あれから数日後、弦神島では復興活動が始まっていた。
大勢の作業員や工事車両型トランスフォーマーが忙しなく動き回っておりキセキが
生み出した鬼の・・・なれの果てとでも言わんガばかりの肉塊の炭が転がっていた。
戦鬼隊死者(キセキによって同化させられた)12人
アイランドガード39人の死者を持ってこの事件・・・通称『肉獣事件』の表向きは嘗て弦神島に於いて活動していた第5支部の残党が起こした生物兵器として表向きの処分を終え其の真相・・・いわば事件の中心人物であったタケル達は・・・こうなっていた。
「今回の一連の事件はそう言う事になったけど君達は本来だったら
キセキチャンを見つけた時点で報告するべきだったのに其れを怠った、これは重大な
規律違反となるけど君達は覚悟が出来ていると思って良いよね?」
「・・・はい。」
タケルは目の前にいる鳳に向けてそう答えた、今タケルは対魔導学園の理事長室に
来ていた。
議題は今回のキセキに対する対応と同時にこの事件における色々の処分である。
「まあ一応だけどバンシーに追わせておいて位置は把握しておいたけどそれでも
君達は僕達に報告する義務があったはずだよ?そこについては理解しているよね?」
「あの・・・今回の処分は俺一人に」
「草薙君、君さ・・・自分の事を過大評価しているのかな?」
「!」
タケルは鳳から放たれる覇気にぞわっとするが鳳はタケルに向けてこう続けた。
「今回の独断行動がどれだけの被害になるのか考えなかったのかい?今回は
民間人に犠牲者が出なかったから良いけど今後も同じことが起きるかもしれない・・・
その時君は責任とれるのかい?」
そう聞くが俺はとタケルは呟くばかりであったがまあでもと鳳はタケルに向けて
こう言った。
「今回の一件はまあ民間人に被害が出なかったのが救いだね、だけど
今回の事についてはきっちりとけじめを付けさせてもらうよ。」
そう言うと鳳はタケルに向けて・・・処分を申し渡した。
「草薙タケル君、今回の一連の騒動に伴い君達第35試験小隊はこれ迄得たポイントの半分を没収するものとする。」
「・・・やっぱり・・・ですか。」
「まあそれでも退学よりはマシだね、さてと・・・これが表向きの処分だがこの事件で僕達は良い『データ』が手に入った。それに伴い君達第35試験小隊のポイントは現在残っているポイントの7倍を進級試験と同時に進呈する事をここに約束しよう。」
「な・・・7倍!?」
「まあね、けどその代わり・・・この額を君は私に対する借金とする。封筒を
置いて置くから第35試験小隊待機室にて見るように。」
そう言って鳳はタケルに封筒を手渡すとタケルが退室したと同時に・・・鐵が出てきてこう聞いた。
「これで宜しいのでしょうか?」
「まあ良いじゃないか?今回の一件で僕達は例の病・・・『魔力暴走』が
解決出来たんだから、理事会はあれで納得させたし何よりも・・・私にとって手頃の駒を失いたくないからね。」
鳳はそう言って窓の外を眺めているのを見て鐵は・・・あの時の事を思いだした。
あの時鐵はホーンテッド達が撤退したのを見送り鐵は
タケルとイリナがいた場所に向かって行くとそこで目にしたのは・・・
倒れたキセキとそんなキセキを囲むかのように泣いているタケル達であった。
「キセキ・・・何で・・・俺はお前がいるだけで・・・
俺はこれからどうやって・・・!」
生きて行けばいいんだと呟くのを聞いてイリナが何を言えば慰められるんだろうと
思っていると・・・キセキの体が僅かだが動いたのを見て鐵はタケルに向けて
こう言った。
「草薙!草薙キセキを見ろ!!」
「・・・・」
タケルはそれを聞いて見てみるとそこで目にしたのは・・・
「う・・・う。」
「キセキ・・・キセキ・・・キセキ!」
タケルはキセキに揺すろうとすると待てと鐵はタケルに向けてこう言った。
「草薙キセキについては未だ拘束しなければいかんが・・・ここでは人が多くなるし
まもなく戦鬼隊も来るはずだ、上空にヘリが待機してある。彼女と共にここから
離れるぞ。」
鐵はタケルに向けてそう言うとタケル達はキセキと共に離れて行った。
「彼女は今どうだい?」
「身体については異常はありません、如何やらあの薬はちゃんと効いている様です。」
「そうかそうか、これで僕達が今まで支払った犠牲が・・・報われるね。」
そう言うと鳳はあの時の事を思いだした。
あの時鳳はヘリから降りてある場所に向かっていた、そこが・・・ここ。
「やあお久しぶりだね・・・『杉並 朱雀』さん?」
鳳はそう言って目の前にいる女性・・・いや少女とも言わんばかりの人間が
そこにいた。
白髪に近い長い銀髪
眠たそうな目つき
白衣の下には見せブラしかなかったその人間に対して鳳はこう続けた。
