弦神島における非日常的な日々   作:caose

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 そして戦後。


その後

 「それにしてもあれ程の戦闘があって死人がいなかったってのが

奇跡ものだよなあ。」

 「そうだよねえ・・・本当に。」

 タケルと・・・魔導学園の制服を身に纏ったイリナが窓の外からそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今から一週間前。

 「いかんなあ、コカビエル。彼を殺すのは。」

 ザン!と言う音と共にバルパーはコカビエルの右腕を斬り捨てた。

 「ギャアアアアアア!!」

 突然の事に悲鳴を上げて遠ざけるコカビエルであったがバルパーは一瞬で

コカビエルの懐に飛び込んで左の拳をねじ込むように殴ると其の儘・・・

校舎迄吹き飛ばされた。

 「ガハア・・・バルパー!何故貴様は動揺せんのだ!?神の死に対して何故」

 「そんなの聖剣となんら関係ないからだよ。」

 「・・・は?」

 バルパーの言葉を聞いてコカビエルは初めて目を点にするがバルパーは

こう続けた。

 「いやね、私にとって聖剣が全てであって教会に入ったのは聖剣が使えると

思っていただけであって神に狂信なんてしないよ。」

 そう言うとコカビエルは苦々しい表情でこう呟いた。

 「・・・マッドサイエンティストが!」

 「それを勧誘した君は見る目が無いという事だね。」

 「ぐ!!」

 バルパーの言葉を聞いて怒り狂いかけているとバルパーは

《シャイン・ルーラー》に付けられている《荒ぶる北風と焼き尽くす太陽》を

外してそれを剣になぞらせると音声が現れた。

 『ルーラー!必殺読破!!』

 「さてコカビエル。君はここで終わりだね。」

 「ふざけるな!俺はこれから始まる戦争に備えて」

 「そういうのは君だけでやってくれたまえ。」

 バルパーはそう言うと大声でこう言った。

 「『双嵐焔爆斬』!」

 はあ!と言った瞬間に『シャイン・ルーラー』から炎の竜巻が巻き起こり

コカビエルを包み込んだ。

 「ギャアアアアアア!!」

 コカビエルはあまりの熱さに悶え苦しむのだが炎の中から・・・バルパーが

2人になって現れて・・・左腕と両方の翼を斬り捨てた。

 「アアアアアアアアアアア‼!」

 炎の中からバルパーと焦げて堕ちていくコカビエルが現れるとバルパーは

変身を解いてイリナに向けてこう聞いた。

 「神がいない事に辛そうだね?」

 「・・・当然です・・・神がいないのでは信仰の意味が」

 「意味が必要なのかい?」 

 「え?」

 「必要ならば・・・彼と行動しなさい。」

 バルパーはそう言って・・・タケルの方に指さした。

 そしてこう続けた。

 「そうすれば君は君だけの道を・・・本当に信ずるものが何なのかを

見つけられますよ。」

 そう言うとイリナはバルパーに向けてこう聞いた。

 「どうして・・・そんな事を?」

 そう聞くとバルパーはこう答えた。

 「私は神父ですから。」

 アーメンと言ってバルパーは簡易魔法陣を使って消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからと言うもの被害の報告や校舎の立て直し等で当面は

休校(任務は継続)という処置となり本来ならばイリナ達は聖剣を持って

帰投すべきなのだろうが理由があった。

 「・・・聞いていると思うけど私達追放されたの。」

 「・・・そうか。」

 神の不在。

 それを知ってしまったイリナとゼノヴィアは追放処分となった。

 だが聖剣については即時返却すべきだと抗議があったようだが

それらは颯月の巧みな交渉術でここで厳重に保管されることとなった。

 「そしたら学園長がここにいて良いって言われてね・・・だからその・・・」

 イリナはもじもじしながら何か言おうとするとタケルが手を伸ばして

こう言った。

 「これから宜しくな、イリナさん。」

 「うん!タケル君!」

 そう言って互いに握手する中でタケルは最初に来た・・・颯月との会話を

思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『言っておくけど君の体はラピスと契約しているから無事なんだけど

