転生ウィッチーズ(小説化)   作:連邦士官

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11話 勝利はラインに輝く

 真意を確かめるために単独で、ルントシュテット翁の本陣に向かい、麦に群がる蝗害を起こすバッタのごとく群がるネウロイをなぎ倒して、無事に本陣へと舞い降りた。

 

 少々面倒だったが、仕方があるまい。なぜルントシュテット翁が動かないのかを確認せねばなるまい。何らかの問題なのか、作戦の変更なのか、非常に気になる上に、名指しで呼ばれてもいるのだから仕方がない。

 

 全くもって、他国のロマーニャの私がだ、ロマーニャよりも格段に強い筈のカールスラントの軍の内々の話を聞かねばならないんだろうか?しかも、これらは無給である。彼らを手伝っているのだから、私としてもまともな手当の一つぐらいは付けてほしいところだ。私だって、ネウロイをスコアに変えるので忙しいのだ。

 

 ところで、やはり、気になるのは来た理由だが、なぜ動かないのだろうか?積極的に今、動けばネウロイを相当数叩き潰せるのに。歩哨に呼ばれたから、来ましたアイリス大尉ですというと、中に通される。

 

 野戦テントの中にはベックとルントシュテット翁と何人かの高級将校に、通信兵が機器の前に横一列に並んで居た。ルントシュテット翁は私を見据える。本当に年寄りにしては大きくな体格に、背中に鉄筋でも入れているかのように、背筋がピンとしてる。

 

 「よく来た。アイリス大尉。先程まで、貴殿の考えている案を我々の作戦の構成の一つ入れたが、ネウロイを私達は押している。ならば、このままネウロイを半包囲し続けて、砲撃と機銃と航空攻撃により、直接攻撃よりも被害が少なく殲滅できるのではないかね?そして、この情勢ならそれで被害が少なくできると私の軍団の参謀長のベックが言っている。」

ルントシュテット翁の隣、モノクルをかけた長身で痩せ気味の神経質そうなベック参謀長。その後ろにいるのが、ヴァルター・ルフトとエバーハルト・フォン・マッケンゼン。彼らもそれに同意見らしい。

 

 いや、何だと言うんだこいつら。敵が動揺してるうちに叩かねば、この作戦自体に意味はないだろう。古くから鉄は熱いうちに打てと言う言葉もあるぐらいだ。

 

 目に見えて水量が多い池だとしても、水面に僅かな水滴が連続で落ちることで、水面全体に次々に波紋が広がる。そのような物が無いと相手より少ない戦力では戦闘に勝てないのだ。まとめるならば、衝撃力と多段攻撃、包囲による相手の防衛能力を限界にさせ崩壊をさせるというものである。

 

 今からでも、動揺から立ち直ったネウロイ軍が包囲をしている各軍団に、各個撃破に動いたとしたならば、どうすることもできないと伝えた。現在は一瞬だけ敵が動揺しているだけで、狩る側に回っているに過ぎない。

 

 包囲をしているネウロイが冷静さを取り戻して、こちらが彼らに狩られる側にいつそうなって戻るかが分からないのだ。だから、今、敵を刈り取れる内に、敵を刈り取るこれは基本なのに正気か? 

 

 そんなバカを言うんじゃない。冗談でないぞここにいる老人たち。カールスラント軍は古臭い参謀部があるとガーランドが漏らしたことがあったがこういう事か?全く、かび臭いと言われてしまう訳だ。

 

 上司として下から強めに突き上げられてしまえば、あの神経質そうなベック参謀長であっても、例えば他の将軍もそう言わざる得ないだろう。この騒動の主犯は多分マッケンゼンだな。入った時から私のレーダーに敵対色が出ている。

 

 私の前では、この私の勘と敵探知レーダーにより、相手は嘘をつけない。私の能力は人一倍、悪意には敏感なのだ。だからこそ、このマッケンゼンの根性を叩き直してやらねばならない。私は本格的に怒りを体に巡らせて怒ることにした、本来は思い上がった、軍学校から始めて出てきた新人尉官に先任の下士官がやる事である。

 

 軍人が、特に高級将校が、自己の感情でこの何万人もの生き死にが、かかるこの場でこんな行為をするとは、許されはしない。その行為に確かな意味が無いのならば尚更だ。私だって好きでウィッチやこんな参謀紛いをやってるわけではないが、私が知る範囲の人間が、こんなくだらないプライドがどうとか言う事で死んだとしたら、ここでくだらない事を辞めろとマッケンゼンにわからせないと寝覚めが悪い。

