待ちに待った時が来たのだ.......
多くの読者の時間が無駄では無かった事のの証の為に........
再び俺の理想を掲げる為、UWまで完結するという目的を成就する為に.....
ハーメルンよ!!私は帰ってきたぞ!!!(大塚明夫ボイス)
活動報告の返信の件ですが
たけしいたけさん
Phyliusさん
ありがとうございます。
特にPhyliusさんのコメントはすごく心の支えになりました。本当に感謝します。
それでは気を取り直して、では第5話!どうぞ!!
ダンテSIDE
あれから翌日、俺は自宅でのんびりとコーヒーを傾けながら昨日のことを思い返していた。
BOB予選決勝戦では我ながらに苦戦してしまった。ステージは荒廃都市の中央、またこれまでのようにサーチ&デストロイの繰り返し作業かと思ったが一向に相手を見つけることができなかったばかりか、
始まってから約30分後に遠距離からの狙撃による奇襲を受けてしまった。狙撃ポイントを定めて向かっても誰もおらず再び奇襲を受ける、いわゆるゲリラ戦法だ。
いつものスタイルに反するが、どうにか裏をかいて相手を見つけて倒せたのはさらに30分後のことだった。
飛鳥「まさかダンボールを使って移動するなんてな........あの世界にも相当なマニアがいたもんだ。」
高校時代、DMCの次にやり込んでいた記憶を思い出し、懐かしむもすぐに切り替える。問題はデスガンの隣にいたあの男、ジョーカーと名乗っていだがおそらくあの鋼鉄の浮遊城で会っているはずだ。
デスガンの正体は既に知っているもののあの男だけは思い出せなかった。デスガンだけを捕らえたとしてもおそらくプレイヤーネームを吐くことはしないだろう。それどころか行方を眩まして捕まえることが困難になってしまう危険性が高い。
飛鳥「.........あの時か。」
かつて、キリトとアスナを含めた攻略プレイヤー達と共に犯罪ギルドの摘発を行った事を思い出す。どうにか攻略組から死者を出さないように動き回っていただがその後すぐに兄バージルとの戦いのせいであまり覚えていない。
飛鳥「.........ま、デスガンの方はキリトに任せてもいいだろう。こっちは好きに暴れていけば自然と向こうが来るはずだ。」
これ以上考えても無意味だと切り替えてBOB本戦に出場する為、病院へと向かった。
シノンSIDE
詩乃「むかつく......むかつく.....むかつく。」
私は公園にて行き場のない苛立ちをブランコの鉄骨に八つ当たりして誤魔化していた。隣にいる同級生の事さえも忘れてただひたすら蹴っていた。
詩乃「むかつくあの男!!」
新川「め、珍しいね。朝田さんがそんなストレートな事を言うのは........」
確かに、普段ならこんなに感情を出すことは無い。自分でも不思議に思うがそれ以上にあの二人には不満が大きかった。
詩乃「だってさ!!図々しくて!!セクハラ野朗で!!格好つけてて!!大体、わざわざGGOに来てまで剣で戦わなくてもいいじゃないのよ!!それに最初は女の子のフリをして私をショップに案内させたり、装備選ばせたりしたのよ!?あーもう!!ホントにむかつく!!まだダンテの方が割り切れるわよ!!」
おまけに予選決勝なんて最悪の一言だった。最初は戦意なんて皆無かと思って怒ったら今度は生き生きとした表情で決闘する羽目になって負けた。
詩乃「それに!!あの男こそ何なのよ!?ハンドガン二丁であんな無茶苦茶な戦い方を余裕でやってのけるんだもの!!それもたった一週間かそこらでよ!?出鱈目にも程があるわよ!!」
新川「...........」
詩乃「何?新川君?」
新川「あ、いや、珍しいというより初めてだから......朝田さんが他人の事を.....それも一人に対してそんなに言うなんて。」
詩乃「え?そう?」
新川「うん。朝田さん、普段はあんまり他人に興味ないって感じだから。」
詩乃「......私、怒りっぽいのよ....これでも.........」
新川「?......そうなんだ?じゃあさ、どっかフィールドで待ち伏せて狩る?」
詩乃「へ?」
新川「狙撃が良ければ僕が囮になるし、でもやっぱり仕返しするなら正面戦闘がいいよね。腕の良いマシンガンナーなら直に2、3人集められるよ!!」
詩乃「あ、えっと.....ううん、そういうんじゃないの。なんて言うか.......あの二人、むかつくけど戦いだけは馬鹿正直な奴等だからさ。私もフェアな条件で堂々とぶっ飛ばしてやりたいのよ。今日の本大会では今度こそあの紛らわしいのと銀髪のアバターに風穴を開けてやるんだから。」
予選決勝での出来事もそうだったがダンテと初めて遭遇した時、あの余裕の笑みを浮かべた表情を思い返すとますます苛立ちを覚える。
