ポップのこれからの人生はどうなるのか…。
それは誰にも判らない。
「おぎゃ~、おぎゃ~、おぎゃ~!!(俺…今、赤ん坊??)」
「立派な男の子ですよ。」
「そうですか、無事に産まれてよかった…。」
ポップは無事に転生する事が出来た。自分の事を男だと宣言した人とは違う人が自分の母なのだと思いながら、身体を綺麗にしてもらい毛布に包まりながら、これからの事を考え始める。産まれてばかりだから、一度に長時間は考える事が出来ないが、眠りながら母乳を飲みながら、オムツを換えてもらいながら考え続けた。考えながら、とりあえず自分の身体が自由に動くかどうかを少しずつ試しながら、両手両足を動かせる程度に毎日動かす。
ポップの両親は共働きで、毎日のように保育園に預けられている。しかし、その為様々な人間との関わりを持つことが出来る。同じような赤ん坊、少しだけ年上の子ども達、その子ども達を世話したり教えたりする大人達。
ポップは、今の名前は遊亮(ゆうすけ)という名前を貰った。保育園に通っている間、大人からしたら必要以上に世話が掛からない赤ん坊だと思われていた。勿論食事やオムツ交換等の世話は受けるが、それ以外は自由気ままに過ごしていた。遊亮は同じ年齢の子どもの中では最初に成長する意味での変化を見せていた。そして、乳児から幼児になってからは、立って歩いて、走って、言葉を自由自在に操って会話して…幼児とは思えない状態になっていた。その為、遊亮は大人達の手伝いを出来る限り自分から行うようになった。
「せんせ~、玩具の片付け終わったよ~。」
「ありがとう、遊亮君。次はこれで、テーブルを拭いてきてくれる?」
「うん!!判った!!」
手伝える事に嬉しさを感じて、走りながらテーブルを巡りながらテーブルを拭いていく。大人達としたら、本当に手のかからない子どもだと思いながら遊亮を見ていた。大人としては、これだったら出来るだろうと思う事を色々お願いしている。しかも、他の子ども達も遊亮を見て、自分も褒めて欲しいと思うのだろう、遊亮に負けたくないと思うのだろう、色々お手伝いをするようになった。
遊亮は手伝いをしたり、子ども達と遊びながら、字の練習をし始めた。平仮名、片仮名、数字、英字、そしてそれを組み合わせて文章にする為に、漢字以外の日本語で使う文字を覚えてからは日記を書き始めた。勿論漢字は使う事はないが、何処で覚えたのか、や。を使って日記を書いていく。
遊亮は前世の記憶がある分、精神的には大人で色々と乾いたスポンジが水分を吸収するようにどんどん知識が技術を覚えていったのである。
遊亮が5歳になったころ、先生達からバレンタインデーの日に、チョコではなく、何故か小学6年間で覚える漢字が掲載されている漢字ドリルをプレゼントしてきた。遊亮は教育としてか、嫌いではないが他の子どもよりも甘いチョコに執着せず知識を覚える事に執着していることに今まで遊亮を見てきた大人達は理解して、喜ぶ物を選んでプレゼントしたのである。
プレゼントされた漢字ドリルに最初に書き込むが、チラシの裏の白い部分とかに書き続けて徹底的に覚える。そして保育園を卒園する頃になったら6年間で覚える漢字は全て覚え、ドリルに掲載されている以外の漢字も自分で調べて覚えていった。そして漢字を覚えた時の日記は漢字も織り交ざった文章で書かれている。
そうして奇想天外とも言うべき子どもだった遊亮が卒園する時になってから大人達は思った。こんな子どもは二度と現れないだろう、これからは昔通りの手間がかかる普通の子ども達が来るんだろうと思いながら遊亮の卒園を見送った。
遊亮は自宅でも自分で何でも出来るように両親に仕込まれて、家事全般は何でも出来るようになっていた。遊亮は両親にお願いして小学6年間で習うだろうと思われる算数ドリルをおねだりして買ってもらって、小学校に入学するまでに全て解いてしまった。
遊亮は小学校に入学するのを一日一日待ちながら準備を進めて、その日を待ち続けた。
遊亮がポップであった時の能力の事なんて忘れているように普通の生活を送っていた。勿論忘れているなんて事は無かったが、試しに使ってみたら使えてしまったが、その反動が大きかったので使う事をしなかっただけだったりする。
保育園を卒園した遊亮(ポップ)。これからの人生、どうなるか誰にも解らない…。