DMC×SAO 俺の転生物語   作:ユーグクーロ

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皆様、お待たせしました。
またしても色々と書いてるうちに1万文字越えになってしまって投稿するのに時間が掛かってしまいましたがどうぞお楽しみください。


それでは第5話!!どうぞ!!


4 黒と青の悪魔

俺達は中立域 古森にて一つ目の羽が生えたモンスターと空中で戦っていた。

 

キリト「うおぉぉぉ!!」

 

ネロ「はぁぁぁぁ!!」

 

お互い、突進してきたモンスターを一撃で屠っていく。その内の一匹を仕留めそこなったがリーファの光の矢を放つ魔法で止めを刺した。

 

リーファ「お疲れ。」

 

キリト「援護サンキュ。」

 

そういって二人はハイタッチをする。

 

リーファ「ネロ君もあっという間に戦い方を覚えたね。凄いセンスだよ。」

 

ネロ「まぁ、コツさえ解れば後はどうってことは無いさ。」

 

スイルベーンから飛び立った後、俺は飛行中にスキルの内容を読みながら最初はキリト達の援護をしていたが次第に動き方を理解しつつ、今ではキリトと前衛、リーファが後方で魔法の援護を担っていた。

そんな中、羽の光が薄れていく。

 

リーファ「そろそろ翼が限界だわ。一度下に降りよっか。」

 

キリト「おお。」

 

ネロ「わかった。」

 

そういって近くの草原に降り立ち、リーファは背伸びを、キリトは肩を押さえながら腕を回した。そういうこちらもアキレス腱を伸ばしながら体をほぐした。

 

リーファ「ん~。ん?疲れた?」

 

キリト「いや、まだまだ。」

 

ネロ「こっちもまだいける。」

 

リーファ「お、頑張るわね.....っと言いたいところなんだけど、空の旅はしばらくお預けよ。」

 

キリト「えーなんで?」

 

ネロ「何か飛べない理由があるのか?」

 

リーファ「見えるでしょ?あの山、あれが飛行限界高度に引っかかって山を越えるには洞窟を抜けるしかないの。スルフ領からアルンに向かう一番の難所らしいわ。あたしも此処からは初めてなのよ。」

 

リーファが指を指した方向には大きな山脈のようなものが見えてくる。

 

ネロ「羽も万能じゃないって訳か。」

 

キリト「なるほどねぇ。洞窟かぁ...長いの?」

 

リーファ「かなり、けど途中で中立の鉱山都市があって休めるらしいけど。二人共、時間大丈夫?」

 

キリト「リアルだと夜7時か.....俺は当分平気だよ。」

 

ネロ「こっちもだ。」

 

リーファ「そ、それじゃあもう少し頑張ろ。ここで一旦ローテアウトしよっか。」

 

キリト「ロ、ローテ?」

 

リーファ「ああ、交代でログアウト休憩する事だよ。中立地帯だから即落ちできないの、だからかわりばんこで落ちて、残りの人が空っぽのアバターを守るの。」

 

キリト「なるほど、ならリーファから先にどうぞ。」

 

リーファ「じゃあお言葉に甘えて、20分程よろしく。」

 

そうしてメニュー画面からログアウトボタンを押してリーファは眠りに付くように瞼を閉じた。

リーファがルログアウトしたのを確認したキリトはそこらへんに寝そべってアイテムから何やら赤い棒切れのようなものを口に咥えた。

 

ネロ「?キリト、何だそれ?」

 

キリト「スイルベーンの特産品だってさ、お前もどうだ?」

 

ネロ「遠慮しておく。」

 

そういって俺はその場に胡坐で座った。流石に未知のものをすぐさま口にするほど冒険家じゃない。

 

ネロ「........なぁキリト。」

 

キリト「んー?」

 

ネロ「前、俺に聞いたダンテって奴はお前の何なんだ?」

 

キリト「............」

 

ネロ「あの時のお前の顔、何か尋常めいたものだった。......答えてくれ。」

 

そう問いただすと何か悩んだように考え始めた。そしてしばらくするとキリトが喋りだした。

 

キリト「少し話が長くなるけど.......前にSAOの事件の事をお前に話したよな?」

 