「まさかアルケミスト社の社長ともあろうお方が狙撃兵を使って彼を殺すとは・・・知っていたのかいキセキちゃんの弱点を?」
鳳は『朱雀』に向けてそう言うと『朱雀』と呼ばれる人間は・・・
間延びしたような感じでこう言った。
「あらあら~?何を言っているのでございましょう?私は只
ここでヘリが来るまで見物を」
「大方この近くの屋上に狙撃兵がいるのでしょう?今回僕はこれについて
目を瞑りますが・・・この問題について色々と文句が言いたいですし何よりも
こちらの生徒に危害を加えた事に対しての・・・制裁がしたいですが目的は
草薙キセキですか?」
そう聞くと鳳は更にこう続けた。
「貴方方は私がバンシーを使ったように貴方方も彼らにスパイを使って調べた、そして草薙キセキの事を知り今回の事件を企てた。ヴァルハラの連中にリークして
慌てている所を草薙タケルを狙撃してそしてこれ、
何ともまあ最悪な事をしていたけど・・残念だったね。僕は君の目論見を破壊した。」
「?」
一体何を言っているんだと思っていると突如として肉塊が全て鬼火に変わると鳳はこう言った。
「実は彼にはオーバーフローに対する特殊な薬品を渡しているんです、
これを使えば今後オーバーフローになったとしても魔力を抑制できるだろうね。
そうすれば今後・・・同じことをせずに済むよ。」
其れを聞いて『朱雀』はまさかと思って鳳に対してジトリと睨みつけているが鳳は
知らぬ顔でこう言った。
「残念だったね?草薙キセキの力はこちらで封じさせる。」
「・・・今回はこれで終わりですわね。」
『朱雀』はそう言って出て行くのを見て・・・鳳は全くと言ってこう続けた。
「面倒な事をしてくれるね本当に。」
そして現在
「まあアルケミスト社については今後も調べる事として・・・
あれ見たら草薙君どんな顔するんだろうねえ。」
「そうか・・・ポイント半分はきついけどまあソレデ済んだだけ良いよね。」
ルクスはタケルに向けてそう言うとタケルはこう言った。
「けどまあ解散せずに良かったけど・・・問題はこいつだ。」
そう言ってタケルは封筒を開きながらこう言った。
「ああ・・・今回の事で色々とあるから・・・借金って聞いたけど・・・
開けたくねえ。」
そう言いながら開けると先ずはこう書かれていた。
『親愛なる草薙君、君は見事妹を救ったね。この薬はちょっと特殊で
前に捕まえた科学者の協力で創った対オーバーフローの薬品で彼女の中にアル鬼の魔力を天使の力を使って抑制するんだけどこれがまた高くて然も量産するには時間がかかるし
体がそれに慣らすには時間が掛かるし継続的に投与しないといけないから
まあ資金的にこれ位は掛かるから・・・宜しくね♪君の借金保証人 鳳 双月』
そう言ってもう一枚あたので見てみるとそこにあったのは・・・
・・・・・莫大な薬代と通院費であった。
「ええとこれって・・・うわあ・・・莫大過ぎる。」
「おいルクス、これは完全に暴利レベルだな。」
「タケル君・・・これ・・・頑張って。」
「最早これは・・・何回生まれ変わって返済しなければならないレベルですわよ。」
或いは何世代分と言うとその・・・ゾロっとある0の数を見てタケルは・・・
悲鳴込みでこう言った。
「ふざけんじゃねえぞーー!!あの糞理事長ーー!!」
この日明るい日の光の中タケルは大声でそう言った。
そしてアルケミスト社では・・・『朱雀』はある物を見上げていた。
「これがそうですの?」
「はい、あの火の柱が上がった後に第5研究所跡地にて発見された物です。
技術的に『これラ』は何で動いているのか気になって気になって科学者としては
堪らない物ですよこれは!」
「そう言えばこれと一緒に人が入っていたはずですわ?それらは??」
「一人は怪我が酷く何よりも意識が無い事から治療しておりますが植物人間は
間違いないでしょうね。」
「もう一人は?」
「そちらは意識ははっきりしておりますが何しろ訳わからない事言っておりまして。」
「分からない事・・・どんな事ですか?」
「ああはいその・・・『コロニー』とか『地球連邦』とか何とかですね。」
「そうですか・・・まあ良いでしょう私も聞き手になりますのでお部屋に
案内させて下さい。」
其れを聞いてこちらですと言って科学者が案内すると『朱雀』はそれらを見て
こう言った。
「草薙キセキは手に入れられませんでしたが・・・これは想像以上の
拾い物ですわね。」
これからが楽しみですわと言って『朱雀』は其処から離れて行った。
第5研究所跡地の地下研究所にて解析されているのは5機の機体
その中でもとある2機が目のまえにあった。
白い体に左肩に紅い三角形の様な形状が描かれた機体と紫と白のツートンカラーで
あったがどちらも似通っていた。
頭にアルV字アンテナ
そして何よりも人間の様な・・・ツインアイが輝いていた。
人物紹介の後休載とします。