それから本作品にて少しばかり変更点がありまして感想欄ではログインユーザーのみ受け付けておりましたが、本日から非ログインの方でも感想を書けるようにしたので是非書いていただければ作者である私自身の制作意欲に大きく影響されますのでどうかよろしくお願いします!!
あ、ちなみに出来れば評価の方も書いていただければなお嬉しい限りです笑
それでは第3話!!どうぞ!!
「久し振りだね~ダンテちゃ~ん?」
忘れたくても忘れられない声が自分の端末から響いてくる。当然、悪い意味で。
「BOBの時以来だね。またお話が出来そうで嬉______」
何の躊躇もなく通話を遮断をしたのは人生初めてだ。普通であれば相手に端編失礼な行為になるはずなのだが、今は微塵も感じられない。
これ以上は関わりあいたくないのだがすぐさま同じ番号が表示され、コール音が鬱陶しいくらいに鳴り始める辺りから向こうはそうでもないらしい。
再度切るもたった数秒で振出しに戻ってしまう。百歩譲って美女ならまだ可愛げがあるほうだが、野郎からのそれには嫌悪感しか感じられない。それも性格が歪みきった爆弾魔であれば尚のことだ。
そう考えながらも既に10回目のループを繰り返している。
流石にこれ以上繰り返しても進展はないだろう。
億劫な気持ちを吐き出すように深呼吸.......もとい、特大の溜息を吐き出しながら再度応じることにする。
「ひどいなー、ダンテちゃんってば結構ツンデレなんだねぇ?」
全身の神経を逆撫でされるような不快感をどうにか吹き飛ばしながらスマホを握り壊さないように細心の注意をしなければならない。なにせこの間のルナの騒動の所為で常人ならとっくに胃に穴が開きそうな現状をどうにかやり過ごしているんだ。今は感情的になってしまっては向こうの思うつぼになってしまう。
「グリムちゃんはいつでも元気だけど、ダンテちゃんの方はど・う・か・な?」
こちらの都合などお構いなしにマイペースで話し続けるピエロは狂った口調で話しかけてくる。取り敢えずこの通話が終わったら
最寄りのケータイショップでモニターの修理を頼むことにしておこう。まだ少しだけ割れた程度、すぐに直る筈だと思いたい。
「だったら直接会いに来い。そしたら教えてやる。」
「あーそれも凄くそうしたいんだけどね?ちょっと今大事なお仕事で忙しいの♪今近くまで来ているんだけどちょっと無理そうだったからちょっとした挨拶をね?」
「そうか、だったらその有難迷惑な声が聞こえなくなるようにしてくれればかなり助かるな。」
「そんなこと言わないでよ♪こっちはダンテちゃんの活躍を記事を見るだけで我慢していたんだよ?」
おそらくは闘技場の大乱闘や日常的に起きている猫コンビの破壊活動の事を言っているのだろう。あれを活躍というのはどうだろうか?
「でね?でね?ハンカチを噛み締めていたらなんとなんと!?ニホンに出張することになったって上司から言われてね?それはもう嬉しくて嬉しくて!!!」
色々と問いただしたいところはあるが恐らく.......というより絶対答えるつもりはないだろう。そして今日中になったら新機種に交換することがたった今決定事項となった。それだけは言える。
「今ダンテちゃんが住んでいる所って今フェスティバルをやってるんだよね?いいねぇいいねぇ♪楽しそうだなー♪」
あながち間違ってはいないのだがこいつにとって普通の祭りを楽しむという感性があったことにひどく驚いている。
それにしても最近のスマホはすごいものだな、これだけひび割れて今にもへし折れそうだというのに快適に通話することが出来るとは、人類の叡智とやらを今一度再認識する必要があるみたいだ。
「でねでね?グリムちゃんも何かダンテちゃんにプレゼントしたいわけよ♪」
「要らねぇよ。」
「相変わらずクールだねぇ?でももう送っちゃったから受け取ってもらわないと困るんだよねぇ?」
「.........何?」
端末から僅かに聞こえてくる。GGOにて第3回BoBの決勝戦の時に聞いたあの不気味な笑い声が............
