天与呪縛はギフテッド!   作:天与呪縛って凄い。

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 天与呪縛には、最強系病弱美少女の可能性があると、私は信じている。


プロローグ

 祖父母が死んで父母も死に、長男だった自分はやたらと立派な武家屋敷を相続した。妹や弟はそれ以外の財産を。

 不敬で不謹慎な話だとは思うが、正直言って屋敷は押し付けられた様なものだと思っている。

 まあ、有難く住まわせてもらっていたので文句など無いけれども。

 

 

 その屋敷が焦げ臭さに包まれ、燃え盛った時。

 あ、これは死んだなと思った自分は特に何の感慨を抱くでもなく目を瞑った。

 死ぬのは当然嫌だったが、苦しむくらいなら少しでも安らかに死んでしまいたかった。

 

 遺す物も、遺された物も何も無い。

 あるとすれば相続した屋敷だが、それは自分の命と共に燃え尽きようとしている。だから、それで構わなかった。

 

 実際、自分はその時、確かに死亡した。これは間違いない。

 自分の生涯の幕は実に呆気なく降ろされたのだ。

 

 だから、というのはおかしな話かもしれないが、今に至るまで意識が存在しているというこの状態は転生に他ならないと考えている。

 というより、それ以外の原因、言い方について考えるのが面倒くさい。それくらい、ドンピシャな状況なのだ。神様には会っていないが。

 

 だって、死んだのに生きているのだから、これは誰がどう考えても転生だろう。そう言わせてくれ。いろいろと突っ込みたいところ、クーリングオフしたい点も多々あるけれども。

 結局、自分はノーとあまり言えないタイプの典型的な日本人だったので不利、不具合全部引っ括めて受け入れる他なかった。

 

 

 ここで全人類に問題だ。

 

 気が付いた時には、変な物が見え過ぎる眼を持ち、全身の神経が麻痺していて、超絶病弱なのに不調の一つも感じ取れず、そのくせして溜め息吐いたら変な炎を生成してしまう呪いを抱えている上、挙句男から将来の白髪オッドアイ美少女になっていた時、人はどのようになるのか。

 

 答えは順応する、だ。

 

 世の中の幾人かはあまりにも理不尽過ぎて死にたくなるかも知れないが、自分はそんなことは無かった。

 折角の転生体験、自殺とかありえない。まあ、性転換は今すぐにでもクーリングオフしたいが。

 

 

「おー、(しず)、おいでおいでー」

 

 

 そして、能天気極まれりな顔で赤子も赤子な自分においでおいでと手招きするのは、幼い五条悟。

 

 

 そう、あの五条悟(・・・)である。未来のシーブイ中村悠一だ。

 

 

 某少年誌で絶賛連載中であった大人気少年漫画『呪術廻戦』における主人公の恩師兼最強、公式チート枠とでも呼べるようなそんなキャラクターその人である。

 

 最強、自己中、唯我独尊、唯一無二、妖怪バカ目隠し。

 

 挙げようと思えば幾らでも列挙できる言葉、称賛と罵詈雑言の数々。それら全てが相応しい人物はこの男しかいない。

 ちなみに静とは自分の今世の名前である。

 

 多分今は中学生くらいだろうか。

 まだ幼いのでマシかと思えば、現在進行形でクソガキである。どういうわけか、生まれたての自分には激甘なのだが。

 美形の最強系クソガキよりも美少女に甘やかされたいと思うのは前世男が故のせめてもの願いであるが、誰も聞き届けてはくれはしないだろう。こんな世界ではなおさらに。

 重要なことなので二回ほど言わせてもらうが、このような世界ではなおさらに、神や人外などは信用出来ない。

 

 五条悟が存在するということは、芋づる式に様々な事実が判明していく。

 

 まず一つ目に、この世界が大人気少年漫画『呪術廻戦』の世界であること。イコール、呪術廻戦の世界と同じ法則が適用されるということ。

 

 二つ目に、自分が天与呪縛とかいう代償共に押し付けられる系ギフテッドを背負って生まれてきたこと。

 天与呪縛の代償は、分かっている範囲では恐らく免疫能力の消失、触覚と痛覚の消失くらいか。後、内臓もいくつか無いぞう。でも痛覚とか無いし、苦しみも感じないからそこは感謝。

 

 そして最後は自分が五条家の人間で六眼を持っていること。

 術式は不明。ただ、溜息を吐くと漏れ出た呪力が勝手に呪霊を生み出してしまう為、術式はそれ系統だと思われる。他にどんなトリガーがあるのかは要検証。謎の呪いだと言ったがアレは嘘だ。呪いみたいなものだが。

 

 生まれて半年くらいはそれはもう大変であった。

 

 多分、一般家庭に生まれていたら自分は育児放棄されたり、安楽死させられていたかもしれない。

 その点は五条家に生まれて良かったと思う。

 

 どうやら、自分は勝手に体に反転術式を使っているみたいで死にそうになっても死なないという状態を朝昼晩、寝ても醒めても繰り返しているらしい。

 反転術式ってそんな便利なものなのか?と思ったが、五条悟や両面宿儺もやってるし案外そんなものなのかもしれない。

 

 嘘です。この身体が異常らしい。

 疲れるという感覚が死んでいるので疲れないし、脳みそ含め全身を常にフレッシュな状態に保っていても全く消耗がないくらいには呪力が有り余っている。それどころか漏れ出ているので、そのリソースに関しては天与呪縛様々である。無きゃ死んでいた。

 

 

「静は賢いなぁー、老害共に爪の垢煎じて飲ませてやりたいくらいだ」

 

 

 美少女の爪の垢を飲む老人とか絵面的に⋯⋯。

 

 それにしても、なんでこんなに五条悟は自分なんかを溺愛しているのだろうか。

 見た目ちょっと妹っぽいけど、別に兄妹じゃないし。ほんとに謎。

 

 まあ、好かれているならそれに越したことはない。

 

 せっかく、漫画の世界に転生したのだ。

 たとえ地獄であっても、何かしら足跡を残したいと思うのは一ファンの夢想。試しにどこかで原作に介入してみよう。

 

 気持ち悪いくらい満面な笑みを浮かべる五条悟(原作キャラクター)を怪訝な眼差しで見つめながら、自分(異物)はこれからの事について思いを馳せるのであった。




 尚、中身はおっさん。

 感想、アドバイス、原作設定との相違の指摘などなどください!
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