 

 私は無駄な予算が使われる事が嫌いなのだ。そもそも、なぜこんな事をする人間が、私よりもよっぽど基本給料がいいのかが理解ができない。私より、貰っているのに関わらずに、なぜ無駄に資源を浪費することだと理解が出来ないのか?いや、私より給料が良いということは優秀だから、内部の争いをしながらも、ネウロイを倒せる方策があるのだろうか?だが、もはや決めた。敵対している以上は敵は必ず倒さねばならぬ。

 

 私はマッケンゼンに近寄ると私はホルスターからベレッタを引き抜き渡した。

「なぜ、これを?」

マッケンゼンは、私の行動に疑問を浮かべるが、私はそのベレッタでネウロイを撃てるかどうかを聞くと彼は首を横に振った。なら、ネウロイに勝つ方法はと続けて聞くとないと答えてきたのだ。そもそも、拳銃でネウロイは倒せないという。そんな訳はない。

 

 作戦が無いというのだから、目の前に出て来るネウロイをただ墜としていればいつかは勝てる。だからまず、自分で目の前に出てくるネウロイを撃ちにいけと伝えた。

 

 対空砲や大口径じゃなかったとしても、ある程度のウィッチの魔力を詰めた弾丸ならば、地上型小型ネウロイは倒せる。作戦も無いがネウロイに勝つことができると言うならやって欲しいものだ。

 

 ネウロイを撃って撃破できないとしても、弾倉に残弾があるとすれば自分の口に咥えて引き金を引けば楽になると伝えてやる。マッケンゼンは不愉快そうな顔をする。こちらがそれをしたいぐらいだ。

 

 私は、マッケンゼンにそれ以上は言わずに、ルントシュテット翁にマッケンゼンの更迭と早期の出陣を求めた。

おかしい、給料以上に働かされている。なんでだろうか?カールスラントに来てからずっと、こんな感じだ。私は忙しい筈なのに。空を飛ぶ方が簡単なのに、こんな面倒事に巻き込まれてしまったんだろうか?ともかくとして、騒ぐマッケンゼンに早く拳銃を拾って二択に答えろと問い詰めた。

 

 それに堪らなかったのかルントシュテット翁が出陣を命じたのだった。

 

 「アイリス大尉。君は戦いが終わったら軍法会議にかけられるものと知れ。」

マッケンゼンが脅してきたが怖くはない。机の上の拳銃をホルスターに納める。ウィッチとたかが代わりが効く参謀将校をどっちをカールスラント皇帝が取るかなど手にとるようにわかる。参謀はいくらでも代わりは居るのだ。分からないのだろうか?資質がなければなれないウィッチは実際は高級官僚になるより狭き門だ。

 

 だから、おだてて使えば良いのに、勉強はできるがそこらへんは出来ないのだろうか?よく尉官から佐官になって将官になれたものだ。自分の考えをいくら邪魔されようが自分の功績として、戦果を奪ったりすれば良いのに変なところは真面目なんだなカールスラント人というやつは。

 

 ルントシュテット翁が本陣から去りゆく私に声を掛けてきた。

「今、この軍は出陣をする。先触れを頼めるか?先陣の一番の栄誉は君に譲ろう。」

古式な名誉を重んじるお爺さんである。流石は、前世では立派なプロイセン軍人と呼ばれただけはある。実際は先陣を切ったところで大した意味はないのだが、ルントシュテット翁は好意で言ってきてるので仕方なく受けた。

 

 「フルトヴェングラーがキリマンジャロを踏破したなら、作戦は成功。デッケンが登山に挑んだならば失敗だ。」

フルトヴェングラーとデッケンというカールスラント人探検家に例えた暗号らしい。

 

 どうせ私が出ると必然的に先陣になる訳だから、仕方があるまい。私は再び、舞い上がり戦闘を開始した。無駄な時間を使った。ネウロイはと言うと退路を確保しようとするのか、中央軍が作った東側の包囲網を攻撃していた。多くがこちらに背中を向けている。スコアの気配だ。

 

 敵前で背中を見せる。それがど言うことかをわからせてやる。空気を劈く音、金切り声を上げる空、ネウロイが気付いたのか、対空砲火を上げるもう遅い。急降下の危険空域に突入する。危険は危険だが、目の前でルーデルはやっていたのだから、やればできるのだ。回転しながら、背負子のウェポンベイから小型爆弾をバラマキながら、両手のMG151から機銃掃射をする。

 