ネロ「え?あ、ああ。確か1万人のプレイヤーがそのゲームに2年間、閉じ込められてたんだっけ。一度ゲームオーバーになったら現実世界でも死んでしまうって言う。」

 

キリト「ああ、そのSAOの最初の頃に出会ったんだ。それからも時折、一緒に戦った。」

 

ネロ「.........」

 

キリト「そんな中、アインクラッド内では予備知識というアドバンテージがあるβテスターを差別する様な環境だった。その一人だった俺はチーターの意味を含めてビーターと呼ばれるようになったんだ。普通ならそんな奴とは縁を切るのが普通だった。だけどあいつは自分も泥に被って俺と一緒に来てくれたんだ。もしあいつがいなかったら俺の所為で死んでしまった奴が大勢いた。」

 

それからは色んな出来事を話した。二人でパーティー組んでダンジョンに潜ったり、ボス戦で一緒に戦ったりとどこか楽しそうに.........途中なにやらめちゃくちゃ弄られただのデザートを大量に奢らされただのどこか私怨を感じたが次第に何処かキリトの表情が曇ったように見えた。

 

キリト「.......それで最後にヒースクリフって言うボスとの戦いでそいつが命を落としたんだ。どうにかボスは倒せてゲームクリアしたんだけどそいつだけを助ける事ができなかったのが今でも悔しくってな。退院した後に調べたらそいつのデータが見つけられなくて結局解らずじまいだったってことだ。」

 

ネロ「そんなことが.......」

 

キリト「それでそのダンテが文字通り剣の世界のゲームなのに色んな銃や武器で戦う銀髪のプレイヤーだから全プレイヤーからは[白銀の銃剣士]って呼ばれていたんだ。今思えば俺よりも遥かにチートだなって思うよ。」

 

ネロ「銀髪に銃......」

 

キリトの話に出てきたダンテという人物との特徴が自分と酷似しており、俺は呟きながら髪を触りつつ、もう片方の手でブルーローズを取り出した。

 

キリト「だからあの夜、お前の姿を見てもしかしてって思ったんだ。」

 

ネロ「そうか.......」

 

そうしてしばらくしているとリーファが目を覚ました、

 

リーファ「お待たせ!!モンスター出なかった?」

 

キリト「お帰り、静かなもんだったよ。」

 

リーファ「.....それ何?」

 

キリト「スイルベーンを出発する前に雑貨屋で買い込んだんだけど、なんでも特産品だってNPCが言ってたぜ。」

 

リーファ「あたし知らないわよ?そんな物。」

 

そう言ってキリトから渡された赤い棒のような何かと投げ渡され、最初はためらっていたリーファだが、意を決して口にした途端にまるでドラゴンがブレスを吐き、涙目になりながら咽る。

 

ネロ(やっぱりそういう類の物か.......)

 

キリト「じゃ、今度は俺が落ちる番だな。護衛よろしく。」

 

リーファ「ケホ、ケホ、う、うん、いってらっしゃい...ケホ...」

 

そうして今度はキリトが眠るように落ちるとしばらくして口の中の辛さが消えたのか、落ち着きを取り戻したリーファがこちらに顔を振り向き、座った。

 

リーファ「.......そういえばネロ君はどうして着いてきたの?」

 

ネロ「?...随分と唐突だな。」

 

リーファ「えっとね、普通初心者がいきなり世界樹に向かうなんて考えられなくて何か大事な理由があるのかなって思って。キリト君はどうしても今会わなきゃいけない人がいるって言われたんだけど....ネロ君も同じ理由なのかなって思って........」

 

ネロ「..........」

 

リーファの質問は如何にも理に適っている。普通に考えたら時間を掛けてもまず自身を強くしてから挑むのが当たり前だ。だがこの質問に関しては正直に全て話すわけには行かない。

 

ネロ「.....そんなところだ。」

 

リーファ「.....そっか。」

 

ネロ「素直に信じてくれるんだな。こっちからしたってリーファも俺達を世界樹に連れて行く理由はなんだ?金銭やレアアイテムの要求だとしたら利益は少ないだろ?」

 

リーファ「ううん、そんなんじゃない。ただ...その.......」

 