解除されたら・・・死ぬよ。』

 『まあ、分かっていますけど学園長一つ良いですか?』

 『?』

 『モシカシテ今回の襲撃ですが学園長が仕向けたんじゃ』

 『おいおいおい草薙君、幾ら私でもそこまで愚かな事はしないよ。』

 『・・・・』

 『まあ、不審に思うかもししれないし不服かと思うかもしれないが

こう言う事件が今後も起きないとは限らないから・・・

私は君の借金を代わりに返済しておいたよ。』

 『ヘア!?』

 『だけど私も慈善事業じゃない。取引として君は在学中私の与える任務に対して全て従う事だ、それらで出た報酬を私の借金に充てたまえ。無論別件でもね。』

 『・・・成程、俺の借金と・・・あいつをだしに首輪ですか?』 

 『うんまあね、動けるにんぎょゴホンゴホン!私に忠実な犬が

欲しかったからね。』

 『あのすいません、今人形って言おうとしたんじゃッて犬の方がひでぇ!』

 『それじゃあこれから宜しくね、草薙君。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「何とかするしかねえな。」

 「?」 

 「いや、何でもねえ。」

 そう言ってタケルは外を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それで鐵君?教会からは?」

 「ええ、大分渋りましたが納得してくれたようです。」

 「まあ向こうさんはプライドだけなら巨大だからねえ。」

 アハハハハハハハハハハと笑う颯月であったがその時の事を鐵は思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『何だと!どういう意味だ!?』

 「だから言ってるでしょう?そちらさんに聖剣を返す気はないんですよ。」

 『ふざけるな!あれはわが教会の所有物!!返還しなければ』 

 「だったらコッチハバラしちゃいますよ?神の不在。」

 『!!』

 「それにオタクもそんなこと言っている場合じゃないでしょう?」

 『何!?』

 「如何やって堕天使陣営は聖剣を奪えたんでしょねエ?

警備は厳重だったはずですし?」

 『それは向こうが堕天使の』

 「私はどちらかと言えば内部に裏切り者がいないかと疑いますねエ?」

 『馬鹿な!皆神に忠誠を』

 「皆が皆じゃない。御宅のお花畑脳みそじゃ分からないかもしれないですが

中には自分中心もいても不思議じゃないですよ?聖剣計画みたいに?」

 『ウグググ・・・!!』

 「とまあそういう訳で追放された彼女たち諸共我々が引き取りますので、

大丈夫ですって。ちゃんと丁重にしますから、それでは。」

 『おいマテ!未だ話は‼!』

 ブツっと切られて更に交渉しておいたのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「流石にあれはないかと」

 「そうかなあ?ああ言う馬鹿には一度人間の欲望の深さを実感させるべきだと

思うんだけどねえ?」

 颯月はそう言って空を見上げるとこう続けた。

 「人間誰もが神に絶対服従しているわけじゃないんだよ。」

 そう言って仕事だねと机に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「皆・・・皆。」

 木場は自分の部屋でそう呟きながら空を眺めていた。

 あの時自分はバルパーに勝てなかった。

 それどころか聖剣を破壊することも出来なかった。

 今まで培ってきた実力は何だったのかと思っていると・・・こう考えた。

 「僕が部長達と長くいたせいで鈍ったのか・・・復讐心が。」

 そう言いながらリアスと写した写真に写っている・・・笑顔の自分を見てそれが入った写真立てを投げ捨てて割り落ちるとこう呟いた。

 怒りの・・・怨念の持つ声で。

 「そうか・・・忘れてたよ。僕は聖剣を壊せればそれで良いんだ。」 

 そしてと言って・・・全てを地面から現れた魔剣で貫くと木場は・・・

光の無い目でこう呟いた。

 「それを邪魔するなら・・・例え仲間だろうが・・・部長だろうが・・・

魔王だろうが・・・三大勢力だろうが・・・全て敵だ!」

 そう言って貫かれた剣の中には・・・ビリビリに破かれた写真もあって・・・

貫かれて引き裂かれていた。

 まるで・・・未来の・・・いや、今現在の自分たちを象徴するかのように。




 人物紹介した後に休載とします。
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