 地表のネウロイが弾け飛ぶ、まだまだ撃つ。ガシャガシャと薬莢が飛ぶが弾薬が尽きた。そのままMG151をネウロイに投げつけると両手にMP40に持ち変える。背負子の爆弾も尽きたので、ウェポンベイの四角柱も宙返りと共に敵中に投げた。

 

 「敵前で宙返りだと!」

誰かが通信で、私のことを言ってるが知りはしない。宙返りはやろうと思ったら誰だって出来るのに、なぜ騒ぐのだろうか?私は不思議でしょうがなかったので、敵中に弾を叩き込む。次々に弾倉を交換して、銃口が焼け付き赤くなるまで撃ち込む。

 

 スコアは目算とレーダーの反応で400以上だろうか?これ以上撃つと銃身が駄目になるので、地表スレスレを飛び、火かき棒で殴り飛ばす。曲がったのでネウロイに投げた。

 

 MP40に装填をする。再び、銃撃の時間だ。こんなものはシューティングゲームと変わらない。まだ、FPSの対人戦のほうが難しいくらいだ。デカい戦車のようなネウロイが現れる。背負子から、ワイヤーで連結した対戦車地雷を引き出し、体を捻じり、ハンマー投げの要領でネウロイにぶつける。

 

 ぶつかった所から、連続で炸裂する。ただ爆発させるよりも、連続で炸裂させたほうが衝撃がよく伝わる。爆散するネウロイを横に、フリスビーのように地雷を投げ爆発させる。そろそろ、突入部隊が来ないと私の弾薬が尽きるのだが。

 

 「全軍、突入する!全面攻勢に移れ!」

ルントシュテット翁の声が響く。私は、やっとかと思い、MG151の換えの弾倉をネウロイに投げて手榴弾を投げてMG151の弾薬を誘爆させる。飛び散る弾薬拡散弾のようだ。大型の装弾数がある散弾銃を頼んでみようか。

 

 手榴弾をポンポン投げていると正面と後ろから声がする。カールスラント軍が到着したのかと私は補給のために撤退を決める。名残惜しいので背負子に載せた弾薬と手榴弾を全て使い切ってから離脱をする。

 

 唯一残ったのは、ベレッタM1915だ。ハインリーケのベレッタM1934とは大違いだ。

 

 ベレッタの反対側には、モーゼルC96がある。合計17発と替えの弾薬が34発はあるから兵器だろう。MG151の新品をカールスラント軍が持っていたら良いが。カルカノやKar98kなんて渡されたら私は怒るだろう。モンドラゴンM1908やZH-29半自動小銃なら耐えられるのだが贅沢だろうか?リベリオンからBARなどがレンドリース出来てるはずだが、私には回ってこない。

 

 半自動小銃以外にもM2重機関銃とかもあったはずだが全く見ていない。カールスラントは補給を考えている国なのだろうか?それだったらモーゼルC96を9mmにするなり、モーゼル拳銃弾をやめたりしたら良いものを。

 

 私は、そのまま上がると上空に黒い大きな影が見えた。戦略爆撃機型のネウロイだ。見つけたからにはスコアにせねばならない。コンバット・ボックスをネウロイたちがやっている。何と言う事だ。仕方がない。奴らも来るとは思っていない真ん中を貫こう。

 

 ストライカーが唸る。バイクよりもうるさいエンジン音で飛び上がる。無茶をさせすぎたか?まぁ、壊れたら壊れたでガーランドに頼んだらBf109を貰えそうかな。まぁ、第一条件として飛べればどうだっていいが。黒い点だったネウロイたちが段々と近付いて行く。中々、大きいかな対空の火線で地上からやれるのとは別な派手さがある。

 

 それは、ミラーボールを使ったクラブの激しめの照明のようだ。舞台役者は私一人ならメインとして、十分に観客を楽しませないといけない。一番火線が濃い部分を突破し、上空に出るとモーゼルとベレッタを一点に叩き込む。どんなにコアを上手に隠せた気持ちになろうが、コアがある限りコアの反応もある。ならば、見つけれるというものだ。

 

 3機ほど撃墜したのだが、逃げていく。私の持っている残弾は7発しかない。それに通信が入ってきた。

 

 「ワルター・フルトヴェングラーはキリマンジャロを踏破した。ワルター・フルトヴェングラーはキリマンジャロを踏破した。」

作戦終了の合図である。私は追撃をせずに撤退をした。

 

 ここで、追撃をするネウロイの余裕は無くなり、予定とは違うがベルギカのハーグへと列車で向かうのだった。

 

 

 

 

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