今回プロローグという事で少し短めの内容になります。
それではどうぞ!!
1 妖精の国 プロローグ
ある日の事だった。俺はとある病院の廊下を小さな花束と果物を入れた籠を持って歩いていた。すれ違う看護師から声を掛けられる。
「あら、今日もお見舞い?いつも熱心ね、宗次郎君。」
宗次郎「いえ、好きでやってることなんで。」
そういいながら会釈し、そのまま歩き出す。しばらくして目的の個室部屋に辿り着く。扉の隣にある表札には[柊 沙奈]と書かれていた。
俺は大きく深呼吸してノックする。
宗次郎「沙奈?俺だ、宗次朗だ。入るぜ?」
そう言いながら俺は扉を開け、中に入ると一人の少女、沙奈がベットの上で横になっていた。彼女はビクッと体を震わせ怯えるが相手を見てどこか安堵したように落ち着いた。
宗次郎は苦笑いしながら近くの花瓶にある花と今しがた自分が持ってきた物と入れ替えた。
宗次郎「......調子はどうだ?どこか具合が悪いところは無いか?」
その問いかけに沙奈は無言のまま笑みを浮かべながら小さく首を振るだけだった。
宗次郎「......そうか、これ途中で買ってきたんだ。食べるか?」
果物が入った籠を見せると沙奈は小さく頷き、宗次郎は持ってきたペティナイフで林檎や梨の皮を剥き、一口サイズに切って皿に乗せてフォークで沙奈に食べさせていく。
フルーツを食べ終えて小一時間ぐらい経過した頃、宗次郎は片付けをして椅子から立ち上がる。
宗次郎「それじゃあまた今度な。」
そう言いながら沙奈に別れを告げると彼女は弱弱しく手を横に振る。
病院を後にした俺は近くのスーパーで買い物を済ませ、学生寮に戻る。
部屋に着くとそのままベットにダイブした。
宗次郎(あれからずっとあの調子だな.......)
昔の忌まわしい出来事を思い出し、再び怒りがこみ上げる。
宗次郎(あの時、俺が傍に居れば.....こんな....事に....は....)
流石に歩き疲れてしまったのか瞼が異常に重く感じ、そのまま意識が遠のいてしまった。
しばらくすると暗闇の中、俺は一人立っていた。
宗次郎「あれ?ここって夢の中か?....にしては妙に意識がはっきりしているような......」
周囲を見渡すが視界が悪い所為か良く見えない。しばらくすると目の前に一人の男がいた。
ボロマントを被った所為で顔などは良く見えなかったが一部の肌にはヒビが入っており、どこか弱っているようにも見えた。
宗次郎(何だあいつ?)「おい、大丈夫かアンタ?」
恐る恐る声を掛けるが男がフードから僅かに見えた目は青く光っており、まるで刃物のように鋭い眼光で睨んできた。
宗次郎「な、何だよ.....やる気か!!」
一瞬怖気づいてしまったがすぐに気持ちを切り替え喧嘩腰になるが、男は光りとなって一振りの日本刀になった。
青いオーラを放ちながらゆっくりと切っ先をこちらに向ける。
宗次郎「人が...刀に?...てかちょっと待て、まさか...」
嫌な予想がすると同時に刀が勢い良くこちらに飛んできた。
宗次郎「嘘だろ!!?」
俺は咄嗟に右腕で防御し、刀が貫通する。しかし、一向に痛みは感ずることは無い。それどころか光となって腕に吸収されていくように消えていった。
宗次郎「な、何なんだよ......悪夢にも程があるだろうが......」
内心ほっとしながら右腕を撫でながら悪態をつくも束の間、いきなり今度は全体に光が広がっていった。
咄嗟に目を瞑り、しばらくすると鼻から草木の匂いがしてきた。
宗次郎「こ、今度は一体なんだ?」
ゆっくりと目を開けると.......そこには自分の知らない森の中、まるでお伽噺に出てくるような景色にど真ん中に立っていた。
宗次郎「...........は?」
一体何が起こっているのかわからなくなって一瞬、頭の中が真っ白になった。
辺りの景色の見渡してもまったく記憶が無い。
宗次郎「夢にしては妙にはっきりとした感じだな.......」
左手で頭を掻き、そして手を下ろすと白く丸い何かが複数手前に浮かんできた。
宗次郎「うお!?なんだこれ!!?」
いきなりの現象に戸惑いながらもゆっくりと触れる。
すると表示されていたものがスライドし、新たな画面が出てくる。
宗次郎「これは.....ステータス画面?それにこの武器も...まるでゲームだな。」
今まであまり重く感じなかったため気付かなかったが、背中には奇妙な形をした剣と腰には銃口が二つ付いた大型のリボルバーがあった。
そしてなにより表示されたものはRPGゲームで出てくるステータス画面のようなものだったが上の表記に気になるものがあった。
Name Nero
宗次郎「ネ....ロ?....何だこれ?」
首を傾げて再確認するもそんな名前に記憶はない。
宗次郎「とりあえず歩いてみるか........」
疑問は多く残るがまず歩いて周辺区域を探し、情報収集にする事にした。
しばらく適当に歩いていくと.........