「そういえばダンテちゃん、何でも妖精の国で随分と可愛い娘と一緒に行動しているんだねぇ?どこかのスナイパーちゃんの時を思い出すよ~♪ねぇ?ダンテちゃん?」
グリムが言ってるのは十中八九シノンの事を指しているのだろう。かつてデスガンと呼ばれていたラフコフの元メンバー、赤目の
何人も名のあるプレイヤーがその毒牙に侵され、命を奪われていき、その次の標的はシノン............詩乃だった。
妖精の国で共に行動している少女、その言葉ですぐに頭の中で木綿季の姿が思い浮かび上がり、最悪の憶測が脳裏を襲う。
「そこでグリムちゃんの特製花火を用意してみたんだよネェ♪喜んでくレるカなぁ?」
「...........てめぇ。」
「
きっと奴は気色悪い高笑いを上げているだろう。通話を切り、連絡先から和人の番号にコールをかける。
本来なら木綿季本人に警告するべきなのだろうが、いくら何でもあのデスガン事件の犯人の一人がお前の命を狙っているなんてすぐにはいそうですかと冷静に判断出来る筈がない。
ならば同じ
『もしもし、どうかしたか飛鳥?』
数秒の間をおいて応答した和人、向こうは未だ祭りを楽しんでいる最中なのか素っ頓狂な声色が端末から聞こえてくる。
「おい、木綿季は近くにいるか!?」
『あ、いやついさっきトイレに行くって祭りの少し外れた所で別れたが、それがどうかしたか?』
「クソッ!!」
『さっきから何_____』
向こうの問答に答える余裕はなかった。奴は仮想世界だけでなく、現実でも奴が最も好む方法で回りを騒がせようとする。ふざけた態度やおかしな言動は虫唾が走るが、そういう点では必ず実行するというある意味では信頼にも近い印象がある。だとすれば最早事態は一刻を争うのだ。
急ぎ彼女が居る場所に向かわなくては。
「飛鳥、まだ戻ってこないのかな?これじゃお祭りが終わっちゃうよ。」
スマホの画面で時間を確認する。わかっていたが飛鳥と共に祭りに参加してからかなりの時間が経過していることは直感で理解していたがやはり楽しい行事を迎えると瞬く間に終えてしまう。そういった意味では全力で楽しめた証ではあるのだろうが、なんとも感傷的な気分になってしまう。
「きっと仕事の話が長引いているんだよ。その内ひょっこりと戻ってくると思うからもう少し歩いて待ってよっか。」
「............」
「和人君?どうかしたの?」
「あ、いや、何でもないさ。」
「最近、和人君なんか隠してない?」
「え?そう....かな?」
「うん、なんか顔が暗いっていうか、怖いっていうか........」
「き、気の所為だよ。気にし過ぎだよ明日奈は。」
「ホントかな?なんか二人がそんな雰囲気だと何か起こりそうでちょっと不安だよ。」
「ア、アハハハ........否定出来ないな。」
言われてみればここ数日、和人もそうだが飛鳥にも同じことが言えた。仕事から終わったと思って一緒に遊ぼうって言えば急にキクオカって言う人から連絡が入ってどっか行っちゃうし、帰ってきたら帰ってきたでいつものように寝ちゃうし、ここ最近様子がおかしいとは思うけどあの真剣な表情を見てしまうとどうしても聞く事を躊躇ってしまう。
「あ、ごめんちょっとお手洗いに行ってくるね?」
「うん、暫くここで待ってるね。」
流石に飲み食いし過ぎてしまったのか急に襲われるそれに応じる為に和人達と別れ、少し離れた手洗い場に向かうことにする。
「.............大丈夫かな。」
ふと何気なくスマホを取り出し、飛鳥に連絡しようと指先で操作するけれども..........
[お掛けになった電話番号は現在、電源が切れているか、電波の届かない場所にいます___]
耳元に聞こえてくるのは機械質な音声が応じるだけだ。
「おかしいな、うーん.........まだ話が終わっていないのかな?」
再びスマホを懐に仕舞いこみ、今は目先の目的を済ませてしまおうとしたその時だった。
「木季綿!!」
不意に大声で自分の名前を叫ばれてしまった所為か、思わず体が驚愕してしまいそうになった。けれどそれが聞き覚えのある声であることも瞬時に理解できた。
振り返るとそこには数十分程、別行動をしていた飛鳥だった。
しかし、奇妙なことに普段はいつも冷静な風貌をしている筈なのに今目の前にいる彼は呼吸が乱れ、少しばかり汗が滲み出ている。
「あれ?飛鳥?そんなに慌ててどうし_____」
こちらが言い切る前に何を察知したのだろうかその表情はとても険しく、一瞬慄いてしまう程だった。
そして何も言わずこちらに全力で走り寄ってきたのだ。飛鳥の突発な行動にこちらは益々戸惑うばかりだ。
やがてお互いの距離は手に届く所まで迫り、このままでは衝突してしまうと反射的に両腕で身構えてしまうが向こうはそのまま体当たり.........してくることはなく、そのまま抱き寄せ、勢いを殺さないまま宙へと飛ばされた。
彼の奇妙な行動を理解出来ず、頭の中は思考が色んな意味でめちゃくちゃになりそうだった。
しかし、次の瞬間に起きた禍々しい閃光と嵐にも似たような荒々しい風と衝撃によって上書きされてしまう。
漸く思い出せた................