そう言葉をにごらせているリーファがキリトに視線を背けて黙ってしまった。

 

ネロ(ああ、そういう.....)「キリトの事が気になった、とか?」

 

リーファ「え!?///そ、そういう訳じゃなくってその......///」

 

僅かに頬を赤くする様子を見て確信した。

 

ネロ(これを飛鳥が見たら......きっと盛大に弄るだろうなぁ。)

 

かつての学生だった頃の先輩の姿を思い出し、いたずら好きの笑顔を浮かべている表情をしているところを想像して少しばかり苦笑いした。

 

ネロ「本人にはまだしも、別にそう隠す事は無いだろう?」

 

リーファ「ち、違うから!?別に私はキリト君のことが!?」

 

キリト「俺がなんだって?」

 

リーファ「ひゃぁぁぁ!?」

 

いきなり後ろから話題の本人が声を掻けて来たことに再度びっくりするリーファ。

 

ネロ「結構早かったな、もういいのか?」

 

キリト「ああ、家族が作り置きしてくれてたから早めに済んだ。そっちもいいぜ。」

 

ネロ「それじゃ遠慮なく。」

 

今度はこっちがログアウトし、次に見慣れた天井が視界に入る。

 

宗次郎「.......早めに食事を済ませてさっさと戻ろう。」

 

簡易的な物を作り、ものの数分で事を済ませる。そしてすぐにALOに戻り、すぐに洞窟の入り口へと向かった。

 

 

 

入り口に入ると中は想像通り、暗闇で視界が遮られてしまったがキリトの詠唱で目に暗視効果が付与された。

 

リーファ「おお、視界が明るくなった。視界暗視魔法か、スプリガンも捨てたもんじゃないね。」

 

キリト「あ、その言い方なんか傷つく。」

 

リーファ「ウフフ、でも使える魔法は暗記していた方がいいわよ?得意な魔法は幻惑魔法くらいだけど。」

 

キリト「幻惑?」

 

リーファ「幻を見せるの。実践では余り役に立たないけどね。ま、スプリガンのしょぼい魔法が生死を分ける状況になるかもしれないし?」

 

キリト「.....うわぁ、更に傷つく。今の発言どう思うネロ?」

 

ネロ「まぁ、物は使いようとはいうがな。まぁ頑張れば使えるんじゃないか?幻惑魔法。」

 

キリト「......二人共俺の味方なんだよな?」

 

そう言いながら中立都市まで歩き始める。途中俺とキリトの二人は英語の授業のように魔法のスペルを復唱していた。こちらはどうにか覚えてきたが相方は内心、辟易している様子だった。

リーファの話に寄ると20もの単語を並べる上級魔法もあるんだとか、正直こちらもそこまでしてそんな強大な魔法を覚える気がしない。

そうしているとリーファがメッセージが来たらしいので少し立ち止まる。

 

リーファ「またレコン?どうせ大したことじゃないんだろうけど......」

 

{やっぱり、思ったとおりだった。気をつけて、S    }

 

リーファ「何だこりゃ?S?さ、し、す.....??」

 

キリト「どうした?」

 

リーファ「えっとね......」

 

リーファが言い切る前にキリトのポケットからユイが出てきて会話を遮った。

 

ユイ「パパ!接近する反応があります!!」

 

キリト「モンスターか?」

 

ユイ「いえ、プレイヤーです。多いです。12人。」

 

リーファ「12!?....多いね、隠れてやり過ごそ。」

 

キリト「でも、どこに?」

 

ネロ「こんな狭い一本道でか?」

 

いくら視界が悪いとはいえ、流石に三人どころか一人でも無理がある構造になっている洞窟になっており俺とキリトはあたりを見渡した。

 

リーファ「ま、そこはお任せよ?」

 

そういって笑みを浮かべたリーファが近くの凹凸になっている壁に入り、魔法を詠唱するとこちらの姿が見えなくなるように壁が浮かび上がってきた。

 

キリト「おぉ....」

 

ネロ「へぇ、こういうのもあるんだ。」

 

リーファ「喋る時はなるべく最低限のボリュームでね?あんまり大きい声出すと魔法が解けちゃうから。」

 