詩乃「ッ~~~!!」
新川「あ.........」
詩乃「覚えてないさいよ!この借りは絶対2倍返しにしてやるから!」
収まりきれないこの感情にブランコから立ち上がり、その決意を言葉にする。すると新川君が不思議そうな顔でこちらに歩み寄ってくる。
詩乃「な、何?」
新川「そ、その......大丈夫なの?そんなことして.......」
詩乃「へ?」
気がついたら、いつの間にか右手で銃の形をして構えていた。幼い頃のトラウマの所為で銃に関係することは全部拒否反応を引き起こしていたはずなのに.......今は不思議と冷静でいられた。
詩乃「あ、うん。なんか......怒っているからかな?平気だった。」
新川「そう..........朝田さん。」
詩乃「!!?」
彼はそう納得すると今度はいきなり両手を握ってくる。いつも知っている友人なのだが突然の行動により少し戸惑ってしまった。
詩乃「ど、どうしたの?新川君?」
新川「なんだか....心配で......朝田さんがいつもの朝田さんらしくないから......」
詩乃「いつもの私って言われても........」
新川「朝田さんっていつもクールで超然としててさ......何にも動じないで、僕と同じ目に遭っているのに僕みたいに学校から逃げたりしないしさ。強いんだよすっごく。」
詩乃「強くなんかないよ?私......君も知っているでしょ?銃とか見ただけで発作が.......」
新川「シノンは違うじゃない。シノンはあんな銃を自在に操ってさ、僕、あれが朝田さんの本当の姿だと思うな。きっと、現実の朝田さんもああなれるよ。だから.......心配なんだ.....あんな男の事で怒ったり、動揺している朝田さんを見ていると........僕が.......僕が力になるから!!」
そういって彼は真剣な眼差しで私を見ていた。気持ちは嬉しかったけど.......違う。
詩乃(私だって、ずっと.....ずーっと昔には普通に泣いたり、笑ったりしてたんだよ?............なりたくて.....今の私になった訳じゃないんだよ?)
そう心の中で呟いていると今度は抱きしめられた。
新川「朝田さん........」
詩乃!!?」
なぜかそう呼びかけられて急に体の中から不快な何かに襲われ、突き放した。自分でもなぜそうしたのかわからないまま彼を見るとどこか寂しそうな表情をしていた。
詩乃「ご、ごめんね?そう言ってくれるのはすごく嬉しいし、君の事はこの町でたった一人、心が通じ合える人だって思ってる。でもね....今はまだそういう気分になれないんだ......私の問題は私が戦わないと解決しないって思ってるから.......」
新川「........そう。」
詩乃「だから....それまで待っててくれる?」
すると彼はさっきよりも悲しい表情で頷いてくれた。
詩乃「......ありがとう。」
キリトSIDE
直葉「お兄ちゃん♪」
和人「ん?」
俺は朝食のサラダのトマトをフォークで刺して口に運ぼうとしたその時だった。向かい側に座る妹が呼びかけによりてが止まる。
両肘をテーブルに突いて笑顔を両手に乗せている。
和人「と、突然なんだよスグ?」
直葉「あのね?あたし、今朝こんな記事を見つけたんだけどね?ここのところなんだけど........」
妹がタブレットを取り出した。そこにはGGOのBOBによるトーナメント情報が記載されており、指を刺した所にはKiritoと書かれていた。
和人「へ、へぇ~?に、似たような名前の人がいるもんだな?」
直葉「似たような、じゃなくて、まったく同じだよね?」
和人「お、同じと言えば同じかな?........あで、でもありがちな名前だしな?俺だって本名の省略だしさ?きっとそのGGOのキリト君もき....き、桐ヶ峰藤吾朗とか....そんな名前なんだよきっと。」
どうにか誤魔化してトマトを口に運び、話題を変えようと頭の中で試行錯誤するも満面の笑みの妹による次の一手で思考停止してしまう。
直葉「ふ~ん?じゃあこれは?」
次に示したところにはDanteと書かれていた。
和人「へ、へぇ~?まさかこんな偶然があるもんだな?今度飛鳥にも教えてやるとするかぁ。」
直葉「お兄ちゃん?」
和人「........ごめんなさい。」
妹が笑いながら問い詰めるがその表情とは裏腹にすごい威圧を向けてくる。こうなったらもう観念する選択の他なかった。
直葉「あのね、本当はお兄ちゃん......キリト君とダンテさんがGGOにコンバートしたの知ってるの。」
和人「え?」
直葉「フレンドリストからキリト君が消えてるのにあたしが気づかない訳ないでしょ?おまけにデビルメイクライに行ってもダンテさんは一向に姿が見えないってネロ君も言ってたし。」