???「うわぁぁぁぁぁぁ!!?」
宗次郎「何だ!?向こうからか?」
声のした方向に急いで向かうとそこには赤い鎧を身に纏った三人組がランスのような武器を構え、背中に羽のようなものを生やして飛んでいた。
反対側には緑色の服装をした金髪の女性が木を背中に剣を構えていたが......四人の目線は他のほうに向いていた。視線の先の一人の黒い人物は....土煙を上げながら地面に顔をつけておりまるで逆立ちしているように見えた。
宗次郎「なんだあれ?」
状況がいまいちわからず困惑し、そのまま様子を窺っているとどうやら赤い集団が金髪の女性を襲っているようだ。
???「何してるの!?早く逃げて!!」
女性の方は男に警告するがすると黒い男が立ち上がり、頭を掻きながら呆れたように喋りだした。
???「んー?重戦士三人で女の子一人を襲うのはちょっと格好良くないなぁ。」
そう言うと赤い集団が挑発に煽られ、怒り出す。
「なんだとてめぇ!?」
「初心者がのこのこ出てきやがって!!」
するとゆっくりと黒い人物の周囲に包囲するが男は以前と余裕のえみを浮かべる。
宗次郎(おいおい、これじゃ不味いんじゃないのか?加勢すべきか?)
そう思い、腰にある銃を取り出してみる。
宗次郎(使えるのか....これ?)
すると赤い集団の一人が構える。
「それじゃあお望みどおりにしてやるよ!!」
宗次郎(不味い!!)
そう思ったがどうやら杞憂に終わったようだ。突進してきたランスを黒い男が素手で掴み、放り投げると他の奴に激突して地面に落ちる。
宗次郎(へぇ、やるじゃん。)
???「えーと。その人たち斬っても良いのかな?」
???「そ、それは良いんじゃないかしら....少なくとも先方はそのつもりだと思うけど。」
そんなやり取りをしながら黒い男は剣を取り出す。
???「じゃ、失礼して.....」
男が前へ踏み出すと一瞬にして赤い集団の後ろに移動し、少しばかり遅れて集団の一人が倒れて光となって消える。
何が起こったのかわからず女性と残りの男達も唖然とする。
???「次はどいつかな?」
そう言いながら振り返り、不敵な笑みを浮かべる黒い剣士がそこにいた。
宗次郎(見たところ黒い男のほうが有利だが俺も加勢してみるか、何より俺の夢なんだから好きにやってもいいか.......この状況は俺にとっても許せないからな!!)
一人の女性を集団の男が襲う、それが何より俺にとって許せない状況で、戦う理由としては充分だった。
左手で銃を構え、地面にいるもう一人の男に向けて引き金を引いた。すると思った以上の轟音が鳴り、男は勢い良く頭から地面に突っ込んで消えていく。
???「こ、今度は何!?」
???「じゅ、銃声?」
目の前に起きた現象に戸惑う黒と緑の男女が驚きながらも周囲を見渡す。流石にこのまま隠れる意味は無いと思い、茂みの中から身を出す。
宗次郎「確かに、女の子相手に苛めは良くないな?そこの黒いの、加勢するぜ?」
そう言いながら俺は銃を肩に乗せながら歩き出し、残りの一人にガンプレイしながら銃口を向けた。
これはもう一人の転生者が妖精の国に迷い込み、黒の剣士に出会った瞬間である。
今回はプロローグということで短めですがいかがだったでしょうか?
今回登場した沙奈の見た目ですがプリキュアの立花というキャラクターをイメージしております。アインクラッド編で少し登場しましたが見た目を書いていなかった事を思い出したので急遽此処に記しておきます。
本当に申し訳ございません。
このシリーズはDMC4のネロが主体となって物語が大きく動いていきます。
今後もこの作品を見ててくれたら作者としてもとても嬉しいです。
それでは次回にまたお会いしましょう!!
余談ですが久しぶりにDMC5を一通りプレイしましたが、DMD.....えげつなかったです。
特にラスボスのバージル戦.....二度とやりたくないです