キリト「了解。」

 

そうしているとキリトが何か異変に気付いたのか目を凝らす。

 

キリト「あれは、何だ?」

 

リーファ「え?まだ見えてないでしょ?」

 

キリト「プレイヤーじゃ無いけど、蝙蝠かな?赤い目で小さい.....」

 

リーファ「え?」

 

キリトの指摘でよく見てみると暗闇の中で確かに赤い何かが光った。

 

リーファ「ッ!?」

 

いきなりリーファが魔法で作った壁から急いで飛び出す。

 

キリト「お、おい。どうしたんだよ?」

 

リーファ「あれは、高位魔法のトレーシングサーチャーよ!潰さないと!!」

 

そういって魔法で光の矢を放ち、その内の数発が命中すると蝙蝠はポリゴンとなって消えていた。

 

リーファ「走るよ二人共!!」

 

キリト「え?また隠れるのは駄目なのか?」

 

リーファが走り出し、俺達は急いで追いかけていく。

 

リーファ「トレーサーを潰したのがもう敵にもばれてる、とても誤魔化しきれないよ。それにさっきのは火属性の使い魔なの。ってことは今接近しているパーティーは....」

 

キリト「サラマンダーか。」

 

リーファ「でもどうしてこんな所にサラマンダーの集団が....」

 

そうしてすぐ湖が見えてきてその中に円を描いたような街が明かりを照らしていた。

 

キリト「おお湖だ。」

 

ネロ「呑気に観光してる場合か?」

 

どうにか都市の門の前に掛かってる橋まで辿りつき、後ろを見るも人影は映ってこない。

 

キリト「どうやら逃げ切れそうだな。」

 

リーファ「油断して落っこちないでよ?」

 

その直後に後方から赤い光が俺達の頭上の上を通り過ぎて門に着弾するとしたから頑丈そうな壁が出てくる。

 

リーファ「ヤバ!?」

 

キリト「な!?はぁぁぁぁぁ!!」

 

掛け声と同時にキリトが飛びながら剣で壁を切り裂こうとするも弾かれてしまい、地面に落ちる。

 

リーファ「無駄よ。」

 

キリト「もっと早く言ってくれよ.......」

 

リーファ「君がせっかちすぎるんだよ。これは土魔法の障壁だから物理攻撃じゃ破れない。」

 

キリト「湖に飛び込むのはアリ?」

 

リーファ「無し。此処には超高レベルの水流型モンスターが棲んでるらしいわ。ウンディーネの援護無しに水中するのは自殺行為よ。」

 

ネロ「かといって、こっちはまだ碌な魔法は使えないぜ?」

 

キリト「じゃあ戦うしかない訳か.....」

 

リーファ「それしかないんだけど、ちょっとやばいかもよ?サラマンダーがこんな高位の土魔法が使えるってことはよっぽど手練れのメイジが混ざってるんだわ。」

 

そう言いながら俺達は剣を構えるもキリトが提案を出す。

 

キリト「リーファ、君の剣の腕を信用していない訳じゃないんだけど、ここはサポートに回って貰えないか?」

 

リーファ「え?」

 

キリト「俺達の後ろで回復役に徹して欲しいんだ。その方が俺も思いっきり戦えるし。」

 

呆れたように笑みを浮かべるリーファが後ろに飛び、魔法の詠唱の準備に入る。

 

ネロ「俺は良いのか?」

 

キリト「ネロはまだ魔法が使える状態じゃないんだろ?だったらこっちで俺の援護に回ってくれ。」

 

ネロ「了解。」

 

そうしていると向こうから大きな盾を持ち、赤色の鎧を身に着けたプレイヤーが三人、後ろにローブを纏った集団が見えた。

一呼吸入れたキリトが走り出し、それに合わせてこちらも付いていく。

 

キリト「うおぉぉぉ!!」

 

ネロ「はぁぁぁぁ!!」

 

二人がかりで斬りかかろうとするもサラマンダーの三人が大盾を構えて待ち構える。激しい振動が鳴り響くがサラマンダーの集団は少し体が揺れ、HPがイエローまで削られると後方から回復魔法が掛けられ、更に後ろのメイジ隊の魔法で無数の火球が飛んでくる。

 

キリト「!?」

 

ネロ「クソ!?」

 

剣で防ぐもダメージを喰らい、イエローにまで達した。

 

リーファ(!?これってキリト君とネロ君、二人の対策陣営だ!?)

