子とはもう会うな、私が認めないし

お前に迄この重荷を背負わせるわけにはいかない・・・分かってくれ。』

 『剣断』がそう言って頭を下げるのを見たがタケルは俺は其れでも妹に

会いたいというと『剣断』はこう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『・・・力の無い父を許してくれ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数か月間『剣断』はタケルを自分の兄がいる北欧のとある田舎町に送った、

兄は諸刃流の使い手だが真明流も使える剣の達人でありその実力からオーディンからも

一目置かれていた事から『剣断』はタケルを送り出して・・・其れから時が経った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『・・・半年ぶりだなあ、ロタリンギア王国の言葉覚えれたしお土産も

買って来たし・・・親父とお袋元気かなあ。』

 タケルはそう言って地元に戻ったのは半年後の新月の夜、暗い街の中タケルが

家に入ろうとすると・・・鍵が開いている事に気づいたのだ。

 『あれ?何時もなら締まっているはずなのに?』

 何でと思って開けてみるとそこで目にしたのは・・・タケルにとっては

地獄の光景であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『親父!お袋!!』

 道場の真ん中で折り重なるかのように倒れている両親がそこにいた。




 そして・・・選択の時。
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