「『サキュバス』・・・確か淫魔の悪魔だったよな?」
優一郎がそう聞くとレイヴェルはこう答えた。
「ええ、その淫魔ですわ。彼らが施す主従契約は性的絶頂をしない限り解除されずその場所はランダムなのですが・・・問題がそこなのです。」
「?」
「その場所は有り体に言えば・・・性感帯と呼ばれるものでして因みに・・・
私は///////」
「いや、悪い。それは言わないで宜しい。」
精神衛生的になと優一郎はそう言うとレイヴェルは機を取り直してこう続けた。
「兎にも角にもですが・・・サキュバスを用いた主従契約はそう言う風に
異性に対しての愛情表現の1種っと考えられてましたが・・・」
「?」
「それを利用して先々代魔王時代においては・・・主従契約をした悪魔を
何も言わずに取り換えて・・・精神を壊すまで犯すのだそうです。」
「!!」
優一郎はそれを聞いて目を見開くがレイヴェルはこう続けた。
「主従契約した者はそのそういう事をされて・・・その後ろめたさで呪いが
発動してその光景を見て楽しむという・・・女から見てもあまり宜しくないことが
主に上級悪魔が主だって行っていましたわ。」
「・・・なんつう悪趣味な!」
優一郎はそう言ってダンと机を叩くとレイヴェルはこう続けた。
「ですが先代魔王・・・『ウィルベルト』様になった後このサキュバスを用いた
魔術を禁術として今では使う事すら出来なくなってしまっていたのです!」
「・・・あの時が来るまでは。」
「あの時?」
優一郎はレイヴェルの気落ちするような声を聴いて何があったのだと聞くと
レイヴェルはこう返した。
「数年前なのですが・・・とある上級悪魔とレーティングゲームを
行ったのです。」
「・・・・」
「その時の眷属は女王を加えて6人くらいしかいなかったのですがそれでも
フェニックス家が代々から持っている再生能力によって兄はその・・・
何て言うか・・・。」
「?」
「・・・天狗になっていたのです。」
「元々兄は努力とかそう言うのを嫌う人間でしたが眷属に対してはちゃんと
接していたのです。」
「ですが・・・兄は負けました。」
「只の負けならば良かったのですが相手がその・・・
トンでもなかったのですわ。」
「どんな奴だったんだ?」
優一郎がそう聞くとレイヴェルはこう答えた。
「・・・お相手はとある上級悪魔の妾の子供でその家の魔力を・・・
持っていなかったのです。」
「ふんふん。」
「ですがその人は魔力のなさを努力と研鑽で補っておりましたわ。」
「兄はその人に完膚なきまで叩き潰されましたわ。それも徹底的に」
「それによって兄の天狗の鼻が折れてしまったのが・・・始まりでしたわ。」
「兄はそれからと言うもの納得が出来ずにあらゆる文献を読み漁り、
眷属の強化を中心にしていく中でお兄様は・・・とある名も知らぬ悪魔から
この主従契約を知って全員に・・・妹でもある私に迄無理やり・・・・!!」
レイヴェルはそれを思い出したのか歯を食い縛っていた。
そんなレイヴェルに対して優一郎は・・・黙って聞いていた。
「・・・そしてそんな生活から逃げ出した私は逃げ出して・・・
貴方に救われましたわ。」
「・・・そうだったのか。」
優一郎はそれを聞いて・・・もう冷えてしまった紅茶を啜った。
正直言えば酷いしか言えなかった。
何せ負けたのは聞いた話によれば眷属のせいにしており自分の努力不足を
否定しているのだ。
そしてお互いに無言の状態になると・・・優一郎がこう言った。
「・・・それで?」
「?」
「お前はどうしたいんだ?」
「どう・・・と言いますと?」
レイヴェルがそう聞くと優一郎はこう答えた。
「その話を俺と・・・《戦鬼隊》に話したとしても危険魔術の規制は冥界だし
仮にそれを話したとしても家族が納得するのかどうか」
「家族は・・・知らないと思いますわ。」
「え、何でだよ?」
一緒に住んでないのかと聞くとレイヴェルはこう答えた。
「兄の部屋は屋敷の・・・離れに自分専用の城を作っておりまして防音設備が整っているが故に・・・その・・・」
「成程な、立件するにしても先ずは眷属たちの協力がないと難航しそうだしな」
「それにその・・・お兄様に主従契約を教えた悪魔がもし・・・
上層部と繋がっていたら」
「・・・確かにな。」
今の魔王も先代と同じく穏健派なのだがそれでも・・・旧く悪知恵が働く悪魔がいるのもまた事実。
仮にライザーを冥界側が逮捕したとしても上層部が証拠隠滅をすれば・・・
それで終わってしまう。
そうなれば・・・方法は一つだ。
「そうなるとこっちで何かしらの悪さをしていてその証拠を《戦鬼隊》が
持っていたらこっちで対処できるしそれに冥界にも借りを作らせることが
出来るな。」
優一郎はそう呟いたのだ。
仮にそうなればもしライザーを捕まえたとしても口封じなど出来ないのだ。
そもそも弦神島に入るには正規ルートを使わない限り冥界から来れないのだから当然のことである。
そうなればと思って優一郎はレイヴェルに向けてこう言った。
「取敢えずはライザーを逮捕しない限り始まらないんだな。」
と・・・・そう言うしかなかった。
そして時間が過ぎて・・・夕暮れ時。
「ここか」
ライザーの刺客が・・・来ることになろうとは思ってもいなかった。
次回は戦闘です。