 

急いで回復魔法をかけるも先ほどの繰り返しで不利になる一方だった。

 

リーファ(このままじゃ二人のHPが尽きるだけ....)「もういいよ二人共!?やられてもまた数時間でまた復活するから諦めようよ!?」

 

キリト「.......嫌だ。」

 

リーファ「え?」

 

キリト「俺が生きている間は、パーティーメンバーは殺させやしない.......それだけは絶対嫌だ!!」

 

リーファ「........」

 

ユイ「パパ、ネロさん、ちょっといいですか?」

 

キリト「どうしたユイ?」

 

ネロ「?」

 

耳元で説明を聞いた後、ユイはすぐにリーファの元へ向かった。

 

ネロ「一か八かだな......やってみるか!!」

 

キリト「.....上等だ!!」

 

お互いに笑みを浮かべ、拳をぶつける。そして深く息を吸い込んだキリトが思いっきり叫び声を上げながら突っ込む。

 

キリト「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

サラマンダーの集団「!!?」

 

先ほどと同様、キリトが斬りかかろうとしたその瞬間を狙い、俺は右手を大きく前に突き出した。すると半透明の大きな手が前方に飛んでいき、前衛から盾を奪い取った。

 

「な..た、盾が!!?」

 

キリト「はぁぁ!!」

 

そのまま立て続けにキリトが斬り飛ばし、体制を崩させた後、すぐに詠唱を始める。

 

「う、狼狽えるな!!すぐに回復と攻撃魔法を唱えろ!!」

 

ネロ「こいつは返すぜ!!」

 

すぐに持っていた盾を回復部隊に投げつけ、詠唱を中断させる。

 

ネロ「へぇ、こいつは便利だな。」

 

右手を見ながら握ったり開いたりして感嘆するも後方の砲撃部隊が詠唱を終え、再び無数の火球が飛んでくるも周囲に水色の複数の蝶が飛んできて頭上からドーム状の膜が形成された。

後ろを見るとリーファがこちらに防御魔法をかけてくれたらしい。隣でユイがサムズアップしていた。

再び、前方に視線を戻すとキリトが詠唱を終えると同時に炎が竜巻状になっていく。その中から大きな影が浮かび上がり、次第に炎が消えていくとそこには黒い剣士ではなく体長数メートルはある大きな魔人が出てきた。

 

ネロ「.......は?」

 

訳もわからず目の前にいる魔人をただ凝視していた。再び後ろを見るもリーファも知らないらしいのか首を大きく振った。

 

キリト?「グゥゥ.......ガォォォォォォ!!!」

 

ネロ「おっと、いまいち状況がわからねぇが....こっちも遅れをとるわけにはいかないか!!」

 

大きな雄叫びを上げてサラマンダーの集団に突っ込んでいく魔物化したキリトを見ながら俺も続いた。

 

キリトがプレイヤーを指で串刺しにしたり、口で喰らったりしていき向こうは戦慄を覚えたのか少し引き下がるも指揮官と思われるプレイヤーが声を発する。

 

「体制を崩すな!!奴は見た目とリーチだけだ!!元の作戦通りに陣形を保てばダメージは通らない!!」

 

ネロ「こっちも存在も忘れていないか?」

 

「ギャァ!?」

 

レッドクイーンの[ストリーク]で一人を吹き飛ばし、その上に乗っかりながら剣を突き立てバイクのようにグリップの部分を捻り、刀身から火が噴出す。

 

「ば、爆裂魔法だ!!」

 

ネロ「させるかよ!!」

 

指揮官の指示により再び詠唱を始めるメイジ隊。しかしこちらも黙って見ているわけも無く、先ほどの体制のまま串刺しにしたプレイヤーをボード代わりにして滑っていき、ジャンプする。

 

ネロ「もうそれも見飽きた!!」

 

そのまま剣を振り回し、串刺しにしたプレイヤーをメイジ隊に投げつけて無理やり詠唱を中断させる。そして着地と同時に後ろから巨大な体躯が横を通りずぎる。

 