何故ボクは今こうして真夜中の病院で無気力にすわりこんでいるのかを。
現実逃避したかったのだろうか?悲しみも、焦りも湧いてこない。こんな事起こる筈がないと、夢の中の出来事だと..........
或いは期待しているのだろうか?彼が何事もなく手術室から出てきて、皮肉を交えたジョークを口にして茶化してくるのではないかと............
気が付けば病院の手術室の目の前で赤いランプに照らされていた。
きっと今頃外は夜になっているのだろうか清潔感が保たれた廊下がひと際肌寒く感じる。
「__乃さ___居ま__!!」
あっという間に楽しかった祭りの時と比べ、たった数分でさえも長く感じてしまう。
「___!?__綿!?何が_____なさい__!!?」
始めて会った頃はこちらが病院に縛られていた筈のに今は逆の立場になってしまっている。
あの時も嫌になる位の孤独感に苛まれてしまう日々を送っていた筈なのに表現しがたい喪失感と虚無感が押し寄せてくる。
「木季綿!!しっかりしなさい!!一体何があったっていうの!!?」
怒号にも似た大声と共に思いっきり上半身を引っ張り上げられた。目の前には一緒にALOで一緒に戦っている弓プレイヤーのシノンこと朝田詩乃が息を切らし、鋭い眼光が大きく揺れながらこちらを捉えている。どうやら彼女に両肩を掴まれている。
「ちょ、ちょっと詩乃さん!?乱暴にし過ぎです!!木季綿ちゃんも気が動転しているんですよ!?」
後から駆けつけて来たツインテールの少女もまたシノンと共に一緒にデビルメイクライにて一緒に戦っているダガー使いのビーストテイマー、シリカこと珪子が詩乃を宥めている。
数秒置いて乱れていた呼吸が戻っていくと同時に彼女の両手から伝わってくる力が徐々に抜けていくのが分かる。
詩乃の行き場のない怒りと焦燥から解放されるも未だに足腰に力が入らないのか骨が抜き取られたかのように冷たい床に座り込んでしまう。
それでもまだこの状況に納得出来ていないのか手術室の赤いランプ見ながら下唇を噛み締めている。
彼女はGGOにて起きた殺人、デスガン事件の被害者であり、当時はダンテと共闘し、打ち勝った。それ以降は店にて一緒に行動していた。
病気が治って一緒に店で活動してからというもの二人が仲良くしている所は見たことがない。それどころかお互い皮肉じみた罵り合いをしたり、女性の依頼者が来れば何かと騒動が起きてしまう。一見仲が悪い、犬猿の仲というべきなのだろうか取り敢えずそんな風に見える。
けれど、いざ依頼で強いモンスターとの闘いとなれば店での口喧嘩をしていた姿と裏腹にまるで劇を行っているかのようにスタイリッシュに、無駄のなく、あっという間に終えている
本人もダンテもお互いの事をあまり口にはしないけど何となく互いの背中を預けているというべきか、そんな無音の信頼が二人の間に感じていた。
だから納得出来ないのだろう、彼が、飛鳥がこんな目に遭うなんてありえないと..............
「............しっかりしなさいよっ!」
消えそうな声量で扉の向こうにいる彼にそう呟いていた..........
「..........」
そして更にこの日から数日後の話だ。
明日奈の恋人であり、仮想世界では黒の剣士という二つ名を持っていたキリトこと和人も何者かの襲撃を受け、緊急搬送されると明日奈から連絡があった。
そして、未だに目覚めることのない彼等が忽然と姿を消してしまった..........
漸く.......漸くアンダーワールドに突入することが出来る..........
さて、取り敢えずは........久しく忘れていたであろう修羅場要素をまたぶち込まねばならぬのか...............
これにてストック切れとなってしまった為、次がいつになるかは未定です。
ですが現在も最新話を制作中ですのでしばしの間お待ちください!
ご通読ありがとうございました!!