キリト「リストなんてそんな毎日見るもんでも....」
直葉「見なくても感じるもん。」
和人「..........」
直葉「あたし、昨日の夜にキリト君がいなくなっていることに気付いて直ぐログアウトしてお兄ちゃんの部屋に突撃しようとしたんだ。でも、お兄ちゃんが何の理由も無くあたしに黙ってALOからいなくなるなんてありえないよね?..........事情があるんだろうなって思ったからまず明日奈さんに連絡してみたの。」
和人「.......そっか。」
おそらくアルバイトという形で聞いているのだろう。内容は俺と飛鳥しか知っていないはず。ふと昨晩での明日奈とのやり取りを思い出した。
明日奈{ごめんねぇ?夜遅くに電話しちゃって。}
和人{大丈夫だよ。それに丁度俺も.......ああいやなんでもない。}
明日奈{あのねぇ.....そこまでいったなら全部言っちゃいなさいよ。}
その正論に対して返す言葉も無かった。
和人{そ、その......丁度俺も明日奈の声を.......聞きたいなって。}
明日奈{よく出来ました♪}
和人{........ハァ}
ふとため息を吐きながらベットに横になってしまった。
明日奈{どうしたの?}
和人{ああいや、別に。}
明日奈{コンバートしたゲームの中で何かあったの?}
和人{!?........そうじゃないんだ。ただ.......}
明日奈{........アルバイト、大変なら私も手伝おっか?}
和人{ありがとう。でも、明日奈までコンバートしちゃったらユイが寂しがるから。こっちにはダンテもいるから大丈夫だよ。}
明日奈{........本当に大丈夫?}
和人{ああ、直ぐに帰るよ。}
明日奈{何かあったら何でも言ってね?ダンテさんにもよろしく伝えてね?}
和人{うん......じゃ、おやすみ。}
明日奈{おやすみ。}
そこで明日奈との通話を終了した。
和人{............}
明日奈を巻き込む訳にはいかない。あの男、それにもう一人の男もBOB本戦に出てくる筈だ。俺が決着をつけないと.......これは......俺とダンテの問題だ。
俺はバイクで再び病院へと向かっていた。そんな中、アインクラッドでの出来事を思い返していた。鳴り響く金属のぶつかる音、悲鳴にも似た叫び声、命を奪ってくる者の姿、それが今になって鮮明になって蘇ってくる。
デスガン{この.....名前.......あの.....剣技......お前.....本物....なのか?}
GGOで遭遇したあのマスクのプレイヤー、デスガンの姿が浮かび上がる。
デスガン{キリトか.......}
{キリトか.......}
{キリトか.......}
{キリトかぁ!!!}
今まで俺が殺めて来たプレイヤーが血を流した顔で睨んでくる。そんなイメージが頭の中から払拭することが出来ずにいた。そして次には今まで戦ってきた仲間、ダンテの姿が見えた。とても悲しそうに、泣いているのだろうかと思えてしまう寂しそうな後姿でそのまま暗闇の中に消えていく。
キリト「.......ッ!!」
俺はただひたすらにグリップを捻り、エンジン音を大きく鳴らして加速させた。
ナツミ「これで良しっと!........ん?どうしたの少年?怖い顔しちゃって。」
前回同様の病室にて看護士の安岐ナツミさんが作業を終えたのかこちらの脛を軽く蹴って声を掛けてきた。
和人「あ.....いえ、何でも.......」
ナツミ「折角無料で美人ナースのカウンセリングをしてもらえるチャンスなんだから、ほれ、ブチ撒けちゃいなよ。」
自分で美人というか?っとつい苦笑いしてしまった。
和人「それは断ったら罰が当たるってもんですね。」
ふと間を置いて言葉を捜す。向こうは穏やかだけどさっきのふざけた表情とが嘘の様に真剣な眼差しでこちらを見ている。
和人「あの......安岐さんはリハビリ科の前は外科に居たんですよね?」
ナツミ「そうだよ?」
和人「えっと、不躾って言うか....ものすごい無神経な質問だと思いますけど..........亡くなった患者さんの事ってどのくらい覚えてるものですか?」
ナツミ「そうだねぇ......思い出そうとすれば顔も名前も浮かんでくるねぇ。ほんの一時間、同じ手術室に居ただけの患者さんも.......うん、覚えてる。」
和人「......忘れたいと思ったことはありませんか?」
ナツミ「うーん、そうだね.......これは答えになってるかどうかわからないけど、人ってそれが忘れるべき事ならちゃんと忘れてしまうんじゃないかな?忘れたいと思いすらしないで。だってさ?忘れたいと思いたい回数が多ければ多いほどむしろその記憶は大きく、確かなものに成っていくでしょ?なら心の奥底、無意識の中では本当は忘れちゃいけないものなんじゃないかな?」