キリト?「グォォォォ!!」

 

傍から見たら一方的な蹂躙だった。殆どのサラマンダーのプレイヤーがディメンライトとなっていく。

退却の指示が聞こえてくるも、退路を潰されていき。残されたプレイヤー達がいくつかディメンライトとなっていく。

指揮官は逃げようとしたのか湖に身を投げ出すもすぐに悲鳴を上げて水面に一つの炎が浮かび上がる。

 

そして最後のプレイヤーを握り、首をへし折ろうとするキリト。

 

リーファ「!!?キリト君!!そいつ生かしておいて!!」

 

我に返ったリーファがそう言いながら走り寄ってきた。キリトもプレイヤーから手を離し、地面に落とす。

 

ユイ「すごかったですねー♪」

 

サラマンダーの生き残りが起き上がろうとする前にリーファが剣を向け、拘束する。

 

リーファ「さぁ、誰の命令なのか、説明してもらいましょうか?」

 

「こ、殺すなら殺しやがれ!!」

 

リーファ「この!?」

 

キリト「いやー、暴れた暴れたー。」

 

ネロ「いや、暴れすぎだろ。」

 

そう言いながら元の姿に戻り、リーファたちの下に戻る二人。

 

キリト「よ、ナイスファイト!!」

 

「は?」

 

敵から思いがけない言葉を聞いたのか間抜けた声を出すサラマンダーのプレイヤー。

 

キリト「いい作戦だったよ?俺一人だったら即効でやられてたなぁ。」

 

ネロ「流石にあんなに防御が堅いと俺も危なかったなぁ。」

 

リーファ「ちょ、ちょっと二人共!?」

 

キリト「まぁまぁ。」

 

そういってリーファを宥めながらサラマンダーのプレイヤーに問いかける。

 

キリト「さて物は相談だが君?これ、今の戦闘でゲットしたアイテムとユルドなんだけど、質問に答えてくれたら君にあげちゃおうかなぁなんて。」

 

ネロ「こっちのもあるぜ?」

 

「え?........マジ?」

 

そう言われて周囲に誰もいないのを確認してもう一度聞きなおすプレイヤー。

 

キリト「マジマジ。」

 

ネロ「うまく誤魔化せば誰にもばれやしないって。」

 

悪巧みを考えているような笑みで答えるキリト。3人は笑みを浮かる。その傍でリーファとユイが呆れていた。

 

リーファ「....男って.....」

 

ユイ「なんか身も蓋もないですね。」

 

そして交渉?はうまくいき、俺達は情報を聞く事にした。

 

「今日の夕方かなぁ?ジータックスさん...あー、さっきのメイジ隊のリーダーなんだけど..あの人から携帯メールで呼び出されてさ。入ってみたらたった3人を十何人で狩るってつーんじゃん?いじめかよって思ったんだけどさ、カゲムネさんをやった奴だって言われてなるほどなって思ってさ。」

 

キリト「カゲムネって誰だ?」

 

「ランス隊の隊長だよ。シルフ狩りの名人なんだけどさ、昨日コテンパンにやられてしまったんだよね。あんたとそっちのウンディーネがやったんだろ?」

 

リーファ「あ....そのジータックスさんはなんであたし達を狙ったの?」

 

「もっと上の命令だったらしいぜ?作戦の邪魔になるとか?」

 

キリト「作戦ってのは?」

 

「俺みたいな下っ端みたいなのには教えてくれないんだけどさ。相当でかいこと狙ってるみたいだぜ?今日入った時にスゲー人数の軍隊が北に飛んでいくのを見たよ。」

 

リーファ「北?.....世界樹攻略に挑戦する気なの?」

 

「まさか......最低でも全員にエンシェント級のウェポンと装備が必要だって金溜めてるとこだぜ?あーあ、あいつがいればアンタたちに勝てたんだろうな?」

 

キリト「あいつ?」

 

「ああ、つい最近、入り込んだサラマンダーのプレイヤーがいてさ、うちの大将と互角にやりあったらしいんだよ。途中まで一緒だったんだけどリアルで急用ができたってことで抜けちゃったんだよ。」

 

キリト「どういう奴なんだ?そいつって。」

 

「一目しか見てないんだけど....銀髪だって事とトニーって名前くらいしか知らないんだ。」

 

キリト「銀髪....まさかな.....」

 

リーファ「キリト君?」

 

ネロ「??」

 

キリト「ああいや、なんでもない。」

 

「俺が知ってるのはこんなところだ。....さっきの話、ホントだろうな?」

 

キリト「ああ、取引に嘘はつかないさ。」

 

ネロ「右に同じく。」

 

小さめのガッツポーズのように手を握る二人を見てリーファは溜息を吐いた。そうしてサラマンダーの男と別れて、街に向かって歩き始めたがリーファがキリトに質問してきた。

 

リーファ「ねぇ、さっき大暴れしたのはキリト君なんだよね?」

 

キリト「うーん、多分ね?」

 

リーファ「多分って.....」

 

キリト「俺、たまにあるんだよなぁ。戦闘中にブチ切れて記憶が飛んだりとか。」

 

リーファ「は?こわ.....」

 

ネロ「どんな戦闘狂だよ.......」

 

キリト「まぁ、さっきのは何となく覚えてるよ?ユイに言われるまま魔法を使ったら、なんか自分がエライ大きくなってさ?剣もなくなるし、仕方ないから手掴みで.....」

 

ユイ「ボリボリ齧ったりもしてましたよ?」

 

キリト「ああそういえば.....モンスター気分が味わえて、なかなか楽しい体験だったぜ。」

 

リーファ「その.....味とかはしたの?」

 

キリト「焦げかけの焼肉の歯ごたえと風味がしたぜ......」

 

リーファ「ごめん、やっぱいいや.....えーと、あ!?それからネロ君!!あの手って何!?」

 

これ以上聞くのはやばいと思ったのか此方に話題を振ってきた。

 

キリト「あ、それは俺も気になった。あの時、また盾で防がれると思ったらなんか後ろからデッカイ手が飛んできて盾を奪ったと思ったら今度は投げつけるし、まさかその右腕にそんな効果があるなんてな。」

 

リーファ「装備品をつけてるわけじゃないし、何かの魔法?」

 

ネロ「さぁ?俺もユイの指示でやってみたら何か......出た。」

 

リーファ「何か出たって何!?」

 

ネロ「そんな事言われたってわからないんだよ。ユイ、俺の右腕ってどうなっているんだ?」

 

そう言ってリーファの肩に乗っているユイに視線を向ける。

 

ユイ「私も詳しくはわかりませんが、ネロさんのスキルの中に[スナッチ]という項目と内容を確認しただけですのでそれ以外は何も......」

 

ネロ「ふーん?ま、使えるものは何でも使うだけさ。」

 

リーファ「....ユイちゃん。あたし、この状況にもうそろそろ理解できなくなりそうなんだけど......」

 

ユイ「もうお二人に関しては規格外として処理するしかありません。リーファさん。」

 

キリト「...........」

 

そうしているとキリトがリーファに近寄った。

 

リーファ「??」

 

そうしてリーファの手を持ち、口に咥えた。

 

リーファ「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

キリト「ふごぉ!?」

 

ネロ「何やってんだか.......」

 

大きな張り手の音が洞窟内に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後

 

湖の外周で雑談をしながら街に入る三人を見ているフード付きのローブを纏った男が立っていた。

 

???「相変わらずだな........キリト。」

 

そういいながらどこか懐かしむように独り言を呟いた。

 

???「さてと、こっちもそろそろ動きますか。」

 

背中に髑髏の彫刻が彫られた剣を背負いながら街へと歩み始めた。

 

 

 

 

 

 




やっと原作の序盤辺りでを越えてきましたが色々と書いているうちに一万文字越え、結構精神的に疲れてしまいますね。

ひょっとしたらまた次回も1万文字になる可能性があるかもしれませんので少し投稿に時間が掛かるかも知れませんがもうしばらくお待ちいただけたら嬉しいです。

さてさて次回は自分がALO編で尤も興奮した話です。どのように話が進むのか、お楽しみください。

それでは次回またお会いしましょう。
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