和人「.......それなら俺はとんでもない人でなしですね。」
ナツミ「??}
和人「俺はSAOの中で、プレイヤー.......人を3人殺してるんです。」
ナツミ「..........」
和人「彼らは全員レッド、殺人者だったけど殺さずに無力化する選択肢が俺にはちゃんとあった。でも俺は彼らを殺しました。怒りや憎しみ、復讐心だけで剣を振るった。そしてこの一年間、彼らのことを綺麗に忘れていたんです。こうして話している今も残りの二人の顔と名前も思い出せない。つまり俺は、この手で殺した相手の事すら忘れてしまう人間なんです。」
俺は心の中にあるものを全て吐き出すように愚痴を零した。すると安岐さんはゆっくりと抱きしめてきた。
ナツミ「ごめんね桐ヶ谷君、カウンセリングするなんて偉そうなこと言ったけど、私には君の抱えてる重荷を取り除く事も一緒に背負ってあげる事も出来ない。私はソードアートオンラインをやったことが無いから........君の使った殺すって言葉の重さは量れない。でも、これだけは分かるよ。君がそうしたのは、そうしなきゃならなかったのは誰かを助ける為なんでしょ?」
和人「え?」
ナツミ「医療でもね、命を選ばなきゃいけない場面があるの......もちろん、正当な理由が有っても殺して良いって事じゃないよ。でも、その結果で助かった命の事を考える権利は関わった人皆にある。君にもある。君は自分が助けた人達を思い浮かべる事で自分を助ける権利があるんだよ。」
和人「自分を.....助ける権利?」
彼女言っている事は理解できても心の中ではどこか否定してしまう自分が居る。どう判断すれば分からなくなってふと目頭が熱くなり、視界が歪んだ。
和人「でも.....でも俺は!!殺した殺した相手を忘れてしまったんだ!!重荷を!義務を放り捨ててしまったんです!!だから!!!救われる権利なんか________!!」
離れて咄嗟に大きな声で訴えるも言葉を紡ぐ前にまた抱き寄せられた。そして彼女から優しくそれを否定するように囁いた。
ナツミ「本当に忘れてしまったなら、そんなに苦しんだりしないよ。」
和人「ッ!?」
ナツミ「君はちゃんと覚えている。思い出す時が来たら全部思い出す。だからね?その時は一緒に思い出さなきゃ駄目だよ?君が守り、助けた人が居るんだって事を.......」
その言葉でふと最愛の人の事が脳裏に浮かんだ。
明日奈{何かあったら遠慮なく言ってね。}
俺はいつの間にか心の中にあった泥が綺麗に流されていった。
その後
俺は安岐さんに愚痴を零し、胸の中にある重石が取れたその直後だった。
カシャ
入り口の方から何かシャッター音が聞こえ、視線を向けると悪友飛鳥がスマホをこちらに向けていた。
飛鳥「..........」
和人「..........」
ナツミ「あら///」
飛鳥「........さてと。」
すると飛鳥は振り返ってスマホの画面を弄り始めた。
和人「ま、待て飛鳥!!一体何する気だ!?」
飛鳥「決まってるだろ?明日奈に今の写真を送るんだよ。」
和人「冗談じゃない!!本気で殺されるから!!!安岐さんも何か言ってくれ!!」
どうにか弁明の余地を求めて先ほど会話していた人の助言があればと思ったが.......
ナツミ「やだ~////若い男女の三角関係にお姉さん巻き込まれちゃう~//////」
頬に両手を当て、わざとらしく体を左右に揺らしている........先程よりも絶望的な状況に陥ってしまった。
飛鳥「和人.......この状況でどう説明するんだ?」
和人「だから......違うんだってば~~~~~~~~~!!!!!」
いつもと変わらない昼間の病院の中にて一人の少年の叫びが響いた。
皆様、大変お待たせしました。
ようやく前回の続きを始められる程度には回復しましたので投稿ペースは少し落ちると思いますが頑張っていきたいと思います。
べ、別にガンダムバトオペ2に気を取られていた訳ではありませんよ?(汗
できれば感想をくれたら私個人としては今後の作品制作の励みになりますのでお願いします。(土下座)
それでは皆様、またお会いしましょう。
ご通読ありがとうございました。
今更なんですがソードアートオフラインみたいなシリーズを書こうかなぁ?と思ってますが、皆様の意見が聞きたいのですがいかがでしょう? 〆切は~9/30まで!!
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私は一向にかまわん!!!
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駄目だ!!(日本兵ボイス)